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オンラインでもオフラインでも、
「人と人をつなぐ」ために
空間をデザインする

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オンラインでもオフラインでも、
「人と人をつなぐ」ために空間をデザインする

ソニーマーケティング*1およびソニーグループクリエイティブセンター*2は、『テクノロジー・デザイン・コンテンツ』の力を掛け合わせ、スポーツスタジアムや様々な企業に空間プロデュースを共同で行っている。空間を通じて「人と人をつなぐ」*3業務を担う社員に、顧客課題の解決方法や、ソニーらしい空間の実現方法、また、提案を実現させる秘訣やそれら取り組みに対する想いについて聞いた。

*1 テレビ、カメラ、オーディオやスマートフォンなどのソニーのエレクトロニクス製品のマーケティング・セールスおよび左記に付帯する諸業務を提供している会社。
*2 ソニーグループのインハウスデザインチーム。エレクトロニクスからエンタテインメント、金融、モビリティなどの事業領域に活動の幅を広げ、ブランドやインターフェースを含め、多岐に渡るデザインに取り組んでいる。
*3 当社は「人に近づく」という経営の方向性のもと、エレクトロニクス・イメージセンサー・ゲーム・音楽・映画・金融などの事業ポートフォリオに取り組んでいる

内山 貴之
ソニーマーケティング ロケーションバリュー企画室
企画としてお客さまとソニー側の窓口を担当。
村上 義徳
ソニーマーケティング ロケーションバリュー企画室
実現可能なシステムを構築するなど、技術関連のサポートを担当。
山浦 賢一
ソニーグループ クリエイティブセンター
空間体験の設計やデジタルコンテンツの制作を担当。
庄司 友紀
ソニーグループ クリエイティブセンター
コンテンツのUX(ユーザーエクスペリエンス)やUI(ユーザーインターフェース)*をビジュアル化する作業を担当。
*UX: ユーザーがモノやサービスに触れて得られる体験や経験、UI: ユーザーに触れるすべての情報

「テクノロジー×デザイン×コンテンツ」により顧客課題を解決

ー空間や体験のデザインをされているとのことですが、具体的にはどのようなお仕事なのでしょうか

内山:「テクノロジー」「デザイン」「コンテンツ」を掛け合わせて顧客課題を解決することが私たちの目的です。具体的には、外部のお客さまに寄り添いながら「場の価値を高める」というミッションのもとで、スポーツスタジアム・アリーナや企業さまとコラボレーションし、新しい価値創造をめざしています。
そのために、ソニーマーケティング ロケーションバリュー企画室(LV室)とソニー クリエイティブセンターがタッグを組んでいます。

山浦:クリエイティブセンターには、グラフィックやUX・UI担当、リサーチャーなど、多様な専門性を持った人が集まっています。こうした専門性をかけ合わせることで多角的なアイデアを生み出し、また可視化することによって議論の促進をめざしています。このように、制作はクリエイティブセンターが担当できますが、企業との折衝などといったビジネス部分をLV室に担当していただくことで、よりよいアウトプットの創出をめざしています。

内山:イメージとしては、まず私のようなLV室のプロデューサーが、「こういうのができたらおもしろいですね」というストーリーをお客さまと考えます。そして、それが技術的に実現可能かどうかを村上さんのような技術部隊が検証し、クリエイティブセンター側で実際にコンテンツとして表現する、といったプロセスで企画を提案・実行しています。

これまでの主なプロジェクト

【広島東洋カープ:ライブ応援システム】

遠隔地のファン(左側)とスタジアムの観客(右側)をライブ中継でつなぐ「ライブ応援システム」

2019年2月に、広島東洋カープさまの「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」に、遠隔地連携や顔認識機能を備えた、新しい映像送出システムを納入。大型ビジョンに遠隔地のファンとスタジアム内の観客を投影することで、世代を超えて楽しんでいただけるエンタテインメントソリューションを提供し、観戦体験の向上をサポートしました

ーこの「ライブ応援システム」を通じて、何を実現したかったのでしょうか

村上:広島東洋カープさまには「3世代で観戦を楽しんでもらいたい」という思いがありました。そこで、スタジアムに来ることができない遠方からのお客さまにも、スタジアムで一緒に応援しているような感覚を簡単に味わってもらえないかと考えたのです。
結果的に、お客さまのビジョンに寄り添ったソリューションを提供することで「場の向上」を行い、さらに持続可能なパートナーとして選んでもらえたと思っています。今回の事例をモデルケースとして、スタジアムやアリーナなどのエンタテインメント施設で今後さらにソリューションビジネスを拡大していく予定です。来年には新たに、もう1スタジアムが我々のソリューションを活用しているかもしれません。

ーコロナ禍でこのようなシステムの市場が拡大していますが、ソニーの技術によってどのような差別化ができるのでしょうか

村上:ソニーにはAIを活用した技術の知見がたくさんあるので、たとえば、顔を意図的に抽出して表示させるといったこともできます。ソニーならではの新たな技術を取り込んでいくことで、より感動をもたらす映像演出が行えるのではと思っています。

【ファンケル 元気ステーション】

2020年8月にオープンした「ファンケル 元気ステーション」に、エンタテインメントコンテンツを納入。ファンケルさまは、「たのしく生きる、健康 100 年時代」をスローガンに、生涯にわたる健康づくりのパートナーであることを企業の目的としています。そのため企画にあたっては、健康の3本柱である「食事」「運動」「休息」に沿いながら、ゲーム感覚で楽しめる6種類のコンテンツを制作するとともに、フロア全体を通して「健康のあり方や生活について知ることができる」ストーリー形成をめざしました。

ープロポーザル案件(企画競争)だったとのことですが、どのような戦略で受注にいたったのでしょうか

内山:一つひとつのコンテンツの内容を説明するのではなく、「来場者がどんな体験をし、その体験を通じてどんな気持ちに変化するのか」といったストーリーを提案することで、ご指名をいただきました。
庄司さんは、「この空間を訪れた人が、どんな気持ちでどんな時間を過ごしてもらえば正解なのか」といったことを考えていましたよね。

庄司:そうですね、「この空間を通じて、楽しみながら元気な気持ちになってもらう」といったストーリーを意識して設計しました。
来場者と企業担当者の両方にとって、ストーリーを伝えることは有益だと考えています。たとえば、企画を提案する際も、「このコンテンツは光ります!」と説明するよりも、「光ることによって、来場者の方には元気になって帰ってもらえます」と伝えるほうが、イメージが湧きやすいのではないでしょうか。企業担当者の方がデザインやテクノロジーに精通しているとは限らないので、わかりやすく伝えられるよう工夫しています。

内山:近年は、モノやソリューションのコモディティ化(一般化)が加速していて、ストーリーや物語に共感する人が多くなっていると思います。そのため、「ストーリー」や「コンセプト」を重視することで、ソニーらしい付加価値を付けていくことができると考えています。

【NTTドコモ:「5G/5Senses~気配を伝える近未来~」】

2020年1月に開催された「DOCOMO Open House 2020」にて、NTTドコモさまとの共同ブースを出展。「5G/5Senses~気配を伝える近未来~」と題したブースでは、「5Gで『気配』を伝える」というコンセプトのもとで、音や光、振動などを通して2つの空間をつなげる体験型の展示を行いました。

ーコンセプトムービーを制作される上での苦労はありましたか

山浦: わかりやすく、見ていて心地よい気配の表現が難しかったです。また、「相手の視聴環境を設定できない」というオンラインならでの難しさも痛感しました。

「プレゼンテーションはラブレター」

ーソニーらしいデザインと、お客さまのデザインがぶつかるときはないのでしょうか

庄司:「ソニーらしさ」と一口にいっても、「見た目」と「コンテンツの中身」の二つがあると思っています。たとえば、ソニーらしいクールでスタイリッシュなデザインがお客さまの好みじゃなかったとしても、中身の部分にSony Design Philosophyを取り入れながらソニーらしさを実現できるのではないでしょうか。

内山:「ソニーらしさ」って人によって違うと思うんですよね。ただ、お客さまだけでは思いつかなかったようなアイデアを、一緒に出し合いながらアウトプットを出せたことが一種のソニーらしさなのかなと思っています。ソニーらしさとお客さまの要望が融合して、よりよい価値が生まれたということですね。

庄司:私たちはこうしたプロセスを、「クリエイティブコラボレーション(お客さまの専門知識を深く引き出し意見を交わし合いながら、新しいアイデアを一緒に生み出していく共創プロセス)」と呼んでいます。この仕事の楽しいところは、最初は想定していなかったような刺激がたくさん入ってくるところです。ソニーの常識にとらわれずに、新しいクリエイティビティを生み出すことができるので。

ーお客さまへの提案を成功させる秘訣はありますか

内山:私は、提案はあくまでも「すり合わせ確認会」で、プレゼンテーションはラブレターだと思っているんです。
たとえば、誰かをデートに誘うときに、趣味をまったく知らないのに「僕と野球を見に行きませんか?」と誘っても、「私はサッカーが好きなので……」と断られる可能性がありますよね。どれだけ綺麗な字でラブレターをしたためても、相手の想いを理解しないと、意味がないと思います。人によって好みや求めていることは違うので、提案前にいかに情報をたくさん入手して、相手のことを理解し、その先をイメージしておく事が大事だと思います。

ー業務上、お仕事柄ブレストの回数も多いと思うのですが、心がけていることはありますか

内山:デジタルテクノロジーが進化している昨今では、技術が発想を追い越す場面が多々あるので、既存の技術にとらわれずに自由な仮説を立てるように心がけています。立てた仮説が実現することによって、「お客さまに新しい価値を提供できるのか、ソニーとしてやる価値があるのか」という部分まで考え、必要な情報を集めながら仮説をブラッシュアップし、企画を立てています。

山浦:私は個人的にポジショニングマップ(市場における各商品・サービスのポジションを、縦軸と横軸のある座標上で表現する手法のこと)をよく使います。

庄司:アイデアを出すことではなく、チームビルディングが目的のブレストも結構あると思うんですよねいます。相手のクリエイティビティを活発化させることが目的で、内容はあまり重要でないケースですね。
結論を出すべきケースでは、終わりに結論が出でるように進行することを意識します。後前者の際は事前に、「全員アイデアを持ってきてください。話さない人がいたらブレストしません!」と伝え、One Teamの意識を持つように心がけています。

村上:エンジニアなので、パソコンで設計図を眺めながらアイデア出しすることが多いですが、発想に行き詰ったときは紙に手書きで図を書いてみると解決できることが多いです。
また、一人でアイデア出しする際は「見落としている部分がないか精査する」というイメージですが、チームでブレストする場合は、「お互いのアイデアをより広げていく」という意識でやっていますね。

オンラインでもオフラインでも、目標は「人と人をつなぐ」こと

ーコロナ禍で、空間プロデュースはどのように変わってきているのでしょうか

内山:コロナ禍で、その場に行かなくてもリアルと同等もしくはそれ以上の体験価値を求めるニーズが増えています。ただ、プロジェクトの施主側としては、「人を呼びたいけど、密になる」という葛藤があります。そのため私たちには、来場以外での収入確保や、国内外の場所と連動することで新しい価値を発見することなどが求められています。現在は、株式会社ソニー・ミュージック エンタテインメントとも連携しながら、その場にいなくてもリアルのような体験をできる仕組みをエンタテインメント施設で実運用させようと、One Sonyで活動しています。

庄司:オンラインライブなども昨今盛んなので、オンラインに対する抵抗は世間的にも減ってきていて、オンラインコンテンツを体験してくれるお客さまは増えてきたのかなと思います。ただ、当然、リアルにはオンラインにはない生の臨場感があります。なので、「リアルを超える体験」をめざすのではなく、「オンラインのよさを生かしながら全く別の体験をしてもらう」という考え方のほうがいいのかなと思っています。

村上:ソニーマーケティングでは、新時代の映像中継システムである「IP Live」という、IPを活用したライブソリューションを扱っています。これによって、ライブ制作において距離と時間を超えて繋がることで、日本と海外をつないで同時セッションなどの新しいワークフローを行うことが可能となってきています。このように、グローバル目線だとできることが増えてくるのではないでしょうか。

ーオンラインという空間で、どのような「ソニーらしい」体験を提供できるとお考えでしょうか

内山:まさしく、ソニーのPurposeである、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」ことが、そうした体験につながると考えています。私はクリエイターでも技術者でもないですが、両者をつなぐ能力、つまり、「仮説を立てて実行すること」には強い自信を持っています。ソニーグループ内の、すばらしい「人」の力を掛け合わせることで、「ソニーらしい」感動体験を構築していきたいです。

山浦:将来的には、オンラインでもお互いの反応がダイレクトに伝わる体験価値を提供できればと考えています。

ー今後の展望や、ソニーグループ社員へのメッセージをお聞かせください

内山:いろいろなイノベーションを創出しやすい環境を、ソニーグループ一丸となって創出していこういきと考えています。LV室としては、モノとコトを掛け合わせて、知の探索を深めていきたいです。

村上:ビジネスをする中で、ソニーが持続可能なパートナーとして選ばれるよう取り組んでいきたいです。そのために、お客さまの想像しているものをより具現化したソリューションの提供をめざしていきます。

山浦:人に伝わり、喜んでもらえるようなアウトプットを心がけていきたいです。

庄司:オンラインになって人とのコミュニケーションが減ってきていますが、これまで以上に他人やお客さまへの好奇心は忘れずに、楽しさを伝えていきたいです。

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