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2004年2月17日

ナノメートルレベルの電気伝導メカニズム解明により 電子移動度の高い有機トランジスタを実現

〜試作液晶ディスプレイで画像表示を確認〜

 ソニー株式会社は、有機トランジスタの研究において、電極から有機半導体層への電気伝導メカニズムを解明し、有機トランジスタの電子移動度を向上させる技術を開発しました。
 この技術を応用した有機トランジスタで各画素のスイッチングを行う2.5インチモノクロ透過型TN液晶ディスプレイでの駆動を確認、米サンフランシスコで開催中のISSCC2004(国際固体回路会議、International Solid-State Circuits Conference, 2月15日〜2月19日開催)で研究発表しました。
 ソニーは有機トランジスタの研究を通じて、印刷によるディスプレイ駆動回路の簡便な製造や、プラスチック基板上へのトランジスタ作製など、将来のディスプレイデバイスなどへの応用に向けた新たな技術開発を進めます。

 ソニーは今回の研究で、有機トランジスタの有機半導体層での電子の通り道(実効的チャネル層)がゲート絶縁膜に接する約3nmの薄い層であることと、ソース電極から有機半導体層への電気伝導(キャリア注入)は、電極がこの実効的チャネル層と接する部分ではスムーズに流れ、それ以外の部分では流れにくいことを解明しました。
 この知見を取り入れ、自己組織化*単分子膜を用いた電極構造を採用することによって、ソース電極と有機半導体層間のコンタクト抵抗を低下させることが可能となり、トランジスタサイズを小さくしていくと電子移動度が著しく低下してしまう、という従来の有機トランジスタの問題を克服、電子移動度を当社比で約 50倍向上させることに成功しました。
 さらに、上記の技術を応用した有機トランジスタを各画素のスイッチングに使用し、2.5インチモノクロ透過型TN液晶ディスプレイ(160×120画素)を動作させることに成功しました。

(自己組織化*:有機分子の性質により、自ら均一な薄膜や構造体を作る技術)

有機トランジスタについて

 近年、半導体材料として、シリコンの代わりに有機材料(炭素を骨格とした化合物)を用いた有機トランジスタの研究が、世界中の大学や企業で盛んに行われています。
 シリコン結晶を微細加工して回路をつくる従来のトランジスタ製造方法と異なり、有機トランジスタでは、自己組織化や、溶媒に混ぜて印刷するといった、簡便な工程で微細な回路を作製することや、フレキシブルなプラスチック基板上に作製したりすることが可能になると考えられています。

研究のポイント

  • 1)有機トランジスタの移動度特性阻害要因と電気伝導メカニズムの解明
     従来の有機トランジスタでは、ゲート長を短くしていくと、電子移動度が著しく低下し、高精細ディスプレイの高速スイッチング素子への応用が困難とされてきました。ソニーはこの原因が、ソース電極と半導体層の間の高いコンタクト抵抗にあると特定し、この部分の電気伝導(キャリア注入)のメカニズムを解析しました。
     その結果、有機トランジスタの有機半導体層における電子の通り道(実効的チャネル層)が、ゲート絶縁膜に隣接する分子数個分(約3nm)の薄い層であることを確認すると同時に、ソース電極から有機半導体層への電気伝導は、電極が実効的チャネル層と接する部分ではスムーズに流れ、それ以外の部分では流れにくいことを解明しました。
  • 2)自己組織化単分子膜を用いた独自電極構造用いた有機トランジスタの開発
    ソース電極とゲート絶縁膜の接着を高めると同時に、ソース電極から有機半導体層への電気伝導を良くするために、ソニーは有機材料の自己組織化単分子膜(薄さ1nm以下)をソース電極とゲート絶縁膜の間に挟みこむSAM*/Au電極構造を考案し、ゲート長を短くしても移動度が低下しないトランジスタ性能を達成しました(図2)。
    (SAM*:Self-Assembled Monolayerの略)

主な仕様

以 上

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