報道資料
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2011年7月26日
〜ソニーの環境中期計画「グリーンマネジメント2010」実績報告〜
ソニー株式会社(以下、ソニー)は、2006年度から2010年度までの5年間の環境負荷低減の数値目標を定めた環境中期計画「グリーンマネジメント2010」の実施期間を終え、事業所から排出する温室効果ガスの総排出量において、2000年度比で約30%の削減を達成するなど、ほぼすべての項目において目標をクリアしました。
なお、この実績値は第三者機関によるデータ検証を経て確定したものです。
ソニーは2006年に温室効果ガス削減に関する絶対値目標を掲げるなど、常に環境の分野で先進的な取り組みを実施して参りました。様々な取り組みの成果により、2010年度のソニーグループの事業所のCO2換算温室効果ガスの総排出量※1は約153万トンでした。2000年度に比べて31%の削減を達成し、「グリーンマネジメント2010」で定めた当初目標値の7%を大幅に上回る削減実績となりました。具体的な取り組みの中には、例えば、製造に使用される地球温暖化係数の高い物質を代替物に置き替えること、最新設備の導入や社内の省エネ診断士による運用の最適化を国内外で広く展開することでエネルギー起因CO2を削減すること、などが含まれています。
さらに、再生可能エネルギーの分野では、グリーン電力証書システムの構築に業界に先駆けて取り組み、現在も国内最大級のユーザーとなっています。
ソニーグループでは、各地域で持続可能なビジネス活動を行い、イノベーションやさまざまなステークホルダーとのパートナーシップによって、環境分野でのリーダーを目指しています。
●欧州
ソニーはヨーロッパのGEMS※4認証を受けたすべてのサイトにおいて、2008年度以降、使用電力の100%を再生可能エネルギーでまかなうことを実現しました※5。また、廃棄物管理に関しては製造事業所における廃棄物のリユース・リサイクル率が2000年度の73%から2009年度までに99%まで上昇しています。また、生産者の責任をより積極的に履行するため、ソニーヨーロッパは「EuropeanRecycling Platform (ERP)」の設立メンバーとなりました。欧州12カ国において、ERPはコンスーマーエレクトロニクス製品の使用後の製品回収・リサイクルの活動を行っています。
●北米
米国においては、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ、ソニーDADC、ソニー・エレクトロニクスおよびソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(以下、SPE)が合計で1億4300万kWhのグリーン電力購入を行いました。これは前記4法人の使用電力総量の49%に相当します。グリーン電力の購入に加えて、ソニーではより環境に配慮した、再生可能な代替エネルギーへの転換を進める一環として、太陽光発電設備の設置も進めています。
加えて、2010年には、SPEがカリフォルニア州・カルバーシティのスタジオ内に10万平方フィートの新棟2棟および駐車場棟を建設するなどのプロジェクトを実施、ソニー・エレクトロニクスはカリフォルニア州・サンディエゴの新本社ビルを建設し、それぞれが全米グリーンビルディング評議会※6によるLEED®※7ゴールド認証を受けました。
●アジア
ソニーEMCS(マレーシア)のクアラルンプールTECでは、梱包材メーカーと協力して段ボール材のリサイクルを行っています。年間約4,014トンの段ボール材が液晶テレビ<ブラビア>のカートンに、約817トンがDVDプレーヤーおよびブルーレイディスク™プレーヤーのクッション材に生まれ変わっています。
ソニーEMCS(マレーシア)クアラルンプールTECおよびソニー・テクノロジー(タイ)アユタヤ工場およびチョンブリ工場では、食物残渣をメタンガスに変換するバイオガスシステムを導入しました。埋め立て等に回される食物残渣の量を減らすのみならず、調理に必要な液体プロパンガス(LPG)の量を減らすことにも寄与します。全体で、115トンの食物残渣、および19トンのCO2排出を減らす効果が得られています。
中国地区のソニーグループ各社は、中国地区の水資源の保全のため、多くの水浄化施策、水使用量削減施策及びリサイクル施策を実施しました。例えば、2009年 には索尼数字産品(無錫)有限公司が、生活排水をトイレの水としてリサイクルするシステムを導入しました。さらに2010年、同社は工業排水をリサイクルするシステムを導入し、製造工程からの排水を処理し、再び製造工程で使用可能なレベルの純水に再生しています。こうした取り組みにより、この5年間で中国地区の生産活動が大幅に増加した中、水使用量の総量を約80万トン(約42%)削減しました。
韓国では、ソニー・コリアが緑色消費者連帯全国協議会と覚書を結び、政府およびリサイクル業者からの協力を得て、電化製品の廃棄量を減らす活動を開始しました。
ソニー・コリアでは学生向けの啓発プログラムを実施し、韓国内の学校100校の環境に関するクラブ活動に所属する学生が、不用電化製品の回収に参加し、友人やコミュニティの仲間に環境保護の重要性を伝える活動を行いました。
●日本
日本では環境配慮製品の創出と環境技術の開発に注力してきました。2009年に民生用テレビとしては業界初で人感センサー※8を搭載した液晶テレビ〈ブラビア〉V5シリーズを発売し後継機でも展開しているほか、2011年には独自開発した再生材使用比率99%以上の再生プラスチック“SoRPlas(ソープラス)”をベゼル(画面フレーム体裁部品)に使用した〈ブラビア〉EX52H他を発売するなど、さまざまな環境配慮製品を国内外で提供しています。また、色素増感太陽電池やバイオ電池など次世代のエネルギー技術の開発にも注力する一方、2009年には水銀をまったく使用しないアルカリボタン電池を量産、また2011年4月には正極材料にオリビン型リン酸鉄リチウムを用いた蓄電池IJ1001Mの量産を発表しました。
ソニーでは、「グリーンマネジメント2010」の実施を終え、2011年4月からは、2015年度末までの目標「グリーンマネジメント2015」※9の達成に向けた施策に着手しています。「グリーンマネジメント2015」の目標は、長期的に「環境負荷ゼロ」を目指すソニーの環境計画“Road to Zero”※10の下、2015年度までにソニーグループとして成し遂げなければならないことを2050年の目標から逆算して明確にしたもので、技術開発から製品のリサイクルまで、製品のライフサイクルのステージごとに定めています。
ソニーは今後も、2015年度目標の達成、および長期的な「環境負荷ゼロ」の実現を目指し、環境への配慮をさらに推進していきます。
(ご参考)ソニーの環境活動について:
www.sony.co.jp/SonyInfo/csr/eco/