報道資料
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2011年12月5日
「紙から発電するバイオ電池」を体験できる子ども向けワークショップを開催
ソニーは、2011年12月15日(木)から17日(土)まで東京ビッグサイトにて開催される「エコプロダクツ2011」に出展し、環境負荷ゼロを目指すソニーの環境計画“Road to Zero”をテーマに、環境保全への幅広い取組みを分かりやすい体験型展示でご紹介します。
「バイオ電池」とは、動物がぶどう糖などの食物を酵素によって分解し、酸素と反応させてエネルギーを取り出す仕組みを応用した次世代の発電デバイスです。ソニーは以前から、ぶどう糖と酸素を取り込んで、酵素の働きで反応を促進させ、反応時に発生する電子を電気エネルギーとして取り出すバイオ電池の研究に取り組んでおり、ジュースや果物の果汁に含まれるぶどう糖で発電する技術を発表していましたが、このたび、紙に含まれる「セルロース」を酵素で分解して得られるぶどう糖で発電することが可能となりました。今回は、段ボールや古新聞など不用となった紙ごみを使った発電を体験していただく、子ども向けワークショップを開催いたします。夢のある未来の技術にぜひご注目ください。
なお、今回はソニーブースのワークショップの模様を、Ustreamでライブ配信します。実験の様子や、バイオ電池の解説、参加した子どもたちの意気込みなど、内容盛りだくさんでお送りします。
Ustreamライブ配信ページ(15日10時配信開始)※現在はアクセスできません
ソニーは2011年7月から環境保全団体WWFジャパンと協力し、インドネシア・スマトラ島の森林環境保全活動を支援しています。世界遺産に指定される豊かな森林がある一方、近年はその森林の環境破壊が急激なスピードで進むスマトラ島では、周辺地域に暮らす人々への影響や生物多様性の損失が懸念されています。ソニーブースでは、植林やゾウパトロール(※)などによる環境保全活動の様子をデジタル一眼カメラ“α”(アルファ)やデジタルビデオカメラ“ハンディカム”、デジタル録画双眼鏡「DEV-3」で撮影した映像などを通してご紹介します。
プロジェクトの詳細はCSRウェブサイト内の特設サイトをご覧ください。
ソニーは、ぶどう糖を酵素で分解して発電する新しいエネルギーデバイス「バイオ電池」を研究しています。人間は、空気を吸ってご飯を食べて力を出します。この人間の体のしくみを応用し、酸素O2とぶどう糖(ご飯に含まれる)を取り込んで、酵素の力で化学反応を起こして電気エネルギーを発生させるのがバイオ電池です。ぶどう糖は、植物が太陽光と二酸化炭素CO2を吸収し、光合成でつくる再生可能なエネルギー物質で、果物・野菜・ジュースなどに含まれ、安全で入手も容易です。また、ぶどう糖は、エネルギーが詰まった物質で、理論的にはご飯一杯分から取り出せるエネルギーは単三アルカリ乾電池96本分にも相当し、上手く取り出す事ができれば魅力的なエネルギー源になります。
ソニーは、2007年8月、世界で初めてバイオ電池試作機によるウォークマンの再生を実現しました。その後も開発を続けて性能を向上させており、2010年には世界最高出力10 mW/cm2を実現しています。(2007年8月時点の出力は1.5 mW/cm2)
エコプロダクツ2011ソニーブースで、ソニーが開発中のバイオ電池の活用方法として、以下の2種の新技術を初公開します。
今回、ソニーは紙(セルロース)由来のぶどう糖を使ってバイオ電池で発電するデモを初めて公開します。木材原料から作られる紙には、セルロースという物質が多く含まれています。このセルロースは、ぶどう糖が鎖状に連なったもので、これをセルラーゼという酵素でぶどう糖に分解することで、バイオ電池の発電に使うことができます。これは、セルラーゼをもつシロアリなどが、木材を摂取し、活動エネルギーを得るのと同じしくみを利用しています。
この技術により、将来、身近にある不用になった木材やダンボール、新聞紙などからぶどう糖を取り出し、発電することが可能になると考えられます。
ソニーは薄型、軽量のバイオ電池も初公開します。構造をシンプルにして電極を炭素で作るなど電池の材料に金属を使用しないことにより実現したものです。
今回のエコプロダクツ2011では、薄型の形状を活かして、バイオ電池を電子オルゴール内蔵のグリーティングカードにはさみ込み、飲み残したジュース(ぶどう糖を含む)を垂らしてメロディを鳴らすデモを行います。
薄型、軽量といった特長を活かした応用が期待できます。