©Sony Computer Science Laboratories, Inc. / Synecoculture Association
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「シネコポータル」は、小さな拡張生態系を実際につくりながら、環境とのつながりを感じて学んでいく「入り口」となるものです。この小さな生態系は、近くの植物や動物、雨や風や光、そして遠く離れた場所にある別のポータル、まだ会ったことのない人々との交流を通じ、誰もが生態系の豊かさにつながれるきっかけになるようデザインされています。
シネコポータルPDF「拡張生態系」は、ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員の舩橋真俊が2010年から進めている「協生農法™(Synecoculture™)をはじめとする拡張生態系」の研究に基づいています。生態系に人の手を加えることで、生物多様性や生態系機能が、自然状態を超えて高まった状態を「拡張生態系」と呼んでいます。
研究へのリンク
全国各地の小中学生に、約7か月間シネコポータルづくりに挑戦してもらうワークショップです。子どもたちには、植物の成長やそこに生息する生物の観察記録をつけてもらい、全5回のオンラインワークショップの中でシネコポータルの成長に関する共有会を実施します。
2022年5月20日(金)放課後。全国の6つの小中学校をオンラインでつないでシネコポータル・ワークショップが始まりました。第1回はナビゲーターの福田さんから、シネコポータルと一般的な畑の栽培方法の違いについてお話があり、シネコポータルのつくり方を教えてもらいました。「水はどのくらいあげたら良いですか?」という質問に「あげたい分だけ、あげて良いよ。その結果、何が起きたかを教えて。」と答える福田さん。そう、このワークショップには正解がないんです。大切にするのは、自分たちで考えて試してみて、どうしてそうなったのかをまた考えること。はじめは戸惑い気味だった子どもたちも「馬になって草をつまんだり、犬になって土を引っ搔いてみたり、雲になって雨を降らせてみたりして。」という福田さんの言葉にワクワクしてきたみたい。いよいよ7か月にわたる子どもたちのシネコポータルづくりが始まります!次回は約1か月後。どんな発見が報告されるか楽しみです。
この日は、約1か月育てたシネコポータルの成長の様子を学校ごとに発表してもらいました。
植え方の工夫を教えてくれた学校や、定点で変化を見せてくれた学校、実った果実を食べた感想や、シネコポータルにやってきた虫について報告してくれた学校もありました。どの学校もシネコポータルという小さな生態系の変化をとてもよく観察・体感していて、ナビゲーターの福田さんも、嬉しそうに聞き入っていました。
また今回は、自分たちの発表の前の学校の発表を聞いた感想も話してもらいました。事前に練習できる発表と違ってぶっつけ本番でしたが、相手の話をしっかり聞いて、自分の学校のシネコポータルとの違いや良いと思った点、真似したいところなどを一生懸命伝えてくれました。ほかの学校の様子を見ることで、新たな気付きもあったようです。
ワークショップの最後には福田さんから、色々な野菜の原産地や食べる以外の植物の活用法、気温を音階に変換した音楽など、シネコポータルをもっと楽しむためのヒントが示されました。シネコポータルの楽しみ方はとても自由で、無限大です。子どもたちは何に興味を持ち、探求してくれるでしょうか。
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