
たくさんのご応募、ありがとうございました。
「わぉ!な生きものフォトコンテスト」は、みなさんの感動体験をより多くの人に見ていただき、生物多様性の重要性を伝えることを目的に2015年より開催しています。
第4回となる今回のコンテストでは、 1,066点の応募作品が541人の方から寄せられました。自然の中でみつけた、わぉ!の感動が伝わってくる作品ばかりで、特別審査員 茂木健一郎さん、相模原市立博物館学芸員 秋山幸也さんをはじめ、審査員一同、選考には大変苦労しました。
入選作品を、お寄せいただいたタイトル・エピソードとともに、ご紹介します。
※ 応募された方が見て感じ、表現した内容をそのまま掲載しています。
●第4回わぉ!な生きものフォトコンテストの応募概要はこちら

写真展の開催場所・日時は、わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクトのFacebookにてお知らせします。
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エピソード:住宅地にある公園にて。水道のまわりで遊んでいた子どもたちがいなくなると、すぐにスズメの集団がやってきて水浴びを始めました。激しく水をまき散らしながら遊ぶ子、恐れながらゆっくり近づいていく子、みんなそれぞれ性格が違うようです。我々がふだん暮らしているすぐそばに都会のオアシスはありました。
エピソード:サギを撮影しているとお尻から白い物体が!えっ!長っ!まだっ…素晴らしい演技を見せてもらいました。

10点満点じゃっ!と言いたくなる写真であるぞ。サギの仲間はふだん、飛びながらフンをするのじゃが、こんなに長く流れるとはお見事! 抜けるような青空をバックにさぞかし気持ちが良かったじゃろう。その瞬間をわぉ!と驚きながらとらえた撮影者もあっぱれじゃ!昔はこうしてサギがフンをすると、下の畑や田んぼの良い肥料になると喜ばれたものじゃ。しかし今は、住宅地の近くに巣やねぐらができると、フンが落ちるからと嫌われてしまう。確かにわしも、頭の真上でこれを見たらさすがに逃げるじゃろうがの。(わぉ!博士)
エピソード:えびの高原に紅葉狩りに行った際に、頭上の紅葉と青空を楽しんでいると、突然視界に巨人が見えちょっとドキッとしました。紅葉の木のシルエットがまるで巨人が自分の頭上を跨いで歩いているように見え、きっと巨人も紅葉を楽しんでいるんだろうなと、ちょっぴりクスッとなりました(笑)。

美しい紅葉を運んできたのは巨人だった! そんな想像力をかき立てられる写真じゃ。それにしても、恐ろしさより、何かこの巨人の優しさのようなものを感じられるのはなぜじゃろう。老木の幹に刻まれた凹凸やうねり、右腕から放射状に広がる枝ぶりが、大地から空へと伸びる長い時間を感じさせているからかもしれないのう。青空も紅葉もくっきりと映し出す写真の技術もすばらしいが、何よりも、きっとこのアングルでしか見えない巨人に気づいた撮影者のセンスに脱帽じゃ。(わぉ!博士)
カブトムシ対スズメバチ( 綿雲 まもる )
エピソード:樹液を求めて争うカブトムシとスズメバチ!!スズメバチが「どけー!」とばかりにカブトムシに飛び掛かります。カブトムシ苦戦か!?と思いきや、カブトムシはまったくその場を動かず悠然と樹液にありついていました。スズメバチの体当たりや針もカブトムシの固い体にはまったく役に立たないみたい。カブトムシの強さに関心するとともに、スズメバチでも苦手な相手がいるんだなぁと思い、まさに「わぉ!」な光景でした。

「エイ、じゃまするな!」「後から来て何さブンブン!」って怒っているのかな。こんなに真剣に戦うほど、樹液はおいしいんだね。ぼくも夏になったら樹液がでる木を探しに行こうっと。(おっくん)

「わぉーカワイイ!」草をしっかり両方の足ではさんでいるのね。よーくみると、光っている黒い目玉の下にツノがあるわよ。これは触覚かしら?私もイモムシにはまりそう。(わこちゃん)

「わぉー太陽で毛並みが輝いてキレイだね!」 このまま草やぶに飛び込むと鼻の頭が地面に激突しそうだけど、きっと着地の瞬間には、前足で獲物のネズミを捕まえているんだろうね。(おっくん)

「1,2,3・・・とわたしも気になって、一緒に数えたくなっちゃうわ!」セミの合唱も聞こえてきそう。お兄ちゃんとワンちゃん、だれが先に手づかみで捕まえられるかしら?!(わこちゃん)
エピソード:海岸のテトラポットの陰から海水を飲みに来るアオバトとアオバトを狙うハヤブサを観察していました。近くのテトラにとまったアオバトに気づかれないように息をひそめてシャッターを切りました。撮った写真をみたら「わぉ!めっちゃ怒ってる!?」アオバトの目のまぶた?が斜めに半分閉じて絵に描いたような怒り顔になっていました。仲間をハヤブサに食べられてご立腹?んなわけないか(笑) 。
エピソード:「わぉ!わぉ!自然観察会」で最後に撮影した一枚。衣服や犬の毛などにくっつく、いわゆる「ひっつき虫」といわれる植物です。説明してくださった学芸員の先生から、できるだけ大きく撮影すると、ひっつく理由がわかります、と。ならばと、一脚で手振れを抑えて、可能な限り大きく撮りました。画面でじっくり拡大観察すると、先端には細かい「返し」が。均等に細かく繊細な返しとは裏腹に、頑固なまでにくっついて離れないひっつき虫の秘密が、よくわかる一枚となり、思わず「わぉ!」となりました。
エピソード:西表島の干潟を歩いていると、大量の小さなカニが歩いていました。近づくとあっという間に穴の中に隠れてしまいます。写真は静かに近づいて撮影しましたが、よく見ると1匹だけ反対方向を向いていました。学校の先生みたいだと思いながら、そのカニにピントを合わせてシャッターをきりました。
エピソード:庭で弟と観察したセミの羽化。おっこちそうなイナバウアーポーズにハラハラしましたが、白っぽい体の時はおしりがフック状になっていてカラに引っかけていることを発見しました。わぉ!と驚きました。羽化の後、翌日飛び立つ姿も見送ることができました。感動体験でした。
エピソード:ナイトダイビング中よく見かけるベニクラゲモドキを見つけると何かくっついていました。ウミノミの仲間だと思います。ちょこんと乗っかり大海原を旅しているかと思うとどこか宇宙船に乗っている宇宙人のように見えてきました。
エピソード:趣味が釣りの祖父と近所の川に釣りをしに行きました。川に竿を投げ、獲物が捕まるのを待つこと数分。すると祖父の隣にアオサギが近寄ってきました。祖父と同じ方向を向き、まるで一緒に釣りをしているようで面白かったので写真におさめました。
エピソード:最初はカモたちを上から撮っていましたがカメラをカモたちの目線に合わせるとまた違った景色が。数枚撮っていると私を不思議に思ったのかこちらを見る一羽のカモ。まるでニュースキャスターのように写ってくれました。
これからの世界を考える上で一番大切なことの一つは、人間と自然の共生ではないでしょうか。都会の片隅にも躍動する生命があって、それは私たちの営みのそばに潜んでいる。子どもたちの近くで、スズメたちが水浴びをしている。命といのち。みんな違ってみんないい。そんな「真実」に気づかせてくれる素晴らしい作品だと思います。写真は瞬間をとらえて、永遠につなげます。ふだんは気づかない自然のあり方を脳に深く刻みます。脳にとって写真は生命のあり方についての深層学習(ディープラーニング)を促すきっかけになる。シャッターを押すと始まるドラマティックな気づき。一枚の写真の中で、今まで気づかなかった自然の営みが微笑み、弾んでいます。