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社員目線でダイバーシティの課題を認識し、全社員が力を発揮できる環境をつくる

「DIVI@Sony」は、ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)推進のために、
社員目線で感じている課題を見つけ、社員自らが解決に向けて活動するための、ソニーグループを横断する社長直轄プロジェクトです。
育児、介護、グローバル(外国籍社員のサポート)をテーマとした現在の活動について、
各チームの代表者に話を聞きました。

  • ※DIVI@Sony :「ディビ アット ソニー」は、2005年に始まった社長直轄のD&Iプロジェクトで、グループ会社も含めた国内の社員がテーマに沿った活動を行う。開始当初は女性メンバーで構成されていたが、やがて男性社員や外国籍社員も加わって、現在の活動に至る。立候補制でなりたい社員が手を挙げて2年間の活動を行い、社員の立場からトップマネジメントや人事部への提言も行う。
木村 朋(育児チーム)
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 企画管理部門 経営戦略部 コーポレートコミュニケーション課
田渕 優治(介護チーム)
ソニー株式会社 IP&S SSTC モバイル設計部門 カメラ設計部 カメラモジュール設計室
ヘンチェル ミヒャエル(グローバルチーム)
ソニーグループ株式会社 R&D Tokyo Laboratory 21・4課

幅広いターゲットに向けた施策で社員のマインドを醸成

木村:育児チームでは、「子育てしている人も、してない人もお互い尊重しながら働ける職場づくり」を目指しています。主な活動は、「ちちおや育休セミナー」の定期開催や、育休を取得した男性著名人によるトークイベントの開催などがあります。昨年5月、新型コロナウイルス感染拡大による休校時には、子育て中の在宅勤務社員のために「オンライン交流会」を行ったり、10月には子どもの不登校やいじめについて考えるセミナーも行いました。パートナーとキャリアを考えるイベントなど、若手社員に向けた新しい取り組みも始めました。育児中の社員だけでなく、これから育児に直面する社員など、幅広いターゲット層に向けて活動しています。私は2020年度上期のリーダーを務めていて、社長の吉田さんをはじめとする社内トップへの活動報告や提言、定例会議の取りまとめをしています。リーダーがすべての施策をリードするというよりは、メンバー各自がやりたいことを提案し、イベントごとにリードする人を決めることが多いですね。

田渕:介護チームでは、「突然介護に直面する場合に備え、介護を自分事として身近に考えること」を目的に、現在介護に携わっている人だけでなく、これから携わる可能性のある人すべてに、今から介護について考えてもらうための活動をしています。施策としては、介護と仕事を両立するための情報提供や、映画上映や講演会、ワークショップなどを開催しています。また、介護に携わる社員が仲間づくりをしやすくするために、雑談会を行っています。また、育児・介護・グローバルの各チームをまたぐ活動として、グループ社員全体に対するD&Iに関する意識調査があり、意識調査のアンケートで得たデータをDIVI@Sonyの定期的な活動報告の場にフィードバックすることも行っています。

ミヒャエル:私は現在、グローバルチームのリーダーを務めています。グローバルチームは「外国籍社員が働きやすい職場の環境づくりと、社員のグローバルマインドの醸成すること」を目指して活動しています。私は主に次の4施策に携わっています。①「ジェネラルワークショップ」は、日本の保険制度に関する情報提供など、外国籍社員の日本での生活をサポートする活動です。②「e-learning」は、日本人社員の異文化に対する基礎知識を高め、国際的なコミュニケーション問題を解決するために作成しています。③「異文化コミュニケーションワークショップ」は、日本では当たり前の習慣でも外国人が違和感を感じている事例を挙げ、外国籍社員とのコミュニケーションに生かしてもらう活動です。④「ロールモデルインタビュー」では、外国籍社員にこれまでのキャリア形成や、他の外国籍社員へのアドバイスなどについて話を聞き、DIVI@Sonyの社内サイトに記事を掲載しています。合わせて、ロールモデルインタビューに登場した外国籍社員による「パネルディスカッション」も主催しています。

2019年9月、ダイバーシティウィークに育児チームが主催した「ちちおや育休セミナー拡大版」の様子

日頃から感じていた問題を解決するためメンバーに

田渕:私がDIVI@Sonyのメンバーに応募したきっかけは、母が父の介護で長年苦労していたのを見ていたからです。介護に携わる人の苦労を少しでも減らしたいという思いがありました。現在は父が亡くなり、高齢の母は遠方で一人暮らしをしています。もし母の介護が必要になったときのことを考えると、前もって介護に関する知識を得て、そのときに備えることが必要だと感じるようになりました。
私はDIVI@Sonyのメンバーになって、積極的に前へ出ることで、自分の世界がどんどん広がっているように感じています。今はテレワークが中心で、自分の活動が周囲にどれだけの影響を与えているかはわかりませんが、どうすれば活動で得た知見を周囲に広められるか、いつも考えています。

ミヒャエル:私は、以前通っていた日本語教室の先生と話していたとき、多くの日本人が日本で暮らす外国人の悩みについて知らないことに気づき、日本人と外国人がお互いの理解を深める活動に参加できる機会を探していました。ソニーに入社して、DIVI@Sonyが主催する「Sony Happy Hour」という外国籍社員のためのネットワーキングイベントに参加したときに「これだ!」と思い、自分もメンバーとして活動したいと思いました。
私が所属するR&Dでは、1つのプロジェクトを1人で担当しますが、DIVI@Sonyの活動はチームプレーです。活動を通してチームワークの大切さに気づきました。また私は、普段の業務ではリーダー的な役割は経験がありませんでした。今回リーダーを務めてみて、メンバーの意見をいかに汲み取り、全員に伝え、スムーズに進められるのかを学ぶことができ、日常の業務にも役立っています。

木村:私は以前から、今後のキャリア形成のために、社内のさまざまな研修やセミナーに参加して業務では得られない知識を得たいと思っていました。しかし、研修やセミナーは終業後に開催されることが多く、育児と両立していると参加しにくいのが悩みでした。時間的な制約がある人も参加できる研修やセミナーを企画して、全社員平等に学びや気づきの機会を作りたいというのが、DIVI@Sonyに参加する大きな動機でした。
以前は男性社員の育休取得にはそれほど関心がありませんでしたが、育休取得が男性の育児参加のファーストステップになることがわかり、周りの人に聞かれたときに、自分の考えが相手に伝えられるようになったことは、大きな変化だと思っています。DIVI@Sonyの活動は、育児と仕事の両立について深く考えるきっかけになりました。

ミヒャエル:DIVI@Sonyのメンバーになって良かったと思うのは、企画したイベントが好評で、たくさんの人の役に立っていることを実感できたときですね。また、トップマネジメントへの報告会では、一般社員が直接話す機会がないトップの方々と議論でき、日常業務では滅多にできない体験ができるのも、良かったと思うことの一つです。

木村:メンバーになって良かったことは多々ありますが、普段接する機会の少ない部署のメンバーと活動することで、仕事の進め方の違いを知ることができ、自分の仕事にも取り入れられたのがとても良かったです。

田渕:新型コロナウイルスの感染が拡大し、メンバーとリアルに顔を合わせることなく、リモートで活動してきました。最初は不安でしたが、次第にチームがまとまっていき、目標に向かって前進している実感が持てて、とてもうれしいです。また、介護チーム以外のメンバーとの交流があり、日常業務とは異なる人的ネットワークを築けることが良い刺激になっています。

2020年1月30日に開催された、介護ドキュメンタリー映画上映会後の講演会の様子

活動を通して得られた学びや気づき、貴重な体験

ミヒャエル:ソニーの外国籍社員比率を見ると、ヨーロッパでは約30%、アメリカでは60%以上なのに対し、日本は8〜10%とかなり少ないです。こうした状況に対し、日本人社員からは「外国籍社員とのコミュニケーションの機会が少ない」、「日本で働く外国籍社員が困っていることを詳しく知りたい」、「日本のソニーで働く外国籍社員の比率を上げるべき」といったコメントを意識調査でいただいています。日本人社員の問題意識が高まりつつあるのは、私たちの活動が少しずつ現場に浸透しているからだと実感します。外国籍社員のパネルディスカッションや異文化コミュニケーションのワークショップでは、このような機会をもっと作ってほしいという声を、たくさんの方からいただきました。ポジティブな意見は、次の活動の原動力になります。

木村:DIVI@Sonyはボトムアップの活動ですが、そこで得た知見をトップマネジメントに対して定期的に報告・提言を行い、メッセージを発信してもらうことで、ボトムとトップからD&Iを推進しています。昨年9月に開催したトークイベントでは、DIVI@Sonyのアドバイザーを務めるトップマネジメントが、男性社員の育休取得についての考えを発信しました。「取りたい人が全員育休を取得できる」職場を目指して活動している私たちですが、草の根だけでなく、会社としての推進姿勢を示したことで、D&Iへの理解をより深く現場に浸透させていくことができると思います。職場の理解やキャリアへの影響が心配で育児休暇を取得できない男性社員の不安解消にも役立っていると思います。

田渕:すべての施策をオンラインで行っていますが、介護映画の上映会には約750名、映画に対する講演会には約230名にご参加いただきました。また、介護雑談会を毎週行っていますが、映画上映会と講演会の実施後に参加人数が増えており、社員の介護への興味や関心の高まりを実感しています。最近の施策で印象に残っているのは、介護の課題をテクノロジーで解決するというアイデアソンを開催したこと。みんなで課題を抽出し、解決策を多様な視点で出し合い、さまざまなアイデアに触れることができました。

2020年1月、外国籍社員のためのネットワーキングイベント「Sony Happy Hour」の様子

ボトムアップとトップダウンの両側からアプローチ

木村:社員目線でD&Iへの理解を広めることの価値は、課題認識がしやすいこと。たとえば、育児中の社員の課題は育児経験者が、若手社員の課題は若手のメンバーが一番よくわかります。ターゲット層のリアルな不安や困りごとを認識することで、社員に寄り添った施策が提案できると思います。難しいところは、トップの目線と私たちの目線にギャップがあること。ボトムアップ活動で得られた社員の声をトップに提言していますが、トップは上位概念でのダイバーシティを考えていて、日々の小さな悩みからは遠いことが多く、その間をつなぐ具体的な施策を提案したり、アクションを起こすのが難しいと感じています。

田渕:私は、社員目線での活動に加え、トップダウンの活動を進めることが重要だと思います。職場の生の意見や、肌感覚で得た気づきをトップに提言することで、社員のマインドを醸成するスパイラルを回していければと思います。社員目線で活動することの難しさは、仕事が忙しくてなかなかDIVI@Sonyなどへの関心を向けられない社員が、突然介護が自分事になったとき、どれだけスムーズにサポートできるかということですね。あわてずに当事者本人が望む方向に進めることができればいいなと思います。

ミヒャエル:私も、ボトムアップとトップダウンの両輪で活動することが大切だと思います。また、過去にはグローバルチームで試行錯誤を重ねながら実践したワークショップが、ソニーグループの人事施策として採用されました。新しい試みにトライできるのも、ボトムアップの活動の良さだと思います。

グループ全体にD&Iを浸透させ、誰もが働きやすい環境を

田渕:D&Iの他社や世の中の動きも把握して、会社が重視しているバリューの中の1つである多様性の実現に向けて、介護チームの立場で貢献していきたいです。また、DIVI@Sonyの活動に対する若年層の認知度が低いということがアンケート結果でわかっているので、そこを高める活動をしていきたいですね。こういった活動がすべて、結果的に企業価値の向上につながればいいなと思っています。

ミヒャエル:DIVI@Sonyの活動で集めた社員の声をトップマネジメントに提言することで、現場の課題に対する理解をより一層高めてもらいたいです。そして、私たちが必要とするアクションをトップマネジメントに提案することで、社内に変化を与えられたら、うれしいですね。
ソニーは全世界に向けて製品やサービスを提供しています。ダイバースな顧客ニーズを把握するためには、社員にもダイバーシティが求められると思います。DIVI@Sonyの活動でD&Iへの理解が全社に浸透し、社員のダイバーシティにつながれば、とてもうれしいです。

木村:DIVI@Sonyはソニーグループを横断する活動ですが、個々の会社の状況はさまざまです。会社や組織単位のグループでそれぞれに応じたテーマで活動し、さらにDIVI@Sonyと連携すれば、より効果的にD&Iが推進できると思います。また、DIVI@Sonyは現在、育児・介護・グローバル社員という属性を切り口として活動していますが、その当事者以外には関係ない活動と捉えられることが多いようです。当事者の周りにいる人が自分事と感じられるように、テーマ設定や対象をもっと拡大していけば、全社員を巻き込んだ活動ができるのではないかと思っています。
DIVI@Sonyには、自分が課題だと感じていることに対する施策をどんどん提案して、メンバーで協力し合いながら実行していく環境があります。職場環境を良くしたい、モチベーション高く働ける職場にしたいなど、課題を感じている社員の方に、積極的に参加してほしいと思います。

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