展示レポート

The 2022 IEEE/RSJ International
Conference on Intelligent
Robots and Systems
(IROS 2022)

2022年10月23日から27日まで京都で開催された『IROS 2022』。
IROS (IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems) は、
日本で1988年に誕生したロボットの国際学会であり、知的ロボットと
オートメーションに関する2大国際学会の一つです。

今年は2年ぶりの対面開催、ソニーはブース展示やビデオによる技術紹介を行いました。
海外からも多くの来場者がソニーブースを訪れ、ロボット技術を体験し、
さまざまな質問やコメントをしている様子が見られました。

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会場・ソニーブース展示デモの様子

※この動画には一部センシティブな内容
(手術シミュレーションCG)が含まれています

動画の内容テキスト

IROS2022会場の様子と、ソニーブースに展示したテーマを紹介している映像です。

ソニーブースに展示された
ロボットの中から
R&Dセンターに関連する5テーマをご紹介

モバイルマニピュレーター

ハンドを備えたマニピュレーターが花やケーキを優しく持っている写真です。 ハンドを備えたマニピュレーターが花やケーキを優しく持っている写真です。

ユーザーからの簡単な指示で、物体の質量や摩擦などの事前情報が得られなくても物体を繊細な力で持ち続けられるハンドを備えたマニピュレーターです。ソニーで開発した複数のセンサーをハンドに搭載した点が技術的な特徴で、距離センサーにより物体の位置を正確に把握し、触覚センサーで滑りを予測することで、物体に正確に近づき花やケーキ等をつぶさずに優しく持つデモを行いました。

来場者からは、コンセプトやセンサー方式に対するポジティブなコメントが得られ、センサーやハンド、マニピュレーター自体を是非販売して欲しいという要望を多数いただきました。反響が大きく、ロボティクス分野において企業に期待されている役割を再認識しました。

関連リンク

R&Dセンター | マニピュレーター

IROS2022 Sony’s special site | Mobile Manipulator

関連論文

1. T. Narita, S.Nagakari, W.Conus, T.Tsuboi, K.Nagasaka, Theoretical Derivation and Realization of Adaptive Grasping Based on Rotational Incipient Slip Detection, 2020 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA) 31 May - 31 August, 2020. Paris, France, pp.531-537

2. R.Terasawa, Y.Ariki, T.Narihira, T.Tsuboi, K.Nagasaka, 3D-CNN Based Heuristic Guided Task-Space Planner for Faster Motion Planning, 2020 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA), 31 May - 31 August, 2020. Paris, France, pp.9548-9554

人にやさしい
マニピュレーター

車椅子に取り付けたマニピュレーターで、コップを掴んでいる写真です。 車椅子に取り付けたマニピュレーターで、コップを掴んでいる写真です。

障碍を持たれている方の生活支援のために、人のすぐそばで安全に柔らかく動作する軽量なマニピュレーターを、市販の電動車椅子に取り付けて展示しました。会場では、エンジニアが車椅子に座って操作し、机の上にあるコップを掴んで口元に運ぶなどの食事支援のデモを行いました。

特に来場者からの反響が大きく、今のところ販売は未定ですが、マニピュレーターの価格は?いつ販売を予定しているのか?といった質問をたくさんいただきました。また、アクチュエーター単体でもいいのですぐにでも販売して欲しいという意見も伺いました。ここまで統合、最適化されたハードウェアを大学の研究室単位で実現するのは難しいからこそ、企業の研究開発に求められる役割を再認識しました。

関連リンク

IROS2022 Sony’s special site | User-centered Manipulator

関連論文

1. K. Nagasaka, A. Miyamoto, M. Nagano, H. Shirado, T. Fukushima, M. Fujita, “Motion Control of a Virtual Humanoid that can Perform Real Physical Interactions with a Human”, 2008 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS), Nice, France, September 22-26, 2008, pp. 2303-2310

2. 長阪憲一郎,川浪康範,清水悟,福島哲治,理想関節ユニットを有したロボットへの一般化逆動力学の適用,第14回ロボティクスシンポジア予稿集,北海道登別,2009, pp.152-158

3. K.Nagasaka, Y.Kawanami, S.Shimizu, T.Kito, T.Tsuboi, A.Miyamoto, T.Fukushima and H.Shimomura, Whole-body Cooperative Force Control for a Two-Armed and Two-Wheeled Mobile Robot Using Generalized Inverse Dynamics and Idealized Joint Units, 2010 IEEE International Conference on Robotics and Automation, Anchorage Convention District, Anchorage, Alaska, USA, May 3-8, 2010, pp.3377-3383

子ども型見守り
介護ロボット

子ども型見守り介護ロボットが会話をしている写真です。 子ども型見守り介護ロボットが会話をしている写真です。

介護施設の利用者を対象とした、リビングの見守りと個別のレクリエーションができる子ども型のロボットです。怖がりやすく、新しいことが苦手な認知症のある方々にも親しんでいただけるように子どもの姿をモチーフにしています。また、ユマニチュードという介護技術を参考に、少し離れたところからお声掛けをし、段階的に近づきながら目を合わせて分かりやすくお話を進めることができます。

来場者は、デモンストレーションにて利用者役となり、ロボットが進行する簡単な会話を楽しんだり「エーデルワイス」を一緒に歌ったりしました。子ども特有の愛くるしい眼差しと歌声に癒されている様子で、近づいて丁寧なお礼の挨拶をしてくれる方もいました。超高齢社会と認知症ケアの一助と成り得るこのロボットの価値を、国籍を超えた多くの方々が共感してくださいました。

関連リンク

Nursing Robot - YouTube

空白の時間つくらない!一緒に歌っておしゃべりする介護ロボット実験中 | 特別養護老人ホーム よみうりランド花ハウス

推進協ニュース2022年10月 第182号 | 全国個室ユニット型施設推進協議会

IROS2022 Sony’s special site | Nursing Robot

関連論文

1. 袖山慶直, 永仮智子, 北谷和紀,橋本政彦 : “子供型能動見守り介護ロボットの特別養護老人ホーム利用者への受容性と提供価値検証”, 第40回日本ロボット学会学術講演会講演論文集, 4D2-04, 2022.

2. 永仮智子, 袖山慶直,北谷和紀,橋本政彦:“ロボットのニーズ探索を目的とした特別養護老人ホームにおける介護士業務のタイムスタディ調査”, 第40回日本ロボット学会学術講演会講演論文集, 4D2-03, 2022.

手術シミュレーター

ハプティックデバイスを操作して、手術シミュレーターを体験している写真です。 ハプティックデバイスを操作して、手術シミュレーターを体験している写真です。

今回、初公開となる手術シミュレーター。体験者は両手でハプティックデバイスを操作し、レイトレーシングによるリアルなバーチャル映像を見ながら、あたかも手術をしているかのような体験ができます。R&Dセンターで新たに開発したリアルタイム物理シミュレーション技術によって柔軟物の変形を再現するとともに器具との接触によって発生した力を計算し、両手に力覚フィードバックを与えることで、本物のような感触を感じながら疑似体験をすることができます。

人体のような柔らかい組織を扱える手術シミュレーターは、まだ世の中に出ていません。実際に体験した来場者は、あまりにリアルな体験と映像に驚くと同時に、最後までCG画像であることに気付かない方も多くいました。

関連リンク

IROS2022 Sony’s special site | Physically-Photo-Realistic Surgical Simulator

カメラロボット

カメラロボットが人の動きに追従しながら、撮影している様子です。 カメラロボットが人の動きに追従しながら、撮影している様子です。

ソニーのロボティクスプラットフォームを活用して開発されているカメラロボット。ライブなどでアーティストの動きに合わせ、移動しながら撮影することで、動きと迫力のある新しいカメラワークを実現します。操作ツールでは、ロボットの環境地図や撮影シナリオも簡単に作成できます。

会場では、操作ツールで走行レールやズームなどを簡単に設定できることや人の動きに追従しながらの撮影、障害物に対して安全に自律的に止まる機能などのデモンストレーションを行いました。来場者の動きに合わせて移動しながら撮影するカメラロボットは、かっこいい、ソニーならではの素晴らしいプロダクトだ、と好評でした。

関連リンク

R&Dセンター | ソニーのロボティクスプラットフォーム

IROS2022 Sony’s special site | Camera Robot

2022年11月15日