AI×ブロックチェーンで、社会システムを変えていく。
ブロックチェーン
大きな可能性が注目されるブロックチェーン技術は、ソニーの様々なビジネスやサービスにおいてもイノベーションを加速することが期待されています。 膨大なデータを安全に管理・共有し流通させることで新たな価値創造につなげます。

礒津 政明
代表取締役社長
株式会社ソニー・グローバルエデュケーション
ソニーのデータを組み合わせ、多様な価値を醸成する。
貨幣の流通においては、オープンにすることで仮想通貨という新しい価値が生まれ、巨大な市場に成長しました。同じようなことが、これからさまざまな分野で起こると考えています。ソニーが目指しているのはブロックチェーン技術によって、今ある社会のシステムをアップデートするような方向です。ブロックチェーン技術によって、資本主義経済の常識すら簡単に覆されるかもしれない。それくらいインパクトのある技術だと考えています。
ソニーは、エレクトロニクスのみならず、映画、音楽、ゲーム、そして金融といった様々な事業を通じ、多くのデータを有しています。ブロックチェーン技術をそれぞれの分野でデータ流通に活用したり、いくつかの分野のデータをうまく組み合わせることで、これまでにはない新しい価値が生まれてくるでしょう。ソニーグループならそういったチャレンジが可能です。
ブロックチェーンは「教育」や「音楽」も変えていく。
私が代表を務める株式会社ソニー・グローバルエデュケーションでもブロックチェーン技術を活用した取り組みを進めています。これまで個人の成績データは、学校や塾に紐づいているものでした。ブロックチェーン技術を使うことで、それらのデータを個人に紐づけることが可能になります。これまで学習してきた様々な履歴が自分のものとして扱えるようになり、例えば学習サイクルを改善することが個人の意思でできるようになるのです。これは現在の教育の在り方を効率的な方法へ大きく変えることになると考えています。
例えば日本では総務省の「スマートスクール・プラットフォーム実証事業」の一環として、教育ブロックチェーンの有効性を検証しています。
また、音楽の分野ではソニー・ミュージックエンターテイメントが「soundmain」というサービスを発表しており、
ブロックチェーン技術により音楽の権利情報を細分化し管理することでブレークスルーに取り組んでいます。
クリエイターとユーザーの間で合理的な価値の分配が可能になり、例えばサンプリング・ミュージック市場での価値創造が期待されます。
ゴールが明らかなものに最適な「個性を持たないAI」、
ゴールを設定するのは「多様性のある人間」だからできること。
AIは脳の働きを模倣したものですから、データを蓄積するブロックチェーンとは補完関係にあります。これらが両輪となることで、社会はより豊かな方向へ進んでいくでしょうね。AIはゴールが明確であれば、画一的な最適解を求める傾向にあります。一方、人間というのには多様性があって、ミスもするけどその完全ではないところに醍醐味があります。AIが脅威として人に対立するという考えがありますが、私たちはそうは思いません。最適解を求めるAIと多様な感性を持つ人間との共存こそ、目指しているところなのです。イノベーションが多様性から生まれるということは歴史が証明しています。人間の個性は「代替」することができないのです。だからこそ、人間にしか持てないものを教育で伸ばしていくことが大切です。これからも、ブロックチェーンやAIといった技術を活用し、未来を描きながら教育のための取り組みを続けていきます。