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熱狂は終わらない。『魔改造の夜』に挑んだエンジニアたちの、飽くなき探求心。

NHKの技術開発エンタメ番組『魔改造の夜』の放送から3年。ソニーグループ(以下、ソニー)のチーム「Sニー(SONYの頭文字『S』をローマ字読みして『エスニー』と呼ばれています)」 のエンジニアたちが生み出したモンスターたちが、番組初のオフィシャルイベント「魔改造の夜 THE MUSEUM」で再びファンの前に姿を現しました。
『魔改造の夜』に出場するため有志で結成されたチームメンバーは、当時どのような思いを抱いていたのか、番組出場から何を得たのか、そして再び集まり今回のイベントでは何を感じたのか。彼らを突き動かすものづくりへの情熱と飽くなき探究心に迫ります。
『魔改造の夜』および「魔改造の夜 THE MUSEUM」に関わった総勢80名のメンバーの中から、「ネコちゃん落下25m走」チーム(通称:ネコちゃんチーム)を代表して田中さんと土井さんに、「電気ケトル綱引き」チーム(通称:ケトルチーム)を代表して坂根さんと厚地さんにお話を伺いました。

※『魔改造の夜』とは、NHKで2020年6月から不定期放送されている技術開発エンタメ番組です。毎回、難易度の高いお題とともに「子どものおもちゃ」や「家電」が渡され、それをエンジニアたちが極限のアイデアと技術力でモンスターに変えて競うというもの。
2022年8月放映の競技に出場した「Sニー」チームに課せられたお題は二つありました。一つは、おもちゃのネコを魔改造し、途中6m落下させながら合計25mのレースで競う「ネコちゃん落下25m走」。もう一つは、電気ケトルを魔改造し、蒸気の力による綱引きで勝負を決める「電気ケトル綱引き」です。対戦相手は、自動車関連の研究開発プロ集団「T京アールアンドデー」と、三大重工業の巨大メーカー「Aエイチアイ」。ちなみに、どの企業もイニシャルを使った名前で出場しているため、ソニーは「Sニー」なのです。

※「魔改造の夜 THE MUSEUM」は2025年8月25日~9月2日に開催された『魔改造の夜』によるオフィシャルイベントです。イベント詳細はこちらの公式サイトをご覧ください。

「Sニー」チームメンバーのアイデアと技術と試行錯誤によって魔改造されたネコちゃんとケトルの解剖図
田中 章愛
土井 貫嗣
坂根 領斗
厚地 穂乃佳

コロナ禍の閉塞感を打ち破った、ものづくりへの情熱。

── 「魔改造の夜 THE MUSEUM」への出展・実演、おつかれさまでした。まずは、イベントを終えた今の感想を教えてください。

土井:番組を見てくださっている方々の笑顔やリアルな反応を間近で見ることができてうれしかったです。実演の直後なんかは特にみなさん、興奮しながら実物を見に来てくださっていてたのが印象的でした。

坂根:社内イベントなどで展示や実演を行うことはこれまでもありましたが、今回のように一般の方にチケットを購入して見に来ていただくというのは初めてでしたし、他社の方と一緒に一つのステージをつくるというのも初めてだったので面白かったですね。

田中:他社の方も『魔改造の夜』のときはあくまでも対戦相手という位置づけでしたが、同じ苦労を経験しているからこそ、今回のようにあらためて顔を合わせると仲間意識が芽生える感じですね。

厚地:私はイベント当日 参加できず、今回は準備のところまででしたが、私たちが3年前に出場した『魔改造の夜』がとうとうこんな大きなイベントにまでなったのか…と感慨深いものがありました。

「魔改造の夜 THE MUSEUM」で「Sニー」が行った実演&解説の様子はこちらをご覧ください。
ケトル編
ネコちゃん編

── 今回のイベントに向け、苦労した点などはありましたか?

田中:実演するとなると番組と同じで、一発勝負なので緊張感がありました。私たちにも「番組で見てもらったベストな動きを楽しんでもらいたい」 というプライドがありますから、『魔改造の夜』の収録時さながら、前日ギリギリまで調整していましたね。

土井:ネコちゃんについては『魔改造の夜』以来3年ぶりの落下からの走行でし た。しかも今回は会場の関係で、番組のときとは落下する高さが変わったんです(6m → 5m)。落下する高さが低くなったから難易度が下がるわけではなく、もともと6mの落下に合わせて作り込んでいたため、番組の時と同様に落下と着地ができるかわからない状況でした 。重りを足して調整していたのですが、結局前日まで上手くいかなくて、当日にも調整して何とか本番一発勝負で成功しました。

「魔改造の夜 THE MUSEUM」本番では見事に着地を決めたALKNYAN(アルクニャン)。どことなく表情も誇らしげです。

坂根:ケトルはイベントの前の週に社内イベントで動かしていたんですが、それで逆にいろいろなところが傷んでしまって。イベント前日のリハでは動かなくて、調べてみたら中の電熱線が焼き切れていてお湯が沸かない状態になっていたので、慌てて予備と交換して、ステージ裏で修理する…なんてことをしていました。

── 今回もいろいろとドラマチックですね!ところで、みなさんが一つのチームになるきっかけとなった3年前の『魔改造の夜』には、なぜ「Sニー」として参加することになったんでしょうか。言い出しっぺは、田中さんですよね?

田中:当時はまだコロナ禍だったこともあり、業務もリモートが中心で社員同士でも対面で会う機会がほとんどありませんでした。以前はもっとみんなで集まってワイワイとものづくりができていたので、そういう活動を取り戻したいという気持ちがありました。特にコロナ禍に入社した若手の方々にとっては他の部署の社員との接点も少なく、もったいないと感じていました。
『魔改造の夜』についてはもともと個人的に好きな番組でしたが、応募のチャンスがあることを知り、後にメンター役となっていただいた鳳さん・森永さんに相談したところ、「いいね!出てみようよ!」ということで盛り上がりまして。それで全社メールを送って、参加メンバーを募りました。

※鳳さん・森永さんが登場する、『魔改造の夜』関連記事はこちらをご覧ください。

まず、手を動かす。『魔改造の夜』から学んだ仕事の本質。

── 番組出場に向け、6週間(『魔改造の夜』には開発期間のルールがある)という限られた期間の中で、通常業務とは別で時間を確保するのはなかなか大変だと思いますが、80名ものメンバーが集まったんですね。

土井:私はそもそも番組を知らず、よくわからないまま突っ込んだ形だったので…プロジェクトが始まって「え、こんな感じなの!?」と、正直驚きました(笑)

厚地:私は初回から番組を観ていたので雰囲気は掴めていましたが、田中さんからのメンバー募集メールに「家族の同意が得られるか」「職場(上司)の同意が得られるか」「休日も参加できるか」といった参加条件が書かれていたので、本気の人たちが集まるだろうと思い、覚悟を決めて参加しました。

田中:今回のSニーは有志の「放課後活動」での参加だったのですが、とはいえ業務時間に休日も含めて活動することになるため、上司だけでなく家族の協力も必要になります。30~40名程度集まったら上出来かなと思っていましたが、結果的に倍のメンバーが集まってくれたので、基本的に毎回参加のメインメンバーと要所で手伝ってもらうサポートメンバーとに分かれて効率的に開発を進めることができました。

── 普段の業務も専門分野も異なるメンバーと開発を進めたことで、苦労した点、逆に学びになったことはありましたか?

坂根:ケトルに関しては蒸気の力を使って動かすのですが、蒸気の専門知識を持っているメンバーがいなかったためアプローチの難しさはありました。ただ、その分みんなでゼロから一緒に学ぶことができてチームの結束力が高まりました。

田中:ネコちゃんチームでは、まずさまざまな方式を洗い出し、みんな個々で好きな方式に手を挙げて作ってみて、その中から良いものを選んでいこうという方針でした。部署も専門性も違うメンバーが集まったので、作るものや作業の進め方から、機構が得意な人、アイデアを考えるのが得意な人、とにかく実験してみる人など、個性が見えて面白かったですね。
またそうした多様な個性が見える一方で、みんなが持っているものづくりの共通言語のようなものもあると感じました。

── ものづくりの共通言語ですか。どういったものなんでしょうか?

坂根:ケトルチームではメンターの鳳さんが「口じゃなくて手を動かせ」ということを常におっしゃっていたので、まず自分で作ってみるというのが共通言語になっていましたね。

田中:手を動かすというのは、ネコちゃんチームの方針も共通していますね。今回のように正解がわからない課題に対しては、やっぱり自分で作って試してみないとわからないし、作ったり実験する中で工学的に筋がよくて「これは作りたい・面白そう」と思えるもの、最後まで作りたいと思える方式を選ぶことが、みんなで挑戦を楽しみながら力を結集できるものになるなと感じました。

それぞれのチームの取り組みなどの詳細は、別の記事「『魔改造の夜』を駆け抜けたチャレンジャーたちの軌跡」でもご覧いただけます。

「魔改造の夜 THE MUSEUM」に向け、まさに手を動かし調整を進めるケトルチーム

まだまだやりたい…。番組放送後も終わらない探求。

── さて、そうして6週間を駆け抜け、番組放送が終了した後でも自主的にモンスターの改良を続けていたメンバーもいらっしゃるということですが…。

田中:これは私たちだけに限らず、他のチームでもそういうことになりがちなんじゃないかと思います。『魔改造の夜』出場チームのその後を追った『魔改造の夜明け』なんて番組もできるくらいですから。

坂根:あの6週間が本当に楽しかったので、純粋にまだやっていたいという感覚ですね。『魔改造の夜』では勝利にこだわって据え置き型のモンスターになりましたが、自走式のマシンを作ってみたかったんです。それで、またみんなで集まって2号機を作りました。

番組放送時の1号機の映像(上)と、自走式に作り変えた2号機と後ろの座席に座る坂根さん(下)。

「それ、面白いね」が価値になる会社。

── あらためて『魔改造の夜』に「Sニー」として出場したことで得られたこと、その後の仕事にも繋がっていることなどはありますか?

土井:頭で考えるだけではなく、手を動かして実際にアウトプットを出すということの大切さをあらためて気づかされました。手を動かすことでしか得られない感覚というものがあるので、仕事においても頭でっかちにならないよう気をつけています。

田中:私もまさに、触ってみる、持ってみることで得られる重さとか引っ張ったときの圧力とか、そういうものを身体で感じることの重要性をあらためて気づかされました。本を何冊も読んでもわからなかったことが、実際にやってみると一瞬でたくさんの情報が得られて、わかることがあるんです。こうした身体感覚に対する学びは、仕事にも生かされています。

── それでは最後に、『魔改造の夜』を通して再発見したソニーの魅力を教えてください。

土井:自分が責任を持って動くことについては、本当に自由に何でもやらせてもらえる環境です。自分の考えを持ってアウトプットを出せば、自分の思ったように物事を進めることができるということを、『魔改造の夜』を通して再確認できました。

坂根:土井さんがおっしゃる通り、自分のやりたいことを実現しやすい環境だと思います。それに、若手を活躍させようという会社の気概というかカルチャーのようなものも感じます。たとえば『魔改造の夜』への出場時、私は入社2年目だったのですが、リーダーに立候補した際、みんなが背中を押してくれました。鳳さんは「マジかよ!大丈夫?」と内心思っていたそうですが(笑)。普段の業務でも、新人に責任ある仕事を任せていこうという雰囲気があります。

厚地:私はまさに、2年目の若手がリーダーのチームっておもしろそう!と思って、ケトルチームに参加しました。みなさんと違って私は経験者入社なんですが、ソニーに入社して感じたのは、坂根さんのように自分から手を挙げてチームを引っ張っていってくれる方の存在もそうですし、勉強会とかまさに『魔改造の夜』のような有志活動とか、自主的に形成されるコミュニティがたくさんあるということですね。これもソニーの特徴であり、魅力の一つだと思います。

田中:ソニーのメンバーと会話していてよく出てくるのが、「それ、面白いね」とか「ワクワク感がある」といった言葉なんですね。私は長くソニーにいるので客観視できてなかった気がするんですけど、『魔改造の夜』つながりで他社の方と話すと、「面白いかどうかにこだわっているのって、面白いですね」とよく言われます。「魔改造の夜」のような交流があったからわかったことでもありますが、これもソニーの大きな特徴なのかなと思いました。業務外の活動でも声をかければこれだけの人が集まるんですから、やっぱり面白いことが大好きな、面白い人がたくさんいる会社なんでしょうね。

<編集部のDiscover>
今回集まっていただいたみなさんからは、ものづくりに対する情熱をビシビシと感じましたが、こんな熱い思いを持った方々が80名も集まるとなると…番組放送終了後も熱気が冷めないわけですね。ちなみに、『魔改造の夜』を通じて知り合った他社の方々とも交流が続いているそうで。今ではなんと40社以上のチームが繋がり、毎月オンラインランチ会を開催したり、お互いの会社を訪問したり、飲み会になると100名以上が参加するのだとか。普段の仕事だけではなかなか築けない関係性。ものづくりへの情熱は、会社の壁も超えていくんですね!


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