SONY

ソニーグループのResponsible AIへの取り組み

ソニーは、 AIテクノロジーを、人々の生活をより豊かにし社会を発展させるために活用することをめざして、ステークホルダーと積極的に対話を進めながらアカウンタビリティと透明性を追求していきます。ステークホルダーからの信頼に応える製品サービスを提供しつづけるため、Responsible AI(責任あるAI)を推進していきます。

ソニーグループAI
倫理ガイドライン

ソニーは2018年9月に「ソニーグループAI倫理ガイドライン」を策定しました。
ソニーは、AI(人工知能)を活用することにより、平和で持続可能な社会の発展に貢献し、人々に感動を提供することを目指しています。同時に、ソニーは、AIが社会に与える影響について様々な議論が行われていることを認識しています。ソニーは、エレクトロニクスを礎に事業領域を拡大し、音楽、映画などのエンタテインメント事業や、金融事業を手掛ける、多様性を持ったグローバル企業となりました。「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」という共通のPurpose(存在意義)を踏まえてこれらの事業を運営していくために、ソニーグループAI倫理ガイドラインを定め、多様なステークホルダーとの対話を進めるとともに、ソニーにおけるAIの活用や研究開発を促進していきます。

ソニーは、AIに関する研究開発を進め社会と調和したAIの活用を促進することで人々の可能性を広げて生活をより豊かにし、クリエイティブで新たな感動を数多く提供して文明の発展と文化の向上に資することを目指します。ソニーは、AIの力を、地球規模の問題解決への貢献や平和で持続可能な社会の発展のために活用するよう努めます。

ソニーは、AIのより良い活用に努めるとともに、AIを活用する上で生じる課題の解決のために、お客様やクリエイターの方々をはじめ多様なステークホルダーの関心に配慮し、関連する企業、団体および学術コミュニティ等と積極的に対話を進めます。また、対話の内容およびその結果をソニーの研究者や開発者を含め関連する事業に関わるソニーの役員および従業員に共有し、様々なステークホルダーとの更なる対話を行うための仕組みを構築します。

ソニーは、AIを活用した商品・サービスの安全性を目指すとともに、不正なアクセス等 セキュリティリスクに継続的に対応してまいります。また、AIのシステム構築において、 統計的あるいは確率的な手法が用いられる場合があることから、ソニーは、このような手法の特性を理解した上でシステム全体の設計を行うなど、安心して使えるAIの提供に努めます。

ソニーは、法令および関連する社内規則に従い、AIを活用した商品・サービスに関連して把握するお客様の個人情報保護に関するセキュリティを強化し、お客様の意思を尊重して個人情報を取り扱う環境を築き、お客様からの信頼を確保するよう努めます。

ソニーは、AIの活用において、不当な差別を起こさないよう、多様性やお客様をはじめ様々なステークホルダーの人権を尊重すると共に、ソニーおよび関連する業界での活動を通じて社会課題の解決に寄与するよう努めます。

ソニーは、商品・サービスにおいて活用されたAIによる判断の理由が捕捉可能となるような 仕組みを、当該商品・サービスの企画・設計段階において予め導入する可能性を追求していきます。また、お客様が当該商品・サービスを利用した場合に想定される影響に関して、理解しやすい説明や情報を提供するよう努めます。

これまでも技術の進展により人々の生活は変化してきました。ソニーは、AIを活用した商品・サービスが社会に与える影響を認識した上で、より良い社会を実現するAIの発展に貢献し、AIの活用や研究開発を通じて明るい未来を形創ることができる人材の育成に積極的に取り組んでいきます。

AI倫理の推進体制と
取り組み

2019年に「ソニーグループAI倫理委員会」を設置し、ソニーにおけるAI活用や研究開発が、ソニーグループAI倫理ガイドラインに沿って社会的・倫理的な妥当性をもって行われているかを確認し、さまざまな視点から審査しています。
さらに、ソニーグループの全ての事業に対し、AI倫理に関する専門知識を提供するための中心的な役割を果たす組織としてAI倫理室を2021年に設置するなど、AI倫理に関する活動および体制の強化を進めています。具体的にはソニーグループ各ビジネスユニットにおけるAIを利用した商品・サービスあるいは社内業務に関して、連絡体制を構築しAI倫理リスクの情報共有を行ってきました。
2021年3月にはエレクトロニクス製品やサービスの商品化プロセスにおいて、ソニーグループAI倫理ガイドラインに基づいて遵守すべき要求事項を定めた社内文書を整備し、2021年7月に製品開発ライフサイクルにおけるAI倫理アセスメントを開始しました。社員へAI倫理に関する理解を促す啓発活動では、e-ラーニングを活用した教育を実施するとともに、社外から講師を招いた講演会やシンポジウムを開催し議論を行っています。

ソニーは、AIの利用による倫理的な課題に関して、お客様やクリエーターの方々をはじめ多様なステークホルダーの関心に配慮し、関連する企業、団体および学術コミュニティなどと積極的に対話を進めています。
2017年5月、AI技術の啓発と倫理面を含む人間社会の課題解決に共同で取り組み、人間社会に貢献することを目的として設立された非営利団体である「パートナーシップ・オン・AI (PAI) 」に日本企業として初めて参画しました。AI倫理の観点では、「Fairness, Transparency, Accountability」 (公平性、透明性、アカウンタビリティ) が代表的なイシューであり、「FTA」と総称されます。ソニーはAIやロボティクスにかかる研究開発や事業活動を通じて得られた知見を生かし、このようなイシューに関する複数のワーキンググループで貢献してきました。「AIの社会的影響」をテーマとしたワーキンググループ「Social and Societal Influences of AI」ではチェアマンを務め、現在はエキスパート・アドバイザーとしてPAIの戦略計画にアドバイスを行うとともに、機械学習の透明性を向上させる"ABOUT ML"という活動のステアリングコミッティも務めています。また、「Explainability Research Project」および「Diversity and Inclusion Research Project」ではエキスパート・アドバイザーも務めています。

※Annotation and Benchmarking On Understanding and Transparency of Machine Learning (機械学習) Lifecyclesの略

2021年8月からは、ソニーのAI倫理のグローバルヘッドが、社会技術アルゴリズムシステムに関する著名な学会のひとつであるACM Conference on Fairness, Accountability, and Transparency (FAccT) にも共同議長として参画しています。

日本においては、2019年2月に公表された日本経済団体連合会「AI活用戦略」や、2019年3月に公表された内閣府「人間中心のAI社会原則」など、AIをより良い形で社会実装していくための原則や指針づくりにも参画しています。また、社会全体におけるAIネットワーク化の推進に向けた社会的・経済的・倫理的・法的課題を総合的に検討することを目的として開催されている、総務省「AIネットワーク社会推進会議」に構成員として参画しています。

さらに、ソニーは、2020年6月に設立された、人間中心の考えに基づく責任あるAIの開発と使用に取り組むイニシアチブである「AIに関するグローバルパートナーシップ (Global Partnership on AI) 」にも参加し、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症の流行に対して責任あるAIのソリューション開発を支援するためのワーキンググループである、「AI and Pandemic Response」の構成員も務めています。

ソニーは、テクノロジーに裏打ちされた信頼されるAIの研究開発を進めており、AI倫理に対する技術的な取り組みをしています。FTAを担保するためのソリューションとして、ソニーが提供するAI開発ツール「Neural Network Console」に説明可能なAI (eXplainable AI, 以下XAI) を実装し簡便に利用できるように提供しています。XAIは、ブラックボックスといわれるAIの判断根拠を説明できる技術です。また、ソニーは、機械学習の公平性ライブラリやXAIのソースコード「Responsible AI」をオープンソースソフトウェアとしてとして公開しています。

加えて、ソニーが提供する予測分析ツール「Prediction One」に予測理由を可視化する機能も提供しています。

また、ソニーはAI製品やサービスの開発過程で直面する課題 (倫理的なデータ収集およびアルゴリズムの公平性など) に関しても2021年にプロジェクトを立ち上げ、最先端の研究を行っています。幅広い事業を展開するソニーの特性を生かし、グローバルかつ多様性のある視点から、公平で透明性のあるAIの実践に取り組んでいきます。

論文

  • ・説明可能なAIを身近にするためのディープラーニングツール
    2022
    鈴木 健二
    情報処理学会誌「情報処理」、 63巻8号
  • Neural Network ConsoleによるAttention Branch Network
    2022
    鈴木 健二, 小林 由幸, 大渕 愉希夫, 成平 拓也
    The 25th Meeting on Image Recognition and Understanding (MIRU2022)
  • Being 'Seen' vs. 'Mis-Seen': Tensions between Privacy and Fairness in Computer Vision
    2022
    Alice Xiang
    Harvard Journal of Law & Technology, Forthcoming
  • Promises and Challenges of Causality for Ethical Machine Learning
    2022
    Aida Rahmattalabi, Alice Xiang
    arXiv preprint
  • Reconciling Legal and Technical Approaches to Algorithmic Bias
    2021
    Alice Xiang
    88 Tennessee Law Review 649
  • Neural Network Consoleによる説明可能なAI
    2021
    鈴木 健二, 小林 由幸, 大渕 愉希夫, 成平 拓也
    Vision Engineering Workshop 2021 (ViEW2021)
  • Data Cleansing for Deep Neural Networks with Storage-efficient Approximation of Influence Functions
    2021
    Kenji Suzuki, Yoshiyuki Kobayashi, Takuya Narihira
    The 24th Meeting on Image Recognition and Understanding (MIRU2021), arXiv preprint
  • Adversarial Attacks for Tabular Data: Application to Fraud Detection and Imbalanced Data
    2021
    Francesco Cartella, Orlando Anunciação, Yuki Funabiki, Daisuke Yamaguchi, Toru Akishita, Olivier Elshocht
    SafeAI@AAAI 2021, arXiv preprint
  • AI倫理に関する動向とソニーの取り組み
    2020
    Masahiro Fujita, Takashi Yamanishi, Yoko Arisaka, Masashi Takeda
    知財管理 Vol. 70 No. 5

関連するソニーグループの取り組み

高潔さと誠実さは、ソニーのPurpose(存在意義)を実現するための鍵となるValues(価値観)のひとつです。そのもとで、日々の行動指針を示すのが、ソニーグループ行動規範です。行動規範は、ソニーグループ社員一人ひとりが倫理的で責任ある行動を通じてソニーブランドへの信頼に応えていくための基盤として、ソニーの価値創造を支えています。

ソニーの人権の尊重に関する方針はソニーグループ行動規範にて定められており、全てのグループ会社に対し、この方針および関連する法令に従って人権を尊重し、誠実な事業活動を行うことを求めています。AIの利用による倫理的な課題に関しても、ステークホルダーとの対話を進めながら、公平性・透明性の観点から真摯に対応しています。

ソニーは、製品の品質とカスタマーサービスの理念・基本方針として、お客様に「満足感」「信頼感」「安心感」を提供できるよう、お客様の視点から、品質とカスタマーサービスのさらなる向上を目指しています。

ソニーは、お客様や社員、その他のステークホルダーのプライバシー・個人情報を保護するために、効果的に潜在リスクを管理し、プライバシー上の対応策をシステムや製品に組み入れることができるよう、グループ全体のガバナンス体制のもとで継続的な活動を行っており、AI利用においてもこれらの活動の中で取り組みを行っています。

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