ソニーグループでは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurposeのもと、約11万人のグループ社員が一丸となって、新たな価値の創出に取り組んでいます。そして、我々は感動の源泉であるクリエイティビティにコミットし、クリエイターから世界で最も選ばれるブランドでありたいと考えています。
感動クリエイション、すなわちゲームや音楽、映画、アニメなど、コンテンツIPの強化に取り組むとともに、クリエイターに近づき、感動を創る力にも投資をしています。そこから生まれる作品を、パートナーとの協業や自社DTC(Direct-to-Consumer)サービスを通じて世界中のユーザーに届けています。また、クリエイションを支えるデジタルシネマカメラやバーチャルプロダクションなどのテクノロジーやサービスの強化に努め、感動を生み出すクリエイション半導体である、CMOSイメージセンサーにも注力しています。
感動の「場」を現実空間から仮想空間、移動空間に広げるチャレンジにも取り組んでいます。移動空間では、イメージング・センシング技術、エンタテインメント、5Gを含む通信・ネットワークといった領域で、モビリティの進化に貢献するとともに、新しいエンタテインメントの可能性を追求していきます。
創業以来、ソニーは長期視点で事業を進化させてきました。私がCEOに就任して以降も、重視しているのは、「感動」と「人」を軸とした長期視点の価値創造です。長期視点で世界を感動で満たすためには、私たちが安心して暮らせる社会や健全な地球環境があることが前提となります。そのため、社会と地球環境に対する「責任」と、技術や事業による「貢献」の両面でサステナビリティへの取り組みを進めています。
いつの時代も、人はエンタテインメントを求めてきました。エンタテインメントは事業として成長領域であると同時に、人々の分断を生むのではなく、人と人をつなぐことができるという社会的意義を有しています。今後もソニーは、クリエイターとともに多様な感動を創り、広げるべく、長期視点での価値創造に取り組んでまいります。
代表執行役 会長 CEO
吉田 憲一郎
ソニーの経営は、一貫して長期視点に基づくものであり、これまで築き上げてきた感動を核としたPurposeのもと、さらなる「成長」に挑戦していきます。
2022年度は過去最高の売上高・営業利益を更新することができましたが、成長をさらに加速するため、各事業において、グループ全体の経営の方向性を踏まえながら、中長期的な進化と成長に向けた戦略を描き、深化と探索に取り組んでいます。
ゲーム&ネットワークサービス分野は、アクティブユーザーの増加を戦略の中核に据え、PS5™の普及拡大に注力しています。音楽分野では、シェア拡大や新興市場開拓など、市場の伸びを上回る成長施策を展開しています。映画分野は、ストラテジックサプライヤーという独自ポジションと劇場公開重視の姿勢を堅持し、長期的なIP価値の最大化を目指しています。エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野は、事業構造の強靭化に向け、既存事業の収益性を維持しつつ、成長領域へのシフトを進めています。イメージング&センシング・ソリューション分野は、イメージセンサーNo.1ポジションの一層の強化を大方針としています。金融分野では、ブランディングの再強化、DXを中心としたグループのインフラ活用、成長に向けた投資拡大が重要と捉えています。
ゲーム、音楽、映画のエンタテインメント3分野を横断するIP価値最大化の取り組みに代表される、グループ内の多様な事業の間で生まれるシナジーは、新しい価値を創出するソニーのユニークな競争力であり、事業成長の重要なドライバーとなっています。さまざまな属性、経験、専門性を持った人材が多様な事業を「場」として集まり、その発想や創造力を解放することで未来を共創し、そして、個人も企業も成長し続ける、そうした姿を目指したいと考えています。
ソニーは事業と人材の多様性を生かし、進化・成長し続けることにより、顧客に選ばれ、優秀な人材を集め、企業価値を高め、そして社会に還元する、このようなポジティブスパイラルを生み出していきます。
代表執行役 社長 COO 兼 CFO
十時 裕樹