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2001年11月2日

1/2インチ幅1リールテープカートリッジを用いた大容量ストレージ向けテープストリーマー新規格「S-AIT」を開発

非圧縮時500GBの大容量を実現

ソニーは、ブロードバンド時代に向けて昨今益々重要性が高まっている企業等の大容量ストレージ需要に対応するため、テープストリーマーの新規格「S-AIT(Super-Advanced Intelligent Tape)」を開発しました。今回開発したS-AIT規格は、AIT規格の基本技術を継承するとともに、新たに1/2インチ幅のシングルリールテープカートリッジを採用することで、500GB(非圧縮時)の大容量を実現しています。
S-AIT規格は、8ミリテープを用いたテープストリーマー規格AITに用いられているヘリカルスキャン方式、メタル蒸着テープ、リモートMICなどの優れた技術を採用することで、高密度記録等における高い信頼性、利便性を保証しています。ヘリカルスキャン方式は、テープ記録の高密度化と高転送レート化において優れた方式であり、メタル蒸着テープと組み合わせることで、高い記録密度を実現します。また、テープカートリッジに内蔵されるリモートMIC(容量8KB)を使って、記録内容のデータ検索が可能。検索したいファイルの存在するテープカートリッジ、あるいはテープカートリッジのどの部分に記録されているかをすばやく検索できるので、ストレージにおいて高い利便性を実現します。
本規格では、上記AIT規格の基本技術の継承に加えて、今回新たに1/2インチ幅テープを用いたシングルリールカートリッジを採用、5.25インチFHサイズのドライブで非圧縮時500GBの記録容量を実現します。これにより、既存ライブラリー等において容易に大容量化が可能です。また、今後は当面第4世代(非圧縮時:4000GB)までのロードマップを見据えて、更なる高容量化に向けた開発に取り組んでまいります。
ソニーは、2002年末を目途にS-AIT規格に基づくドライブ及びメディアを製品化する予定です。更に、当社は松下寿電子工業株式会社に対してドライブの製造ライセンスを行なう予定です。また、松下電器産業株式会社は、来年のソニーからのドライブの発売に合わせメディアの製造を開始する予定です。テープライブラリー製品については、米国メーカーADIC社、Spectra Logic社、Qualstar社から既に賛同を得ており、ソニーのドライブ発売開始以降、上記メーカー各社から、それぞれS-AITドライブ採用製品が順次発売される予定です。
今後、ソニーは、AIT規格を省スペース性と優れたアクセス性、コストパフォーマンスを兼ね備えたフォーマットとして中規模領域までのストレージ用途に、S-AIT規格を、500GBからテラバイトクラスまでを見据えた大容量領域までのストレージ用途として、それぞれ積極的に事業を展開してまいります。

  • 5.25インチFH(Full Height):デスクトップコンピューターなどにおいて、ストレージ機器などを装着するためのスロットで、間口サイズが幅146.0mm高さ82.55mmのもの。このサイズが事実上の業界標準となっています。

S-AIT規格の主な特長

記録容量:500GB(非圧縮時)

AIT規格の基本技術であるヘリカルスキャン方式、メタル蒸着テープに加えて、新たに採用した1/2インチ幅シングルリールテープカートリッジを採用することで、非圧縮時500GB、圧縮時1300GBの大容量記録を実現します。また、本規格に基づくドライブでは転送速度30MB/secの実現が可能です。

  • データ圧縮には、ALDC(Adaptive Lossless Data Compression)方式を採用しています。ALDCは、AITなど様々な規格で採用されている、圧縮性能の非常に高い方式です。

ヘリカルスキャン方式

現行AIT規格でも採用しているヘリカルスキャン方式を採用。大口径ドラムの高速安定回転に対し、低速で走行させているテープの送り位相を制御することで、サブミクロン単位の高精度トラッキングを実現し、高密度記録を可能にします。

メタル蒸着テープ(Advanced Metal Evaporated Tape)

極めて高い磁化を持つコバルト材を100%用いて高残留磁束密度を実現。また、テープ保護のためにDLC(ダイヤモンドライクカーボン)保護膜を採用し高い耐摩耗性、高信頼性を実現しています。更に、裏面は顔料粒子を極めて微細にして表面の突起を均一にし、テープガイドに対して安定した摩擦係数が得られるバックコートを施した高耐久性仕様です。

8KB容量のリモートMIC搭載

容量8KBのリモートMICをテープカートリッジに搭載。ドライブがリモートMICを読み取ることで、素早いファイル検索とアクセス時間の短縮を可能にします。また、リモートMICは非接触での記録/読み出し方式なので、特にライブラリー用途に適しています。

高信頼性テープローディング"リーダーブロック搬送方式"

シンプルなトランスポーターメカニズムにより、テープローディングの信頼性を大幅に向上。MCBF50万サイクルの高信頼性を実現します。更に万一の場合にもリトライが可能であり、フェイルする確率が極めて小さくなります。

  • 現在検証中です。

S-AIT規格の主な仕様

記録容量/カセット 非圧縮時:500GB、圧縮時:1300GB(2.6:1)
カートリッジ寸法 105.4×102.0×21.5mm(w×d×h)
テープ幅 12.7mm
トラックピッチ 5.5μm
面記録密度 720Mbpsi
記録媒体 AME(600m)、1リールカートリッジ、R-MIC
転送レート 非圧縮時:30MB/sec、圧縮時:78MB/sec(2.6:1)
圧縮技術 ALDC
信号復号方式 TCEPR4
MTBF 50万時間(duty 100%)
  • 本規格に基づくドライブの性能