報道資料
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2003年3月24日
運動性能とコミュニケーション能力を更に高めた
小型二足歩行エンターテインメントロボット「SDR-4X II」をROBODEX2003に出展
ソニー株式会社は、昨年公開された「SDR-4X」の運動性能やコミュニケーション能力をさらに向上させた「SDR-4X II」(試作機)を開発しました。4月3日から6日(プレス公開日:2日)にパシフィコ横浜で開催される「ROBODEX2003」に出展し、様々なパフォーマンスをご紹介する予定です。また、AIBO各シリーズの展示やAIBOの可能性を広げるソフトウェアのご紹介など、エンターテインメントロボットによる楽しさを訴求します。
「SDR-4X II」(試作機)
エンターテインメントロボット AIBO「ERS-210A」
ROBODEX2003への主な出展物
新開発 SDR-4X IIの主な特長
「SDR-4X II」は、昨年開発された「SDR-4X」に更なる磨きをかけ運動性能や人とのコミュニケーション能力の向上を図っています。
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運動性能の向上
二足歩行ロボットにおいて最も重要な課題である「転倒」に対して、「SDR-4X II」では、転倒しない 技術に加え、転倒する場合に対応する技術も搭載しています。バランスを崩した場合には、転倒を未然に防止するための回避運動を自らの判断で行います。また、転倒に至った場合には、前後左右の 転倒方向を検出し、それに応じた衝撃緩和の受身姿勢をとると共に、アクチュエータを細やかに制御することで衝撃を吸収しながら転倒する転倒回避/転倒制御を行い、あらゆる方向への転倒に対応 します。さらに、転倒後の復帰制御においては、転倒姿勢から自ら起き上がることができる転倒復帰機能が強化されています。
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安全機能の向上
人とのコミュニケーションを重要なテーマとするエンターテインメントロボットでは、人と接する ための安全設計が重要になります。「SDR-4X II」では、新開発の小型アクチュエータを搭載し、 アクティブコンプライアンス制御やアクティブ衝撃吸収制御などの高機能化を可能にしています。 これにより、万一ロボットの可動部に何かを挟み込みこんでしまった場合でも、可動各部に多数設置 された接触センサーがそれを検知、安全なレベルまでアクチュエータのパワーを下げるなどの安全の ための反射行動が可能になります。また、背面部のグリップを握って持ち上げることで、ロボット 全体の運動量を抑制するとともに、関節部が脱力するため安全に抱き上げ保持することもできます。
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マップビルディング照合機能の搭載
予め登録された色標識を識別し、色標識の配置を学習し、学習した色標識の配置に基づくロボット 自身の位置推定を同時に行うことができるマップビルディング照合機能を新たに搭載しました。この機能により、色標識を利用して、ロボット自らの判断で適切な位置に移動したり、場所に応じた行動 ができるようになります。
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対話機能の強化
音声認識、合成用にCPUを1つ増設することで、「SDR-4X」では外部PCと連携して実現していた大語彙 連続音声認識(語彙数約2万語)を、「SDR-4X II」では全て内部で処理することが可能になり、 応答性の向上が図られています。また、従来は人の顔と名前の記憶のみであった記憶対話機能が拡張され、人との対話で得た様々な単語を記憶し、その人にあわせた対話を行うことができるように なりました。さらに、あらかじめプリセットされているトピックス的シナリオを対話に利用することで面白い話題を提供し、かつユーザーの返答に応じて様々な応答を返すフレーズ駆動型対話技術 を搭載するなど、エンターテインメント性豊かな対話が可能となりました。
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エンターテインメントコンテンツの開発
坂本龍一氏作曲、仲畑貴志氏作詞によるオリジナル曲「奇跡の旅」を含む10曲以上の歌、大小1000以上 のモーション、200以上の対話シナリオで構成されるエンターテインメントコンテンツを開発しました。また、これらのコンテンツを組み合わせてさまざまな行動プログラムを簡便に設計できる開発環境も開発し、自律行動として自然にエンターテインメントを提供するロボットの開発が可能になりました。
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充電用ステーション
ロボットの内部電池充電用およびロボット内部情報の取得や設定が可能な別置きロボットステーションを新規開発しました。
新開発ソフトウェアのご紹介
ソニーでは、二足歩行ロボットの開発に加え、AIBOの楽しさを広げるソフトウェアの開発を行って います。会場では、新たに開発されたソフトウェア技術のご紹介も予定しています。
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アプリケーションソフトウェア「Photo Mail」(試作品)
電子メールを使って、離れた場所からAIBOで写真撮影を行うアプリケーションソフトウェアです。 電子メールにより撮影の指示を受け、AIBOが写真を撮影、その画像をメールで返信します。 ワイヤレスLAN機能を利用し、AIBOがお客様のメールサーバーに定期的にアクセスすることで、 電子メールによる写真撮影指示や撮影写真の返信が可能になります。撮影命令の他に、撮影方向や 撮影音の指定が可能です。
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ソフトウェア開発環境「AIBOリモートフレームワーク(仮称)」
パソコンからワイヤレスLAN経由でAIBOをコントロールするPCアプリケーションを作成するための 開発環境です。AIBOから得られる、音声・画像・関節角度・センサー値等のデータをパソコン側で処理、それに応じた指令をパソコンからAIBOに与えるアプリケーションソフトウェアの開発が 「AIBOリモートフレームワーク」で可能になります。本開発環境により、エンターテインメント分野に留まらないAIBOの新しい応用利用が実現できます。
一般のお客様向けAIBOのホームページ:
http://www.jp.aibo.com/
※上記URLはhttp://www.sony.jp/products/Consumer/aibo/index.htmlに変更されました