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2003年10月16日

90nm半導体設計環境によるSOC開発をスタート

世界初の90nm DRAM混載SOCを、HDD搭載DVDレコーダー「PSX」に搭載

ソニー株式会社は、より高集積度・高性能なSOC(System On Chip)の開発を実現する90nmプロセス*1の半導体設計環境を構築しました。この設計環境は、ソニーが2001年5月から整備を進めてきたもので、HDD搭載DVDレコーダー「PSX」用のCPUおよび描画プロセッサーの機能を集積した、世界初*の90nmDRAM混載SOCである「90nm EE+GS」の設計において、その有効性は既に実証されています。今後ソニーはこの90nm半導体設計環境を幅広く利用し、様々なエレクトロニクス製品向けに高集積度・高性能のSOC開発を進めてまいります。(*2003年10月16日現在、ソニー調べ。)

半導体は、エレクトロニクス機器のデジタル化やネットワークへの対応が進展する中、製品の付加価値を左右する重要なキーデバイスとなっています。その中でも、製品の機能や性能、使い勝手などの向上において重要となるのが、機器の持つ主要機能を1つのチップに集積したSOCと呼ばれる半導体デバイスです。1000万ゲートを超える回路規模のものも登場するなど、SOCは近年ますます高性能・高集積化しており、短期間で効率的なSOC開発を行うための環境構築が、高い付加価値を有するエレクトロニクス機器の開発にとって必須となっています。ソニーでは、このSOCの高性能化・高集積化に対応するため、2001年5月より90nmのプロセス世代に対応する半導体設計環境の整備を進めてきました。

  • この度構築されたソニーの90nm設計環境では、SOCの高集積化という基本的なメリットに加え、以下のような大幅な設計条件の改善がなされています。
    • マルチライブラリによる、演算処理の高速化と消費電力低減の両立
    • マルチVth*2設計フローにより、漏れ電流を従来手法の50~70%に低減し、消費電力を低減
    • 最新の論理合成ツールを導入し、設計・検証期間を従来比約1/3短縮、回路規模も約20%削減
    • 多電源機能を充実させることにより、様々な製品の仕様に対応した設計が可能

さらに、使用するシステム設計言語を「SystemC」に統一することにより、ハードウエアとソフトウエアを協調設計することが可能となりました。この結果、SOCの動作検証や機能検証の効率化、高集積化や回路の大規模化に伴う設計期間の増大の抑制、などのメリットが実現されました。

今後ソニーは、より優れた製品の開発を目指し、90nm設計環境をSOC開発のプラットフォームとして、社内向け各種SOC開発を加速いたします。また、2005年度を目処に、現在30%であるソニー製品向けSOCの社内設計比率を50%まで引き上げ、高付加価値デバイスの内製化をより一層進展させてまいります。

  • *1ナノメートル(10億分の1メートル)。ナノは10のマイナス9乗。
    なお、本90nmのプロセス技術は株式会社東芝との共同開発によるものです。
  • *2閾値電圧。SOCの基本構成要素であるMOSトランジスターがスイッチオフからオンに変わる閾値の電圧。