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CEOインタビュー:
クリエイターと共に創るソニーのメタバース

    インタビュー全文

    Q1.クリエイターに近づくことをより重視する理由

    ―――経営方針説明会で「クリエイターに選ばれるブランドでありたい」と、お話されていたのが印象的でした。クリエイターに近づくことをより重視されている理由は何でしょうか?

    吉田:ソニーの経営のキーワードは、Purposeにあるとおり「感動」です。
    その感動を生みだす出発点は人のクリエイティビティにあることが、「クリエイターに選ばれるブランドでありたい」と話した理由になります。

    また、ユーザーへの感動の届け方、これも多様化していて、そのこともソニーがクリエイターに近づいて、クリエイターから選ばれる存在であることの重要性を高めていると思います。
    テクノロジーが進化して、放送、パッケージ、それからネットワークと感動を届ける手段は広がっていきました。
    そして、ネットワークも、ダウンロード、ストリーミング、ソーシャル・インタラクティブへと進化しています。
    このネットワークは、ユーザーの動機により近づく形で、分化してきていると思っています。
    このようにメディアの多様化、それから配信するコストが低下する中で、コンテンツ、あるいはクリエイター側がメディアを選ぶ時代になりつつあると思っています。

    こうした環境認識も踏まえて、「クリエイターに選ばれるブランド」でありたいと考えています。クリエイターにとって一緒に何かをやってみたいと思われる存在でありたいと。
    メタバースも、クリエイターと一緒に取り組むべき領域だと思っています。

    Q2.メタバースの捉え方

    ―――その「メタバース」を吉田さんはどのように捉えていますか?

    吉田:メタバースは、時間と空間を共有するライブ的なネットワーク空間。そしてそこにはソーシャルの要素があると思っています。
    先ほど触れた感動の届け方の変遷、これをもう少し詳しく言うと、20世紀のメディアの主役は放送とパッケージ。それが21世紀に入ってネットワークに広がりました。
    ネットワークというメディアも、ダウンロードからストリーミングで音楽、映画などを楽しめる形に進化してきています。

    そして今では、リアルタイムでCGをレンダリングするゲーム技術と融合して、インタラクティブなエンタテインメント空間へと広がってきました。
    エンタテインメントの本質は「ライブ」だと私は思っていますけど、このライブ的な進化をしているエンタテインメント空間に、さらにソーシャルの要素が加わったものがメタバースだと捉えています。
    このメタバース領域には、ソニーにとって大きな可能性と機会があると考えており、モビリティとならぶ新しい成長領域として取り組んでいきたいと思います。

    Q3.メタバースで注力する領域

    ―――メタバースは世界的にも注目を集めています。企業参入が相次ぎ、色々な領域のメタバースが生まれていますが、ソニーが注力する領域は何でしょうか?

    吉田:メタバースには、コミュニケーションや、ブロックチェーン/NFTベースのトランザクションを中心としたメタバースもありますが、ソニーはクリエイティブエンタテインメントカンパニーとして、まず取り組むのは「エンタテインメント」のメタバースとなると思います。

    フォートナイト内でアーティストのライブコンサートに代表されるように、私はメタバース空間には、多様なエンタテインメントが交わることができるパワーがあると思っています。
    ソニーはゲーム、音楽、映画、そしてアニメの多様なエンタテインメント事業に加えて、テクノロジーでもメタバースの広がりに貢献していけると思っていて、具体的には、まずリアルタイムCGレンダリングなどのゲームの技術があります。

    さらに、メタバースと人のインターフェースであるVR・ARの領域では、マイクロOLEDのようなディスプレイ、アイトラッキングのようなセンシング、そして3Dオーディオなどソニーが培ってきたさまざまな要素技術が活かせると思っています。

    Q4.メタバースでユーザーに感動を届けるためのアプローチ

    ―――ソニーの多様性がメタバースに貢献することをよく理解しました。世界中のユーザーに感動を届けるためのアプローチはどのようなものでしょうか?

    吉田:一言でいえば、「コミュニティ・オブ・インタレスト(Community of Interest)」だと思っています。
    人々の動機、関心ごとに感動空間を創ることが、ソニーのめざすメタバースなのではないかと思っています。

    具体的にはゲーム、音楽、そしてスポーツなどがあります。
    ゲーム領域では買収完了が前提となりますが、「ライブサービス」に強みをもつBungieがあります。
    クリエイターとユーザーとのインタラクティブなゲームエンタテインメント体験を創造しています。音楽ではゲーム空間の中で、ソニーミュージックのアーティストが、多くのライブパフォーマンスを披露しています。スポーツではマンチェスター・シティ・フットボール・クラブと協業して仮想空間にスタジアムを再現しています。

    ―――経営方針説明会で、メタバースに注力することを発表し、グループの社員からは、どのような反応がありましたか?

    吉田:経営方針説明会当日に社内ブログを通じて、「ソニーがめざすメタバースとは何か」など、社員に問いかけをしました。様々なグループ会社の社員から200件以上の回答がありました。ソニーが活用できる技術や我々が取り組むメタバースを表すのに相応しい名称案など、具体的な提案もあって、社員の関心が高いことを改めて感じました。
    多様な社員との対話を深めて、メタバースの進化に貢献したいと思っています。

    ―――多様な事業会社で活躍する社員とのディスカッションから、グループ連携による新しいメタバースが生まれそうですね。

    吉田:多様な事業、多様な社員を大切な資産と捉えています。そういうソニーですけれども、自社だけでは出来ない領域もあるとも思ってます。

    音楽や映像のストリーミングで配信プラットフォームと提携しているように、メタバースでもパートナーとの連携を通じて感動を届けることも重要だと思っています。Epic Gamesへの出資を通じたメタバース領域での連携強化もパートナー連携の一つです。

    自社だけでなくて、パートナーとも連携することで世界中に感動を届けることができると思ってます。

    Q5.メタバースの取り組みと「Purpose」とのつながり

    ―――最後に、メタバースの取り組みは「Purpose」にどのようにつながっているのかお聞かせください。

    改めて、ソニーのPurposeは「世界を感動で満たす」ことです。
    そして、エンタテインメントの本質はライブです。「時間」と「空間」を共有できるライブ空間として進化しつつあるメタバースは、ソニーがクリエイターのクリエイティビティを支え、広げるための新しい感動空間だと思っています。

    多様な事業と社員、そしてテクノロジーを活用してメタバースの拡大に貢献していくことが、私たちのPurposeにつながる、と考えています。
    ここでの貢献をソニーの成長につなげていきたいと思っています。

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