感動を「創り」、「届ける」ためのテクノロジー - AWS re:Invent 2025に小寺CDOが登壇 -
12月2日、米国・ラスベガスで開かれた、Amazon Web Services (AWS) が主催するAIとクラウドコンピューティングに関する年次カンファレンス「AWS re:Invent」に、ソニーグループ CDO(チーフデジタルオフィサー)の小寺剛がAWS CEOのマット・ガーマン氏が行った基調講演にゲストスピーカーとして登壇しました。
ソニーは設立当初より「感動」を常に創り届けてきた会社であり、テクノロジーの変遷と共にそのアプローチを進化させ続けてきました。これからのAIそしてエージェンティックAI時代を見据え、最新のテクノロジーを駆使し、企業としての生産性を高めることに加え、ファンやクリエイターに新しい感動体験を提供することを目指し続ける方針についてお話ししました。
本日は、ソニーにとって非常に特別な意味を持つ言葉、「感動」についてお話しします。
この言葉を英語に直訳すると「Emotion」ですが、「感動」という日本語はそれ以上の意味を持っています。映画を観たり、音楽を聴いたり、ゲームをプレイしたりする際に生まれる、深い心の感情や体験を表現しています。私たちソニーにとって、「感動」はあらゆる事業活動を通じてお客様に創り、届けることを目指すものであり、感動は私たちの存在意義の中核を担うものです。
私たちのファウンダーは1946年、「テクノロジーの力で人々の生活を豊かにしたい」という夢を持ってソニーを設立しました。そして、テクノロジーによって新しい体験やライフスタイル、そして感動を届ける世界を目指してきました。
このビジョンに基づき、私たちは革新的な商品を次々と生み出し、まったく新しい産業や顧客体験を作り出してきました。
アナログからデジタル、インターネット、クラウドへと技術が進化する中で、ソニーは変革を繰り返してきました。
現在、ソニーは単なるハードウェアテクノロジー企業ではありません。私たちはゲーム、音楽、映画、アニメといったエンタテインメント領域におけるリーダーであり、これほど深みのある事業ポートフォリオとファンやクリエイターとの接点を持つ企業は他にありません。
今年の最も象徴的な成功例のひとつが、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編第一章 猗窩座再来』です。11月末時点で、この映画は日本映画として歴代最高の全世界興行収入を達成し、2025年に公開された全カテゴリの作品の中でも世界5位となりました。
この『鬼滅の刃』の成功のように、今後も私たちはクリエイターのビジョンとファンへの深い理解を掛け合わせることで、新たな感動を届けていきたいと考えています。そしてAWSとの連携は、これを実現する上で極めて重要な役割を果たしています。
一例として、2010年代初頭に当時私がプレジデントを務めていたPlayStation®やその他のソニー製品向けのネットワークサービス会社(旧ソニー・ネットワークエンタテインメントインターナショナル)では、グローバルな展開力や高い可用性・スケーラビリティを持つAWSをプロバイダーに選びました。
今日、AWSとの関係に支えられ、私たちは安全・安心で高品質なゲーム体験、かつ最大1億2900万人のゲーマーの皆さんが感動を分かち合う環境を提供しています。
今後、私たちは多様なコンテンツIPを通じて似たような趣味や関心を持つファン同士をつなぐことで、ファンコミュニティを成長させる大きな可能性があると考えています。
同時にクリエイターコミュニティに対しても、ツールに加え、データから見えるつながりやインサイトを提供することで、彼らの制作をサポートしていきたいと考えています。
私たちが「エンゲージメントプラットフォーム」と呼ぶこの取り組みは、コンテンツを体験するファンと、それを創るクリエイターの間に、より深い理解とつながりを生み出します。
そして、エンゲージメントプラットフォームの基盤の一つとなっているのがSony Data Oceanです。これは、接続された複数のデータレイクにあるデータを活用し事業者に新たなインサイトを提供するものです。
もちろん、データを最大限に活用して感動をお客様に届けるためには、AIやAIエージェントを効果的に活用し、社員の力そしてビジネスの能力を拡張していく必要があります。
企業としての生産性を向上させるために、私たちは生成AIの活用を積極的に推進しています。Amazon Bedrockを活用して構築した自社開発のEnterprise LLMは、導入から2年の今、57,000人以上のユーザーが利用し、1日あたり15万件の推論リクエストを処理しています。
現在、新たなエージェント機能をソニーのプラットフォームに取り入れることによって、私たちのビジネス全体において、更に高度な業務効率化を実現しようとしています。そして、より有用なエージェント機能を簡単に制御・導入・管理することにより、我々のエンタープライズAIトランスフォーメーションを加速することが可能になります。
また、ソニーはクリエイティブ領域においてもAIの倫理的で責任ある開発と活用に全面的に取り組んでいます。私たちは最高水準の規範を持ち、クリエイターやアーティストの権利を尊重します。
今後、ソニーはどこに向かっているのでしょうか。
私たちは、ファンとクリエイターの間に意味あるつながりを築き上げることで、双方の想いを叶えるような感動を創り、届け続けます。
今後も、さまざまなジャンルのエンタテインメントにおける人気のコンテンツIPを通じて、ファンエンゲージメントをさらに広げていきます。
「アンチャーテッド」や「The Last of Us」で行ってきたように、ロケーションベースエンタテインメントを含めてバーチャルとフィジカル、両方の環境を通じてファンやクリエイターとのつながりを作っていきたいと思っています。
私たちのビジョンを実現するためには、AWSをはじめ、ここにいらっしゃるクリエイティブおよびテクノロジーパートナーとの、より強力な連携が欠かせません。
これからも、皆さまと共に世界中のファンにさらなる感動を創り、届けていくことに励んでいきます。