テクノロジー
トリポーラスの基礎特性
トリポーラス
従来活性炭
トリポーラスの拡大画像
従来活性炭の拡大画像
東京工業大学横井俊之研究室にて撮影
Triporous™(トリポーラス™)には、2nmのマイクロ孔、2~50nmのメソ孔、約1μmのマクロ孔が複合して多く存在します。
一方、従来の活性炭はマイクロ孔を主体とした細孔が多く存在しています。
そのため、トリポーラスは従来の活性炭で吸着しづらかった大きな有機分子やウイルスなどの大きな物質を容易に吸着します。
さらに、活性炭に比べ、優れた吸着スピードや高い薬剤担持量などの特性も有しています。
ソニー独自の製造方法で、独特の多孔質構造を実現
トリポーラスの製造過程では、まず籾殻の細胞間に多く蓄積するシリカを取り除くため、籾殻を炭化します。
その後、シリカをエッチング(除去)し、大きなマクロ孔を形成し、賦活処理(水蒸気による高温処理)を行うことで、メソ孔、マイクロ孔を発達させます。
このソニーが発明した製造方法によって、トリポーラスは、マクロ孔、メソ孔、マイクロ孔を持つ、独特の多孔質構造を実現しています。
ソニーはトリポーラスの素材や応用技術に関するさまざまな多くの特許を保有しています。
優れた吸着スピード
ニオイの原因になるアンモニアガスを活性炭*1の6倍のスピードで吸着*2
従来の活性炭はマクロ孔の容積が小さく、物質が通りづらいため、吸着に時間を要することがありました。
トリポーラスは、大きいマクロ孔やメソ孔が物質の通り道になり、粒子内拡散が速く、物質を高速に吸着できます。
その一例として、ニオイの原因となるアンモニアガスの吸着速度評価では、従来の活性炭よりも約6倍のスピードで吸着することが確認されました。
液相においても吸着スピードが速いため、たとえば、浄水フィルターに使用すれば、不純物の高速除去が期待されます。
- *1 ヤシ殻系の活性炭
- *2 等重量あたりでの比較
1gあたりのトリポーラスと活性炭(ヤシ殻系)のアンモニアガスの吸着量の比較
アンモニアの単位重量あたりの減少率を比べると、トリポーラスの方が短時間で、活性炭の約6倍となる大きな消臭効果を実現。
1gあたりのトリポーラスと活性炭(ヤシ殻系)の水中におけるメチレンブルー吸着量の比較
水溶液中の色素(メチレンブルー)吸着においても、トリポーラスの方が活性炭に比べて約2倍の吸着速度を確認。
さまざまなサイズの有機物質を吸着
従来の活性炭*3に比べ、分子量の大きな有機色素を2倍以上、タンパク質を3倍~8倍吸着できる。
さらに、ウイルスや細菌を除去することも可能
トリポーラスには、2nmのマイクロ孔、2~50nmのメソ孔、約1μmのマクロ孔が複合して存在しているため、
さまざまなサイズの有機物質を多く吸着することが可能です。
たとえば、工業の排水で問題になっている大きな有機分子は、活性炭の約2倍の吸着性を実現。
従来の活性炭で吸着しづらかったタンパク質についても3~8倍の高い吸着性を達成しています。
さらにウイルスや細菌を除去できるため、たとえば、新興国の浄水装置や乾燥地域の再生水製造への貢献が期待されます。
- *3 ヤシ殻系の活性炭
Black5
分子量の大きな色素(Black5)で、1gあたりの吸着料を比べると、トリポーラスは活性炭に比べて約2倍の吸着性を実現。
Fel d1
タンパク質(Fel d1)の吸着においても、トリポーラスは活性炭に比べ、約8倍もの高い吸着特性を実現。(ITEA株式会社 東京環境アレルギー研究所にて評価(試験番号:T1706032))
ウイルスの吸着
液相中のウイルスは、活性炭でほぼ吸着できませんが、トリポーラスでは99%以上の高い除去性能を確認。(認定NPO法人バイオメディカルサイエンス研究会にて評価(試験番号:BMR27-14)
高い薬剤担持量
空気清浄機や工場用フィルターに使用した場合、活性炭の約2倍以上長寿命化
トリポーラスは、マクロ孔やメソ孔に大きな細孔容積を持つため、保水率のデータからもわかるように、従来の活性炭よりも多くの薬剤や触媒を添着できます。
現在、工場のフィルターや家庭用の空気清浄機などでは用途に合わせた薬剤を添着した活性炭が使用されていますが、
マクロ孔やメソ孔に大きな細孔容積を持つトリポーラスであれば、従来の活性炭よりも多くの薬剤を添着でき、2倍以上長持ちするフィルターを実現できます。
水保持率
トリポーラスは、活性炭に比べ、2倍以上の保水率を実現。
これらの技術特性から消臭繊維などのアパレル分野から、浄水フィルターなどの水浄化分野、
エアフィルターなどの空調産業分野、洗浄剤などのヘルスケア分野まで幅広い応用が可能となります。
詳細は以下をご覧ください。