SONY

松本 健太郎

Sony Hong Kong, Hong Kong Marketing Company
マネージングディレクター

企画した海外向け製品に手応えを感じ、
その商品を自ら売りたくなり、海外へ出ようと決意しました。

グローバルにキャリアを重ねた19年間を振り返って

「わくわくするような商品を企画してみたい」という想いで2004年にソニーに入社しました。入社後の2年間は営業として家電量販店を担当し、現場での経験を積んだ後、2006年に念願の商品企画に異動し、テレビの事業部で欧米向け製品の企画担当となりました。エンジニアと一緒になって75インチ、85インチといった大きなサイズのテレビでの高精細・高画質化に取り組んだり、デザイナーと共に「デザイン性の高い家電」を目指したり、より魅力的な製品作りに励んだ日々を思い出します。5年ほど経ち、自分たちのものづくりに良い手応えを得るにつれて、次第に「このテレビを自分の手で直接売ってみたい」と考えるようになりました。そして欧米向けのマーケティング部署への異動の機会を得て、英国でのマーケティングセールス全般を任されるようになります。5年間の駐在期間の中で、よい売上の達成に貢献することもできました。米国のサンディエゴに移った後は、北米全体のパーソナルオーディオ事業のビジネス責任者として、マーケティングセールス全般を担当しました。優れたノイズキャンセリング機能で世界を席巻したヘッドホン「1000Xシリーズ」の大ヒットもあり、大きな実績を残せたと自負しています。そして2020年に、香港の販売会社(以下Hong Kong Marketing Company)の代表に着任しました。現在は約150人のチームを率いて、香港市場での事業を統率しています。香港では「D2C(Direct to customer)」が重点領域ですが、欧米とはまったく違った文化や市場ですし、就任当初は新型コロナウイルスのパンデミックの最中だったこともあり、試行錯誤の日々でした。今では、直営店のタッチポイントや最新のCRM*1やMarTech*2を最大活用してソニーが大切にしている「お客様に近づく」ことを実践しています。同時に、売上・利益の拡大と、ソニーブランドの持続可能な成長と強化にも力を注いでいます。マネジメントのリーダーとして「InnovativeかつTransformative」であるため、まずリーダー自身が率先して働き、効率化に注力して無駄を排除する一方で、直営店では一流の接客体験を提供するため必要な教育に充分な時間をかける、といった効果的な事業運営を行いながら業界No. 1のチームづくりを目指しています。

  • *1Customer Relationship Management の略語。顧客関係管理の略称で、企業などが顧客との関係を構築し、強化するために使用する仕組み、戦略、プロセス、または技術の総称。
  • *2Marketing Technologyの略語。マーケティング活動において、インターネット広告、電子メールマーケティング、SNSマーケティング、SEO(検索エンジン最適化)、CRM、AIデータ分析など、ITテクノロジーを活用すること。
社員のご家族も招待した、ソニーストア銅鑼湾開店セレモニーの様子

製品が売れる現場に、最も近いリーダーだという自負があります。

「現場」を重視したチームビルディング

これまでのキャリアを振り返ると、地道な活動や実績の一つ一つの積み重ねが現在につながっていると思います。英国では4Kテレビの付加価値販売のため200人の販売チームをゼロから立ち上げ、教育を徹底し、セールスのプロフェッショナル集団として育て上げました。販売店にも足繁く通い、製品ディスプレイやお客様へのセールストークにも細かく要望を出し続けるとともに、販売データを活用したチームの意識づけにも取り組みました。米国では主要な大手量販店との商談のため、何度も飛行機を乗り継ぎ、各量販店の本社に通い詰めたことも記憶に残っています。また著名なテックメディアのレビューアーに、東京のエンジニアを伴って製品説明に行ったこともあります。効果的な製品導入のため、多くの人々と目標を共有し、その達成に向けたさまざまな企画の実践とマーケティング活動のトライ&エラーを続ける毎日でした。現在Hong Kong Marketing Companyではマーケティング活動シンボルとして「First Penguin」*3のスローガンを掲げ、目標達成のため、日々邁進しています。戦略を掲げ、実現のためのオペレーション構築や組織自体が持つ「能力や力量(organizational Capability)」の強化は大切だと感じています。その一環で自らCEO(Chief Enkai Officer/チーフ・宴会・オフィサー)と称し、仲間の成果を労い、モチベーションを高めるのも私の重要な役割です。そして、店頭の販売チーム、顧客サービス担当といった販売現場の人々にとって最も近いリーダーだという自負があります。リーダーとして、事業と組織に関わる人々の点と点をつなぎ、一体感をもって楽しく業務を進めていくために、努力する。これらが私自身のモットーでもあります。

  • *3ペンギンの群れの中から、最初に海に飛び込む、果敢なペンギンを指す。ビジネスにおいては「新しい分野であってもリスクを恐れず、先陣を切って挑戦する」意味で使われる。
Sony Hong Kong Marketing Companyの60周年を祝う会(右端が私自身)

恩師から受け継いだ知見をビジネススクールで体系化

海外でビジネスパーソンとして日々業務に取り組む中で、尊敬できる上司に恵まれたのは本当に幸運でした。特に欧州時代には、グローバルセールス&マーケティングの役員から薫陶を受け、「リーダーには、明確で持続可能なビジョンと戦略、現場の人間と対話を続ける姿勢、そのビジョンを実現する仲間が必要である」ということを学びました。そして米国赴任時には、ビジネススクールで、上司に教わった「リーダーに求められる要素」を体系的なビジネスの知見として会得する機会にも恵まれました。日々の業務をこなしながら学位を習得することには苦労もありましたが、周囲のサポートで乗り越えることができたと思います。ビジネス理論の体得だけではなく、学び舎で出会った仲間の多様なバックグランドに刺激を受け、価値観の幅を広げられたことは大きな財産となっています。

ボストンにあるビジネススクールの教室で、クラスメート達と

これからの挑戦

新人研修の時に「世界中で感動を生み出し、感動を伝え、購入されたお客様に感謝したい。同時に感動を形にしたソニーの仲間にも感謝しつづけたい。」とスピーチしたことを思い出します。19年が経った今でも、その気持ちはまったく変わっておらず、そう思い続けられる環境に身を置けているのはありがたいことです。入社して以来一貫して「感動を伝える役割(=マーケティング活動)」に従事してきましたが、12年間にも渡る海外駐在というチャレンジングで学びの多い環境を提供してくれるソニーに大変感謝しています。私が入社した当時のソニーはまだまだ、エレクトロニクスが主流のビジネスでした。現在のソニーは、事業が多様化し、ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画、エンタテインメント・テクノロジー&サービス、イメージング&センシング・ソリューション、金融など、ソフトとハード両面でさらなる成長を実現しています。グループグローバルで約11万人の社員が、世界を感動で満たすため「クリエイティビティとテクノロジーの創出」に励んでいます。海外赴任経験やビジネススクールでの学びから、私はソニーに対してさらに大きな成長の可能性を感じています。今後は、ソニーグループ全体が進める多様な事業領域に、自分自身の挑戦の場を求めて行きたいと思います。