2023年3月13日から17日まで米国カリフォルニア州アナハイムで開催される第38回 CSUN Assistive Technology Conference(CSUN)に、ソニーグループ株式会社が出展します。CSUNは、「アクセシビリティ」をキーワードとした最新の製品・サービスや取り組みについて紹介する国際会議で、毎年、障がいのある多くのユーザーはじめ、業界をリードするさまざまな企業や政府・有識者が集まります。
ソニーは、インクルーシブな未来に向けて、誰もが自分らしく、そして、感動を分かち合える世界を目指し、製品、サービス、体験のアクセシビリティを高めています。その一環として2018年から本イベントに参加しており、2023年はブロンズスポンサーを務めています。
2023年は、アクセシビリティに配慮した以下7製品の展示及びソニーが取り組むアクセシビリティに関する活動などを紹介するセッションを予定しています。
ソニーのデジタルカメラの一部モデルには、メニューと動画再生画面を音声で読み上げて操作をアシストする『音声読み上げ(Screen Reader)』機能※1を搭載しています。会場の技術展示では、10言語まで対応する『音声読み上げ』機能を搭載し、メニュー画面を拡大表示できるα(Alpha™)を体験できます。
また、サイバーショット®『DSC-HX99』と、株式会社QDレーザのレーザ網膜投影技術を応用したビューファインダー『RETISSA NEOVIEWER (レティッサ ネオビューワ)』※2を組み合わせた、網膜投影カメラキット『DSC-HX99 RNV kit』も体験できます。
2022年の米国FDA(Food and Drug Administration)による規制変更に伴い、昨年より医療機器である補聴器の販売が、専門家を有する販売事業者を通じた従来の販路だけでなく、新たにコンスーマー販路(OTC)にも広がっています。
今年のCSUNでは、WSオーディオロジー社とのパートナーシップのもと発売した極小サイズで目立ちにくい『CRE-C10』と、これまでの補聴器とは異なる外観で新しい装用スタイルを提案する『CRE-E10』を出展します。
これらの製品は、補聴器を使用する際に必要となるユーザーごとの聴力に合わせた調整を、ユーザー自身がスマートフォンで行うセルフフィッティング※2に対応し、専門家に劣らない精度の調整を実現しているため、気軽に安心してお使いただけます。
また、スマートフォンの専用アプリを使って細かいチューニングや、ボリューム操作などをユーザー自身でいつでも行うことができます。
Android※1 OSを搭載するXperia™スマートフォンの各シリーズは、『TalkBack』※2や操作画面の視認性向上などの、視覚、聴覚、操作をアシストするアクセシビリティ機能を搭載しています。2021年からはソフトウェアのチームが中心となってソニー・太陽株式会社の障がいがある社員と対話しながら、一部のアプリケーションの改良を行っています。この活動から生まれた新たなアクセシビリティ機能も加え、アクセシビリティに配慮したXperiaスマートフォンの操作性を会場では体験できます。技術展示として、フォト撮影機能『Photography Pro(フォトグラフィー プロ)』を使って撮影する際に、撮影画面の水平/垂直の計測情報を音で撮影者に知らせる機能を紹介します。
PlayStation®5(PS5™)では、システムの設定をはじめとした各種画面をより見やすく使いやすくするための設定を、まとめてカスタマイズすることができます。ホーム画面から『設定』を選び、『アクセシビリティ』を選択すると、画面のズーム、色の補正、大きな文字、太い文字、ハイコントラスト、クローズドキャプションなどの設定をすることができます。
また、さらに快適な環境をサポートする機能として、画面に表示されたテキストを読み上げる『音声読み上げ』機能も搭載しています。音声読み上げ機能のひとつであるボイストランスクリプションの設定をすると、ゲームプレイ中に他のプレイヤーのボイスチャットをテキストに変換して表示したり、他のプレイヤーに向けて入力したテキストの読み上げをしたりすることができます。
LinkBudsは、リング型ドライバーユニットを搭載し、耳をふさがない構造の完全ワイヤレス型ヘッドホンです。ヘッドホンを装着しても耳をふさがず、周囲の音を自然に聞きながらヘッドホンを通じてあらゆる情報を得たり、音楽などのエンタテインメントを楽しめたりします。また、ヘッドホンの本体操作だけでなく、耳の辺り※1をタップすることで、音楽の再生、一時停止、楽曲のスキップなどの操作が可能な『ワイドエリアタップ』機能を搭載しています。会場では、周囲の音を聞きながらの音楽リスニングや『ワイドエリアタップ』機能による操作を体験できます。
Android™※1を搭載するウォークマン®では、音声読み上げ機能の『TalkBack』※2を使って音楽再生や音量調節などの操作ができます※3。画面を2本の指で上下にスワイプすると画面が切り替わり、その画面で操作できる機能や設定のタイトルが読み上げられます。画面内も左右スワイプで瞬時に移動。音量変更や再生・停止、曲送り、曲戻しなどは従来どおり本体側のボタンでも操作可能です。
テレビには視覚・聴覚・操作をアシストする様々なアクセシビリティ機能が搭載されています。会場では、画面上の文字を拡大する『文字の拡大』機能※1※2やテレビの設定項目を読み上げてくれる『音声読み上げ』機能※1※3を体験できます。また、Google アシスタント搭載のブラビア®では、『OK Google, 〇〇して』と直接テレビに話しかけるだけで、YouTube™ などの動画検索、電源の入り切りや音量調節など、テレビの音声操作ができます。※4※5※6
CSUN2023では、以下のセッションを予定しています。
ソニーグループ株式会社 副会長 石塚 茂樹とソニー・エレクトロニクス ノースアメリカ 社長 兼 COO ニール・マノウィッツから、ソニーがめざすアクセシビリティについてメッセージをお伝えします。また、ソニーと障がい者団体との連携や協業から、アクセシビリティに配慮した最新の製品まで、ソニーのアクセシビリティに関する取り組みを紹介します。
ソニーはグーグル社と共に、すべてのお客様が誰かの介助を求めることなく、ご自身でGoogle TVをもっと操作できることの重要性を議論します。また、音声読み上げ機能を使用されるお客様に向けて、どのようにGoogle TVの設置、初期設定をアクセシビリティに配慮したものにしてきたかについてお話します。
ソニーグループ株式会社のR&Dセンターでは、未来に向けた支援技術(アシスティブテクノロジー)に関するアイデア創出や技術開発を行っています。今回はその中から、視覚障がい者が目的地まで安全かつ自立して移動できることを目指したライトタッチ効果※とドローンを用いたナビゲーションシステムについてのプレゼンテーションを行います。ライトタッチ効果のための接触力と、進むべき方向を伝える誘導力の合力で誘導するプロトタイピングを用いた実験を通して、姿勢の安定化と誘導が両立できることをご紹介します。