環境負荷ゼロを目指して
担当者インタビュー
明るく大きく、地球に配慮する。
心からテレビを楽しむために。
Focus point 1 温室効果ガス排出量の大幅削減
ソニー株式会社
技術センター 商品設計第1部門
武田 剛直YOSHINAO TAKEDA
INTRODUCTION
温室効果ガスの排出量を抑えるためには生産の現場だけでなく、家庭で使用される電力量も減らさなくてはいけません。実際、日本の世帯当たりのCO2排出量のうち、電気による排出量は全体の半分以上を占めています(※1)。この電力消費には必然的に電化製品も関わっているため、ソニーは製品の消費電力を抑える取り組みにも力を入れています。
環境中期目標「Green Management 2030」(GM2030)で掲げた目標は、ソニーグループ全体でスコープ3(※2)の排出量を25%削減すること。主に製品の消費電力を抑え、家庭などで長期的に消費される電力を大幅に削減することが目的です。
製品設計の現場では消費電力の削減を前提とした取り組みが実施されています。今回はテレビ「ブラビア®」の省エネ設計に注目。担当者の武田さんに、映像美を保ちながらも電力を抑える仕組みやその意義、今後の展望についてお聞きしました。
- 環境省「令和5年度 家庭部門の CO2排出実態統計調査 結果について(確報値)」より
- バリューチェーン上の上流および下流で生じる温室効果ガス(GHG)のあらゆる間接排出であり、自社の事業活動の結果として、スコープ1やスコープ2として分類されないGHG排出をいう。
PROFILE
武田 剛直YOSHINAO TAKEDA
2000年入社。ブラビアをはじめとしたテレビ製品の省エネ設計、各国・地域の電力規制対応や認証取得のマネジメントなどを担当。
テレビの回路基板やオーディオ部品の設計に携わった経験を持ち、製品設計の視点を踏まえつつ消費電力の削減に取り組む。
日々の生活で使用する電気を減らす。
暮らしから環境負荷を抑える取り組み
—まずは武田さんのこれまでのキャリアと、省エネ設計での主な取り組みについて教えてください。
新卒で入社して、テレビ製品の設計を担当していました。回路基板の電気設計やオーディオ部品の設計などですね。長期環境計画「Road to Zero」の取り組みが発足して以降は、省エネ設計に取り組んでいます。その年に開発する製品の消費電力の上限を決め、モデルごとに消費電力を細かに設定して省エネ化を着実に進めています。少しずつ消費電力を減らし、2030年までにはソニーグループ全体のスコープ3排出量の25%削減を実現する想定です。以前は製品本体の設計者として品質にフォーカスを当てていましたが、現在は品質に加え環境配慮を両立させるという視点を持つようになりましたし、製品設計には欠かせない役割なのでやりがいを感じつつ仕事に臨んでいます。
—何を意識しながら業務に取り組んでいますか?
技術者の心理としては、やはり良いものをお客様に届けたいと思うんです。画面の明るさや大きさに力を入れたいけど、それだけでは電力への意識が二の次になってしまう。それを調整し、技術者のこだわりを尊重しながら消費電力を減らす工夫をしています。私も本体設計として開発に携わっていたので、どのような工夫を施せば消費電力を抑えられるか同じ目線で検討することができると思っています。目標を示すと本体設計のチームも努力してくれますし、連携を取って高品質と省エネを両立していきたいですね。
映像美と環境配慮を同時に叶える。
さまざまな技術が搭載された製品を、みなさまのご家庭へ。
—目標達成に向けて、どのような手法を取っていますか?
テレビの消費電力を減らすにはバックライト、つまり画面に使われる電力を削減することが不可欠です。しかし画面の明るさは下げたくないので、「ブラビア」などでは映像のシーンに応じて画面内の明るさをコントロールする機能を搭載することで、メリハリのあるリアルな映像を実現しつつ、電力を削減する仕組みです。また、バックライトにミニLEDを採用し、明るさを維持して電力を抑えています。そのほか、消費電力を下げるモードの搭載など、お客様からの省エネ化のニーズにも応えています。
—省エネ設計にあたり、ソニーという企業の強みを感じることはありますか?
少ない電力で製品を動かすには何が重要かということが現場に蓄積されており、培ってきたノウハウを最新製品の開発にも反映しています。テレビ設計の長い歴史を持つソニーだからこそできることだと感じています。先ほどお話した画面の明るさを維持しつつ消費電力を抑える技術には、ブラウン管時代から蓄積された技術も用いられています。施策の考案で本体設計チームに協力を仰ぐとさまざまなアイデアが返ってきますし、この技術の蓄積は環境に配慮した製品を設計するうえでも心強いですね。
目標に向けた電力量削減は、一歩ずつ。
繰り返される挑戦が価値となり、活路を拓く。
—現在、課題として受け止めていることは何ですか?
省エネ化に関する機能をより多くのモデルに搭載していくことです。コストなどの課題をクリアして導入モデルを増やし、環境負荷の少ないテレビをご家庭に届けやすくしたいと考えています。省エネ化は製品が暮らしの中で使用されて初めてその効果を発揮するもの。環境問題への意識が高まりつつある昨今、「ソニーのテレビは消費電力が低い」ということをよりアピールし、省エネの視点でもお客様に選ばれるようになりたいですね。
—そうした課題に対し、武田さんにとって原動力となっているものはありますか?
やはり技術者として、製品が世に出る喜びには変えられないものがありますね。また現在、ヨーロッパでは消費電力量で製品にランクが付けられ、評価として反映されます。消費電力を削減するための施策出しに難航することもありますが、自分たちの努力次第で製品の評価を上げられるので、それが挑戦のモチベーションにもなっています。
蓄積された技術が未来を築く。
安心してテレビを楽しめる社会のために。
—将来的に、どのような製品を開発していきたいですか?
やはり綺麗な映像や音の迫力こそがテレビの魅力ですので、それらを高めつつ環境に配慮した製品を開発していきたいです。環境中期目標「Green Management 2025」(GM2025)での「製品1台あたりの消費電力量5%削減」という目標に対しては、試行錯誤を経て達成に向かいつつあります。GM2030ではさらなる大幅削減が求められており、今後はより新しい技術の開発が必要だと予想していますが、改良を重ねる中で目標を実現する施策を見出せると信じています。
—取り組みを進めた先に、どのような社会があると思いますか?
安心してテレビを使ってもらえる社会があると思います。昔と比べて今は大きな画面で綺麗な映像や音を楽しめる時代です。そこに省エネが加われば、環境負荷削減も叶えながら、心からテレビを楽しむことができる。環境への配慮を意識するあまりテレビの使用を控えてしまうのではなく、純粋にコンテンツに没頭できるのは大きな価値だと考えているので、省エネに目を向けたテレビの魅力がもっと広まってほしいと感じます。そして高まった期待に応えられるように、今後もテレビの品質向上と環境配慮の両立を目指したいです。
未来を想うまなざしで
持続可能な地球環境を次世代へ
Focus point 1 温室効果ガス排出量の大幅削減
Sony Device Technology (Thailand)Co., Ltd 環境安全部
Sony Device Technology (Thailand)Co., Ltd Environment and Safety Department
アチャラポーン・ムアンクルンAtcharaporn Muangkrung
INTRODUCTION
—どんな地球を未来に残したいのか。2024年の世界の平均気温は工業化前と比べて約1.55℃上昇し(※1)、異常気象や海面上昇が現実となってきました。こうした危機に対し、地球温暖化への取り組みは国境を越えた課題となり、2015年のパリ協定には196ヶ国の国・地域が参加。「世界の平均気温上昇を1.5℃に抑える努力をする」という指針を掲げたこの枠組みは、世界共通の指針として、各国が協力しながら持続可能な未来を目指す出発点となっています。半導体製造の現場を抱える Sony Device Technology (Thailand)Co., Ltd(SDT)も、その温室効果ガス排出を削減する責任があります。その最前線で同社の環境施策を牽引するアチャラポーン・ムアンクルンさんが大切にしているのは、社員一人ひとりが「持続可能な地球環境を守る」という共通の未来像を思い描き、行動し続けること。タイ・バンカディの現場と地域を繋ぎながら、未来への一歩を積み重ねるアチャラポーンさんのまなざしをたどります。
- ※1世界気象機関(WMO)「State of the Global Climate 2024」より
PROFILE
アチャラポーン・ムアンクルン
Atcharaporn Muangkrung
2023年ソニー入社。タイ・バンコク近郊のバンカディにあるSDTの環境安全部でマネジャーを務め、半導体生産拠点の環境・安全管理を統括。半導体製造はエネルギー負荷が大きいため、温室効果ガス排出削減を最重要課題とし、省エネルギー、再生可能エネルギー導入を推進している。約20年間にわたり環境・安全衛生分野でキャリアを積み、現在は環境中期目標「Green Management 2025」(GM2025)および次期環境中期目標「Green Management 2030」(GM2030)の目標達成に向け、持続可能な生産とCSR活動に取り組んでいる。
地球を守り、次世代に繋ぐ
環境安全の最前線
—まずはアチャラポーンさんの取り組みについて教えてください。
私は環境安全部マネジャーとして、バンコク郊外バンカディにあるSDTで全社の環境・安全管理を統括しています。そこでソニーの環境中期目標「Green Management」や関連法令を遵守することを軸に、日々の活動を積み重ねています。現在の最大の目標は、ソニーが掲げる環境負荷ゼロに向けた「GM2030」の達成です。半導体生産を主力とするSDTの拠点では、大規模なエネルギー消費を伴うため、温室効果ガス排出削減が喫緊の課題となっています。そのために、省エネプロジェクトや、生産プロセスへの再生可能エネルギー導入、社用車燃料の削減といった複数施策を全社横断でマネジメントし、定着させていくことに取り組んでいます。また、廃棄物削減についても、環境負荷削減のための重要な取り組みとして推進しています。
—アチャラポーンさんの環境への関心は、どのように培われたのでしょうか。
私は約20年間、環境と安全衛生の分野で仕事を続けてきました。大学でも同じ分野を専攻し、キャリア全体を通じてこの領域に関わってきたことから、自分の専門性を生かしてより大きな影響を生み出したいと考え、ソニーに加わりました。ソニーの事業は、健全な地球環境の上に成り立っています。環境に負荷をかけず、人々に感動を届け続ける責任がある。その考えに共鳴し、さらに環境負荷ゼロを目指してソニーが策定した長期環境計画「Road to Zero」を知り、環境分野への意識は一層強まりました。この仕事の魅力は、現在の環境を少しずつでも良くし、将来のための基盤を築けることです。次の世代が自然資源や豊かな環境を享受しながら生活できるよう、その基盤を整えることに貢献できるのは誇りであり、私の仕事の原動力です。
環境負荷ゼロへの道は、
一人ひとりの理解と協力から。
—GM2030目標達成に向けた取り組み方針は?
私たちは、再生可能エネルギー100%の実現や水の再利用、環境影響が懸念される 化学物質や揮発性物質の削減、廃棄物の最小化を柱に活動を進めています。工場では省エネルギー化の上で再生可能エネルギー由来の電力を導入し温室効果ガスの排出を抑える。水の再利用率を高め、化学物質は代替材を探して使用量を抑制。そして製造や梱包から出る廃棄物も徹底的にリサイクルし、最終処分量の削減に努めています。重要なのは、目標を掲げることではなく、これらの取り組みを現場に定着させること。社員一人ひとりが同じ課題に向き合い、現場とマネジメントが協力し続けて初めて資源循環が実現され、持続可能な地球環境を守ることに貢献できると考えています。
—同じ課題に向き合い、協力することが重要なのですね。
環境施策の第一歩は、一人ひとりの理解と行動から。最新の省エネ設備やソーラーパネルを導入しても、メンバー全員が環境保全の意義を共有し、小さな実践を積み重ねなければ、成果を出し続けることは難しいと考えています。そこで鍵を握るのが、経営層から現場チームまでの一気通貫したコミュニケーションです。廃棄物削減なら、オペレーター自身がリサイクルと廃棄を正しく分別するなど、環境施策の方針を各部署の管理者が咀嚼し、現場のオペレーションに落とし込む仕組みを築いています。また、トップダウンだけでは限界があるからこそ、半年ごとのレビューや現場説明で常に目標を自分ごとにすることが大切です。そのため学習コンテンツの配信や意見交換を通じて理解を深化させ、情報を全社に共有。入社時から継続的に教育を行い、組織全体が同じ課題に向き合い続けることに力を入れており、それこそが長く継続できる資源循環の土台になるのではないでしょうか。
温室効果ガス削減の鍵は
エネルギー効率向上のプロセスにあり。
—現在、最も力を入れている活動を教えてください。
GM2030に向けて継続して取り組んでいるのは、温室効果ガスの削減です。地球温暖化の影響は年々深刻さを増し、異常気象や気候変動が私たちの生活に直接影響を与えています。将来の世代が同じ課題に悩まず、自然資源を享受できる環境を残すために、今のうちから削減のためにできることに徹底して取り組んでいます。特にSDTのような半導体生産を主に行う事業所でのエネルギー使用によるCO₂排出は大きな割合を占めます。そのため、半導体クリーンルーム空調の廃熱再利用や高効率機器の導入を進め、エネルギー循環を徹底。現場から温暖化対策を実践することで、未来の礎を築こうとしています。
—温室効果ガスならではの課題はありますか?
最大の課題は、生産量の拡大と温室効果ガス排出量の削減を両立させることです。半導体はスマートフォンや自動車などに不可欠で、需要の高まりに伴い製造時のエネルギー消費も増える傾向があります。そのため、生産過程での効率化が非常に重要です。エネルギー効率化施策の立案にあたっては、SDTが所属するSSSグループ(※2)との情報共有を通じて、他の拠点の知見を取り入れています。例えば、日本の長崎テクノロジーセンターでは近年、施設拡張にあたり、半導体業界で最もエネルギー効率の高い工場を目指して一部の施設管理にAIを導入しました。その結果、2015年度比でエネルギー効率を約30%改善しています。一方で、SDTでは2024年に太陽光パネルを増設し、2021年度から続く再生可能エネルギー100%での運営をさらに強化しました。こうしたグローバルな取り組みの共有が、各拠点にとって相互に良い刺激となっています。さらに、マネジメントレベルで知見を深めるだけでなく、現場・経営層・グループ全体の三層で意識を揃え、環境活動を単なる義務ではなく、社員が誇りを持てる文化として根づかせることを目指しています。
- ※2ソニーセミコンダクタソリューションズグループ。イメージング&センシングテクノロジーを軸として、さまざまな半導体デバイス事業に取り組んでいる。SDTは同グループに属する。
会社を越えて広がる
豊かな未来をつなぐ想い。
—SDTでの活動の広がりも教えてください。
地域と連携した環境活動を積極的に進めています。拠点のあるバンカディでは、CSR活動として地域住民や学校の子どもたちにエネルギー削減や安全管理の教育を行っています。さらに、上流域での植林活動で森林資源の保全に貢献し、“One Blue Ocean Project”では沿岸やマングローブ林でプラスチックごみを回収し、植林を通じて海洋生態系の維持にも取り組んでいます。こうした活動は、地域社会と協力し、体験を共有しながら次世代に自然資源と環境意識を引き継ぐためのアクションです。地域に出向いて啓発と実践を一体で行うことで、工場の内側だけでなく、地域全体で持続可能な未来をつくることを目指しています。
—こうした活動の先に、どのような社会を描いているのでしょうか。
私たちが描くのは、健全な地球環境の中で、人々が豊かな暮らしを享受できる社会。そして、企業が社会や地球への責任を果たすことが、特別なことではなく当たり前の姿勢として根づく未来です。私たちの活動が広がれば、再生可能エネルギーの利用が一層進むとともに、温室効果ガスの排出が減り、企業と地域が手を取り合って地球を次世代へと渡す流れが加速すると考えています。持続可能な未来をつくるのは、技術や制度だけではなく、社会全体が「この地球をどう残したいか」という未来へのまなざしを持ち続けること。ソニーの枠を超えて、知恵や人を地域へ開き、誰もが安心して資源を受け継げる社会を紡いでいきたいと思います。
資源を循環させること。
それは想像力を止めないこと。
Focus point 2 資源の循環
ソニー株式会社
技術センター 機構設計部門
石井 国広KUNIHIRO ISHII
INTRODUCTION
鉱物資源や化石資源といった資源は有限です。また生産の過程で多くのCO2を排出するため、地球温暖化への影響が大きいことも問題視されています(※1)。そうした背景を踏まえ、ソニーは製品設計の入り口から使用後までの各過程における、循環材への移行やリサイクル可能性の向上、製品や部品の再利用や長寿命化を2030年度までの環境中期目標「Green Management 2030」(GM2030)で掲げています。その現場を最前線で牽引しているのが、機構設計部門の石井国広さんです。素材選びから製造プロセスまで資源の使い方を一貫して見直し、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社が開発した難燃性再生プラスチック「SORPLAS™(Sustainable Oriented Recycled Plastic/ソープラス)のブラビア®への導入や、ソニー株式会社の環境対応を推進してきました。挑戦の背景に見えてきたのは、「エンジニアとしての想像力を働かせ、技術やデータの力を資源の循環に結びつける」という確かな信念です。
- 環境省「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」より
PROFILE
石井 国広KUNIHIRO ISHII
2001年入社。長年にわたりテレビの機構設計を担当し、近年はソニー株式会社全体の環境対応を横断的に推進する役割を担う。テレビ、オーディオ、カメラなど複数の製品カテゴリーで、リサイクル材の活用や資源循環の仕組みづくりを牽引。環境負荷の最小化と品質・コストの最適なバランスを追求しながら、環境に配慮した製品開発を実践している。
限りある地球の資源を
活かし続けるための挑戦
—まずは、石井さんの取り組みを教えてください。
私は機構設計部門に所属し、ソニー株式会社全体の環境対応を横断的に推進するチームのマネジメントを担当しています。このチームではテレビ、オーディオ、カメラなど各カテゴリーのエキスパートが集まり、資源循環型の製品づくりに向けて議論を重ねているのが特徴です。私の役割はメンバーから意見を集め、取り組みの方向性を定めること。メンバーは現場の開発業務と兼務しているため、ここで生まれた方針やアイデアを各部署に持ち帰り、実際の製品設計に反映させるようにしています。
—なぜ今、資源の循環に挑むのでしょうか?
まず、地球上の資源には限りがあります。豊かな暮らしを未来に引き継ぐためには、資源の使い方を根本から見直し、循環型の製品開発に移行することが必要です。人類は有限な資源を急速な勢いで消費しており、このペースで消費を続けてしまうと、一部の金属や化石由来資源などは徐々に枯渇し、21世紀半ばには供給不足に陥る可能性が指摘されています。こうした課題を見据え、ソニーは1970年代から環境問題に取り組み、2010年には「Road to Zero」——環境負荷ゼロを目指す長期環境計画を掲げました。以降、5年ごとの中期目標を設定し、計画的に成果を重ねています。とりわけ製品に起因する資源使用量は大きな課題であるため、GM2030では循環材の活用、リサイクル性の向上、製品や部品の再利用・長寿命化を柱に、資源循環社会の実現への挑戦を続けています。
環境対応は資源の声を聴き、
未来を描く取り組み
—GM2030達成に向けた取り組み方針を教えてください。
環境対応の業務を始めるにあたり、まず着手したのはRoad to Zeroの内容と背景を徹底的に理解することでした。私たちの最終的なゴールは、地球環境を守り、持続可能な社会を実現すること。GM2030で目指す「特定用途における金やスズの再生材比率を100%にする」「非循環プラスチック利用率を30%以下に抑える」といった数値目標は、あくまでそのための道しるべです。重要なのは、個別の目標達成だけにとらわれず、より長期的な視点で地球全体の未来を見据えることです。例えば、リサイクル材の使用率を高めることは石油資源削減にはつながりますが、それ自体がCO₂削減を保証するわけではありません。目標の文言だけを達成しようとするのではなく、その背景にある環境問題の現実を学び続け、想像力を止めずに取り組むことを大切にしています。
—未来への想像力を働かせるためには、どのような視点が必要なのでしょうか。
地球の未来を思い描くと同時に、それぞれの活動を実行計画に落とし込むにあたっても想像力を広げることが大切です。「特定用途における金やスズの再生材比率を100%にする」という目標は、技術的な検討にとどまらず、供給の安定性や市場全体の動向も考慮する必要があります。価格面や調達面で無理がかかる部分はないか、市場全体の潮流とズレていないかなどを関係各所とすり合わせながら検討し、一時的ではなく継続的に目標を達成していくことが重要です。製品のライフサイクルまで見据えて、適正なコストを維持しつつ環境負荷の軽減に貢献する、その両立を探り続けることが良いアプローチなのではないでしょうか。
廃材を価値に変える、
循環型プラスチックへの挑戦
—現在、最も力を入れている活動を教えてください。
難燃性再生プラスチック「SORPLAS」の導入検討に注力しています。「SORPLAS」は市場から回収された使用済みの水ボトルや、工場や市場から排出された廃ディスク、ソニーが独自開発した難燃剤などを原料に作られている再生プラスチックです。再生プラスチックはなかなか扱いが難しく、特に大型の外観部品では課題が目立ちます。成形の際には、精密な加工性と十分な強度に加えて、光沢や調色といった外観品質も同時に満たさなければなりません。そのため、再生材の割合を高く保ちながらこれらを実現するのは、長らく困難とされてきました。
—再生プラスチックならではの課題ですね。
単純にプラスチックを導入するならば、耐熱性や透明度といった製品に必要な特性に合わせて原料を選び、設計通りの性能をある程度は実現できます。しかし再生材では反対に、回収されたリサイクル素材の性質を最大限に活かしながら製品の要求を満たす必要があります。特に市場から集められる廃材は、想定外の成分が混ざるなど品質にばらつきが生じやすいのが現実です。その不安定さをどう解決し、なおかつコストを抑えたまま品質を安定させるか。そこに大きな工夫が求められます。「SORPLAS」を開発したソニーセミコンダクタソリューションズと緊密に連携し、素材特性の分析やブレンド技術の活用に繋げることで、再生材特有の課題を乗り越えています。
価値を生み出す環境対応で
豊かな未来を展望する。
—ソニーの資源循環の取り組みについて、今後の展望を教えてください。
今後も2050年の長期環境計画「Road to Zero」(環境負荷ゼロ)や2040年のGHGネットゼロ(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の達成を目指します。その実現には既存の技術や仕組みだけでは不十分で、新たに創出する必要が出てくると考えています。そのためにも、私たちが常に社会の変化に敏感であり続けること、そして知識を更新し続け、未来を見据える想像力を持ち続けることが重要なのではないでしょうか。ソニーグループには多様な人材と技術がそろっています。それらを結びつけ、環境対応に向けて最大限生かすことで、持続可能な資源循環を実現できると期待しています。
—これからの環境対応で大事にしていることを教えてください。
受け身の環境対応ではなく、価値を生み出す環境対応へ。この意識転換が重要だと考えています。環境対応は進めなければいけませんが、ときに現場においては、それが理由で開発に制限をかけてしまうことも有り得ます。それでも妥協せずに取り組んでもらうために、現場に環境施策を提案する際は「なぜ今、環境対応に取り組むのか」という根本の問いに向き合い、情熱だけではなく数字やデータを用いてその必要性を示すようにしています。自分の思いだけで現場を動かすのではなく、現場の一人ひとりの意思で取り組んでもらうことが結果につながるのだと思います。また、環境問題はソニーだけで解決できるものではありません。インフラや制度、そして社会全体の意識も変わっていく必要があります。そのためには、データや技術に支えられた想像力で、持続可能な地球環境への道筋を考え続けることが大切なのではないでしょうか。限りある資源をどう生かし、環境対応をいかに価値へと変えていくか——。私たちの取り組みが、その意識の変化を促す小さなきっかけになることを願っています。
包装から世界を変える。
その底力を信じて進む。
Focus point 3 プラスチック包装材への取り組み
ソニー株式会社
技術センター 機構設計部門
澤田 千奈美CHINAMI SAWADA
INTRODUCTION
適切に処理されなかったプラスチックごみが海に流出し、環境に悪影響を及ぼす海洋プラスチック汚染では、包装や容器に使用されたものが大きな割合を占めているといわれています(※1)。海洋をはじめとした自然界のプラスチック汚染への対策として、ソニーではグループ全体でプラスチック包装材の削減を進めています。
ソニーが掲げる環境中期目標「Green Management 2030」(GM2030)では、製品包装中のプラスチック利用率を10%以下にすることも指標の1つ。重量 5kg以下の中小型製品や、販売店で使用するプラスチック包装材の全廃を目指す中、テレビなど大型製品のプラスチック包装削減にも挑戦しています。
振動や衝撃から製品を守り、開封時の感動も届けてくれる。そうした重要な役割を担う包装の可能性を信じ、GM2030の目標達成に向けて邁進する包装設計担当の澤田さんに、取り組みにかける想いやその先に描く未来について聞きました。
- 環境省「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」より
PROFILE
澤田 千奈美CHINAMI SAWADA
2020年、経験者採用により入社。大学時代から輸送包装の研究に取り組み、これまで一貫して包装設計に携わってきた。ソニーに入社した現在は、主にディスプレイ製品の包装設計を担当。2025年4月からは開発リーダーとしてチームを主導している。
小さな変化の積み重ねが、やがて大きな変化となる。
そう知っているのは、包装に向き合い続けたから。
—まずは澤田さんのこれまでのキャリアと、プラスチック包装材への取り組みを手がけることになった経緯について教えてください。
輸送包装を専門とした研究室に入ったのが、この分野に関わるようになったきっかけです。包装の効率化が社会貢献につながると知り、大きな魅力を感じたのを覚えています。その後新卒入社した企業で包装設計の実務を経験し、ソニーには経験者採用で入社しました。私が現在所属しているのは、ソニー製品の包装と物流に関する設計開発を行う部署です。私のチームでは主にディスプレイ製品の包装設計を担当しており、私はリーダーとして設計に携わりながら、プラスチック包装材を削減する取り組みを進めています。
—策定された目標に対し、澤田さんはどのように思いますか?
私がソニーに入社し、活動に参加するようになったのはちょうど環境中期目標「Green Management 2025」(GM2025)が策定された時期でした。「新たに設計する小型製品のプラスチック包装材全廃、製品1台あたりのプラスチック包装材使用量10%削減」という削減目標に対し、5年後に実現できるか不安になった、というのが当時の正直な感想でした。しかしできることから実行した結果、ディスプレイ製品の目標を前倒しで達成できました。壮大に見える目標も、小さな実践の積み重ねによってクリアできるのだと痛感しました。そのためGM2030の目標が決まったときも、きっと達成できると信じて取り組もうと思いました。
ディスプレイ製品の包装材転換へ。
綺麗な製品を全世界に届けるために、必要なこと
—実際の業務では、どのような取り組みを担当していますか?
段ボールなど代替素材への置き換えや、緩衝材として使用する発泡スチロールの削減、またそれらに応じた包装形状の最適化に取り組んでいます。「新たに設計する小型製品のプラスチック包装を全廃」というGM2025で掲げた目標は達成の目途がついたので、GM2030ではテレビなど大型ディスプレイ製品の包装材置き換えに注力していきます。こちらは技術的に難易度が高く、今まで以上に試行錯誤が必要だと感じています。
—なぜ大型ディスプレイ製品の包装材置き換えは「技術的に難易度が高い」のでしょうか?
大型ディスプレイ製品は薄型かつ重量があり、なおかつ精緻な構造をしているため、包装には高い保護性能が求められ、輸送時の衝撃を最小限に抑える工夫が欠かせません。さらに世界各地への輸送を想定すると、温度や湿度など他にもさまざまな条件に耐えられる設計が必要です。ソニーでは厳しい試験基準を設け、この基準をクリアした包装材のみを採用しているため、包装材を変えるには高いハードルを越えなければいけません。
環境負荷低減、品質維持、コスト抑制。
高い壁に、会社全体で挑む。
—取り組みを進めるうえで、大変なことはありますか?
環境負荷低減と品質維持、そしてコストの抑制という3つの要素を落とし込んで設計することです。紙素材は発泡スチロールに比べると形状を保つ力が弱く、湿気の影響を受けて劣化してしまう場合もあります。しかし強度だけを優先すると包装の量が増え、コストがかさみ、製品輸送時の環境負荷も高くなってしまいます。環境負荷低減だけではなく、品質維持とコストの抑制、そのすべての要素を満たした設計にして初めて、最適な設計と呼べるようになるのです。
—その課題に対してどのように向き合っていますか?
上司や製品本体の設計チーム、生産工場の方々など、周りと連携することを大切にしています。包装設計だけでは解決できない問題に直面しても、他の視点から意見をもらうことで糸口が見つかることも多いです。「こういうことをやってみたくて……」と話すと、誰もが前向きに相談に乗ってくれる。その瞬間は、挑戦を後押しするソニーのカルチャーを強く感じますね。
それでも解決策が見つからないときもありますが、辛いと思ったことは一度もありません。私自身が包装の可能性を信じているためです。製品を包むだけではなく、輸送時の衝撃から守り、開封時には感動を与えてくれる。そうしたさまざまな機能を持つ包装が、従来の包装と比較して環境負荷を低減させられるようになったら、包装はさらに進化していけると考えています。
環境配慮の輪を広げる最前線に。
挑戦はこれからも続く。
—取り組みを続けた先に、どのような未来を実現したいですか?
ソニーとお客様が、ともに環境課題に向き合うことが当たり前になっている未来を実現したいです。そのためには情報発信が必要であり、情報発信をするためには事例を増やしていく必要がある。実際、環境活動の事例をニュースリリースなどで発信するたび、多くの関心を寄せていただいています。その注目をさらに増やし、環境配慮への関心を高めていくためにも、まずは今取り組んでいる大型ディスプレイ製品の包装材置き換えを早急に成功させたいです。そして取り組みを加速化させるために、紙以外の新素材の探究や構造設計の工夫、設計プロセスの最適化なども進めたいと考えています。
—そうした社会を実現するために、大切にしたいことはありますか?
包装設計が好きだという気持ちを忘れないことはもちろん、失敗を恐れず挑戦していくことを大切にしていきたいです。先ほども言ったように、ソニーには挑戦を応援してくれるカルチャーがあります。何度も挑戦できる場があるからこそ、アイデアをかたちにする速度が上がり、目標の達成に近づくことができるのだと思います。このカルチャーに感謝して、ディスプレイ製品における包装設計のリーダーとしてチームを牽引していきたいです。
気候データから新たな発見へ
気候変動についての啓発を行い、行動につなげる。
Sony Interactive Entertainment
VP Environment, Social & Governance(環境・社会・ガバナンス)
キーレン・メイヤーズKIEREN MAYERS
INTRODUCTION
気候変動を難解なものから楽しみながら学べるものに
気候変動に関する研究は複雑で難解と思われがちですが、それが「発見」になれば、好奇心を刺激し、関心を集めることができます。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)による「Climate Station™」 は、これまでのゲームとは違い、ユーザーが科学的なデータを「見て、感じて、探求できる」新しい没入型の体験コンテンツです。
PlayStation® 製品、サービス、事業全体におけるサステナビリティに関するグローバル施策を統括する ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE) ESG(環境・社会・ガバナンス)担当VP、キーレン・メイヤーズに話を聞きました。
PROFILE
キーレン・メイヤーズKIEREN MAYERS
サステナビリティの専門家として2000年にソニーに入社。環境および社会への影響に関する分野で30年以上の経験を有し、環境技術の工学博士号を取得。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)では、気候変動、資源、アクセシビリティ、法令遵守、責任あるサプライチェーンなどの課題を担当。複数の大学で客員研究員として活動するアカデミック・プラクティショナーでもある。
—「Climate Stationの概要とこのプロジェクトを立ち上げたきっかけを教えてください」
Climate Station は、PlayStation®5 および PlayStation®VR2 向けの無料アプリケーションで、実際の気候データ—IPCC(国際連合気候変動に関する政府間パネル)のモデルやNOAA(アメリカ海洋大気庁)の記録、NASAの画像を用いて、3Dによるインタラクティブな体験へと変換します。本プロジェクトは、環境への取り組みを促進するゲーム業界の連携組織 Playing for the Planet Alliance の一環として約6年をかけて開発された重要な取り組みです。
—「Climate Stationで解決しようと考えた課題は何ですか?」
気候変動はしばしば抽象的な数字の集まりで説明されますが、気候変動をより身近に感じ、視覚的に理解でき、行動につなげるものにすることが私たちの課題でした。ゲームは世界中の人々に届くメディアであり、その力を生かしてプレイヤーに気候科学を体験してもらい、地球のシステムが相互に関連していることを示したかったのです。Climate Stationを通じて私たちは、プレイヤーの気候への関心を、難解な話ではなく、身近で共感でき、行動を促すものへと変えていくことを目指しました。
—何が開発のきっかけとなりましたか?
2019年に国連が主導する「Playing for the Planet Alliance」の創設メンバーとしてSIEが参加した際、このアイデアは生まれました。このアライアンスは、ゲーム業界の環境負荷を減らすだけでなく、世界中のプレイヤーに環境に関する行動を促すことを目的としています。国連環境計画(UNEP)の生態系部門で青少年教育とアドボカシーを担当するサム・バレット氏からSIEに声をかけていただき、「VRを通じて気候変動を伝えるプロジェクトを立ち上げたい」と提案いただいたことがすべての始まりで、Climate Stationの開発はそこから本格的にスタートしました。
—Climate Stationではどのような体験ができますか?
約30分、3つの章にわたる没入型ストーリーを通して気候変動とその要因を体験することができます。
第1章「Weather Year」
1年間の地球全体の気象データを可視化し、サイクロン、山火事、ハリケーンなど、自然現象がどのように連動して地球のシステムを形作っているかを体感できます。
第2章「Observations」
過去120年分、2万地点の観測データを基に気温変化を追体験できます。ユーザーは自分の故郷を選び、祖父母の時代から将来世代の予測まで、地球がどのように変化するのかを実感できます。
第3章「Projections」
IPCCが示す5つの未来シナリオをもとに、パリ協定に沿った最良ケース(地球温暖化を1.5℃に抑える場合)から、最悪の高温化シナリオまでを体験できます。「迅速に行動すれば未来は変えられる」という、希望のあるメッセージで締めくくることは、私たちにとってとても重要な意味を持っています。
—感情と科学のバランスはどのように取っていますか?
私たちは検証可能で信頼できるデータを出発点とし、膨大な量のデータを取り入れることもありますが、それだけで終わることはありません。視覚化やインタラクティブなデザインを通じて、プレイヤーが“数字の意味を感じ取れる”体験へと昇華させています。プレイヤーは、気温の上昇や天候パターンの変化、そして炭素排出がどのように相互作用するのかをリアルタイムで見ることができます。その結果、科学的な信頼性と、心に響く体験の両方を実現します。「まるでアイアンマンになったみたいだ!」というコメントをいただいたこともあります。
—なぜ、人々に主体性を感じてもらうことに重点を置いたのですか?
希望がなければ行動することはできません。自分の住む街の過去や将来のデータを見ることで、気候変動は抽象的なものではなく、身近で個人的な問題として感じられるようになります。Climate Station は、世界規模の視点と地域の視点をつなぐ架け橋となり、ユーザーは自分の住む場所を探求し、現状を理解し、それが自分にとって何を意味するのかを考えることができます。私たちは、人々に何を考えるべきかを押し付けるのではなく、探求の手助けをすることを目指しており、これこそが、講義と発見の旅との違いと考えています。
—これまでの反響は?
PlayStationとしては初めての気候変動に特化したアプリということもあり、リリース当初は反応が読めませんでした。その後、このアプリはドバイでのCOP28、ナイロビでの国連環境総会、ロンドン動物学会などでも展示されました。特にロンドン動物学会では、子どもたちが教室スタイルで体験するプログラムとして導入され、教育現場でも注目されています。政府関係者や科学者、教育関係者からの評価も非常に高くなっています。
—Horizon Forbidden Westは、SIEの他の環境プロジェクトとどのように関わっていますか?
このゲームでは、主人公アーロイが滅びかけた地球に命を取り戻す役割を担っています。このテーマを現実世界にも広げるため、SIEは生態系の回復を支援するNGOとの連携を進め、2022年以降、約74万本の植樹と、1,800エーカー以上の土地の回復を実現しました。私たちは「社会貢献のためにブランドを使う」のではなく、「ブランドを通して社会貢献を広める」という逆のアプローチを取っています。
—SIEの国連「Playing for the Planet Alliance」へのコミットメントには、どのような内容が含まれていますか?
次の3つの主要なコミットメントを掲げています。
1. 2040年までにネットゼロ排出を達成すること
2. テクノロジーとクリエイティブの力で教育・啓発を行うこと
3. 業界全体の脱炭素化を支援すること
国連は毎年進捗をレビューし、常に「もう一歩先」への挑戦を求めています。 Climate Stationは、これらの取り組みの象徴的なプロジェクトとして、エンタテインメント業界が気候問題に貢献できることを示しています。
—Climate StationやSIEの環境活動の今後の展望を教えてください。
今後は、ロンドン動物学会のような公共の展示施設での展開をさらに広げていく予定です。また、ゲームがどうやって環境保護に貢献できるか、新たな方法の模索も進んでいます。国連からのメッセージは、環境保護は実現できる、というものです。業界全体で取り組めば、環境目標の達成も可能だと思います。私たちはゲームも映画やテレビのように、単なる娯楽を超えた、教育や啓発に貢献できるものであると考えており、Climate Stationはその第一歩にあたります。
—Climate Stationについて一つだけ伝えるとしたら、どのようなメッセージになりますか?
皆さんには理解し、行動する力があります。Climate Stationは皆さんに「何を考えるべきか」を指示するものではなく、自分で探索する機会を提供するものです。自分の故郷のデータを見るとき、気候変動の物語が「自分自身の物語」でもあると気づくと思います。その瞬間から、未来の章を「自分の手で書き進める」ことができるのです。科学とストーリーテリングが出会うとき、情報は「共感」となり、その共感が「行動」を生み出すと思います。
Climate Station™
PlayStation®5およびPlayStation®VR2向けに、PlayStation®Storeで無料配信中。
IPCC、NASA、NOAAなどの実際の気候データをもとに構築された、教育的かつ体験的な3Dビジュアライゼーションです。
SIEの環境への取り組みについての詳細は、公式サイトをご覧ください。
環境 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント