イベントレポート

Project Wowclusive
東京大学先端科学技術
研究センター
先端アートデザイン
社会連携研究部門との
共同研究

プロトタイプ紹介

Endoskeleton
動物の内骨格構造のユニークさをインタラクションコンセプトとした、片手での直感的な操作を可能にするコントローラー。柔らかい本体内部の骨格部をモーター制御し、手に押し返すような力覚で直感的な操作を実現します。例えばゲームなどの映像と組み合わせることで、映像のニュアンスまで感じられる体験を楽しめるようになります。
Endoskeletonを使用している写真
Grip/Slip
静電気によって紙が吸着する現象に着目。ユーザーのデスクトップ作業をカメラでセンシングし、そのコンテクストに応じ、紙の吸着力を最適化します。片手だけで無理なくデスクトップ作業が可能となる装置です。
Grip/Slipを使用している写真
Cozy Mirror
隣の人と鏡を共有する際の心理的ストレスに着目。公共のパウダールーム等で自分の鏡像を隣の人から見えなくする、隣の視線が気にならない鏡を体験できる装置です。
Cozy Mirrorを使用している写真
認知を空間化する試み
人間の脳の働きをインタラクティブに体感できる装置。視覚/聴覚/触覚をマルチモーダルで体感できます。

研究統括 神崎 亮平
名誉教授、
東京大学先端科学技術研究センター
シニアリサーチフェローのコメント

人間を他の生命や環境と同様に「関係性のネットワークの一要素」として再配置する視座、すなわち身体・脳・環境(知覚)の相互作用から、従来の常識的な理性を補完し、自然と再び「つながる」ための感性に基づいてアートやデザインを再思考してきました。
ソニーの作品は、自然の制約に逆らうのではなく、その制約の中で最適化された形として結実したものです。感動には、身体が即座に共鳴するものと、予測が裏切られながら理解が更新されることで生じるものがありますが、本作品はその両者のバランスが巧みに活用されています。
それは「理性」と「感性・直感」が交錯する次元にまで踏み込み、私たちの世界理解そのものを問い直す、新しい世界観を提示する作品だと感じています。

東京大学先端科学技術研究センター
先端アートデザイン分野
伊藤 節特任教授のコメント

ソニーと共に創設した東大先端研の先端アートデザイン・ラボでは、人と自然の真の共生を目指す自然中心思想を軸に、サステナブルでインクルーシブなデザインのあり方を学術的かつ実践的に研究しています。
ソニーの研究員の方々とは本学のアートデザイン、生物知能科学、バリアフリー分野の当事者研究者とも密に連携して学際的な共同研究を展開してきました。歴代クリエイティブセンター長にも研究アドバイザーとして参画いただきました。
Wowclusiveは、人と機器のマルチモーダルな相互作用を生む新たなインクルーシブデザインの可能性を示す貴重な実験モデルです。東大先端研主催の高野山会議やキャンパス公開、日本神経科学学会50周年記念「脳科学とアート」展で発表し、多様な分野の専門家から評価を得ています。