ソニー ホームページ

BRAVIA テレビ/ホームシアターシステム
デザインコンセプト
Harmonic Presence

心地よい存在感で、空間と調和する

究極の映像体験を目指し、画と音のクオリティを追求し続けるBRAVIA®のテレビとホームシアターシステム。
デザインの役割は、エンジニアが生み出す革新的なテクノロジーの本質を掴み、人々の暮らしの中に溶け込ませること。
では、このさき住空間の中で映像機器はどうあるべきなのか。
その解答であるデザインコンセプト「Harmonic Presence(調和する存在)」が、
BRAVIAの新たな世界観を創ります。

Harmonic Presence
ミニマリズムの先にある、
新たな世界観

これまでテレビとホームシアターシステムのデザインは、映像への没入感を妨げないように、かつユーザーのリビング空間に溶け込むように「プロダクトの存在感をいかに抑えるか」に注力していました。視聴の妨げとなるテレビのスタンドやベゼルなどの要素を最小化しながら、その限られた要素にソニーデザインらしい特長を織り込む。いわば「存在感を消し、印象を残す」という二律背反のミニマリズムを追求してきたのです。

一方で近年、視聴コンテンツの多様化に加え、画面の薄さや画質などの技術進化に伴い、多くの人々がテレビの大画面化やサウンドの臨場感を求めるようになり、住空間における映像機器の重要性が高まっています。そのような時代の空気感を感じるなか、改めて自問したのが「プロダクトの存在感を抑えることだけが正解なのか」ということ。ミニマリズムは依然として追求しながらも、住空間と調和し、人々の暮らしそのものを豊かにするデザインこそ、これからの方向性ではないのか。そのような想いから導き出したのが、今回のデザインコンセプトHarmonic Presenceと以下の3つのテーマです。

Harmony with the Space

Harmony between the Devices

Harmony with the Experience

Harmony with the Space:
空間との調和
造形、質感、作法すべてが住空間に美しく馴染んでいること。
それを置くことで住空間のクオリティが上がるデザイン。

Harmony between the Devices:
機器同士の調和
映像と音のそれぞれのプロダクトが個性や魅力を備えつつ、それらが集まることで
世界観や利便性が広がり、揃えたくなるデザイン。

Harmony with the Experience:
体験との調和
映像や音の体験、操作体験、さらにそれらを通じて人と人がつながり、
楽しみが広がるような体験を自然発生させ、高めるデザイン。

この3つのテーマを指針にしながら、2026年発売のテレビ BRAVIA 9 II / BRAVIA 7 II、ホームシアターシステムBRAVIA Theatre Trio / BRAVIA Theatre Sub 9のデザインも進められました。それぞれのインダストリアルデザイン、UI/UXデザイン、コミュニケーションデザインに対して、コンセプトやテーマがどのように反映されているかを紹介します。

世界観を統一し、
住空間にリズムを生み出す

大画面化と薄型化を突き詰めつつ、高密度LEDバックライトをR(赤)、G(緑)、B(青)の色ごとに個別制御するRGB独立駆動パネルと、独自のバックライト制御技術を搭載した「True RGB」BRAVIAのBRAVIA 9 II/ BRAVIA 7 II。今回チャレンジした大きな課題が、この圧倒的な映像美をさらに際立たせるべく、センタースタンド下部から見える背面のケーブルの存在感を抑えること。テレビに複数の機器を接続する際に生じる「ケーブルが煩雑に見える」状況を鑑み、ユーザーの視界から画面以外のものを徹底的に排除しようと考えました。

内部構造の変更によって従来のケーブルマネジメントの考え方が通用しないなか、デザイナーは「向こう側の物体を見えなくする光学迷彩効果を持つレンチキュラー素材を活用できないか」と構想。改良を重ねたレンチキュラーパネルをスタンドの前面に配置することで、縦方向に刻まれたスリットが後ろにあるケーブルの黒いラインを拡散。ケーブルを視覚的に消し去るとともに、リビング空間にテレビの画面が浮遊しているかのような佇まいを生み出しました。同時にレンチキュラー素材の「あるものを透明化する」光学迷彩効果は、友人や家族にそのギミックを伝えたくなるような不思議な魅力をつくり出しています。

※ 『BRAVIA 9 II』 115V型と『BRAVIA 7 II』 98V型を除く。

映像への没入感を高める施策も徹底しています。画面下辺のベゼルは、エンジニアとともに内部基板から見直して大幅に狭額縁化。
BRAVIA 9 IIの画面には独自開発の低反射フィルムを採用し、視聴を阻害する映り込みや光の反射を抑制。リモコンは障がいの有無に
関わらず映像体験を軽快に楽しめるように、インクルーシブデザインの観点からボタンの凹凸を工夫するなど細部まで改良。

そして今回、大画面化に合わせて、音響面も刷新しました。従来まで画面下に配置していたスピーカーユニットを、人間の耳に近い位置であるベゼル側面に入れ込むシステムを開発。これに伴い、2枚の板を重ねたようなベゼルデザインを考案し、そのスリット部分にスピーカーの開口部を設けることで音の指向性を高め、高音質化に貢献しました。また、テレビ背面にあるスピーカーや振動板などの計6個の音響要素をサークル形状に揃えて整えるなど、リビングの様々な場所に置けるように全方位の美しさにこだわっています。

テレビのベゼルと背面のデザイン

ホームシアターシステムBRAVIA Theatre Trio、リアスピーカーBRAVIA Theatre Rear 9、サブウーファーBRAVIA Theatre Sub 9についても、Harmonic Presenceのコンセプトのもとに世界観を統一。そのうえで、それぞれのプロダクトの機能や役割をミニマルな幾何学形体(円柱や正方体など)で体現し、それらが静謐なオブジェのようにリビングに点在することで、住空間にリズムを生み出そうと考えました。

BRAVIA Theatre Trioでは各スピーカーの設置場所から、幾何学的な造形を導き出しました。テレビの下方に設置されるセンタースピーカーでは、テレビとともに壁掛けすることを想定して背面をフラットにしつつ、前面の両脇をカーブさせてサウンドの広がりを体現したD-Shape(D字型デザイン)を採用。BRAVIA Theatre Trioと組み合わせて使える別売りのリアスピーカーBRAVIA Theatre Rear 9はユーザーの好みによって設置箇所が異なるため、どのような場所に、どのような角度で設置しても対応できるように方向性を持たない円柱形にしています。

BRAVIA Theatre Sub 9では、「2つのスピーカーユニットを向かい合わせで配置することでキャビネット内の不要な振動を打ち消し、ピュアな重低音を再生する」という独自の機能性をどのように表現するかを模索。内なるエネルギーを秘めた彫刻というイメージから、ミニマルなキューブ型を発想しました。対向型という仕組みをそのまま表現するべく、2つの直方体がシンプルに向かい合い、その間のスリットから驚くほどの重低音が発生するデザインに仕上げています。

「好き」を深め、感動を広げる

今回のUI/UXデザインにおいて、Harmonic Presenceの「人と人をつなぎ、楽しみを広げる」というテーマを色濃く体現しているのが、新しい操作体験を提供するMy Cinemaという新機能です。その背景には、これまで映画再生前に行っていた画質や音質などの機能設定を、テキストベースの複雑な操作ではなく、映画の本編に向けて高揚感を高めるような体験に昇華させたいという想いがありました。

そこでデザイナーがイメージしたのが、ユーザーの誰もが簡単に最適な設定にできるのはもちろんのこと、直感的に好みの設定にたどり着けるとともに、その設定自体を楽しめるような操作体験でした。そこから、機能設定をテレビ画面内にビジュアライズした住空間で行える仕組みを考案。その住空間にユーザーが所有するテレビやスピーカーを表示し、それらを選択しながら画質などを調整すると、設定効果をアニメーションで反映。同時に、複雑な設定を利用頻度に応じて階層化し、シンプルに迷わず操作できるようにしました。

これによって、ユーザーは各機能の設定効果をアニメーションで確認しながら、まるで部屋の模様替えをするかのような感覚で、「アクション映画を観るなら、迫力を出せる設定にしよう」といった自然な会話を楽しみながら、家族や友人とより濃密な映像体験を味わえます。

基本的な設定は第一階層で完了、細かく調整したい場合は第二階層で設定効果をアニメーションで確認しながら選択できるように設計。
設定した住空間は登録でき、映画のカテゴリーなどに合わせて増やせるのも特長。

ユーザーの想像力を広げるために

新たなBRAVIAの世界観を世の中に伝えるコミュニケーションデザインについては、「住空間に調和し、暮らしを豊かにする」というHarmonic Presenceのコンセプトを分かりやすく可視化しようと考えました。

例えば、プロモーション戦略の重要なビジュアルとなるインシチュエーションフォト(実際に製品が使用されるシーンの写真)制作では、美しく整ったリビング空間をつくるのではなく、誰かと時間や体験をシェアしたくなるようなリビング空間の中心にBRAVIAが自然と佇む構成を考案。見る人に豊かな暮らしを想起させ、思わず視聴したくなるような空間づくりを心がけました。そのために、写真内の世界の主役となる人物像がどのような人か、その人物や背景にあるストーリーまで詳細に設定しています。

ユーザーの気配を感じさせるインシチュエーションフォト

そして、コミュニケーションデザインにおいて常に気を付けていたのが、強く語りすぎないこと。ユーザーの日常を邪魔せず、さりげなく心を動かし、少しだけ彩りを添える。ユーザーに解釈の余白を残し、関わり方を委ねる。主役はBRAVIAではなく、人々の豊かな暮らしであり、感動体験を完成させるのはユーザーである。そのような想いをすべてのビジュアルに通底させています。

ユーザーに静かに寄り添い、
変わり続けることこそ、BRAVIAのデザイン。
2026年のテレビとホームシアターシステムが
住空間における映像機器のあり方を新たに描きます。

※2026年4月取材時点のプロジェクトメンバー