物語は素材から始まっていた
- A dialogue with materials for the future: Outro -
ソニーが独自に開発した紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」が、国際的なデザインイベント「ミラノデザインウィーク」期間中に開催された「INTERNI MATERIAE」において、家具や展示什器に姿を変えて登場しました。
会場で生まれたのは、素材や家具そのものへの驚きだけではありません。デザイナー、建築家、企業関係者、学生など、さまざまな来場者がこの素材をきっかけに言葉を交わす姿がそこにはありました。素材に込めたストーリーは、未来のものづくりを巡る対話を生み出したのです。
パッケージから家具、そして、対話を生む存在へ。
展示を通して見えてきた、オリジナルブレンドマテリアルの新たな可能性をお届けします。
My Seeds of Emotion 〜 心が動いた、その瞬間。 〜
ジルダ・ボヤルディ
INTERNI誌 編集長兼、展覧会「INTERNI Materiae」キュレーター
ロッセッラ・メネガッツォ
ミラノ大学 准教授
My Seeds of Emotion
次の展開としては、国際的な連携のもと、新素材の開発がより大規模に検証されていくことに期待したいです。例えば、日本とイタリアが連携すれば、単一の地域にとどまらず、より広範囲に共有されるプロジェクトにつなげられると思います。両国が協力して取り組むべき共通の課題も存在しています。イタリアと日本にはいずれも、デザインやサステナビリティ、そして紙に関する強い伝統がありますが、素材への向き合い方は異なります。こうした視点を融合させることで、サステナビリティに対する新たな発想が生まれる可能性があると思います。
フランチェスコ・ズーロ
ミラノ工科大学 デザイン校校長
My Seeds of Emotion
ソニーはハイテク企業という印象がありますが、今回の展示には「ハイテク」と「ハイタッチ」のバランスが見られました。これは、高度な技術と素材に関する素晴らしい研究の結晶であり、持続可能性の観点からも示唆に富んでいます。
竹、さとうきびの搾りかす、リサイクルペーパーをこの新しい素材へと変化させる様子を見て、とても感動しました。 環境に配慮した素材の研究は、新しい世界を提案するための第一歩であり、素材の作り方そのものを変える必要性を示しています。
オマール・ハンナキ
ミラノ工科大学 学生
My Seeds of Emotion
ソニーがデザインの新しいアプローチを探ろうとしている姿勢に、とても感銘を受けました。大手テクノロジー企業が自らに問いを投げかけ、他社の模範となり得るような新しい道を選ぼうとしているのを見るのは、とても心強いことです。
そして若いデザイナーとして、ソニーの展示を見て大きな希望を抱きました。
アレッサンドロ・スクアトリート
イタリアを拠点に活動するプロダクトデザイナー / ドムス・アカデミー 非常勤教授
My Seeds of Emotion
私たちは非常にデジタル化された時代を生きています。その中で、人間として時に失いがちなのが「素材感」です。触れること、匂いを感じること、そして手で世界を感じる感覚です。
だからこそ、素材に触れ、見て、匂いを感じるなど、五感で体験できるこの展示は、私にとってとても印象的でした。
何かに触れるという感覚——それは、まさに手で世界を体験するということだと思います。
普段、私たちは多くの写真やイメージに囲まれて生活していますが、この展示ではそうした“画像”はなく、ただ感じることができる。身体全体で感じることができる点が、とても素晴らしいと思いました。
いわゆる「インスタ映え」といったものではなく、五感を通じて直接体験することに価値がある展示だと感じました。
セツギン・アクス
ミラノとイスタンブールを拠点に活動する家具デザイナー
My Seeds of Emotion
長い年月を経た今も、世界がリサイクルを受け入れ続けていることは、非常に重要なことだと思います。これは流行やトレンドに従うということではなく、時間とともに進化しながら意義を持ち続ける取り組みなのです。
毎年、そして今この瞬間にも、新しいアイデアや可能性が生まれています。特に今、ソニーがこのようなプロジェクトに取り組んでいることは本当に素晴らしいことです。
これは、一企業が家具や特定の製品を作るという話ではありません。私たちが話しているのは、高度な技術を持つ企業についてであり、それがこの取り組みをいっそう興味深いものにしています。サステナビリティとイノベーションが両立し得ることを示しており、とても前向きなことだと思います。
だからこそ私たちは前進し続け、新素材の研究を継続し、リサイクルを受け入れながら、常に新たな可能性を模索していくのです。ソニーのようなブランドは、デザイナーとの協働を通じて新たな製品や体験を生み出し、より良い未来に貢献することで、こうした考え方を広く発信していく役割を担っています。

My Seeds of Emotion
ソニーのような大企業が、その研究部門や研究拠点において、家庭や日常の生活空間に関わる分野にも関わっていることは、私にとって大きな驚きです。私たちが日々生活する空間に取り入れることができ、しかも環境や用途が変化した際には再びリサイクル可能な素材であるという点は、大きな感動を伴う発見です。最終的に、こうした取り組みこそが、私たち全員が目指していくべき方向、すなわち、よりサステナブルな解決策を探求していくことだと感じています。