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ソニーグループ2026年度経営方針 エンタテインメントへの注力とAIによる創造性の拡張により、さらなる成長へ

    ソニーグループは2026年5月8日、経営方針および業績に関する説明会をオンラインで開催しました。第五次中期経営計画の最終年度を迎えた今年も社長 CEOの十時 裕樹が登壇し、これまで進めてきたエンタテインメント、IP、そしてクリエイション技術への注力や、ソニーにとって重要な成長領域であるアニメについての取り組みを紹介しました。加えて、AIとそれによって生まれるソニーグループの新たな成長の機会について説明。事業と人の多様性を生かしながら環境変化への適応力を高め、持続的な成長を目指していく方針を示しました。また、2025年度連結業績に関する説明は、CFOの陶 琳が行いました。

    目次

    過去最高水準の業績達成と事業ポートフォリオの進化を行った一年

    十時は冒頭、この一年間をソニーにとって非常に重要な年と評し、過去最高水準の業績を達成したと説明。成長機会の探索と新たな課題への対応を進めるために、事業ポートフォリオの進化を続けていると述べました。また、2024年度から始まった第五次中期経営計画では、エンタテインメント、IP、コンテンツクリエイション、リアルタイム・クリエイション技術を軸とした事業の進化の方向性を明確化。それと同時に、長期ビジョンCreative Entertainment Visionのもと、テクノロジーによってクリエイターを支え、リアルとデジタルの両空間で新しい体験を創出しながら、IPの価値最大化を目指してきたと振り返りました。

    そして、「ソニーのPurposeである『クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。』は、Creative Entertainment Visionの中核であり、グループ全体の成長と新たな機会の創出を支えています」と述べ、各事業の概況を紹介しました。

    ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野ではPlayStationの月間アクティブユーザーが世界で1億2,500万人を超え、音楽分野もアーティスト層が拡大する中、配信プラットフォームやオーディエンスとの関係強化により着実に成長していると説明。映画分野は、ゲームIPの映像化などでグループ連携の「ハブ」を担っていることを強調しました。また、エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野ではスポーツ事業の拡大とコンテンツ制作におけるクリエイター支援に言及。そして、イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野でのイメージセンサーの進化が、クリエイティビティの根幹を支えていると述べました。

    また、十時は重要な成長領域であるアニメを取り上げ、ソニーの強みとして、制作からファンエンゲージメント、マーケティング、グローバル配信に至るまでのグループ各社とのシナジーや戦略パートナーとの協業を挙げました。そして、アニメの世界的な急成長を象徴する例として、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』のヒットや、2026年3月末時点で世界の有料会員数が2,100万人を突破したCrunchyrollの成長を紹介。「クランチロール・アニメアワード2026」や、今秋、米国・ニューヨークで初開催する「クランチロール アニメ・フューチャー・フォーラム」を通じて、ファンや業界関係者との連携を一層強化していく方針を示しました。

    Crunchyrollの有料会員数が2,100万人を突破

    重点投資によりエンタテインメントの成長を加速

    第五次中期経営計画のもと、ソニーは事業ポートフォリオの最適化と並行して、成長が期待される分野への投資を進めてきました。十時はその具体例として、バンダイナムコホールディングスとの提携を通じたアニメなどの分野でのポジション強化や、Peanuts Holdingsの持分追加取得、音楽IP投資の一環である米国ソニー・ミュージックグループとGICとの提携に言及。その上でこれらは「ソニーグループの事業の軸足が、エンタテインメント、IP、そしてクリエイションテクノロジーへと進化していることを示しています」と述べ、エンタテインメント領域がソニーグループの連結売上高の67%を占めるまでに伸長していることを明らかにしました。

    エンタテインメント事業の成長のグラフ 連結売上高に占める割合が、FY12 約30%からFY25 約67%に上昇

    一方で、将来の成長に向けたポジション強化のため、さまざまな戦略的な方向転換も行ってきたと述べました。

    AIによる新たな価値創出と、適応力がひらくソニーの未来

    十時が「ソニーグループのさらなる成長を考える上で最重要テーマのひとつ」として言及したのは、AIです。十時はAIについて、「強力なツール」であると認めつつも、「アーティストやクリエイターに取って代わるものではありません。人の想像力を広げ、これまでにない可能性を引き出すカタリストであると考えています」と述べ、人間の想像力や創造性を置き換えるものではないとの見方を示しました。

    人間のクリエイティビティとAI

    また、AIはエンタテインメントの世界に新たな機会をもたらすとともに、コストや時間の制約を取り除き、より革新的なプロジェクトの推進に寄与するとも言及。特に、プラットフォームとしてのPlayStationにとって、より多くのファンとゲームをつなぎ、その価値を高める機会となると説明しました。

    加えて十時は、映画分野において制作などのワークフローへのAI活用にこれまで5,000万ドル以上を投資していることや、音楽分野では知的財産権の尊重や消費者への透明性の確保に向け、AIで生成された楽曲のラベリングの業界標準規格を積極的に推進していることを紹介。また、バンダイナムコホールディングスと共に映像制作における生成AIなどの最新技術の実証実験を行い、生成AIの得意・不得意の理解と不得意領域の解決に向けた対応策の具体化を進めていることを明らかにしました。十時は、こうした共創を通じて生成AIとソニーの音響、映像処理、空間/CG技術を統合し、クリエイターの感性を最大限に拡張させ、安心して利用できる制作基盤を確立することで、業界全体の発展への寄与を目指すと表明しました。そして、続いて登壇したソニー・インタラクティブエンタテインメント社長 CEOの西野 秀明が、ゲーム領域における取り組みについて具体的に言及。AIの活用による、コンテンツ制作の自動化や効率化、ゲーム体験の創出や向上、プレイヤーへのパーソナライズやレコメンデーションの強化などの事例を紹介しました。

    西野の説明の後、十時はI&SS事業についても触れました。イメージセンサーにおけるソニーの強みは、設計・開発から製造プロセスに至るまでアナログ領域で培ってきた知見とそれを一体として磨き込む総合力であり、これは他社が容易に模倣できないものであると強調。主力のモバイル向けイメージセンサーでは、独自の微細プロセスと積層技術による高密度化を進め、センサー特性のさらなる向上を図っていることを明らかにしました。また、次世代イメージセンサーの開発・製造に関する戦略的提携に向けて、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)と法的拘束力を伴わない基本合意書(MOU)を締結したことを発表。本提携のもと、ソニーが過半数の株式を保有し支配株主となる合弁会社の設立、および熊本県合志市に完成したソニーの新工場への開発・生産ラインの構築に向けた検討を進めると述べました。

    熊本県合志市に建設されたソニーの工場

    最後に十時は、技術的・地政学的な変化への対応にも言及しました。そして、ソニーを取り巻く今後の事業環境に対して前向きな見通しを示しつつも、不確実性が高まる環境下では適応力がこれまで以上に求められると語りました。十時は、「過去の前提に頼ることなく、将来のさらなる成長に向けて革新的な取り組みを追求してまいります」と述べ、プレゼンテーションを締めくくりました。

    続く、2025年度連結業績に関する説明には、CFOの陶 琳が登壇しました。十時による経営方針に関するプレゼンテーションや2025年度連結業績に関する詳細は、当社投資家情報サイトからご確認いただけます。

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