
「第2回わぉ!な生きものフォトコンテスト」にご応募いただき、ありがとうございました。今回は、前回の3倍以上となる1,070点の応募作品が553人の方から寄せられました。いずれも力作ぞろいで、特別審査員 茂木健一郎さん、相模原市立博物館学芸員 秋山幸也さんをはじめ、審査員一同、選考には大変苦労しました。入選作品を、お寄せいただいたタイトル・エピソード(※)とともに、ご紹介します。
※ 応募された方が見て感じ、表現した内容をそのまま掲載しています
●第2回わぉ!な生きものフォトコンテストの概要はこちら

エピソード:ひまわりがきれいに咲いているのを順番に見ていた娘の前に、突如ジャンプして現れたバッタに、ひまわりどころではなくコーフンしていました。
エピソード:部活の帰り道、ヤツが挑戦してきました。

威嚇のポーズをとるカマキリに対して「ヤツが挑戦してきた」というコメントには、生きものと対等の目線を忘れていない撮影者のやさしさを感じるのう。うしろに写り込んだお友達の笑顔と無造作におかれたバッグには、「部活帰り」の臨場感を感じるわい。カマキリは静止している一方で、頭の上の太陽と、校舎の遠近感が、カマキリの本気の迫力を演出しておる。偶然の配置を完璧な構図にしてしまう撮影者の才能と、カマキリの生命力に拍手じゃ! \\わぉ!博士より//
エピソード:冬の始め、僕は群馬県の里山を散歩していました。畑の脇の森から若いカモシカがてくてく歩いてあぜ道に出てくるのが見えました。
畑を耕しているおばあちゃんは気づきません。カモシカは、おばあちゃんの様子をうかがうようにゆっくり近づいてきました。
ふと気配に気づいたおばあちゃん、顔をあげてしばらくカモシカと向き合ってました。
おたがい、ごくろうさま!そんな声が聞こえるようでした。その後、おばあちゃんは畑を耕しカモシカはまたてくてくと森に帰っていきました。

このカモシカとおばあさんは、きっと時々こんなふうに顔を合わせるのじゃろう。撮影者のコメントを少し補足してみるぞ。
「耕したところを踏みつぶしちゃいけないよ、育てているものをむやみに食べちゃいけないよ」
「わかった。なるべくそうするよ」
近すぎず、遠すぎず。長い時間をかけて培ってきた里山の農業と生きものとの距離感であるな。生きもの同士のつながりの中に里山があることを、静かに物語っておる一枚じゃ。 \\わぉ!博士より//
エピソード:里山で出会った早朝の風景です。早起きして出かけるといつも得をした気分になれます。みんなが見られない景色に出会えるから。これはチカラシバが朝露に濡れてできた秋の早朝の景色。かかったクモの糸にまで水滴がついて、まるで水滴のレースのようでした。

まるで真珠のネックレスみたい! きっと、水の国の女王さまへのプレゼントね。よ〜く見ると、水滴のひとつひとつに里山の青空が見えるの。早起きするとこんなステキな景色に出会えるなんて、やっぱり「三文の徳ね」。(わこちゃん)
エピソード:地元の有機栽培水田の生物調査に、東京から生物学者一行が訪れた。偶然草むらにいた体長2mものシマヘビが捕らえられたが、大きなトノサマガエルを捕獲して、呑み込もうとしていた。少年は初めて見る大きなシマヘビに怖さ半分、好奇心半分で、生きた食物連鎖の学習になった。大人の私も感動した。

ウー わぉ! ぼくも見たことがあるよ。ヘビが自分の頭より大きな獲物を丸飲みできるのは、あごの骨が特殊なつくりをしていて、上下左右にひろがるからなんだって。でもさ、喉をつまらせたりしないのかな。(おっくん)

黒いうさぴょん かわーいい! このアゲハチョウ、黒い羽に白いマークが特徴の「モンキアゲハ」って、わぉ!博士が教えてくれたわ。後ろ姿がウサギに見えてるなんて知らずに一所懸命甘い蜜を吸っているのだろうね。(わこちゃん)
エピソード:蓮を見に行ったときのことです。蓮の葉は水をはじく性質があり、葉の上に乗った水は水滴のようにまとまります。ふと見た葉の上の水滴に魚が入っていました。どうやって入ったのか不思議だし、出られるのか心配になりました。とり残されたのかと思いましたが、思うところあって一人になりたかったのかもしれませんね。

私も、一人になれるナイショの場所があるの。そこにいると、どこか遠くへ行ける感じがするのよ。きっとこのおサカナさんも、蓮の葉の水玉に入って、どうしたらお空へ飛べるのか考えてるんじゃないかな。(わこちゃん)
エピソード:熊本地震で被災した仕事先の復旧支援のため現地へ長期出張となった2016年の夏、南阿蘇の休暇村でダイミョウセセリを撮影しました。
疲れと蒸し暑さでやられていた私のまわりを、彼は悠々と一周して目前の葉先にふわりと着地。夏空を背に堂々たる仁王立ちを披露する彼にわぉ!
地震にも負けない小さな命が力強く息づいているのを感じて心躍った瞬間でした。

写真では大きなチョウに見えるけど、ダイミョウセセリを図鑑で調べると羽を広げた大きさが32〜36mmなんだって。小さい体で仁王立ちして、熊本の被災地をはげましてくれているみたい。なんてたって「ダイミョウ」だもんね!(おっくん)
エピソード:森の一角のコケがたくさん生えた場所でまだ小さなカナヘビ君に遭遇。カメラを近づけても逃げもせず、ポーズをつけて目線をこっちにくれました。今までカナヘビとはたくさん会ったことがあるけど、ここまでフォトジェニックなカナヘビ君…いや爬虫類には出会ったことはありませんでした。
エピソード:親子でしょうか? 恋人同士でしょうか? 2羽で楽しくダンスをしている様にみえました。普段、スズメは、電線と地面を行ったり来たりしているだけで、写真撮影の対象外でしたが、こんな姿を写真におさめられたことはラッキーでした。
エピソード:駐車場にとめた車の上にゴマダラカミキリムシがいました。写真を撮ろうと近づくと、こちらに向かって「わ〜お」という感じの万歳ポーズで、少々からだが重そうに飛んできました。何だかかわいらしいポーズに楽しい気分になりました。
エピソード:きれいな蝶が天井に停まっていたので眺めていると。少し離れた場所からヤモリがゆっくり接近! 少し間をおいた次の瞬間! ヤモリがサッー!と蝶に飛びかかりました! あ〜きれいな蝶が〜。。。しかし、蝶はヤモリの攻撃をヒラリとかわしヤモリの背中に着地! うわぉ!の究極の奥義を見せたのであります。ヤモリはしばらく動けず「キョトン」。蝶の方が一枚上手でした。めでたしめでたし(笑)
エピソード:2016年11月24日、関東で50年ぶりに初雪が降った日。近所にひまわりがまだ咲いてることを思い出し、足早に撮影しに行きました。
そこには、寒さにうつ向き震えながらも立派に花を咲かせてる向日葵の姿が。『Sun Flower』の強さを感じました。
エピソード:夏も過ぎた10月のある日。近くの植物公園を訪れて花を撮影していると、何やらガサッと音が。音の方に目を向けると、中から冬眠前のちょっとおじさん風なカエルがひょっこり現れました。ほんの数秒間こちらの様子をうかがったあと、ピョンと跳ねて去って行きました。
エピソード:庭先でみつけたテントウムシ。おなじみの虫ながら、背中をしげしげと眺めてみれば「わぉ!」 つるりとして見えた背中には無数の穴のようなぼこぼこが。このぼこぼこが飛ぶ際に空気抵抗を減らすのか、はたまた熱を吸収するのか。虫の小さな世界には、よく見なければ気づかないことが満ちています。
受賞作品の写真展も開催!
全国のソニーストア等を巡回します!
入場無料
ソニーストア名古屋 | 2017年4月29日(土)〜5月12日(金) 11時〜19時 ※最終日は17時まで |
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モンベル 渋谷店 | 2017年7月1日(土)〜7月7日(金) 10時30分〜21時 ※5Fサロンにて開催。 初日は12時から、最終日は18時まで |
ソニーストア福岡天神 | 2017年7月22日(土)〜7月30日(日) 12時〜20時 ※最終日は18時まで |
ソニーストア大阪 | 2017年8月11日(金)〜9月3日(日) 11時〜20時 ※最終日は17時まで |
写真展の初日(※)に自然を学ぶ
イベントも企画中! お楽しみに!
※モンベル 渋谷店は、7/1(土)と7/2(日)の2日間イベント開催予定
太陽のように明るいひまわりに、女の子の輝くような表情が向き合っています。そこに飛び出したバッタ。女の子が驚き、喜ぶ一瞬をとらえて素敵です。ひまわりと、女の子と、バッタ(ツユムシ)。さまざまな生きものが共生することの大切さまで、教えてくれるようです。
生物多様性の理解は、身近な自然を観察することから始まります。一つの生きものに興味を持って、それを見ている時に、別の生きものが飛び込んでくる。そのようなセレンディピティ(偶然の幸運)も、多様な生物が共存する自然があってこそ、起こるのです。生物多様性を守り、維持することは、私たち人間の精神を豊かにするために不可欠なことなのです。