新しい技術でつくる、豊かな生態系
ソニーグループは事業活動や地域社会への貢献を通じて、生態系サービスの保全と持続的な利用に努めるため、環境の課題解決に貢献する技術開発や、地域のニーズに応じた生物多様性の維持や回復の推進に取り組んでいます。
Synecoculture™
(シネコカルチャー™)*1
- *1. Synecocultureはソニーグループ株式会社の商標です
Synecocultureとは?
Synecocultureは、さまざまな植物を混生・密生させて豊かな生態系をつくりだし、生態系がもともと持っている物質循環などの自己組織化能力を多面的に活用する農法です。Synecocultureは、ソニーコンピュータサイエンス研究所の舩橋真俊研究員が提唱しています。
- 食料生産と環境破壊の
トレードオフを乗り越える Synecocultureは、多くの食物を生産することは生態系の豊かさに影響を及ぼすという、「食料生産性と環境破壊のトレードオフ」を乗り越えることを目標にしています。環境負荷をもたらす耕起・施肥・農薬を使用せずに食料を生産しながら、環境や健康への影響までも包括的に考えて、生態系を立体的に活用することを目指します。
[2] 生産性(食べ物の作りやすさ)
[3] Synecocultureが目指すところ
- 研究から社会実装へ
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Synecocultureでは、人間が介入することで、自然状態よりも生物多様性の高い状態を目指します。これを実践するには、現場の植生がどのようになっているか、どのような生態系が構築されているかを把握することが重要です。舩橋研究員を中心としたチームでは、機械学習による植生のスコア化や、生態系サービスがどのように発揮されているかをシミュレーションする研究を進めています。
⻘: 植物種、オレンジ: 動物種、⻩: 菌類、緑: その他
生物多様性の保全と拡張に向けて
Synecocultureを活用した
地域社会への取り組み
ソニーグループ内で実施しているSynecocultureを活用した取り組みをご紹介します。
ソニーグループは、今後もこのような活動をさらに広げていくことを目指しています。
中国大陸における
ソニーグループ各社の活動
中国大陸では、Synecocultureを2020年度に導⼊して以来、社内外の協⼒を得ながらソニーグループ各社の事業所に広く展開してきました。現在は約6,000㎡を超える5つのSynecoculture農園があり、この3年間に収穫した野菜の量は約2,000kgにのぼります。こうした取り組みが社会的に⾼く評価され、2022年度には上海政府が主導する上海市商務委員会から表彰を受けました。
- ソニー・太陽
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⽇本にあるソニー・太陽株式会社(ソニー・太陽)では、2022年度に Synecoculture農園を⽴ち上げ、100種以上の植物を植え付けました。以来、農園のさまざまな植物は順調に成⻑し、健全な生態系が構築されています。収穫した⼤根やジャガイモなどの野菜は社員食堂で提供しています。
- 教育現場でのSynecocultureの実践
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小中学生が半年間かけて「シネコポータル」*2を実際につくるワークショップでは、Synecocultureの原理を学ぶことができます。多様な植物や生物を観察したり、収穫した果実や野菜を味わったりする経験を通じて、⾃然の豊かさや生態系の存在を意識するきっかけを提供しています。また、生物多様性を⾼めるために何ができるかを⼀緒に考えることや、さらには自然や環境問題にとどまらず、子どもたちが好奇心を原動力に自ら学びのサイクルを拡げていくことも⽬指しています。
*2. 「シネコポータル(Syneco Portal)」 は、小さな拡張生態系を実際につくりながら、環境とのつながりを感じて学んでいく「入り口」となるものです。
- Synecocultureを普及させるために
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株式会社SynecO(シネコ)は、人間活動と自然資本の両立を目指すSynecocultureの研究を社会実装・普及するために、 Sony Innovation Fund: Environment の出資を受けて設立されました。
生態系の多様な機能を拡張することで、食料生産と生物多様性の両立を目指すソリューションを提供すると同時に、さまざまな生態系サービスを取り出し、都市・生活空間のグリーンインフラ構築や、生態系への理解を深める教育活動など、新たな価値を提供する活動をグローバルに展開しています。Sony Chinaやソニー・太陽へのSynecoculture導入支援も行いました。
インタビュー
- Zhang Xuan
- Senior Manager, China Sustainability Division
Sony(China) Limited
中国大陸での
Synecoculture の普及を目指して
中国大陸における Synecoculture チームの一員として、4年前から Synecoculture の発展に携わっています。Sony Chinaのメンバーは、無耕起、無施肥、無農薬という Synecoculture の特徴に強い関心を持っており、シネコポータルをすべての事業所*3に導入することができました。また、蘇州(江蘇省)では実証実験を行い、各事業所メンバーが栽培を体験する活動に参加しています。今年は Synecoculture の専門家とともにワークショップを開催し、普及活動に取り組んでいます。加えて、中国大陸と香港にもSynecocultureを積極的に紹介しており、たとえばSony Expo*4にて Synecoculture の研究者である舩橋さんの講演を開催するなどして、取り組みや効果などの認知拡大を図っています。今後も中国大陸と香港で Synecoculture を推進し、ソニーの技術で、環境に配慮した社会の実現に貢献していきます。
*3. 中国大陸と香港において導入済みの事業所(2025年1月現在):
Shanghai Suoguang Visual Products Co., Ltd.、Sony Digital Products (Wuxi) Co., Ltd.、Sony (China) Limited、Sony Global Information System (China) Co., Ltd.、Sony Semiconductor Solutions (Shanghai) Limited、Sony Interactive Entertainment (Shanghai) Limited、Aniplex (Shanghai) Ltd.、Sony Music Entertainment China Holdings Limited、Sony Pictures Consulting (Beijing) Company Limited、Sony Corporation of Hong Kong Ltd.、Sony Music Entertainment Hong Kong Limited、Sony Pictures Television (Hong Kong) Limited
*4. 中国大陸で 2023年に開催された、製品や技術、サービス、サステナビリティなどソニーグループ各事業の最新情報を紹介するイベント