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ONE DAY, 2050 | WELL-BEING, 2050 |
Resilience Program
解説

2050年のAIカウンセラー「オフィーリア」は、人々がレジリエンスを身につけるサポートをする。
地を這うような重低音に包まれ、わずかな光が差し込む薄暗く広々とした空間で、白いシャツを着た青年が、膝を抱えてうつむいている。
その青年を背景に、オフィーリアが作り出した青年の父親と元恋人の顔がぼんやりと映し出される。

年配の父親が険しい顔でこちらを見つめる
「何をそんなに悩んでいるんだ?」

長い黒髪の恋人が冷たい目つきでこちらを見つめる
「私たちは終わりね。」
「さようなら。」

解説

ゆっくりと立ち上がる青年。首元に付けられているリング形状のウェアラブルデバイス「エモーションキャプチャリングセンサー(Emotion capturing sensor)」がストレスに反応して光り、その輪の中心を右手の人差し指でそっと触れる。

無音になったあと、再び地を這うような重低音が鳴り始める。

物憂げな青年が閉じていた目をゆっくりと開き、瞳に装着したウェアラブルレンズにクローズアップする。水音とともにテロップ「WEARABLE LENS」が表示され、レンズだけが宙に浮かぶ。

オフィーリアの声

「私はオフィーリア。あなたには、カスタムメイドのレジリエンスプログラムが必要です。」

解説

青年の瞳の中に入り込んだような視点に切り替わる。
オフィーリアは、柔らかく形を変える水の球体のような姿で話し続ける。

オフィーリアの声

「いまから、あなたの1番嫌いな人の姿になります。」
「あなたは思う存分、彼と会話をしてください。」

解説

水の球体の姿をしたオフィーリアが変化し、白いシャツを着た父親のアバターに移り変わる。

父親の声

「俺はお前が羨ましかったんだ。」

解説

BGMが流れる。

険しい表情の青年と穏やかな表情の父親が向き合う。

青年の声

「僕のことが羨ましかった?」
「僕はいつもあなたが羨ましかった。」
「あなたは自由に生きている。」

解説

険しい表情でうつむいたまま黙っている青年に向け、父親は続けて語りかける。
青年の首元には「エモーションキャプチャリングセンサー」が点灯し続け、青年が感情をあらわにするたびに強く点滅する。

青年の声

「僕の話を聞いて、僕を見て欲しかった。」

解説

引き続き語りかける父親に、身振り手振りを交えて話す青年。
昔、伝えられなかったことを遠慮なく言い合う。

父親の声

「お前の求めているものがようやく分かったよ。」

解説

穏やかな表情で、水音とともに水中に沈んでいくように消えていく父親の姿。
入れ替わるように、白いワンピースを着た長い黒髪の恋人のアバターが青年の目の前に現れる。

BGMが変わる。

恋人の声

「ひさしぶりだね。」
「突然いなくなって、ごめんなさい。」

解説

青年の正面に立つことを避けるように歩きながら、うつむいて話す恋人。

青年の声

「どこに行っていたの?」

恋人の声

「あなたのためだったの。」

解説

恋人が一瞬、青年を見つめたあと、背中合わせで話し始める。
2人は話せなかった思いを話し合い、最後に向き合う。

恋人の声

「あなたと話せてよかった。」

解説

穏やかな表情で水音とともに光の中に消えていく恋人。
青年の感情が穏やかになるにつれ「エモーションキャプチャリングセンサー」は優しい光を放つ。
いつの間にか地を這うような重低音は消え、希望に満ちた優しいメロディーが流れる。
不意に青年が光の輪に手を触れると、光を放つ水の中から青年のアバターが目の前に現れる。

青年のアバターの声

「きみはもう自力で立ち直れるよ。」

解説

青年に優しく手を差し伸べるようなしぐさをしたあと、水音とともに光を放つ水中に静かに消えていくもう1人の青年。
青年の「エモーションキャプチャリングセンサー」の光が消え、明るい光に包まれた空間で、青年が穏やかな表情で上を見上げる。

BGMが終わる。