Cutting Edge

2025年12月22日

クリエイターとの共創で新たな価値を
Sony Technology Exchange Fair 2025レポート

グループ本社(東京・品川)で開催されたソニーグループ横断の技術交換会「Sony Technology Exchange Fair(STEF)2025」。53回目を迎えた今回は、初めての試みとして社外のクリエイター800名に向けて19の展示を公開しました。本記事では、公開した展示のうち、5つをピックアップしてご紹介いたします。

 
1.Sensory Re:Fusion for LBE〜視覚・聴覚・嗅覚・触覚を刺激する没入型体験
2.Feel So Music〜音に触れる驚きが、心震わせる
3.エンタテインメント向け群ロボットシステム「groovots(グルーボッツ)」〜動く群ロボットによるステージ演出
4.「XYN™」空間コンテンツ制作ソリューションと関連技術〜効率的に超高精細・フォトリアルな空間コンテンツを制作
5.4D Capture Technology〜シングルカメラで動きも形状もリアルに撮影

 

Sensory Re:Fusion for LBE
視覚・聴覚・嗅覚・触覚を刺激する没入型体験

映像と音響だけではなく、振動や風の感触、香りまでを複合的にリアルに体験できる、没入感のある展示。今回の展示では壁3面と床1面の合計4面の巨大スクリーンに投影する映像に連動し、触覚フィードバックが組み込まれた体験版のコントローラーを用いてさまざまなインタラクションを体験できるスペースが用意されました。

振動、光、香りなどを映像や音響と組み合わせて同時かつ違和感なく体験してもらうには、非常に複雑な調整が求められます。ソニーの映像(視覚)や音響(聴覚)、ハプティクス(触覚)や嗅覚など、各技術の専門家が一丸となり試行錯誤を重ね、複数の感覚技術を結集したシームレスな体験を実現することで、様々な感覚を刺激し、参加者の主体的な体験を創り出すことを目指しました。

 

Feel So Music
音に触れる驚きが、心震わせる

従来のイヤホンやスピーカーを通じた聴覚だけではなく、風による皮膚感覚と胸部の振動も加わったクロスモーダル錯覚により、これまでの「聴く」を超えた、「音を浴びる」という新たな音楽体験を目指しています。

開発のきっかけは、あるアーティストからの「ライブ会場で最高の音を体験できる場所が一部に限られる」という声でした。誰もが場所を選ばず最高の音楽を体験して欲しいというニーズに応えるべく、ソニーが長年研究してきたハプティクス技術を応用し、人間の聴覚が認知できないとされる20Hz以下の非可聴振動を活用し風を生み出す新たなハプティクスデバイス を開発。これにより、音の厚みやリズムを体全体で感じられる新感覚を実現しています。

今回の展示とは別で行った実証実験では、聴覚障がいがある方から「はじめて健聴者と同じタイミングで音楽にノルことができた」というコメントも。まさに、想像を超えた体験と感動の実現を目指すシステムです。

エンタテインメント向け群ロボットシステム
「groovots(グルーボッツ)」

動く群ロボットによるステージ演出

ソニーが培ってきたライブソリューションとロボティクスにおける知見を元に開発した「groovots」は、複数ロボットとライブ会場の設備が連動するシステムです。メインパフォーマーに見立てた大型ロボットと、バックダンサー的な役割を果たす小型ロボットによるライブステージのデモンストレーションを実施しました。

「思い描くとおりにステージ演出を制作したい」というクリエイターのニーズにこたえるため、特別なツールを使用するのではなく、クリエイターが普段から使用する制作ツールとの連携を重視。エンタテインメントとロボティクスそれぞれの専門知識を社内に有するグループの強みを活かし、両チームが協働して開発を推進しました。複数ロボットが位置精度を保ち、会場の音響信号と高精度に同期させる技術的な課題をクリアした点がこのシステムの最大のポイントです。
将来的な屋外利用も視野に、人とロボットが共生する社会の実現を目指しています。

「XYN™」空間コンテンツ制作ソリューションと関連技術
効率的に超高精細・フォトリアルな空間コンテンツを制作


エンタテインメントからインダストリーの領域まで、XR活用や3DCGコンテンツ制作の利用は広がり続けています。その中で課題として挙げられるのが、「高品位」「低コスト」「簡単に使える」といった技術や環境の改善です。

XYNは、ソニーが培ってきたイメージング、センシング、ディスプレイなどの技術を活かし、幅広いクリエイターに向けて、直感的かつ効率的な3DCG制作環境を提供することを目的としたコンテンツ制作支援ソリューション群です。

今回の展示では、現実世界の物体や空間をフォトリアルな3DCGアセットに変換できる「XYN空間キャプチャーソリューション」に加え、3Dアセットの編集や検索を行える開発中の新技術の紹介、コンテンツ制作や実際の撮影に取り掛かる前に3Dアセットを用いて簡易にカメラアングルやレイアウトを確認できるシミュレーション体験、さらに、XYNで制作したアセットで構成された高品位なコンテンツを実際にヘッドマウントディスプレイで没入しながら体験できるデモンストレーションを実施しました。

4D Capture Technology
シングルカメラで動きも形状もリアルに撮影

映像技術が3D、4Dへと進化するなかで乗り越えるべきハードルの1つが、制作において数十台のカメラや多くの人を必要とするといったコストや手間がかかる点です。このハードルを下げ、ARやVRなどのXRコンテンツを手軽に制作できる環境の実現を目指し開発されたのがこの4D Capture Technologyです。この技術はソニー独自のセンシングデバイスと信号処理アルゴリズムにより、たった1台のカメラで被写体の形状や動きを撮影でき、120fpsという高フレームレートの4Dモデルも実現する、新しい4D撮影技術です。

今回の展示では、リアルタイムで会場の奥行きや色などの情報を取得しディスプレイに表示するセンシングデバイスの実機デモや、空間再現ディスプレイによるXRコンテンツの立体映像の鑑賞などを提供。現実世界の被写体とUnreal Engineの3Dアセットを組み合わせ、リアルとバーチャルを融合した没入感のある映像体験を提供しました。

「Sony Technology Exchange Fair(STEF)2025」では、全世界のグループ会社から多様なテクノロジーと人材が集結し、活発な議論が交わされるとともに、社外のクリエイターが実際に技術を体験し、技術者と積極的に対話するなど、さまざまな交流が生まれました。クリエイターと技術者が直接つながることで、新たなアイデアや視点が共有され未来の可能性を感じさせる場となりました。
ソニーは、今回クリエイターから得た新たなアイディアや視点を活かして、技術を磨き、これまでにない感動体験の創出を目指していきます。

Share

  • LinkedIn
  • X
  • Facebook

関連記事

Back to Stories