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Sony Corporate Blog

12人の監督、12人の物語。『DIVOC-12』

ソニーは2020年4月に総額1億USドル(約108億円)の「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」を設立し、「医療」「教育」「クリエイティブコミュニティ」の三つの領域で、新型コロナウイルス感染症により世界各国で影響を受けている人々を支援する取り組みを行っています。今回のブログでは、その基金による活動の一環として株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(以下、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)が実施した、クリエイティブコミュニティにおける映像制作の支援プロジェクト『DIVOC-12』(読み方:ディボック-トゥエルブ)を紹介します。

『DIVOC-12』とは?

12人の映画監督と12本の短編からなるオムニバス映画を製作するプロジェクト。タイトルはCOVID(新型コロナウイルス)の逆さ読み(DIVOC)となっており、「12人の監督とともにCOVID-19をひっくり返したい(乗り越えていきたい)」という思いを込めて『DIVOC-12』としています。2020年10月に開始したプロジェクトは、今年10月1日に1本の映画作品として、全国で劇場公開されます。

本プロジェクトの中核として映画制作を牽引した3人の監督は、『新聞記者』(19年)で第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめとした主要3部門を受賞した藤井道人監督、世界中で話題となった『カメラを止めるな!』(18年)の上田慎一郎監督、第41回モントリオール世界映画祭で審査員特別大賞を受賞した『幼な子われらに生まれ』(17年)の三島有紀子監督。現在の日本映画界をけん引する監督たちそれぞれの元に、一般公募より選ばれた新人監督含めた9名が集い、共に映画制作を行いました。

(左から)三島監督、上田監督、藤井監督。それぞれのチームに異なる3名の監督が参加し、チーム内で共通のテーマに沿って作品を制作。

『DIVOC-12』を推進したソニー・ピクチャーズ エンタテインメント ディストリビューション ローカルプロダクション&アクイジションの菊地洋平は、プロジェクトの背景について次のように語っています。
「この企画を開始した当時、日本映画業界では新型コロナウイルスの影響によって約85%の制作現場で作品の制作が中止、または延期されていることがわかりました。こうした状況下でクリエイターの皆さんがやりたいことを守るためには何ができるのか考え、この企画を提案しました。
また、コロナ禍による社会や環境の変化によってネガティブな感情を持たれる方々がたくさんいる中で、人々との交流や絆などを大切にした作品を世に送り出したいという考えもありました」

  • ※出典:日本映像職能連合 2020年4月28日~5月17日

映画の制作にあたり、「感染予防の徹底」「若い世代の主演俳優を起用」「一部の監督や俳優を一般公募で決定」などのガイドラインを設定のうえ進行し、本活動を通じて得た収益の一部は、芸術文化振興基金に寄付する予定となっています。

感染対策を徹底した撮影現場

今回、公募を経て本プロジェクトに参加した加藤拓人監督からは、感謝のメッセージが届いています。

「私は普段、助監督として働いていますが、2020年5月頃に映画制作の現場が一旦止まったんです。仕事と趣味の両方を無くしたのでずっと家にこもっていて、人生の中で大変な時期でしたが、この企画に応募し、作品作りを行うことができたことをとても感謝しています。
三島監督のもとで「共有」というテーマに沿って作品制作を行いました。コロナ禍で人との関わり方が変わってきていますが、生きる上で誰かと関わっていくことは必須であると考えています。だからこそ今一度、記憶や思い出などを他人に共有したいという思いで『睡眠俱楽部のすすめ』という作品を作りました」

ソニーならではの映画制作

『DIVOC-12』では、ソニーグループ内の技術やアセットもクリエイターに提供しています。映画の主題歌には、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの所属アーティストであるyamaの書き下ろし楽曲「希望論」を起用。映画制作においては、ソニー製のカメラや、ソニーPCL が日本国内で制作ソリューションとして提供するバーチャルプロダクションなど、グループ内の技術を活用した映像制作が行われました。

撮影で使用されたミラーレス一眼カメラ『α7S III』
yama「希望論」

バーチャルプロダクションとは、デジタル上に作成した立体的な背景データを大型LEDディスプレイに表示し、その手前に物や人物を配置して撮影することで、背景の場所で実際に撮影しているかのような映像を制作する技術です。カメラを上下左右前後に動かして撮影した場合でも、カメラの動きを感知してリアルタイムで背景が変化するため、リアル空間とバーチャル空間がシームレスにつながっているかのような映像表現が可能となっています。

今年4月から、東宝スタジオ内(東京都世田谷区)に期間限定で撮影設備を設置して、CMや映画、ミュージックビデオ、新商品発表の撮影などを行っています。

©Modeling Bros/Studio Bros 8Kサイズのソニー製Crystal LEDを設置。実際の車を置いての撮影も可能な大規模スタジオ。

ソニーPCL ビジネスプロモーション部 マーケティング課の黒谷瑞樹は、バーチャルプロダクションの強みについて次のように話しています。
「例えば、従来のグリーンバックでは撮影後に1ヵ月以上の合成処理が必要だった透過表現についても、バーチャルプロダクションでは背景が用意できていればその場で撮影することができます。
今回の『ユメミの半生』は、全体の90%以上をバーチャルプロダクションで撮影し、12シチュエーションをわずか3日で撮影完了しています。リアルな環境でロケ撮影していたら、おそらく今回予定していた期間やコストでの実現は大変難しい脚本が用意されていました。もし希望通りの撮影期間を確保できたとしても、感染症対策の点から、ロケの実現は難しかったかもしれません。監督の描きたいものを、技術で実現することができました。上田監督からは、「グリーンバックではなく実際の背景が映し出されていることで、撮影の手ごたえを常に掴みながら進められる点がよかった。バーチャルプロダクションでしかできないことがたくさんあると思う」といった声もいただいています。」

明るい未来をめざして

最後に三島監督から届いた今回のプロジェクトへのメッセージをご紹介します。

「私が今回手がけた作品、『よろこびのうた Ode to Joy』に主演された藤原季節さんは、『この映画には12個の眼差しがある』と仰っていましたが、その通りだと思います。世界にはいろいろな見方があるということを、12人の監督が作った映画を見るだけでも感じていただけるのではないかと。
私は、映画は言語に関係なく世界中の人とコミュニケーションできるものだと信じています。だからこそ、世界中の人に向けて映画を作っているソニーの姿勢にはとても共感しています。また、ソニー社員と一緒にお仕事をする中で、『クリエイターのやりたいことを尊重したい』という強い思いを感じることができ、そうした環境で映画作りができたのは非常に有難かったです」

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントがクリエイティブコミュニティにおける映像制作の支援プロジェクトとして進めた『DIVOC-12』。
コロナ禍のなかで、12人の映画監督が作り上げた12人の物語に、ぜひご期待ください。

完成披露試写会での一枚。(左から)藤井道人監督、上田慎一郎監督、ロン・モンロウさん、松本穂香さん、小関裕太さん、藤原季節さん、三島有紀子監督。
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