ソニー ホームページ

ゲームから銀幕へ。映画『アンチャーテッド』-PlayStation Productionsの取り組み

    ゲームタイトルをテレビ番組や映画にし、興行的な成功を収め人気を博したケースは、過去30年にわたって、あまり例がありません。しかし、映画業界がゲームIPに基づく作品も含め劇場公開作品の多様化をすすめるなか、状況は変わりつつあります。ソニーグループでは、PlayStation®の自社制作タイトルの映画・テレビ番組化を推進するPlayStation Productionsが、この領域における新しい取り組みを進めています。

    今回のソニーコーポレートブログでは、PlayStation Productionsの統括責任者であるアサド・キジルバッシュに、人気ゲーム作品『アンチャーテッド』の映画化にあたり、製作・配給元のソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)との連携や、ゲームタイトルの映画化についての考え、ゲームと映画それぞれのファンに向けた思いなどについて聞きました。

    アサド・キジルバッシュ Head of PlayStation Productions

    PlayStation Productions -SIEとSPE、新しい連携の時代へ

    PlayStation ProductionsはPlayStationの自社制作タイトルの映画・テレビ番組化を通じてファン層を拡大することを目的に、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)と共同で推進する取り組みとして、2019年に設立しました。PlayStation Productionsを率いるアサド・キジルバッシュは、SIEに16年以上在籍し、自社制作タイトルのマーケティング担当VPなどを務めてきました。PlayStation Productionsにはテレビや映画製作の領域で長年にわたる経験を持つメンバーも複数いるので、過去何十年にもわたって映画製作・配給を行ってきたSPEとゲームタイトルの映画・テレビ番組化のプロジェクトで連携し、そのノウハウや知見を活用できる体制になっています。

    SIEとSPEはさまざまなプロジェクトで連携してきましたが、PlayStation Productionsの取り組みは、今までにないレベルのコラボレーションで、コンテンツIPに基づく映画・テレビ番組製作において、最大限のクリエイティビティとソニーグループ同士ならではのフレキシビリティをもたらすものです。

    設立から約3年を経た今年2月、PlayStation Productionsは初の自社制作タイトルの映画化となる『アンチャーテッド』をSPEとともに世界中のファンに向けてリリースしました。

    『アンチャーテッド』-PlayStation Productions初となるプロジェクト

    「アンチャーテッド」は、2007年の『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』の発売から始まり、その後に3つの続編『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』(2009)、『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』(2011)、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』(2016)と続く一連のアクションゲームです。シリーズの全世界累計実売本数は4000万本以上を超えました。

    PlayStation Productionsの統括責任者キジルバッシュは言います。「『アンチャーテッド』は、映画化にうってつけのゲームタイトルでした。というのも、このゲームには映画的な要素が沢山あり、登場人物や描かれる人間関係もとても印象的だからです。また、誰もが好きな古典的なアドベンチャー映画のような側面もあります」。アクションゲーム作品である『アンチャーテッド』には映画的な要素が数多くあったため、その世界観を映画にすることのハードルは、他のゲームタイトルよりも低かったとも言えます。

    UNCHARTED EXCLUSIVELY IN MOVIE THEATERS 02.18.2022 TOM HOLLAND MARK WAHLBERG

    またゲームタイトルの「アンチャーテッド」に登場する世界中のさまざまなロケーションや戦闘シーンもアクション映画との親和性が高く、主演俳優のトム・ホランドは、映画『スパイダーマン』収録におけるアクションシーンの経験を活かすこともできました。実際、SPEモーションピクチャーグループ 会長 兼 CEOのトム・ロスマンは、映画『スパイダーマン:ホームカミング』を見てトム・ホランドに今回の役を打診したのです。「トムは若き日のネイサン・ドレイク役として最適でした。彼はコメディー、ドラマ、アクションを演じ分けることができる素晴らしい俳優です」キジルバッシュは言います。「また、トムがゲームタイトルの『アンチャーテッド』の大ファンであったことも大きな助けでした。彼は熱心に役作りに専念し、今回の映画化に大変な情熱をもって取り組んでくれました」

    ゲームタイトルの映画化-その課題と可能性

    キジルバッシュは、特に欧米においてゲームタイトルの映画化が、必ずしもファンの期待通りにならないと言われていることを十分に認識しています。そして、ゲームタイトルをゲーム以外のエンタテインメントで活用することはとてもチャレンジングなことであり、昔からの熱狂的なゲームファンと、映画を通じて新たにファンになる層の双方を満足させるバランスが必要だ、と言います。一方の層に過度にアピールすると、もう一方の層が離れてしまい、オーディエンスの半分を失ってしまう可能性があります。また原作からあまりにもかけ離れてしまうと、どちらのグループにも響かない結果となるようなリスクもあります。

    このようなことを避けるため、映画『アンチャーテッド』は、ゲームタイトル「アンチャーテッド」シリーズの世界観と登場人物をベースとする新しいストーリーとして製作されました。「ゲームには出ないストーリーにすることで、ゲームファンにはフレッシュな新鮮さを提供しつつ、映画で初めてアンチャーテッドを知る人たちには、これらの登場人物の活躍をみてもらいます」と彼は言います。

    キジルバッシュは、本作の主演であるトム・ホランドと監督であるルーベン・フライシャー、そしてノーティードッグの共同プレジデントであるニール・ドラックマンとの座談会で、『アンチャーテッド』の実写化実現に向けた想いを語る。

    ソニーはゲームタイトルの映画化にあたり、才能あるフィルムメーカーに製作を依頼し、彼らがゲーム側のクリエイティブチームとは異なるやり方をするかもしれない場合であっても、映画製作者のクリエイティビティとビジョンにゆだねるアプローチを取っています。

    「クリエイティブな製作過程では、時には意見の不一致があります。そのような状況では、映画製作者のビジョンを理解することが非常に大切であると考えます。」とキジルバッシュは言います。映画『アンチャーテッド』の場合、『ゾンビランド』(2009)などの監督であり、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)のエグゼクティブ・プロデューサーであるルーベン・フライシャーがこの立場になります。

    「どのような映画であっても、成功が保証されることはまずありません」とキジルバッシュは言います。「成功の方程式は無いのです。良い映画を作ることは本当に難しく、ヒットさせるには特別な力が必要と思います。しかし、何百万人ものゲームファンの共感を生んだストーリーとキャラクターを、映画製作者のクリエイティビティと掛け合わせることで、素晴らしい作品となる確率が高まります」。キジルバッシュは映画『アンチャーテッド』とPlayStation Productionsの役割に高い期待を寄せています。

    PlayStation Productionsのこれから

    ギジルバッシュは「映画『アンチャーテッド』はPlayStation Productionsの最初の取り組みであり、SPEとのコラボレーションはこれからも続きます。」と言います。PlayStation Productionsでは現在、『Ghost of Tsushima』(ゴースト・オブ・ツシマ)の映画化や、『The Last of Us』と『Twisted Metal』をベースにしたTVシリーズ化など、『アンチャーテッド』を入れて10のプロジェクトが進行中です。『アンチャーテッド』同様、これらのプロジェクトには、映画『ジョン・ウイック』のチャド・スタエルスキ監督などの才能あふれるクリエイターが、ゲームファンを満足させ、新しいファンも生み出すべく新たな作品を製作する予定です。

    PlayStation™ PRODUCTIONS

    「素晴らしいゲームや映画、テレビ番組には、魅力的な登場人物とともに、オーディエンスを虜にするストーリーがあります」とキジルバッシュは続けます。「それぞれのゲームの何がゲーマーの皆さんの心を捉え、数百万にのぼるゲームファンを生み出すのかをPlayStation Productionsがきちんと理解し、それを忠実に映像に置き換えることができれば、ゲーマーの皆さんにも、映画ファンの皆さんにも喜ばれる作品を生み出していくことができると私は信じています」