列並列A/D変換方式で高速撮像と高画質を実現した、APS-Cサイズで有効1247万画素のCMOSイメージセンサーを商品化。
独自の列並列A/D変換方式を採用し、高速撮像とノイズが少ない高画質を実現した、APS-Cサイズ(対角28.40mm/1.8型)で有効1247万画素のCMOSイメージセンサー『IMX021』を商品化した。CMOSイメージセンサーは、低電圧で消費電力が低く、信号処理が高速にできるというメリットがある一方で、構造上の理由で暗い環境や露出が十分でない場面ではノイズが目立つという課題があった。これに対し、列並列A/D変換方式は、A/D変換器を画素の垂直列毎に並列配置し、垂直信号線に読み出されたアナログ信号を最短で各列のA/D変換器に直接伝送することで、アナログ伝送中に混入するノイズによる画質の劣化を抑えると同時に、高速での信号読み出しが可能。加えて、アナログ・デジタルの両回路で高精度なノイズキャンセルを行うデュアルノイズキャンセル方式により、低ノイズを実現した。列並列A/D変換方式は、2007年11月に発売されたハイアマチュア向けのデジタル一眼レフカメラ“α700”を皮切りに、業務用ビデオカメラや携帯電話などあらゆる製品に採用され、ソニーのCMOSイメージセンサーを支えるキーテクノロジーの一つとなった。