想像以上の"デザイン"を
つねに追い求めている
Yasuyuki Suki
PlayStation®5などのプロダクトから、10年後のソニーのありたい姿を描いた長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」などの先駆的なプロジェクトまで、幅広い領域のUI/UXデザインを手掛けてきた須木 康之。デザインとエンジニアリングのスキルを持ち、新たなUI/UXの可能性を追求してきた彼に自身のルーツやソニーでの仕事、今後の目標について聞きました。
形にすることで価値を生みだす
あなたのルーツは?
大学でプロダクトやグラフィックのデザインを学んでいた頃、世に出始めた最新のテクノロジーを使ったインタラクティブアートに大きな可能性を感じ、院進する時に他大学のメディア表現研究科を選びました。その大学はアイデアを素早く形にする「プロトタイピング」をデザインプロセスの中で重要視していて、その手法が今の自分の礎になっています。
当時は課題に対して、以前から得意だったプログラミングの知識を活かし、自分のアイデアをクイックに試作。周囲のフィードバックをもとに改善を繰り返す中、想像以上の作品に仕上がることも多くありました。プロトタイピングは非常に有効なクリエイティブの手法だと思っています。
モノ・コトと人をつなぐUIデザインに惹かれた
UIデザインを選んだ理由は?
プロダクトデザインとメディアアートの世界にまで触れて、これからの時代はそういったモノ・コトと人をつなぐインターフェースやインタラクションのデザインが重要になると考え、志望しました。またソニーを選んだのは、以前から尖っている会社だと感じていたから。子どもの頃から家電量販店が好きで、各社のオーディオ製品などを見比べていたのですが「ソニーは他社とは違うな」と幼心に思っていました。
実際に入社すると「人のやらないことをやる」という創業時のスピリットが色褪せず受け継がれていて、違う理由がわかりました。日々の仕事で、自分が突飛なアイデアを言っても「試してみよう」と一緒に面白がってくれる人ばかりです。
Creative Entertainment Visionの制作体験のデモ
まだ世の中に存在していない体験を
デザインで具現化させる
近年の仕事は?
近年は事業アイデアを具現化するゼロイチのような案件が多いです。半導体事業を展開するソニーセミコンダクタソリューションズの案件では、AI搭載センサーを使用した小売店舗用ソリューションのデモを制作。人工衛星に搭載したソニー製カメラで地球を撮影できるSTAR SPHEREプロジェクトでは「宇宙の視点から写真や映像を撮影する」体験空間やWEB上の撮影サービス、撮影シミュレーションのUIを含めた様々なタッチポイントのUXをデザインしました。
直近ではソニーグループの長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」をテーマにしたCES 2025において、「フィジカルとバーチャルの境界を超えて、クリエイター同士がコラボレーションする」という10年後の制作体験のデモを担当。未来の制作風景を今ある技術で具現化するという難問でしたが、技術が追いつかない場面は見せ方を工夫し、デモというよりはビジョンを伝えるショーとして完成させようと考えました。そこから、会場で使用する未来のクリエイションツールのUI画面やデバイスインタラクション、さらにはイベントMCの進行と照明を連動させるバックエンドのシステム構築に至るまで幅広く手掛けました。当日は予想を上回る数のお客様に来場していだき、楽しんでいただけて印象に残る仕事になりました。
CES2025における「Creative Entertainment Vision」のデモ制作・展示の流れ
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リサーチ
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アイデア出し
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プロトタイピングを繰り返す
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会場へ機材発送
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デモの作り込み
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現場設営・展示
プロトタイピングで
あらゆる壁を越える
仕事のモットーは?
日頃からプロトタイピングを大事にしていて、とくにゼロイチのプロジェクトには欠かせない手法だと思っています。アイデアの伝え方として資料で説明することも有効ですが、プロトタイプを迅速につくってプロジェクトメンバーに体感してもらう方が自分の考えも正確に共有できますし、具体的な議論を引き起こし、チーム全体の士気も上がります。また以前、アメリカに赴任しPlayStationのUIデザインを担当していた頃、英会話が苦手だったのですが、外国籍のメンバーとの意思疎通にもプロトタイピングが役立ち、最強のコミュニケーション手段でもあると実感しました。
子育てを通じて
自分の感覚も広がっている
ワークライフバランスは?
これまで育児休暇を2回取得しました。自分はデザインが好きで仕事一辺倒なところがあるのですが、第一子誕生の際、上司から「1年でもいいから育児休暇を取ったら?素晴らしい体験になるよ」とアドバイスされ、1回目の育児休暇を取得したんです。子育てにしっかり向き合ったところ、仕事では得られない感覚や視点を与えてくれ、妻の大変さや大切さも改めて感じました。それで第二子の際も迷わず育児休暇を取得しました。育児休暇が終了した今、相変わらず忙しい日々を過ごしていますが、休みの日は家族との時間を大切にしています。
ソニーの進化に合わせて、自分も成長していきたい
この先の目標は?
現在、様々な事業領域のプロジェクトから声がかかり、つねに新鮮な感覚でデザインに取り組めています。これからも自分の中に壁を作らず、あらゆる領域のデザインに挑戦していきたいと思っています。入社当時のソニーはプロダクトのイメージが強い会社でしたが、現在はそれに加えて、ゲーム、音楽、映画、さらに次世代のエンタテインメントコンテンツの創出に向けて事業を拡大し続けています。その進化に合わせて、自分も成長していければと考えています。
Designer's Voice
ソニーのデザイナーが、自らの経験や想いを語るインタビュー映像。
入社に至るところから、制作の裏側、チームの空気、挑戦の瞬間などをデザイナーたちの"リアル"な言葉でご紹介します。