専門性を超えて
色々な仕事に挑戦したい
Saori Yoshito
入社以来、ワイヤレススピーカーやワイヤレスイヤホンなどのオーディオ製品を主に担当してきた吉戸 妙織。「専門性を超えて、色々な仕事に挑戦したい」と語り、プロダクトデザインを中心にCMF※やパッケージなどのデザインも手がける彼女に学生時代の思い出やソニーでの仕事、今後の目標について聞きました。
※CMFとは、プロダクトの表層を構成するColor(色)、Material(素材)、Finish(仕上げ)に関するデザイン分野のこと
アウトプットを重ねて
答えを導き出す
学生時代の思い出は?
大学生のときはとにかく課題に追われていました。私が進んだ製品デザイン専攻は、1つの課題に対して100案のアイデアを求められるようなハードな授業も多く、クラスメイトたちと学校に遅くまで残ってデザインの課題に取り組んでいました。ボツになるようなアイデアも含めて幅広いアウトプットを求められる日々の中、一つの課題をいくつもの視点で考え続け、自分なりの答えを導き出せる「思考の柔軟性や忍耐力」のようなものを身につけられたように思います。
ソニーのデザイナーになった今も大学時代に培った「アウトプットを重ねて答えを導き出す」という姿勢は自分のベースになっています。
フェアな感覚の人も多い
フラットなデザインの場
ソニーに入社した理由は?
大学の企業説明会に来てくれたソニーのデザイナーの方が魅力的でした。当時の私は進路に迷っていて、個人的に「そもそもどの業種が自分に合っているのか、わからないんです」と相談したんです。その方はソニーの社員という立場ではなく、デザイナーの先輩として、とても真摯に受け答えしてくれました。そのとき「ああ、こういうフェアな感覚のデザイナーがいる職場はいいところだろうな」と感じたことを覚えています。
その後、新卒者向けのソニーデザインのワークショップに参加し、インストラクター役のデザイナーの方々と数日間接したときも、同じ目線で丁寧に話してくれて「フラットな職場だな」と再確認しました。
専門性を超えて、色々な領域のデザインに挑戦する
入社後の仕事は?
入社当初にポータブルスピーカーSRS-XB1を担当し、プロダクトデザインに加え、CMFやパッケージまで関わらせてもらいました。入社1年目でここまで任せてくれるのかと驚きましたね。一つの製品のデザインを一貫して担当することに大きな責任を感じながらも、たくさんの先輩デザイナーの助けを借り、試行錯誤を繰り返すことでなんとかやり遂げることができました。以来、「専門性を超えて、色々な仕事に挑戦したい」という気持ちを汲んでもらい、挑戦の機会をもらっています。
最近担当したのは、完全ワイヤレスヘッドホンWF-C710Nです。このモデルではプロダクトやCMFデザインをメインに担当しつつ、販促用のビジュアルアセット制作にも参加。実際に撮影現場に入らせてもらい、プロダクトデザインの観点から「こういう製品の見え方にしたい」と画作りまで関わりました。販促を担当するマーケティングメンバーとも密に話し合うなど、得難い経験を積めました。
ワイヤレスヘッドホン WF-C710N
新たなパッケージの開封体験を生み出す
印象的だった仕事は?
ポータブルシアターシステムHT-AX7のパッケージデザインです。この製品は「好きな場所で立体音響空間を楽しむ」という新体験を提供するもので、パッケージの開封体験も刷新したいと考えました。そこで当時のホームシアターシステムとして初めて、ソニーが開発した紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」を使用したパルプモールドパッケージを採用。さらに緩衝材がなくても製品を保護できる構造を生み出し、ユーザーが開封してすぐに製品を手に取れるパッケージを実現しました。この製品は2023年度のグッドデザイン賞で金賞を受賞。パッケージ単体としてもパッケージの国際コンテスト World Star Awards を受賞しました。
オーディオ製品のデザインの流れ
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企画・設計条件等の
ヒアリング -
コンセプト検討/
ラフスケッチ -
モックアップ検討
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デザイン審議/
ブラッシュアップ -
装着性評価等の
社内検証 -
調整・本試作
周りの力を借りながら
より良いアウトプットへ
仕事のモットーは?
入社した当初はデザインを考える過程で、一人で悩み込んでしまう場面もよくあったのですが、今は悩みを隠さず、日頃から周りのデザイナーに相談するようにしています。同じチームには経験豊富なデザイナーが多くいて、自分のアイデアに確信を持てないときや判断に迷うときに相談すると、道が開けるようなアドバイスをいつでも貰うことができます。相談するうちに自分の考えも整理されて、より良いアウトプットにつながっていくと実感しています。前の項目で「フラットな場」と言った通り、上下関係を感じさせず、純粋にデザインが好きな人たちが集まっているので相談しやすい環境だと感じています。
行動力や提案力を鍛えて
「仕事をつくる」デザイナーを目指す
この先の目標は?
クリエイティブセンターでは多様なデザイン案件を扱っていて、一社員として何も言わなくても「次はこの案件を担当して」とデザインの仕事が与えられますが、いずれは「自分で仕事をつくる」デザイナーになれればと考えています。例えば、前述の紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」は、ある先輩デザイナーが環境問題に着目して企画し、自ら素材の調達先や製造工場までを確保したうえで、社内提案して実現したものです。私もそういった行動力や提案力を鍛え、世の中をワクワクさせるようなデザインをつくっていきたいと思っています。
Designer's Voice
ソニーのデザイナーが、自らの経験や想いを語るインタビュー映像。
入社に至るところから、制作の裏側、チームの空気、挑戦の瞬間などをデザイナーたちの"リアル"な言葉でご紹介します。