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大阪・関西万博で10年越しに叶えた入社時の企画。実現するまでにソニーPCLで歩んだキャリア

Business

みなさんはソニーPCL株式会社(以下、ソニーPCL)というソニーグループの企業を知っていますか?ソニーPCLは、先端技術とクリエイティビティで時代にあわせたコンテンツ表現を生み出し続けており、多面的なクリエイション事業を提供しています。最近では大阪・関西万博で、次世代モビリティをテーマとした展示施設「空飛ぶクルマ ステーション」内の、日本航空株式会社(以下、JAL)が展開するイマーシブシアター「SoraCruise by Japan Airlines」(以下、そらクルーズ)の企画・制作を担当しました。今回の記事では、「そらクルーズ」プロジェクトの取りまとめを行った石井さんに、お話を伺ってきました。石井さんのこれまでのキャリアや、そらクルーズの企画の裏側に迫ります!

石井 良亮
園井 千智

新しい体験を創り続ける

── まずは、石井さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

私はソニーPCLに新卒入社して、そこから3年間営業職に就き、そのノウハウを学びました。その後、4年目からは制作側の部署に異動し、制作業務の経験と実績を重ねてきました。そして、現在はプロデューサーという立場で、さまざまな案件に携わっています。

── 就職活動をする中で、ソニーPCLに興味を持った理由は何かありますか。

幼少時代を厚木で過ごしたこともあり、幼い頃からソニーに馴染みがあったというところが大きいです。また、学生時代は映像制作に関して学んでいたため、その流れで就職活動ではテレビ業界やソニーPCLといった映像に関する企業を検討していました。その中でも、ソニーPCLはテレビ業界などとは違い、最新のテクノロジーを用いて映像制作を行っていたり、それをビジネスとして推進していたりするところにより魅力を感じ、入社を決めました。

── 元々、今のお仕事に関係する分野を専攻されていたのですね。

そうですね。ソニーPCLには営業として入社したものの、元々映像制作を学んでいたことから、いつか制作での仕事をしてみたいと思っていました。念願叶って異動したわけですが、仕事を通してソニーPCLの魅力を日々感じています。最近は先端テクノロジーやIPを活かした体験型の空間展示の制作をさせていただくことが多いのですが、プロジェクトごとに毎回新たなパートナーと連携して動きますし、エンタメ、スポーツ、ビジネス、教育など扱うジャンルも全く異なるんですよ。そうした変化を楽しみながら、新しい感動をつくり出せるように思考を巡らせています。

来場者に楽しんでもらうためのプラスアルファの体験

── 大阪・関西万博で、そらクルーズの企画・制作を担当されたと伺いましたが、そらクルーズはどういった展示なのですか。

まず、そらクルーズのコンセプトは、空飛ぶクルマという次世代モビリティによる未来の空の旅を体験できるイマーシブシアターとなっており、大きく4つの体験に分かれています。具体的には、「(1)お絵描きコンテンツ、(2)読みものコンテンツ、(3)イマーシブシアター、(4)外壁プロジェクション」です。初めに「(1)お絵描きコンテンツ」では、来場者の方が空飛ぶクルマの車体のデザインを行い、「(2)読みものコンテンツ」で、空飛ぶクルマの説明を読んでいただきます。その後、メインとなる「(3)イマーシブシアター」に移動し、空飛ぶクルマに搭乗しているかのような臨場感のある体験をしていただきます。ソニーの立体音響技術やハプティクス(触覚提示技術)を活用し、空飛ぶクルマの離着陸、飛行中の振動や音を緻密に再現しているんです。また、自身がデザインした空飛ぶクルマがシアターに登場する仕組みにもなっています。最後に、「(4)外壁プロジェクション」では、イマーシブシアターで飛んでいたクルマが外壁に映ることで、二度楽しめるという形になっています。私自身はプロデューサーとして、体験全体の企画構成から、制作チームの編成や全体の予算・進行管理など、総合的なマネジメント業務を担当しました。

── 来場者が体験に没入するよう工夫されているのですね!完成させるにあたって、一番こだわったところはどんなところですか。

どんなプロジェクトでも、体験コンテンツをただ展示するだけではなく、体験の前後のコミュニケーションも含めて入口から出口まで一貫したコンセプトや世界観の中で体験設計することを意識しています。今回そらクルーズでは、もちろんメインコンテンツであるイマーシブシアターの体験性をどこまで没入感のある形でリアルに再現できるかという点にこだわったのですが、加えて来場者の体験時間が限られている中で、体験の質をより良くするための提案を行ったことが印象に残っています。メインであるイマーシブシアターだけでも体験として成立するのですが、国も性別も年代も異なる万博の来場者に対して、空飛ぶクルマという未来のモビリティの可能性を同じ解像感で実感して帰ってもらいたいという想いがあったので、「(1)お絵描きコンテンツ」や「(2)読みものコンテンツ」をJALの方々に提案させていただきました。JALのご担当者からはとても良い反応をいただき、実現させることができて良かったと思っています。

── 実際に来場者の反応を見ていかがでしたか。

心にじんと来るものがありました。バックヤードから、来場者がシアターに入るところから見終わるところまで様子をうかがっていたのですが、年代や国籍を問わず全員が楽しみ、体験後には笑顔に溢れていたことが印象的でした。自然と拍手が起こる回もありましたね。また、JALの運営スタッフのみなさんが来場者からの声を現場ノートに書き込んでくださっていたのですが、「来場者の方が『訪れたブースの中で、そらクルーズが一番良かった』とおっしゃっていました」というコメントを見た時はうれしかったです。

来場者からの声を書き込んでいただいた現場ノート(実物)

空の旅をもっとワクワクするものにしたい

── そらクルーズの「(1)お絵描きコンテンツ」は石井さんの発想だと伺いましたが、どのように考えたのですか。

入社1年目の時に考案した企画があり、実は今回の「(1)お絵描きコンテンツ」はそれが元ネタなんです。私が入社した年に、ソニーPCLが鴨川シーワールドの「コーラルメッセージ(デジタル水槽によるインタラクティブコンテンツ)」を企画・制作を担当した事例があるのですが、その技術を用いた体験を他の企業に提案するという研修課題に取り組みました。その際に、私は航空会社に提案しようと考え、企画をつくりました。

鴨川シーワールドの「コーラルメッセージ」に関しては、こちらのページをご覧ください。

── 航空会社に提案しようと考えた理由は何かありますか。

自分自身もそうだったのですが、飛行機に乗るという体験は子どもにとって最初は少し不安に感じるものですよね。その不安を旅への期待や楽しい思い出にしたいという想いがきっかけです。そこで、これから自分が実際に搭乗する飛行機の航路や到着時間などを可視化する企画を考えました。具体的には、自分がデザインした飛行機が出発してから到着するまでの上空の様子を映像コンテンツとして楽しめる仕組みで、最後にはそのオリジナルデザインの飛行機がペーパークラフトとして出力されて実物となり、到着後も現地で遊べるという内容です。空港のラウンジにこうしたコンテンツがあると、子どもたちにとってのソワソワも、空の旅へのワクワクにできるのではないかと考えていました。なので、今回のそらクルーズは、入社1年に描いていた企画が形となって実現したものだと言えるかもしれません。

── 考えていた企画を10年越しに達成できた感想を聞かせてください。

もちろんうれしさもありましたが、それ以上に「入社1年目に考えていた企画が、実現することがあるんだ!」という驚きの方が大きかったです。私がソニーPCLにいたからこそ形にできたのだと感じますね。短期間ではありましたが、JALのご担当者やチームメンバーをはじめさまざまな人と出会えて、来場者の方々に楽しんでいただくことができ、関わった誰にとっても本当に良い企画になったと思います。さらに、そらクルーズでの体験を通して、空飛ぶクルマが近い未来のものとして感じてもらえていたらうれしいですね。

より没入感の高い体験をつくる

── 改めて、ソニーPCLで働くことのやりがいは何だと思いますか。

フォーマットから体験をつくることができる点が一番のやりがいだと思います。場所も期間も何をつくるかも決まっていない状態で、進めてみようという会社はなかなか無いと思うのですが、ソニーPCLではそれが可能だと思います。また、最近ではソニーのR&D(研究開発)部門が持つ技術を生かして、より没入感の高い体験を目指してつくるグループ内連携をさせていただく機会も増えているので、そういった新しい技術が近くにあり、いち早く企画に取り込める部分も魅力の一つかなと思っています。今回の万博が、まさにその例だと言えます。

── 今後、キャリアを重ねていく上での目標を教えてください。

多種多様な立場からの視点を培い、プロジェクトを多角的に捉えて進めていきたいと思っています。営業の際に培った視点が、今の制作の仕事に活かされていると感じる場面も少なくないです。クライアントの希望を汲み取りビジネスとして成り立たせるための営業としての視点、体験をデザインして実現するためのクイエイターとしての視点、そしてその体験を体験者やユーザーに正しく伝えるための運営としての視点など、あらゆる視点を持っている人になりたいと感じています。そのために、これからも社内外多くの人とコミュニケーションを取れる環境に身を置いて、新しい体験をつくっていきたいですね。

<編集部のDiscover>
私自身、大学で映像制作を学んでいるため、親近感を感じながらお話ししていたのですが、その中で石井さんの一つ一つのプロジェクトに対する想いを感じました。また、私も夏に大阪・関西万博へ足を運んだのですが、その際に一番行きたいと思っていたパビリオンが「空飛ぶクルマ ステーション」だったんです。その中でも、そらクルーズの企画・制作を担当したのがソニーPCLだと知り、制作過程などのお話を伺ってみたいと思っていました。私は残念ながら、そらクルーズを体験することは叶いませんでしたが、今回の取材を通して、体験された方々の反応が目に浮かぶようでした。万博をはじめとして、プロジェクトごとに異なる体験をつくるという点が、ソニーPCLで働くことの面白さなのだと思います。みなさんにも、ソニーPCLの魅力が伝わっていればうれしいです!


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