ソニー ホームページ

Sony Women in Technology Award with Natureを通してつくる、よりよい未来

Technology
左から初期キャリア部門受賞者のXiwen Gong氏(米国・ミシガン大学)、中堅キャリア部門受賞者のEllen Roche氏(米国・マサチューセッツ工科大学)とZhen Xu氏(米国・ミシガン大学)

現在、テクノロジー分野で働く世界の人々のうち、女性の割合は3分の1未満ですが、技術革新を起こし、社会実装につなげ、課題解決と新たな可能性の探索を成し遂げるためには専門性と経験の多様性が不可欠です。こうした状況に対し、長年にわたり世界的に技術革新を先導してきたソニーグループ(以下、ソニー)が世界有数の研究出版社であるSpringer Nature社と組み、テクノロジーの発展に尽力する次世代の女性研究者を称えるためにSony Women in Technology Award with Nature(以下、WIT)を創設しました。そこで今回はWITの主催者である阿南さんにお話を伺い、稀有なご経歴からWITにかける熱い想いまで迫っていきます。

詳細についてはこちらのページへ
WITの公式サイトはこちらのページへ
Springer Nature社の公式サイトはこちらのページへ

阿南 みき
荒牧 きらり

国内外での新たな挑戦に溢れるご経歴

── どのようなご経歴をお持ちなのでしょうか?

親の仕事の関係で5歳から大学卒業するまでを米国で過ごしました。帰国後は他社での勤務を経て、MBA取得を機にソニーグループ株式会社に入社し、VAIO※1事業のパートナー戦略を担当しました。VAIOは当時まだ比較的新しい事業で、スピード感あふれる環境で多くの学びを得ることができましたし、楽しく刺激的な職場でした。10年の節目で次のチャレンジとして公募留学制度※2を利用し、再び海外で学ぶ道を選びました。

※1VAIOについてはこちらのページへ
※2公募留学制度とは、社費留学をする社員を公募し、海外大学の研究室を中心に1年間、最先端技術・知識に触れて高い専門性と人間力に磨きをかけることを目的とした制度のこと。
公募留学制度を始め、挑戦を後押しするソニーの制度についてはこちらのページへ

── 公募留学制度を使ってどのようなご経験をされたのですか?

1年間、スタンフォード大学のビジネススクールに留学する機会をいただきました。一定の実務経験を積んだうえでの留学だったこともあり、学ぶことの貴重さ、楽しさを改めて実感する時間でしたね。シリコンバレーという環境も相まって、ポジティブで常に新しいチャレンジに挑戦している人々に囲まれて、本当に充実した毎日でした。
留学前に所属していたVAIO事業は、帰国時にはソニーから独立し、別会社となっていましたが、以前お世話になっていた上長に声をかけていただいたことで、新たなパートナーシップ活動に従事することが決まりました。そして、しばらく本社でパートナー戦略を担当した後ソニーグループ内連携に軸足を移し、社内パートナーシップやブランドキャンペーンの企画・実行を担当。こちらも10年ほど続けた後、WITというプロジェクトの立ち上げに携わることになりました。

よりよい未来に貢献する研究者を表彰し支援するWITとは

── WITとはどのようなプログラムなのでしょうか?

このアワードは、よりよい未来をつくるために、テクノロジーの発展に取り組んでいる女性研究者を応援し称えたいという思いから生まれました。対象分野はとても幅広く、数学や科学、工学など、あらゆる領域でテクノロジーの研究開発に携わる女性研究者が応募できる、非常に開かれたアワードです。また、キャリアの初期から中堅という、とても大切なタイミングにいる研究者を支援しているのもこのアワードの特徴です。受賞者には、研究をさらに発展させるための賞金25万米ドルに加え、Nature.comで研究が紹介され、世界に向けて成果を発信できる機会が提供されます。

── 2026年の2月には、第2回が行われましたね。

2025年に引き続き、ソニーグループの本社で開催した授賞式で最終候補者の中から3名の受賞者を発表しました。授賞式にはソニーグループ株式会社 代表執行役 社長 CEO の十時裕樹さんやソニーグループ株式会社Chief Technology Fellow 北野宏明さん、そして本アワードの共同設立者でもあるNature 編集長 Magdalena Skipper博士をはじめ、社内外から多くのゲストの皆様にご出席いただきました。当日はご登壇の皆様のスピーチに加え、第1回受賞者や、今回の受賞者・最終候補者の方々から研究内容の発表やスピーチが行われました。特に研究発表は研究者でも理系でもない私にとっても大変興味深く、新しい学びや感動がたくさんありました。ご参加いただいた皆様にとっても充実した時間となっていたらと思います。

初代受賞者のひとりであり、2年目は審査員も務めたAmanda Randles氏による基調講演

── 私も出席いたしましたが、研究成果のプレゼンテーションがとても心に残りました!

そのようなお声が聞けてうれしいです!WITは女性研究者たちの活動が次世代へと受け継がれることも目指しており、研究成果を周知することも大切にしています。SONY STEAM GIRLS EXPERIENCEの奨学生の方々にもご参加いただいたのですが、将来を考えるきっかけや研究への刺激になればと願っています。まだ構想段階ではあるのですが、ゆくゆくはこういった理系分野に関心のある学生さんたちにもより広く参加していただき、次世代との連携にもいっそう力を入れたいなと思っています。

SONY STEAM GIRLS EXPERIENCEについてはこちらのページへ

ソニー製品のデモを楽しむ受賞者の皆様

運営は手探りの連続

── もともと文系だった阿南さんが、理系分野のアワードの立ち上げに携わっていらっしゃる点がとても興味深いです。

私も最初は、理系でも研究者でもないので不安に思ったのですが、このアワードの根幹であるテクノロジーの力、そしてダイバーシティの力でよりよい地球と社会をつくるというパーパスに心から共感しているので、このアワードに携わることを決めました。地球や社会といったスケールの大きな社会課題に対して何ができるのかを考え、解決に向けて尽力している研究者を支援する。そこには文理の垣根を越えて大きな意義を感じています。

── WITの運営で大変だと感じる場面はありますか?

すべてがチャレンジの連続です。アワードの立ち上げや運営に携わるのは初めての経験で、何もわからないところからのスタートでした。応募資格をどのように設定するか、どなたに審査員をお願いするかといったプログラムの設計に関わる事項から、アワードのロゴデザイン、SNSの投稿文、さらには授賞式会場のテーブルクロスの色といった細部に至るまでメンバー全員でひとつひとつ丁寧に決めていきました。先ほど触れたアワードのロゴについては、いくつか案をクリエイティブセンター(ソニーのデザイン部門)にいただき、最終的にWomenの頭文字であるWをモチーフに、さまざまな色を取り入れたデザインに決まりました。Wの文字の左部分にあたるオレンジの正方形が「現在位置」を、そして青系・緑系の右上に伸びていく線がみんなで未来に向かって力強く前進していく姿を表しています。色もピンクなど一般的に「女性的」と言われるものではなく、グラデーションで変化や多様な研究者同士のつながりなどをイメージしやすくしています。

── そのような経緯でロゴが作られたのですね!

「女性だから…」という先入観にとらわれないことをデザインの面でも強く意識しました。これは見た目のデザインに限らず、「女性だから文系の進路を選ぶ」といった無意識のうちに存在する固定観念から自由になることも意味しています。現在のテクノロジー分野は、世界的に見ても男性が多い状態が続いています。だからこそ、これまでにない視点や社会問題に対する新たな解決策を生み出すためには、女性の参画が不可欠だと考えています。

"Women" in Technologyを越えて見据える未来

── WITを開催するにあたり、どのような将来を目指しているのでしょうか?

テクノロジー分野、そして社会全体の発展のためには、より多くの人がこの分野で活動できる環境を整えることが重要だと考えています。そういう意味では、Sony Women in Technology Award with Natureという名称に"Women"をあえて掲げる必要がなくなる未来こそが理想の姿なのかもしれません。男女を問わず、多様な背景を持つ人々が、よりよい社会の実現のためにテクノロジー分野で活動できるような環境が実現したら嬉しいですね、と今年の受賞者たちとも話していました。WITはあくまでその未来に向けた一歩です。まずは女性がSTEM分野に進出しやすくなるよう、しっかりと支援していきたいと考えています。

── 素敵です!ところで、WITの最終地点としての「よりよい社会」とは何を意味するのでしょうか?

WITとして、「よりよい地球」や「よりよい社会」について、定義することはしていません。そうすることで、応募する研究者の研究内容がより多様になり、門戸を広く開くことができるからです。私自身の想いとしては、漠然とした言い方になってしまいますが、次の世代がより自由にそれぞれの道を歩める社会になっているといいなというところに尽きます。多くの優れた研究者たちの自由な発想、多様な活躍によって、よりよい未来がかたちづくられることを心から願っています。

── 最後に、読者のみなさんに一言お願いします。

ソニーは自分のやりたいことに対しても、社会に働きかけたい想いに対しても、初めの一歩を踏み出しやすい企業だと感じています。何か挑戦してみたいことがあれば、それを後押ししてくれる人や制度があり、私自身もその中で支えられてきました。WITの活動の軸とも重なりますが、そうした環境のなかで未来を牽引していきたいと考える方には、ぜひソニーという場で挑戦してほしいと思います。

<編集部のDiscover>
先日私もWITに出席したのですが、その際に会場の熱気やエネルギーに圧倒されて大変いい刺激を受けました。そのような素晴らしいアワードを運営していらっしゃる阿南さんに今回お話を聞くことができ、とても光栄に感じています。何よりも印象的だったのは、WITが現時点では女性研究者を称えつつも、最終的には性別問わず多くの人がテクノロジー分野を推進し、よりよい未来の実現を目指す点です。よりよい未来に向けて阿南さんが作り上げるWITの今後にも、ぜひご注目ください!


ワンクリックアンケートにご協力ください

関連記事

関連記事

誰もが自由に発想し、形にできるアイデアの祭典「SEC IDEA FES」から見る、ソニーのボトムアップカルチャー。

Technology

ソニーグループUX/HCD全社推進担当が学会発表を通して感じたこと。 ~外からのフィードバックで自社を知る試み~

Technology

ソニーのUI/UXデザイナーの働き方徹底解剖! イメージング領域のユーザー体験を支える先輩社員インタビュー。

Technology

使い方は無限大!Sociable Cart:SC-1が作る新しい移動の形

Technology

【就活生の目】立体音響スタジオをコピーする技術?驚きと感動を生み出す「360 Virtual Mixing Environment(360VME)」

Technology

面白そうなところに人が集まっていく。人との繋がりで新たな演奏体験を生みだしたエンジニアが語る、ソニーの魅力とは。

Technology

先端テクノロジー × クリエイティビティで感動を生み出す。ソニーPCLが切り拓く表現の未来。

Technology

『アストロボット』インタビュー!──スタッフ全員の“楽しさ”へのモチベーションがTeam ASOBIの誇り(外部リンク)

Technology

ソニーのKaggle Master座談会 〜 ソニーのエンジニアとしてAIの最前線に挑み続ける

Technology

自分目線の開発から、ユーザー目線の開発へ。アクセシビリティの課題解決に向けたプロジェクトを通して得た視点と、感じた魅力とは。

Technology

「本当に必要とされているもの」を求めて生まれた手術支援ロボットの裏側

Technology

障がいの壁を取り除くことを目指した新たなコントローラー、その細部に込められたこだわりに迫る。

Technology

クリエイターの声に寄り添ったソリューションを。バーチャルプロダクション向けCrystal LED VERONAとバーチャルプロダクション事業戦略の商品・事業企画担当者の思いとは。

Technology

【求人クローズアップ】カメラのソフトウェア(デバイス制御/ミドルウェア/ネットワーク/アプリケーション)開発設計 「マーケットは世界。だからチームにも多様性が必要です」

Technology

【求人クローズアップ】光学設計エンジニア 「さまざまな技術とノウハウで、あらゆる制約を取り払い最高のレンズづくりを実現できる」

Technology

【求人クローズアップ】スマートフォンのカメラソフトウェアエンジニア 「スマホのカメラを作っているわけではありません。カメラをスマホで実現し、その先の感動を創っているのです」

Technology

【イベントレポート】参加者2000人超!ソニーグループの「DX」を牽引するリーダーたちが熱く語った、新卒マイページ会員限定のオンラインイベントの一部を紹介。

Technology

Spresenseで宇宙から地球をモニタリングして地球環境を考える

Technology

業界最小画素による小型化、多画素化を実現したSWIRイメージセンサーが世界の品質検査の水準を大きく引き上げる

Technology

ソニー技術者による最先端技術への誘い~エッジAI×コンピュータビジョン

Technology

    ソニー採用公式SNSでも最新の情報を配信しております!
    是非フォローしてご確認ください!

    • X(旧Twitter)
    • Instagram
    • LinkedIn