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倫理・コンプライアンス

基本方針

基本的な考え方

Purpose & Valuesのもと、倫理的で責任ある行動を通じてソニーブランドへの信頼に応えていくことが、ソニーの価値創造を支えています。
この考え方に基づき、ソニーの倫理・コンプライアンスプログラムは、法令遵守はもちろんのこと、ソニーグループ全体にかかわる重要なリスクへの対応と、倫理的な企業文化の醸成を目的として設計されています。ビジネスを取り巻く環境の変化や、日々進化するベストプラクティスやグローバルな法規制の要請を踏まえて継続的にプログラムの見直しを行っています。
「ソニーグループ行動規範」 (行動規範) はこのプログラムの基礎をなすもので、倫理的で責任ある事業活動に関する基本的な規範を定めています。加えて、ソニーでは、独占禁止法、腐敗防止、プライバシー・個人情報の保護などの重要なリスク領域について、より詳細なソニーグループポリシーをそれぞれ策定しています。ソニーのトップマネジメントは、率先垂範して倫理的で責任ある行動を実践し、ソニーグループ社員に対して行動規範に忠実であることの大切さを継続的かつ繰り返し伝えています。

今後に向けて

ソニーは、倫理的な企業文化のさらなる醸成と社員一人ひとりによる責任ある行動を確保していくために、今後も継続してソニーの事業活動にかかわるリスクとプログラムの評価を行い、その結果に基づきプログラムを見直していきます。ソニーのトップマネジメントは、適用される各種法令・規則を遵守し、倫理的で責任ある事業活動を遂行していくために、引き続き必要な経営資源をプログラムに割り当てていきます。

ソニーグループ行動規範

行動規範は、ソニーの倫理・コンプライアンスプログラムの基礎であり、ソニーの全ての役員、社員 (ソニー社員) に適用されます。
行動規範は、Purpose & Valuesを踏まえ、ソニーブランドに対する信頼を得るためにソニー社員が日々の業務を行う上で取るべき行動は何かを分かりやすく示しています。行動規範はソニーがビジネスをフェアに行っていくための助けとなるものであり、行動規範に沿って行動することで、ステークホルダーからの信頼がはぐくまれ、その積み重ねがソニーの持続的な成長につながります。
ソニーは行動規範に基づき、社員、ビジネスパートナー、事業活動を行うコミュニティと協働します。
行動規範については、以下のページをご参照ください。

行動規範がソニーの方針を明確に示し、実効性を保ち続けるよう、ソニーは定期的に見直しを行っています。
行動規範は、ソニーの多様な事業活動に関する以下の重要な領域について、ソニーの基本方針を定めています。

  • 信頼を築く
    ソニーブランドへの信頼に応える / 適切な意思決定を行う / 声を上げる (報復の禁止)
  • 世界と地球に貢献する
    持続可能な社会のために / 地球とともに
  • 人を大切にする
    人権を尊重する / 多様性を尊重し、お互いを思いやる / 健全な雇用・労働を確保する / 健康的で安全な職場を保つ
  • 感動を創り、届けるために
    多様性を活かし、競争する / 感動体験を提供する / 誠実に宣伝・販売する / 公正に競争する
  • 責任をもって協働する
    取引先と協働する / 責任ある調達を行う
  • クリエイティビティとテクノロジーを支える
    責任をもって技術を活用する / 知的財産を創造し、保護する / 機密情報を保護する / プライバシーを尊重する / 情報セキュリティを確保する
  • 高潔さを保つ
    贈賄をしない / 利益相反を避ける / ソニーの資産を守る / 正確に記録し報告する / 適切な情報開示を行う / インサイダー取引をしない / 貿易管理に関する法令を守る/ 税法を守る/ 責任をもってコミュニケーションする

また、ソニーは、グローバルな社会の一員としての責務を自覚しており、行動規範には、以下のようなさまざまな国際的な指針に定められている倫理的な原理 / 原則を反映しています。さらに、日本の代表的な企業によって構成される一般社団法人日本経済団体連合会の「企業行動憲章」の策定にも参画しており、メンバー企業としてその内容を尊重し、行動規範に反映しています。

  • OECD多国籍企業行動指針
  • 国連グローバル・コンパクト
  • 国連ビジネスと人権に関する指導原則
  • 世界人権宣言
  • 持続可能な開発目標 (SDGs)

行動規範は、ソニーグループ株式会社取締役会によって承認され、また、ソニーグループ各社の意思決定機関によって、各社の行動規範としても採択されています。ソニーグループ各社のトップマネジメントは、誠実さと高潔さを大切にする文化を醸成し、倫理的で責任ある事業活動を遂行していくために、行動規範の周知徹底を行う責務を負っています。
行動規範は、ソニーのウェブサイトやソニーグループ各社の社内ウェブサイトで閲覧可能です。ソニー社員や関連する第三者が正確に内容を理解できるように、行動規範は現在25言語で展開しています。グループ全体の人員の構成の変化を踏まえて、他の言語への翻訳にも随時対応していきます。

イメージ:ソニーグループ行動規範

指標 / 目標

・ソニーのPurpose & Valuesおよび「ソニーグループ行動規範」を指針とした倫理的な企業文化の醸成
・事業活動にかかわるリスクの継続的評価とその結果に基づくコンプライアンスプログラムの定期的な見直し

推進体制

ソニーは、倫理・コンプライアンスプログラムの効果的な実践およびグループ各社に対する監督のため、ソニーグループ全体をカバーするグローバルネットワークを構築しています。

グローバル・エシックス&コンプライアンス・ネットワーク

概要

ソニーのグローバルな倫理・コンプライアンスプログラムは、ソニーにおける倫理的で責任ある事業活動の遂行を確保するよう設計されており、ソニーの全ての役員、社員一人ひとりが法令遵守について主体的に責任を持ち、全員が一体となって倫理・コンプライアンスに取り組むことを求めています。
ソニーは、倫理・コンプライアンスプログラムをより効果的に実施するため、グループ全体のグローバル・エシックス&コンプライアンス・ネットワーク (グローバル・ネットワーク) を構築しています。
グローバル・ネットワークにおいて、事業領域ヘッドおよびマネジメントは、各領域における倫理的な文化の醸成と、業務にまつわる法的リスクを管理する第一線としての責任を負います。エシックス&コンプライアンス担当者および担当部署は第二線として、倫理的な文化の醸成と効果的なリスク管理のための支援と助言を提供し、各事業を監督します。モニタリングチーム、監査担当部署はプログラムの有効性を客観的かつ独立した形で担保します。
グローバル・ネットワークを通じて、 (1) ベストプラクティスに沿った一元的なコンプライアンス関連リスク管理体制の構築、 (2) エシックス&コンプライアンス担当者へのビジネスに即した必要な支援の提供、(3) 効果的なモニタリングを行い、倫理・コンプライアンスプログラムの要求事項と実際の運用状況のギャップを解消し、ソニーグループ全体で一貫性のある改善を継続的に行っていくための情報収集および分析を行っています。

主な役割

コンプライアンス担当役員

グローバル・ネットワークを統括し、ソニーの倫理・コンプライアンスプログラム全体を監督しています。

ソニーグループ株式会社 エシックス&トラスト部

コンプライアンス担当役員のもと、コンプライアンス・リーダーシップ・チームの協力を得ながら、ソニーグループ全体の倫理・コンプライアンスプログラムと体制の構築と実施を行い、取締役会および監査委員会への報告を行います。また、コンプライアンス・リーダーシップ・チームのメンバーやエシックス&コンプライアンスオフィサーと連携して、包括的なリスクアセスメントの実施や、コンプライアンスに関する規程や手続、内部統制の導入を行い、倫理的ではない行動の予防・発見につなげています。
さらに、社内規則違反や法令違反の疑いの調査や事後の対応についても監督しています。

コンプライアンス・リーダーシップ・チーム

コンプライアンス担当執行役員コーポレートエグゼクティブ、グローバルエシックス&コンプライアンスストラテジーリーダー、モニタリングチームの統括者および法務・コンプライアンス領域の専門家で構成され、倫理・コンプライアンスプログラムに基づく活動について、実務および地域の視点からの助言・提案を行っています。

モニタリングチーム

プログラムの実施状況のアセスメントをグループ全体で定期的に実施することや、リスクに応じたコンプライアンス監査や内部統制の有効性評価を行うことを通じて、ソニー全体におけるプログラムの有効性や浸透度合いを評価しています。

事業領域ヘッドおよびエシックス&コンプライアンス・オフィサー

各事業領域において、法令および規制上のリスクを効果的に管理し、倫理的な文化を維持するために必要な倫理・コンプライアンスプログラムおよびその他の活動を実施しています。

グローバル・エシックス&コンプライアンス・ネットワーク

図:グローバル・エシックス&コンプライアンス・ネットワーク

取締役会および監査委員会による監督

ソニーグループ株式会社の監査委員会は、ソニーの倫理・コンプライアンスプログラムに関する監督責任を負っており、毎月のレポートや対面での定期的な報告を通じてコンプライアンスプログラム活動の進捗報告を受けています。報告には、国内外の法規制の動向、トップおよび新興リスク領域、またアセスメントから得られたデータ、監査・調査の結果、通報制度の運用、エシックス・サーベイの結果、社員研修データといった、プログラムの設計・導入・効果を伝えるデータを含みます。プログラムの改善に関する情報も報告されます。
また、ソニーグループ株式会社の取締役会も、年に1度、コンプライアンス関連リスクやグローバルの倫理・コンプライアンスプログラムに関する活動報告を受けています。

2025年度の主な取り組み

  • 内部通報制度「ソニー・エシックス&コンプライアンス・ホットライン」の運用 (内部通報件数:2025年度663件)
  • 「ソニーグループ第三者精査規程」に基づく第三者リスクの管理プログラムの 実施
  • コンプライアンス・プログラム・レビューの実施
  • エシックスサーベイ (倫理的な企業文化・コンプライアンスに関する調査) 結果にもとづくアクションプランの策定・実施
  • 「ソニーグループ贈賄防止規程」に基づく腐敗防止プログラムの実施

倫理・コンプライアンスプログラム

基本的な考え方

ソニーの倫理・コンプライアンスプログラムの一番の特徴は、「トップマネジメントによる率先垂範」です。ソニーのトップマネジメントは、行動規範に定める倫理的行動の指針に忠実であることの大切さを継続的に伝えています。こうしたトップマネジメントの率先する活動は、継続的なリスクアセスメント、社内ポリシー・遵守プロセス、研修・メッセージング、第三者管理、通報制度、モニタリング・監査といった業務プロセスと連携して実施されている堅固な倫理・コンプライアンスプログラムによって支えられています。
ソニーは、各種規制のガイダンスや他社の優れたプラクティスを参考にしながら、継続的にソニーの倫理・コンプライアンスプログラムをより良いものとしていくよう取り組んでいます。

図:倫理・コンプライアンスプログラムの主要な要素

リスクアセスメント

ソニーは、より効果的に倫理・コンプライアンスプログラムを実施し、リスクの緩和および管理を行うため、継続的にリスクアセスメントを実施しています。リスクアセスメントでは、各エシックス&コンプライアンス・オフィサーが担当の事業領域におけるビジネス責任者とともにその事業領域における倫理・コンプライアンスリスクの評価を行い、それらのリスク評価をもとにソニーグループ株式会社エシックス&トラスト部がソニーグループ全体のリスク評価を行っています。
アセスメントの対象としている、主な重点リスク領域には以下のような領域があります。

  • インサイダー取引
  • AI関連
  • 環境
  • 金融 (業規制)
  • 経済制裁
  • 企業情報開示
  • 情報セキュリティ
  • 製品安全 / 製品コンプライアンス
  • 贈賄
  • 知的財産権の侵害
  • 通商
  • 独占禁止法 / 競争法
  • サプライチェーン関連
  • 不正
  • プライバシー / 個人情報保護
  • マネー・ローンダリング
  • 利益相反
  • 労働関連

社内規則・手続

ソニーは、適用される各種法令を遵守し、倫理的で責任ある事業活動を遂行するため、必要な遵守事項や精査手続などを定めたグローバルポリシーを策定しています。例えば、主なリスク重点領域に関するものとして、以下のグローバルポリシーがあります。

  • ソニーグループ贈賄防止規程
  • ソニーグループ第三者精査規程
  • ソニーグループ記録保管規則
  • ソニーグループ独占禁止法 / 競争法遵守グローバルポリシー
  • グローバルインサイダー取引防止ポリシー

これらのポリシーについて、ソニー社員と関連する第三者への継続的な周知を行っています。ポリシーが、重要事項についてのソニーの方針を明確に示し、現在の法規制および事業の要請を満たし、かつ、関係する事業部門により効果的に運用されるよう、定期的に見直しています。

公正な競争に関する法令の遵守

ソニーは、不公正な事業活動によってではなく、公正に競争し、優れた商品・サービス・エンタテインメントを提供することによって競争力を保ち、企業価値を向上させていきたいと考えています。ソニーは、独占禁止法などの公正競争に関する法令を遵守し、公正で自由な市場競争を促進するよう、事業活動に取り組んでいます。
ソニーは、ソニー社員が独占禁止法や競争法の目的や趣旨を理解し、全てのこれらの法令を遵守するための指標として、「ソニーグループ独占禁止法 / 競争法遵守グローバルポリシー」を策定しています。また、ソニーの法務担当者は、競争法の動向を注視し、競争法遵守のポリシーや手続を常に最新の状態に保っています。さらに、競争法に関する意識を高め、このポリシーの要請をより確実に実施できるよう研修を行っています

  • なお、2025年度におけるソニーの重要な訴訟その他の法的手続については、有価証券報告書にて開示している通りです。2025年度有価証券報告書「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 32.パーチェス・コミットメント、偶発債務およびその他 (3) 訴訟」256頁

研修・メッセージング

ソニーには、全てのソニーのために働く第三者が必ず受けなければならない倫理とコンプライアンスに関する研修やメッセージングなどを、特定のリスク領域ごとに定めた、「コンプライアンス教育プロトコル」があります。例えば、全てのソニー社員と関連する第三者は、雇用または業務開始の日から90日以内に、行動規範の包括的な研修および職場での適切な行動に関する研修の履修が求められます。その後も、行動規範の包括的な内容の再研修を少なくとも4年に1度履修する必要があります。加えて、重要なリスク領域に関する詳細な内容の研修を少なくとも2年に1度、また情報セキュリティおよびプライバシーに関する研修を少なくとも毎年1度、履修する必要があります。
さらに、各人の役割と責任やリスクアセスメントの結果に基づき、追加でコンプライアンス研修を履修することを義務付けています。主な研修として、以下の研修コースがあります。

  • 贈賄防止
  • 第三者精査
  • 独占禁止法と公正な競争
  • 輸出入コンプライアンス
  • マネジャー研修

また、全てのソニー社員およびソニーのために働く第三者に対し、重要なリスク領域および関連する社内規則、行動規範の個別項目に関連するメッセージを繰り返し発信しています。

第三者管理

ソニーは、腐敗防止、マネー・ローンダリング、経済制裁、貿易管理、税務、エレクトロニクス製品の調達に関連するサプライチェーン法など、潜在的な第三者リスクに係る適用法令遵守のための社内規則や運用体制を整備しています。倫理的で責任ある事業活動を遂行するため、ソニーは、信頼できる相手とのみ取引します。

第三者の精査

腐敗防止、マネー・ローンダリング、経済制裁、貿易管理、税務、エレクトロニクス製品の調達に関連するサプライチェーン法など、潜在的な第三者リスクに関する法令の遵守を確保し、また第三者に関連するリスクに対処するため、「ソニーグループ第三者精査規程」を策定しています。
この規程では、高リスク取引のリスク特性を評価するための方法や、リスクベースの精査手続、事前承認の要件などを定めています。精査は、必要に応じて法務、財務、経理からの支援を受け、取引担当の社員によって実施されます。その結果に応じて、取引を進められるか、または追加の措置を施すことで取引を進められるかを判断します。取引の開始後も、継続的なレッドフラグの監視、および、定期的な精査を実施しています。また、第三者との取引に携わる全てのソニー社員、財務、経理、貿易管理、および法務に携わる社員は、これらの規程に関する研修の受講を必須としています。

腐敗防止への取り組み

腐敗行為は、私たちが事業活動を行うコミュニティや自由な経済活動に対して悪影響をおよぼし、持続可能で透明性の高い社会を実現するために撲滅しなければならないものです。
行動規範では、ソニーのステークホルダーに与える影響に十分配慮して行動することの必要性について、ソニー社員の基本姿勢のひとつとして位置づけ、その上で、あらゆる腐敗行為を禁止しています。加えて、公務員等がかかわる腐敗行為を未然に防ぐために必要な遵守事項や手続を定めたグローバル規程 (「ソニーグループ贈賄防止規程」および「ソニーグループ第三者精査規程」) を策定しています。
ソニーは、各国の腐敗防止法制や当局による執行状況といったグローバルな腐敗防止の取り組みの最新状況を注意深くモニタリングし、ソニーの倫理・コンプライアンスプログラムと内部統制が新たなリスクにも適切に機能するようアップデートしています。

ソニーの腐敗防止プログラム

図:ソニーの腐敗防止プログラム
方針
  • 行動規範において、相手が公務員等であるか私人であるかを問わず、あらゆる取引において不適切な金品の支払を禁止しています。
  • 「ソニーグループ贈賄防止規程」において、事前承認のルールや、許容される支出の額と種類の制限を含め、腐敗行為を防止するための遵守事項や手続を定めています。
  • 「ソニーグループ第三者精査規程」において、ソニーに代わって公務員等と応対する可能性のある第三者についての精査や事前承認を含む、遵守事項やリスクベースの手続を定めています。
研修を通じた周知徹底
  • ソニーは、グループ各社のマネジメントによる腐敗防止の取り組みを支えるため、詳細な研修の実施やさまざまなサポートの提供を行っています。例えば、全てのソニー社員に対して、腐敗防止の方針を含む行動規範の研修を雇用時に実施しています。また、再研修を少なくとも4年に1度実施しています。
  • 加えて、公務員等との応対の機会が多く見込まれる職種の社員 (トップマネジメント、マーケティング、営業、調達、その他公務員等に応対する部門の社員) に対して、より腐敗防止に特化した研修を雇用時に実施。また、再研修を少なくとも2年に1度、またはリスクアセスメントの結果に応じてより頻繁に実施しています。この研修には、精査や事前承認に関するソニーの特別な要請事項を含みます。
  • ソニーにおける専門機能部署 (法務、財務・経理、その他管理部門の社員) に対して、上記に加え、必要に応じて、対面での研修を実施しています。
厳格な手続と内部統制
  • 公務員等への不適切な支払を事前に察知し、予防するために、強固な内部統制システムと経理手続を設けています。また、帳簿や関連する記録の正確性の確保および記録の保管を徹底して行っています。
  • ソニー社員が直接応対する公務員等に加え、ソニーを代理して公務員等に応対する第三者 (代理店や復代理人などの中間業者も含む) や、合弁事業のパートナー、買収先企業および特定の投資先企業を対象として、リスクベースの精査を実施しています。ソニーが独自に定めるレッドフラグや高リスク地域への該当性、取引の類型、代理店や復代理人などの中間業者の有無をはじめとするリスクの度合いに応じた精査の手続に従い、取引に携わるソニー社員、各社の法務部門や財務・経理部門などの専門部署が適宜連携しながら事前精査を行います。継続的な取引に関しては、取引開始後も定期的に精査を実施しています。リスクの高い取引先 (代理店や復代理人などの中間業者も含む) には、腐敗防止に関する適用法令およびソニーの贈賄防止に関する方針を遵守することについて同意を求めています。
  • 懸念が生じた場合には、その内容を踏まえてグローバル・ネットワークや各社の法務部門を通じて、事実確認および調査を実施の上、処分、改善措置、再発防止策などについて検討し、適切な措置を講じます。また、懸念が解消されるまで、適切な監督が行われます。
リスクアセスメントおよび規程の更新
  • ソニーは、腐敗防止に関する社員の意識を向上させ、不正行為を未然に防ぎ、腐敗防止に関する法令や社内規則の遵守状況を監督するために、腐敗防止に関する定期的なアセスメントと監査を行っています。

ソニーは引き続き、グループ内で腐敗防止に関する知見を共有し、より強固な腐敗防止プログラムの維持推進に努めます

  • なお、2024年度におけるソニーの重要な訴訟その他の法的手続については、有価証券報告書にて開示している通りです。2025年度有価証券報告書「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 32.パーチェス・コミットメント、偶発債務およびその他 (3) 訴訟」256頁

反社会的勢力との関係排除

ソニーは、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては断固とした姿勢で臨み、関係排除に取り組んでいます。反社会的勢力とは関係を持たず、反社会的勢力への利益供与や不法な要求にも応じません。取引先の精査と社内周知を通じて、ソニー社員が犯罪組織や反社会的勢力のメンバーと取引関係を持たないことを確保しています。

通報制度

ソニーは、「問題が提起され、受け止められる」企業文化 — 懸念を抱いた場合に、報復される心配なく問題を提起できる企業文化 — は、不適切な行為や法令違反のおそれを早期に発見し、予防するために必要不可欠であると考えています。

問題を報告できる多様な窓口

ソニーは、ソニー・エシックス&コンプライアンス・ホットライン (ホットライン) を含め、ソニー社員が問題を報告するために利用できるさまざまな報告窓口を用意しています。

図:問題を報告できる多様な窓口。図の後に説明があります

ホットラインのウェブサイトは33の言語に対応している他、電話での報告も受け付けており、いずれも24時間365日利用可能です。ホットラインの電話は、専門の教育を受けた第三者機関のオペレーターが対応し、通訳のサポートにより47の言語での報告が可能になっています。ホットラインに寄せられた全ての情報は秘密裏に扱われます。ホットラインへの電話は録音されず、また追跡されることはなく、法律上の要請がない限り、匿名で通報することができます。

ホットラインの調査体制と運用状況

図:ホットラインの調査体制と運用状況。説明が図の後にあります

ホットラインに寄せられた指摘は、通常の指揮命令系統から独立した体制で調査されます。第三者機関は、指摘を受領した後、利益相反がないことの確認を経て、適切なエシックス&コンプライアンス担当者に必要な情報を提供します。エシックス&コンプライアンス担当者は、当該情報を精査の上、その調査について知見のある調査担当者を決定します。エシックス&コンプライアンス担当者と調査担当者は、ソニーグループ株式会社エシックス&トラスト部およびエシックス&コンプライアンス・オフィサーの監督のもとで、寄せられた指摘について調査を行い、さらなる情報収集やその他適切なアクションを取ります。その上で、必要に応じ法務担当部署やその他の専門部署および外部専門家と連携して、その案件を調査し、解決する最適な方法を探ります。法令や社内規則違反が確認された場合、マネジメントは、従来の業務システムの改善や、違反を行った社員への懲戒対応などの必要な是正措置を講じます。
エシックス&コンプライアンス・オフィサーは、十分かつ公平な対応が確保されるように、担当する事業領域における全ての通報内容、対応状況および調査結果について確認します。また、それぞれのホットライン案件は、案件によって、即時または月次でソニーグループ株式会社エシックス&トラスト部に報告されます。すべての案件は、最終的に同部からソニーグループ株式会社監査委員会に報告されます。
2025年度は、ソニーグループ全体で663件の通報をホットラインで受け付けました。次の円グラフは2025年度に受領した通報を通報分類別に表示したものです。このうち、68%が雇用・労働・職場環境に関するもの、13%がビジネス倫理に関するものでした。

2025年度通報件数 (分類別)

グラフ:2025 年度通報件数 (分類別)。通報を雇用・労働・職場環境などの分類別に円グラフで示しています
  • 注) グラフの%には四捨五入した整数を用いている

2025年度に事実であることが裏付けられた案件は138件で、多くの改善措置が取られました。それ以外には、事実であることが裏付けられなかった案件や、調査が継続中のものなどが含まれます。
以下の表は2025年度に受領した通報事例を一部例示したものです。

2025年度の通報事例

通報の内容 ガイダンス 是正策および再発防止策

ある管理職が、費用の申請において、実態と異なる内容を申請するよう指示していた。

「ソニーグループ行動規範」は、不正確な記録や、誤解を与える記録、虚偽の記録を作成してはならないことを定めています。

通報内容は事実と確認されました。再発防止のため、当該管理職には注意指導が行われました。

ある社員が、実際の通勤ルートとは異なる内容で通勤費の申請を行っている。

「ソニーグループ行動規範」は、不正確な記録や、誤解を与える記録、虚偽の記録を作成してはならないことを定めています。

通報内容は事実と確認されました。対象社員は費用を返還した上で、懲戒処分を受けました。

ある管理職が、社員に対して、不適切な発言を行った。

「ソニーグループ行動規範」は、お互いを思いやる職場環境づくりを目指すことを定めています。

通報内容は事実と確認されました。当該管理職へは厳重注意と適切な行動に向けての指導が行われました。

ホットラインの周知

ソニーは、懸念を抱いた際に問題を提起することの大切さと、問題を報告するために利用可能な窓口の周知を継続的に行っています。行動規範は、気づいた問題を見て見ぬふりをせず報告することは、ソニーや自分たちの同僚を守るために、ソニー社員一人ひとりが果たすべき責任であることを明記しています。また、行動規範の研修や継続的に発信しているメッセージにおいて、問題を報告することの大切さを伝えるとともに、ソニー・エシックス&コンプライアンス・ホットラインのみならず、自らの上司、人事担当、法務・コンプライアンス担当にも問題の報告ができることを周知しています。
また、最初に上長に対して問題が報告されることが多いことから、マネジメントに対して、どうすればソニー社員が非倫理的な行為を見かけた際に安心して問題を報告できる環境を作ることができるか、また、どうすれば報復を未然に防ぎながら部下からの報告に適切に対応できるかについて、マネジャー研修の実施により周知しています。

報復禁止の徹底

ソニーは厳格にあらゆる形式の報復を禁止しています。行動規範その他の内部規則において、誠実に問題を報告した人や調査へ協力した人に対するいかなる報復行為も許容しないことを明示的に定めています。また、ホットラインに報告された情報は可能な限り秘密に取り扱います。ソニーはこの方針を、教育研修を通じて全てのソニー社員に周知し、報復行為にかかわったことが判明した社員には厳正な処置を取っています。

モニタリング・評価

ソニーは、ソニー全体における倫理・コンプライアンスプログラムの有効性や浸透度合いを評価する複数の施策を行っています。これらの施策には、グローバルベースでのプログラムの実施状況に関する評価の実施や、ホットラインや倫理・コンプライアンスに関する社内調査の結果、監査や評価の結果や第三者ベンチマークの情報など複数の情報源を利用したデータ分析などがあります。ソニーはリスクに応じたコンプライアンスレビュー、監査、内部統制の検証も行っています。

コンプライアンスプログラム・レビュー

ソニーは、ソニーの倫理・コンプライアンスプログラムのモニタリングに特化したモニタリング担当部署を設置しています。モニタリング活動の重要な要素のひとつは、定期的なコンプライアンスプログラム・レビューの実施です。レビューは、各社エシックス&コンプライアンス担当者との連携のもと、自動化されたリアルタイムのプロセスを通じて行われ、エシックス&コンプライアンス担当者への教育も兼ねています。レビューの過程で特定されたそれぞれの発見事項やギャップに対しては、アクションプランが設定され、進捗がモニタリングされます。
倫理・コンプライアンスプログラムの運用を継続的に改善していくため、ソニーは今後も定期的なレビューを継続していきます。

エシックス・サーベイ

ソニーは、グローバルでソニーの倫理・コンプライアンスプログラムの有効性と理解度を測定するため、社員に対する匿名式の調査を定期的に実施しています。調査項目には、ソニーの倫理的な企業風土についての社員の認識に関する詳細な質問が含まれています。
エシックス&コンプライアンス・オフィサーは調査結果の分析を通じ、調査に参加したソニーグループ各社と連携しながら、必要に応じて倫理的な企業風土をより良いものとするため対応を行います。2025年度には、直近の調査(2024年度下期実施)の結果を踏まえてアクションプランを策定・実施しました。

プライバシー・個人情報保護

ソニーは、お客様や社員、その他のステークホルダーのプライバシー・個人情報を保護し、ステークホルダーからの確かな信頼を得ることが非常に重要だと考えています。
近年、プライバシーを巡る世界の環境はかつてないほど変化しています。データプライバシー分野だけではなく、AI、サイバー、デジタルサービスなど隣接する分野においても、法令や規制が継続的に更新されています。これらの動きは、地政学的上の不安定さや、機械学習やAIといったテクノロジーの急速な進歩にともなうものです。
こうした変化に対応し、ステークホルダーからの信頼に応え続けるため、ソニーはグローバルでのプライバシープログラムの継続的な強化に取り組み、また、関連部署間での連携をより一層深めています。ソニーはまた、ステークホルダーのプライバシー・個人情報を保護するために、効果的に潜在リスクを管理し、プライバシー上の対応策をシステムや製品に組み入れることができるよう、グループ全体のガバナンス体制のもとで継続的な活動を行っています。

プライバシーガバナンス

ソニーでは、ソニーグループ株式会社プライバシー担当執行役員の責任のもと、ソニーグループ全体をカバーするプライバシー・個人情報保護体制を敷いています。ソニーのプライバシー対応は、関連する法令、原則およびベストプラクティスに基づくグローバルな規定や基準に則って実施されています。これらの規定は、プライバシーに対するソニーグループ全体での取り組み姿勢を明示し、ソニーが取得、保有、処理している個人情報を適切に取り扱い、保護していくことを確保するために、役員および社員が遵守すべき行動および手順を定義するものとなっています。
さらにソニーは、リスク環境、脅威および規制環境の変化に対応できるよう、定期的にこれらの規定および基準の見直しと改定を行っています。一例として、グローバルプライバシーマネジメントフレームワークを通じ、個人情報を適切かつ倫理的に取り扱うことによって、お客様、社員、その他のステークホルダーとの信頼を確保することを目的とする一連のプライバシー倫理原則を導入しました。
ソニーでは、規定がグループ全体で適切に実施、遵守されているかをモニタリングしています。また、ソニーでは、ソニーの包括的なプライバシーマネジメントフレームワークをソニーグループ各社が遵守しているかどうかを定期的に評価し、潜在的なリスクを積極的に特定し管理するためのモニタリングプログラムが設けられています。プライバシー担当執行役員の監督のもと、ソニーグループ株式会社プライバシーグループ、プライバシー・個人情報保護に責任を負うグループ各社のプライバシーオフィサーと法務部門は、それぞれの組織内でこうした規定および基準が効果的に実施されるよう連携しています。また、ソニーは、ソニーグループのプライバシーリーダーからなるプライバシーリーダーシップチームを有しています。このチームは、プライバシー上の戦略や方向性を定め、プライバシー担当執行役員に助言を与え、サポートする役割を担っています。
プライバシー・個人情報保護を推進していくためには、役員レベルでの強力なサポートとガバナンスが欠かせません。ソニーグループ株式会社およびソニーグループ各社の役員は、組織内のプライバシーリスク管理に積極的に取り組み、プライバシーを尊重する企業文化を確立し、信頼を獲得することに努めています。

プライバシー・個人情報の保護

ソニーでは、ソニーグループ共通のプライバシー管理フレームワークを定め、データライフサイクルの各段階において、プライバシーに関する原則および要件をソニーによるデータの取り扱いに組み込ませ、プライバシーリスクの評価、対処を行うことでプライバシー・個人情報保護を継続的に強化しています。
また、ソニーは、お客様、社員、ビジネスパートナーからの信頼を維持していくため、個人情報を含めたソニーに託される情報を保護すべく、活動の改善、管理およびセキュリティの強化に取り組んでいます。

社員研修

ソニーでは、一人ひとりの社員がプライバシー・個人情報を守っていく役割を担っていると考え、全ての社員に情報セキュリティ・プライバシー研修を受講することを義務付けています。加えて、社内でプライバシーを担当する社員に対し、プライバシーに関する新たな規制や注目すべき動向について定期的な研修や情報提供を行っているほか、プライバシーに関するワーキンググループやグループ全体のプライバシーコンプライアンスプロジェクトを運用しています。