資源の取り組み

資源へのアプローチ
ソニーは、国際的にも求められている資源が循環する経済 (サーキュラーエコノミー) の推進の考えのもと、事業活動および商品・サービスのライフサイクルを通して資源を有効利用するために、投入資源の最小化、再資源化の最大化を実行します。
投入側については、製品の軽量化や包装材利用の最小化、自社オペレーションの資源効率向上などを通じ、投入資源の最小化を行います。同時に、品質や耐久性の向上などに取り組んで製品の長寿命化を図るとともに、修理容易性設計などの環境配慮設計にも取り組み、投入資源を間接的に抑制します。さらに、資源の枯渇性・偏在性・採掘時の環境負荷、採掘による生物多様性の損失や地域コミュニティへの影響などの観点から「重視する資源」を特定し、それらの資源については、バージン資源由来の部材をゼロにすることを目指します。加えて、世界中で深刻化するプラスチックごみの汚染問題への対応策のひとつとして、使い捨てプラスチックである製品のプラスチック包装材使用量の削減も進めます。
一方、排出側については、自社オペレーションから発生する廃棄物の再資源化を推進し、埋め立て量をゼロにすることを目指します。また、製品においても、リサイクル容易性設計を推進し、地域社会のニーズに適応した使用済み製品の回収・リサイクルを継続的に実行するとともに、リサイクラーとの協業を通じてより高度な再資源化に取り組みます。
水使用
水は地球全体を循環していますが、利用可能な量が少ない上に、人口増加などの要因により、持続可能な利用が重要視される資源です。一方で、異常気象により発生する洪水など、事業に大きな影響を与えるリスクも存在しています。ソニーは、事業所の水使用状況や、立地する地域の水リスクに応じて、水源の選定や保全、水使用量削減・再利用の推進、排水時の周辺環境への影響の最小化などを実施していきます。
紙資源
ソニーは、紙資源が有限であることを認識し、継続的に紙使用量の削減に取り組みます。また、紙を使用する場合には、「紙・印刷物の購入方針」に沿って、森林認証紙や再生紙などの環境に配慮した紙の優先的な購入を進めます。
事業所の廃棄物
事業所の廃棄物発生量
ソニーは「2025年度までに事業所の廃棄物発生量を原単位で5%改善 (2020年度比) ※1」という目標を掲げ、廃棄物の削減、資源の有効利用に取り組んできました。2025年度の事業所の廃棄物発生量は原単位で2020年度比約29.8%悪化となりました。これは事業所における生産カテゴリやプロセスの大幅な変更・立ち上げなどが影響したことによるものです。なお、2025年度の事業所の廃棄物発生量は約6.6万トンで、2020年度比で約28.9%増となりました。生産現場の工程などの継続的な改善によるリデュース促進および、汚泥廃棄物の減量などを進めているものの、主に半導体工場の増設および生産量の増加にともない、廃棄物発生量が増加しました。また、2025年度の事業所の廃棄物発生量のうち約0.5万トンはプラスチック類の廃棄物でした。
- ※1データの集計範囲については、データブック「環境データ集計の方法および考え方」に記載の「環境データ集計の対象期間と範囲および精度」「集計範囲」「事業所データ」、データの集計方法および考え方については、データブック「環境データ集計の方法および考え方」に記載の「資源に関連するデータの集計方法と考え方」「事業所の廃棄物発生量」をご参照ください。なお、当社は2025年10月1日に金融事業のパーシャル・スピンオフを実行しており、本レポートでは原則として金融事業を除く範囲を集計対象としていますが、本目標の実績については、「環境データ集計の方法および考え方」に則り、本スピンオフ実行までの期間における金融事業の実績を含みます
事業所の廃棄物発生量
- 日本・東アジア:日本、韓国、台湾地区
事業所の廃棄物埋め立て率
ソニーは「2025年度までに埋め立て率を1%以下に抑制する (ソニーがコントロール不可能なものを除く)※2」という目標を掲げ、自社のオペレーションで発生する廃棄物の再資源化に取り組んできました。2025年度のグループ全体の事業所の廃棄物埋め立て率は約0.6%、日本国内の廃棄物埋め立て率は約0.3%でした。なお、それぞれの地域の法律・行政指導などにより、やむを得ず埋め立て処分となる量などを含めた場合、2025年度のグループ全体の事業所の廃棄物埋め立て率は約16.7%となります。ソニーは、事業所から発生した廃棄物についてリサイクルを進めることで、廃棄物埋め立て率の低減に取り組んでいます。
- ※2データの集計範囲については、データブック「環境データ集計の方法および考え方」に記載の「環境データ集計の対象期間と範囲および精度」「集計範囲」「事業所データ」、データの集計方法および考え方については、データブック「環境データ集計の方法および考え方」に記載の「資源に関連するデータの集計方法と考え方」「事業所の廃棄物埋め立て量」をご参照ください。なお、当社は2025年10月1日に金融事業のパーシャル・スピンオフを実行しており、本レポートでは原則として金融事業を除く範囲を集計対象としていますが、本目標の実績については、「環境データ集計の方法および考え方」に則り、本スピンオフ実行までの期間における金融事業の実績を含みます
産業廃棄物の管理
ソニーは、産業廃棄物が不適切に処理されないように厳格な管理を行っています。例えば、日本では廃棄物処理委託先に対して現地確認を定期的に行い、廃棄物管理の徹底を求めています。さらに、廃棄物処理委託先の選定や継続的な現地確認に関する社内基準を統一したり、現地確認担当者の社内認定制度を設けたりすることで、廃棄物処理委託に関するリスクの低減に努めています。
産業廃棄物の削減
ソニーは、全事業所で廃棄物の削減を進めています。ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社では、汚泥廃棄物を削減するため、生産装置の排水処理に凝結・凝集性能が高い植物由来の高分子凝集剤を採用し、生産拠点である複数のテクノロジーセンターごとに最適化し使用しています。これにより、従来の一次凝集剤 (無機凝集剤) 、および無機凝集剤由来の汚泥を削減しつつ、さらに余剰汚泥を脱水機で絞ることで排出重量を削減しました。
ソニーストレージメディア株式会社 (SSMC) では、磁気テープの製造過程における磁性粉の製造工程で大量に排出される酸性廃液を減容し、固形化する装置を導入しました。2024年5月の稼働開始以来、装置への投入量に対して約98%の酸性廃液を減容しています。
事業所の水資源
事業所の水使用量と水リスク
水は循環かつ偏在資源であり、水に関する問題は地域性が高いと考えられます。そこでソニーは「2025年度までに水使用量の多いサイトでは水使用量を原単位で5%改善 (2020年度比)※3」および「水リスク地域に立地するサイトではリスク低減活動を実施※4」という目標を掲げ、水使用量の削減などに取り組んできました。2025年度の事業所の水使用量は原単位で2020年度比約4.5%悪化となりました。一部の事業所における生産カテゴリやプロセスの大幅な変更が影響したものです。なお、2025年度の事業所の水使用量は約2,190万m3で、2020年度比で約17.1%増となりました。生産現場での水のリサイクルや、こまめな節水に努めていますが、主に半導体工場の増設および生産量の増加によって、水使用量は増加しました。
また、ソニーは事業所排水の水質にも配慮しています。世界中の事業所でそれぞれの国と地域の法規制などを遵守するとともに、その規制レベル以上の排水管理を行っています。例えば、高度水処理施設の導入などにより、排水内のBOD、COD※5値の削減に努めています。
- ※3データブックの「環境データ集計の方法および考え方」中の「環境データ集計の対象期間と範囲および精度」「集計範囲」「事業所データ」に記載している集計範囲のうち、水使用量が多いサイト(2024年度の水使用量が50万m3以上)が対象です。データの集計方法および考え方については、データブック「環境データ集計の方法および考え方」に記載の「資源に関連するデータの集計方法と考え方」「水使用量·取水量·排水量」「水使用量」をご参照ください
- ※4データブックの「環境データ集計の方法および考え方」中の「環境データ集計の対象期間と範囲および精度」「集計範囲」「事業所データ」に記載している集計範囲のうち、水リスク地域立地サイトが対象です。水リスク地域立地サイトは、WRI (世界資源研究所) やWWF (世界自然保護基金) が提供する水リスク評価ツールを組み合わせ、両ツールで総合リスク評価結果が3以上の地域の事業所を指します
- ※5BOD (Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量) 、COD (Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量) は、水質汚濁の代表的な指標です
事業所の水使用量
- 日本・東アジア:日本、韓国、台湾地区
水資源は、地域によって利用可能な水量や水質が大きく異なります。事業においては、生産に使用する水の確保やレピュテーションの維持という観点からも水資源に配慮することが必要です。ソニーでは、WRI (世界資源研究所) やWWF (世界自然保護基金) が提供する水リスク評価ツールを用いて、事業所が立地する地域の水リスク評価を行っています (下図参照) 。この水リスク評価の結果、水使用量が多いサイトは水リスクが低い地域にあり、水リスクが高い地域に所在するサイトは水使用量が少ない (生活用水のみ) ことがわかっています。ソニーは水リスク評価に加え、地域のステークホルダーと連携し、地域ごとの水リスクに応じた活動を推進することで水の適正利用に努めています。
WRIツールを用いたソニーグループ事業所の水リスク評価結果
水使用量、地域の水リスクに応じた活動内容
- ソニーにおいて水使用量が最も多い事業所は、半導体製造事業所であり、水リスクの低い地域に立地していますが、排水リサイクルの推進などを行い水使用量の削減を進めています。
- ソニーにおいて排水汚染リスクの高い地域に位置する事業所では、環境汚染物質の排水自主基準値を設け、排水の汚染リスクの低減に努めています。
- ソニーにおいて水の枯渇、渇水リスクの高い地域に位置する事業所は主に非製造事業所となっており、使用量は少ないものの、水使用のこまめな削減などで節水に努めています。
水リスクの高い地域での活動として、例えばインドの非製造事業所 (オフィスなど) では、啓発トレーニングの実施に加え、スプレージェット水栓を使用したり、雨水貯留タンクで貯めた雨水を水処理プラントで濾過して水洗トイレなどで使用したりといった取り組みを行っています。また、Sony Technology (Thailand) Co., Ltd.のChonburi PlantとBangkadi Plantでは、敷地内の排水処理施設で処理された水を冷却炉で活用することにより、年間水使用量を2工場合計で約27,000m3削減しました。
水使用量削減の取り組み
ソニーは、半導体の製造や電子機器の製造などにおいて大量の水を必要とします。ソニーの国内外の事業所では、地域の水資源への影響を鑑み、排水リサイクルを推進し、水使用量の削減に取り組んでいます。
半導体製造における生産増強と水使用量抑制の両立
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社 (SCK) では、半導体の生産能力を増強しつつ、その生産のために必要な水使用量を削減するという課題に取り組んでいます。
SCK長崎テクノロジーセンター (長崎テック) では、半導体の製造工程で使用したガスを無害化するガス除害装置の排水再利用に取り組んでおり、当該ガス除害装置の排水の約80%を再利用しています。さらに、長崎テックでは資源のリサイクルと有効活用に貢献すべく、下水処理水の再利用に取り組みました。長崎県、 諫早市といった自治体と連携し、地域の下水処理水をさらに浄化処理する仕組みを確立し、県内で初めて工業用水として下水処理水の再利用を実現しました。これにより、地域の地下水の採取を抑制しています。
SCK熊本テクノロジーセンター (熊本テック) では、半導体の生産ラインで使用される燃焼除害用水の削減を目指し、循環利用量を増加させる設備改善を行い、従来の燃焼除害用水の補給水量の約50%を削減しています。また、熊本テックは熊本地域の豊かな地下水源を保全するため、作物を育てていない期間の田畑に地域の河川の水を張り、浸透させて地下水に還元する「地下水涵養 (かんよう) 」も長年にわたり行っています。2025年度は熊本テックの地下水採取量を上回る約305万m3を涵養しました。
さまざまな手法による水使用量の削減
ソニーの事業所では、水使用量を削減するため、雨水利用をはじめ、地域の特性を生かした取り組みを進めています。
家電リサイクル事業を展開するグリーンサイクル株式会社では2014年度より雨水の回収利用に取り組んでおり、破砕機などのリサイクル工程やトイレの洗浄水などに活用しています。2025年度は工場全体の水使用量の約43% (1,551m3) を雨水で賄いました。
Sony Device Technology (Thailand) Co., Ltd. (SDT) では雨水を回収して食堂やトイレなどの共用エリアで利用しているほか、脱イオン化給水システムによる濾過処理を経て、製造エリアへの給水にも使用しています。SDTはそれらの取り組みにより2025年度の水道水使用量を約46,300m3削減しました。
ソニーグループ株式会社 本社ビルでは、熱源の冷却に下水の処理水を利用しています。隣接する芝浦水再生センターで処理された下水処理水をビル内に引き込み、熱源機器の冷却に使用することで、通常冷却塔で補給水として使用する上水 (水道水) を年間約30,000m3削減しています。
製品・サービス
製品への資源使用量
ソニーは、投入資源を最小化すべく、さまざまな製品カテゴリーにおいて、製品重量の削減に取り組んでいます。2025年度の製品※6への資源使用量※7は2018年度比で約47%減の約27.1万トンとなりました。減少要因としては、幅広い製品カテゴリーでの製品および包装の小型軽量化への継続的な取り組みや販売台数の減少などが挙げられます。
また、2025年度のソニーグループ全体の製品※6への循環プラスチック※8使用量は約0.77万トンとなりました。このうち、ソニーグループや他社の製造工程で発生する端材などを原料にした循環プラスチックは約44%で、使用済みの製品や容器などを原料にした循環プラスチックは約56%※9でした。2014年度から2025年度までの累計で約8.3万トンの循環プラスチックを製品に使用しました。
- ※6ET&S分野(メディカル機器の一部、FeliCaのチップを除く)、G&NS分野(一部のアクセサリー類を除く)、I&SS分野の一部の製品、音楽分野(国内)の一部の製品、その他分野の一部の製品が対象です
- ※7製品への資源使用量とは、製品、アクセサリー、取扱説明書、包装材に用いられる資源の総重量のことであり、製品の総出荷重量で代用しています
- ※8再生プラスチックおよび再生可能プラスチック
- ※92025年度に発行したサステナビリティレポート(過年度報告)では、2024年度におけるソニーグループや他社の製造工程で発生する端材などを原料にした循環プラスチックと使用済みの製品や容器などを原料にした循環プラスチックの比率について、それぞれ約69%および約31%と記載していましたが、正しくはそれぞれ約52%および約48%です
製品への循環プラスチック使用量
製品本体でのバージンプラスチック使用量の削減
ソニーは「2025年度までに製品 (包装材を除く) 1台あたりの石油由来バージンプラスチック使用量を10%削減 (2018年度比)※10」という目標を掲げ、さまざまな製品カテゴリーにおいて、再生プラスチックの使用拡大や筐体の小型・軽量化に取り組んできました。また、これらの取り組みに加え、2026年度より製品への再生可能プラスチックの導入を開始しました。2025年度の製品1台あたりの石油由来バージンプラスチック使用量は2018年度比で約22.1%減となりました。主な減少要因としては、テレビをはじめとしたET&S分野の幅広い製品カテゴリーで再生プラスチックの導入が進んだことや、PlayStation®5の小型軽量化が挙げられます。
また、音楽分野において、ソニーが開発した紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」などを採用し、石油由来バージンプラスチック使用量を97%削減※11した音楽・映像パッケージ用「環境配慮型ディスクトレイ」を使用するなど、グループ全体で削減施策を加速させています。
- ※10G&NS分野(PlayStation®5のコンソールのみ)、ET&S分野(メモリ—メディア、メディカル機器の一部、FeliCaのチップを除く)、およびその他分野(テープメディア、光ディスクメディア)が対象です
- ※11従来のプラスチック製のディスクトレイに比べて
再生プラスチック導入の取り組み
ソニーは、石油由来バージンプラスチック使用量を削減するため、以前より再生プラスチックの開発に取り組み、品質や製造コストなどを改善しながら、幅広い製品カテゴリーへの使用拡大を進めています。
完全ワイヤレスヘッドホン「LinkBuds Fit」では、本体およびケースの一部に再生プラスチックを使用するとともに、ピンクのマーブル柄の模様素材には、ペットボトル由来のリサイクル材をソニーの完全ワイヤレスヘッドホンとして初めて採用しています。
デジタル一眼カメラα™用レンズでは、高い加工性と耐久性が求められる外装・機能部品への再生プラスチック導入に取り組み、2024年以降に発表された一部モデルに採用しています。
光回線サービスNURO 光向けの、最新規格のWi-Fi 7およびWi-Fi 6に対応したWi-Fiルーター一体型光回線終端装置では、2025年度において76 %という再生プラスチック利用率を達成しています。
PlayStationタイトルのディスクケースは、欧州、米国、オーストラリアおよびニュージーランドにおいて産業廃棄物由来の再生ポリプロピレンを使用しており、2025年度におけるグローバルでの再生材利用率は22%でした※12。
- ※122025年度に発行したサステナビリティレポート(過年度報告)では、2024年度におけるグローバルでの再生材利用率を26%記載していましたが、実際にはこの値は欧州、米国、オーストラリアおよびニュージーランドのみを対象としており、日本およびその他のアジアは含まれていませんでした
ソニー独自開発の難燃性再生プラスチックSORPLAS™
ソニーは、2011年に難燃性再生プラスチック「SORPLAS™ (Sustainable Oriented Recycled Plastic) 」を実用化しました。SORPLASは、非ハロゲン・非リン系の独自難燃剤 (プラスチックを燃えにくくするための添加剤) と廃プラスチック (ポリカーボネート樹脂) を最適に配合することで、高い品質と環境負荷の低減を両立した素材です。独自の配合技術により、難燃剤の添加量を1%未満に抑えつつ難燃性を確保し、最大99%の再生材使用率を可能にしています。また、同用途の難燃性バージンプラスチックと比較して、製造時のCO2排出量を最大約72%削減できます※13。
SORPLASは、テレビ ブラビア®やXperia™スマートフォン、デジタルカメラなど、さまざまな自社製品に採用されています。近年では、使用済みテレビの背面カバーから回収したプラスチックをSORPLASの原材料の一部として再利用し、新しいテレビの背面カバーに利用する水平リサイクルを実用化しました。「水平リサイクル」とは、使用済み製品から回収した材料を同種の新製品の原料として再利用する循環型のリサイクルです。国内の家電リサイクル工場のひとつであるグリーンサイクル株式会社で回収された使用済みテレビ由来プラスチックについて、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社とソニー株式会社が連携し、テレビ用途に適した部材を選別する技術や最適な材料混合法を確立しました。これにより、メーカーを問わず使用済みテレビから回収したプラスチックを活用しながら、従来のSORPLASと変わらない高品質を維持しています。本技術は、2024年に4K 有機ELテレビ BRAVIA 8 (65V型) で初めて採用されました。
また、ソニーは2014年よりSORPLASの外販も行っており、社外への提供を通じて資源循環の促進と環境負荷低減に貢献しています。
- ※13SORPLASの製造から排出されるCO2と、同じ用途の難燃性バージンプラスチックの製造から排出されるCO2との比較。ソニー調べ
ある一定の難燃性 (V-0@1.5mm) を達成するための最適添加量
- ソニー株式会社 | ニュースリリース | 使用済みテレビの部品を原材料とするSORPLAS™ を、ブラビア®の部品に再利用
- ソニーのものづくりを支えるSORPLAS™
- ソニー株式会社 | Sony Japan | ソニーの「ECO」 | 未来を想うエンタテインメント、ブラビア®
再生可能プラスチックのグローバルサプライチェーンを構築
ソニーのオーディオ・ビジュアルなどの製品は、高い機能特性が求められる部品が多く使用されています。そのため、これらの部品においては、マテリアルリサイクル由来の再生プラスチックでは石油由来バージンプラスチックと同等の性能を確保することが難しく、置き換えが進まないという課題がありました。
この課題を解決する手段のひとつとして、ソニーは廃食用油などを原料とするバイオマス由来の再生可能プラスチックの利用を検討しました。しかしながら、再生可能プラスチックの利用においては、原料の由来や流通を含めたサプライチェーンの透明性と信頼性の確保が不可欠である一方で、原料から製品化に至るまでの一連の流れは複雑であり、その把握・管理は容易ではないという課題も存在していました。
そこで、ソニーは三菱商事株式会社と共同で立ち上げたプロジェクト「Creating NEW from reNEWable materials」を通じて、世界各地の原料メーカーや化学メーカーなど13社の協力のもと、バイオマス由来原料を起点としたサプライチェーン全体を可視化し、新たなグローバルサプライチェーンを構築しました。このサプライチェーンにおいては、バイオマス由来原料と従来の石油由来原料を混合して使用し、その投入量に応じて製品にバイオマス特性を割り当てるマスバランス方式※14を採用しました。これによって、バイオマス特性を割り当てた従来の石油由来プラスチックと同等の性能を持つ再生可能プラスチックの製品導入を実現しました。
こうして実現した再生可能プラスチックは、2026年発売のワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM6」などオーディオ・ビジュアル製品に採用されています。同製品では、全プラスチック使用量のうち約25%に循環材の特性を割り当て、石油由来バージンプラスチックの使用削減に貢献しています。
- ※14原料から製品への流通・加工工程において、バイオ原料等の特定の特性を持った原料がそうでない原料と混合された場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて製品の一部に対してその特性を割り当てる手法
包装材でのプラスチック使用量の削減
ソニーは、「2025年度までに製品1台あたりのプラスチック包装材使用量を10%削減 (2018年度比)※15」「2025年度までに新たに設計する小型製品※16のプラスチック包装材を全廃※17」という目標を掲げ、さまざまな製品カテゴリーにおいて、使い捨てプラスチックであるプラスチック包装材使用量の削減を積極的に進めてきました。
「製品1台あたりのプラスチック包装材使用量を10%削減」という目標については、2025年度の製品1台あたりのプラスチック包装材使用量は2018年度比で約29.9%減となりました。主な減少要因としては、テレビでの発泡スチロールの使用量削減や、オーディオ製品をはじめ幅広い製品カテゴリーでプラスチック包装材の紙化が進んだことが挙げられます。
「新たに設計する小型製品のプラスチック包装材を全廃」という目標については、2025年度に新たに設計した全ての小型製品でプラスチック包装材を全廃※18しました。2025年度に発売した製品では、ヘッドホンWH-1000XM6、WF-1000XM6やスマートフォンXperia 1 VII、Xperia 10 VII、デジタルカメラα7 Ⅴ、RX1R Ⅲなどにおいてプラスチック包装材を全廃しています。さらに、これらの製品の個装カートンには、ソニーが開発した紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」を使用しました。
- ※15G&NS分野(PlayStation®5のコンソールのみ)、ET&S分野(メディカル機器の一部、FeliCaのチップを除く)、およびその他分野(テープメディア、光ディスクメディア)が対象です
- ※16一定重量以下の製品が対象です
- ※17G&NS分野(ゲームソフトを除く)およびET&S分野(メディカル機器の一部、FeliCaのチップを除く)が対象です
- ※18コーティングや接着で用いる材料など、技術的に使用が不可避なプラスチック材料は除く
- 進化を続けるパッケージの環境配慮
- ソニー株式会社 | Sony Japan | ソニーの「ECO」 | 製品にもパッケージにも、環境への配慮を
- Xperia™スマートフォンにおいて、初めて個装パッケージのプラスチック使用量ゼロを実現
- ソニー株式会社 | Sony Japan | ソニーの「ECO」 | ソニー オリジナル ブレンド マテリアル
各製品カテゴリーの包装材における取り組み
テレビ ブラビア®のパッケージでは、プラスチック緩衝材の使用を抑えつつ製品を保護し輸送できるように、シミュレーション技術などを活用して、緩衝材の配置や形状を工夫し続けています。2025年度に販売したテレビ(K-85XR90)においては、2018年モデル(KD-85X9000F)に比べて、プラスチック緩衝材の使用量を約46%削減しました。
メディカル関連製品では、27型4K液晶モニター LMD-27M1MDのパッケージにおいて、従来の発泡スチロールを使用した緩衝材に代えて再生紙由来のパルプモールドの緩衝材を使用しました。さらに、モニター本体の保護袋に植物性のセルロースを主とした不織布袋を採用するとともに、ポリプロピレンテープを使用しない個装パッケージを導入することで、従来モデル (LMD-X2710MD) の包装材に比べてプラスチックの使用量を約84%※19削減しました。
2025年度に販売したホームオーディオ製品の梱包では、パッケージに再生材を約75%使用しています。パッケージのデザインと製品保護のための強度を損なうことなく、環境への負担を低減する配慮を行っています。
- ※192025年モデル (LMD-27M1MD) と2020年モデル (LMD-X2710MD) との比較
余剰バイオマスの活用
ソニーは、植物由来の多孔質カーボン素材「トリポーラス」を開発し、基礎研究から応用まで幅広い特許を取得した上で、2019年よりライセンス提供を行っています。原料に用いる米の籾殻は、日本で年間約200万トン、世界で1億トン以上排出される余剰バイオマスであり、トリポーラスの製造は、焼却や埋め立て処理と比べて大気汚染物質やGHGの排出量削減に貢献します。籾殻由来の独自の微細構造により、従来の活性炭とは異なる吸着特性を持ち、工場・生活廃水中の界面活性剤や一部の有機フッ素化合物 (PFAS) への高い吸着性能が確認されています。
これにより、水・土壌環境の改善や、浄水器・水処理設備におけるフィルター長寿命化、コスト削減、廃棄物削減への貢献が期待されています。現在はアパレルやインテリアテキスタイル、ヘルスケア分野での実用化が進むとともに、環境省の委託事業においてPFAS除去実証が実施されるなど、社会実装の拡大が進んでいます。
- トリポーラス™公式ウェブサイト
- Triporous™(トリポーラス)、きれいな空気と水のために
- ニュースリリース: 新素材「Triporous™ (トリポーラス™) 」のライセンスを開始
- ニュースリリース: トリポーラス™が環境省の機能性材料開発と実証の委託事業に採択
ペーパーレス化の推進
ソニーは、製品の使いやすさに配慮しながら、幅広い製品カテゴリーで取扱説明書のオンライン化を進め、ペーパーレス化に取り組んでいます。従来、複数言語の紙マニュアルを同梱していた製品については、イラスト主体のガイドや電子取扱説明書への移行を進め、購入直後に必要な情報提供を効率化しました。これにより、製品への同梱物の見直しを通じて紙使用量の大幅な削減を実現しており、同様の取り組みを継続的に拡大しています。
輸送時・保管時・販売時における省資源化
ソニーは、製品や包装だけでなく、製品の輸送や保管、販売時における資源使用量の削減に取り組んでいます。例えば、製造事業所内や倉庫内での部品・製品の移動時には、荷崩れ防止用の資材として、繰り返し使用することのできる荷崩れ防止バンドを使用しています。これにより、ストレッチフィルムなどの包装資材の使用量と廃棄量の削減に貢献しています。
日本での製品販売時では、テレビ ブラビア®において販促物サイズの統一化および販促物の折りたたみ構造によって梱包サイズを縮小し、省資源化を追求しています。さらに、これまで店舗に配送した後に廃棄されていた販促物の梱包に着目し、梱包箱を変形させて自立する廃棄物ゼロの立て看板を考案し2023年度より有効利用しています。廃棄作業がなくなり、人にも優しい取り組みとなっています。
リファービッシュおよび製品・部品の再利用
ソニーは、資源循環の取り組みとして、リファービッシュ※20および製品・部品の再利用に取り組んでいます。PlayStation®5は、米国および英国において、認定リファービッシュ製品の販売が行われています。これらの製品は消費者から返品されたPS5本体およびコントローラーを修理・整備したものです。全てのPlayStation認定リファービッシュ製品は、新品と同等の機能基準を満たす全てのテストを含む、厳しい再認証プロセスを経て再販売されています。
テレビ ブラビア®では、日本・欧州・中国などの地域において、使用済みとなった液晶パネルやメイン基板を修復し、再利用可能な部品として活用しています。また、デジタル一眼カメラα™においても、回収されたメイン基板などの部品を修復し、修理用部品として再利用する取り組みを進めています。こうした部品単位での再利用を通じて、新規部品の使用を抑制するとともに、資源の循環利用を促進しています。
- ※20返品された製品等を点検・修理・整備し、再利用可能な状態にすること
Product as a Service (PaaS)
ソニーは、製品を一度限りの販売モデルではなくサービスとして提供するProduct as a Service (PaaS) モデルを通じて、製品1台あたりの利用率を高め、製品に組み込まれた資源価値を最大限に活用するための取り組みを進めています。
例えばSony(China)Ltd. では、長期的に持続可能な社会の実現に貢献するサーキュラーエコノミー施策を推進しており、レンタルパートナーと連携したカメラのリースプログラムなど、PaaSを中心としたサービス型事業を展開しています。リースと返却を繰り返すことで、1台の製品をライフサイクル全体にわたって複数の顧客が利用できます。また、再整備品 (リファービッシュ品) や遊休機器もこれらのプログラムに組み込まれており、新規製品の製造への依存を抑えながら、製品寿命の延長と資源利用効率の向上に貢献しています。
製品の長寿命化による省資源化
ソニーは、製品の長寿命化を推進することで、間接的に資源の使用量を削減しています。2025年度に発売したXperia 10 VIIでは、充電時の負荷を抑える「いたわり充電」や充電制御技術により、4年間使用しても劣化しにくい長寿命※21バッテリーを実現しています。これにより、日常的な使用においても安定した電池性能を維持し、バッテリー交換や製品買い替えの頻度低減につなげています。また、最大4回のOSバージョンアップ※22および6年間のセキュリティアップデートに対応しており、ソフトウェア面からも安心して長期間使用できる環境を提供しています。これらの取り組みを通じて、製品の長寿命化を促進し、廃棄物の削減と資源の有効活用に貢献しています。
- ※21同タイプバッテリーで充放電を繰り返すシミュレーションに基づく。バッテリーの寿命は利用状況によって変化します
- ※22ご購入時期によってOSバージョンアップの回数やセキュリティアップデートの年数は異なります
製品回収・リサイクル
製品リサイクルに対するソニーの方針
ソニーは、個別生産者責任 (IPR) の原則を支持し、生産者がライフサイクル全体に責任を持つという考え方に則り、製品のリサイクル配慮設計、使用済み製品の回収・リサイクル、世界各国および地域に合ったリサイクルシステムの構築に取り組んでいます。さらに、製造者としての社会的責任を認識し、世界各国および地域のリサイクル法規制を遵守することに加え、ソニー独自の回収・リサイクル活動を積極的に推進しています。
製品リサイクルの取り組み
使用済み製品の処理に関しては、有害廃棄物の国境を越える移動およびその処分の規制に関するバーゼル条約に基づき定められた非OECD諸国への有害廃棄物の移動の規制に関する各国法規制、日本の家電リサイクル法、EUの廃電気電子機器 (WEEE) 指令、米国における各州の廃電気電子機器リサイクル法やインドの2022年廃電気電子機器管理規則 (および改正規則) など、世界各国および地域のリサイクル法規制を遵守しています。
製品リサイクルの目標と実績
ソニーは「地域社会のニーズに適応したリサイクルスキームの構築・維持※23」という目標を掲げ、全世界で使用済み製品の回収を推進しています。2025年度のソニーの使用済み製品の回収実績※24は約5.8万トンとなりました。かかる2025年度の実績は2026年7月時点の集計値で、一部の国の値を含みません。
また、ソニーは2021年度より「重視する鉱物資源 (タンタル) の再資源化において回収効率1.5倍 (2020年度比)※25」という目標のもと、2021年度から2022年度にかけて、より高度な再資源化に取り組みました。日本の特定のリサイクルプラントと協業し、使用済み製品からタンタルを含む部品を回収している選別装置の調整や作業工程の改善を行い、回収効率の向上を図りました。これにより、使用済み製品内のタンタルを含む部品に対し、重量比で約55%の部品を回収できるようになり、2022年度末までにタンタルの再資源化における回収効率は2020年度比で約44倍になりました。以降2025年度まで、回収工程の能力確認を実施し、回収効率を維持していることを確認しました。
- ※23ET&S分野およびG&NS分野において、世界各国および地域のリサイクル法規制を遵守しています
- ※24使用済み製品には電池および包装材を含みます。地域により回収・集計している製品が異なる場合があります
- ※25ソニーの関連会社で、日本の家電リサイクル法に基づきリサイクル事業を行う会社が対象
使用済み製品の回収実績
- 注)2025年度の値は、2026年7月時点の集計値。2024年度の値は、過年度報告を修正
- 注)日本・東アジアは、日本・韓国・台湾地区を指します
製品のリサイクル性向上の取り組み
グループ内リサイクルプラントとの連携
ソニーは、資源循環の戦略のひとつとして、製品のリサイクル性の向上に取り組んでいます。さまざまな施策の検討にあたっては、ソニーの関連会社でリサイクル事業を行うグリーンサイクル株式会社からのフィードバックが活用されています。使用済み製品のリサイクル工程で得られた製品の解体性や資源の分別容易性などの改善提案や意見から、実効性の高い施策を立案し、各製品カテゴリーの設計部門に提供しています。また、製品の最新構造の情報を共有することでグリーンサイクルのリサイクル技術の向上をサポートしています。
テレビリサイクル研修会の開催
ソニーは、グリーンサイクル株式会社においてテレビリサイクル研修会を2006年から定期的に開催しています※26。この研修はデザイナーや機構設計者の他、幅広い職種の社員が参加し、リサイクル配慮設計の必要性や重要性を再認識し、その後の製品づくりに生かすことを目的としています。研修では、テレビ解体ラインなどを見学した後、液晶テレビを自らの手で解体します。また、グリーンサイクルの現場担当者から現状の課題や要望がフィードバックされ、意見交換を行います。参加者は研修会で得た、解体作業の難しさや改善点、分別した資源を再利用することの重要性などの知見を全世界で販売される製品の設計に生かしています。
- ※262020年から2022年は新型コロナウイルス感染拡大にともない、開催を中止しました
日本における製品リサイクル
ソニーは、日本におけるリサイクル関連法に基づき、テレビ、パソコンのリサイクルを行っています。リチウムイオン電池などの小型二次電池や包装材などについても、法律に基づきリサイクル費用を負担しています。また、ソニーは関連会社において、使用済み家電におけるリサイクル方法の改善にも取り組んでいます。
テレビのリサイクル
日本では2001年4月に、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの4品目を対象にした家電リサイクル法が施行されました。また、2009年4月から新たに液晶テレビ・プラズマテレビ、衣類乾燥機が、2024年4月から有機ELテレビが同法の対象品目に追加されました。ソニーが製造する製品では、テレビ※27が対象製品となっています。家電リサイクル法では、対象製品の廃棄時に、排出者に収集・運搬料金、リサイクル料金の負担が、小売業者に使用済み製品の引き取り・引き渡しが、製造業者などにリサイクルの実施が、それぞれ義務づけられています。
ソニーは、同業5社で連携を取りながら日本国内のリサイクル体制を構築しています。現在、ソニー製テレビのリサイクルを行っている事業所は全国に19カ所あり、そのうちのひとつが、ソニーの関連会社としてリサイクル事業を行うグリーンサイクル株式会社です。
リサイクルを行う事業所では、手解体、各種設備による破砕・選別を行い、鉄、銅、アルミニウム、プラスチックなど素材別に分別し、原材料を製造する事業者へ売却し、その後それらは再利用されています。また、一部の古い製品・部品に含まれる鉛や水銀などの特定の有害物質については、法令に従い適正な管理のもとで分別、処分されています。
2025年度においてはブラウン管式テレビ約5.7万台、液晶式・有機EL式・プラズマ式テレビ約39.2万台をリサイクルしました。家電リサイクル法ではテレビの再商品化率をブラウン管式テレビで55%以上、液晶式・有機EL式・プラズマ式テレビで74%以上と義務づけていますが、ソニーは、2001年度以降、この再商品化率の基準を上回る実績を上げています。2025年度の再商品化率はブラウン管式テレビで74%、液晶式・有機EL式・プラズマ式テレビで86%となりました。
- ※27ソニー製テレビには、2005年製以前のアイワブランドのテレビを含みます
グリーンサイクル株式会社では、使用済み家電プラスチックのうち用途が多いポリプロピレン (PP) の選別回収において、選別後のPP比率を98%以上とする高純度選別プロセスにより選別したリサイクル原料を国内樹脂コンパウンダーへ販売しており、プラスチックの国内資源循環に貢献しています。
また、選別プロセスで必要となる水は、雨水および選別工程で生じる水を循環利用することで、新規に使用する上水の投入量をほぼゼロにしています。
パソコンのリサイクル
ソニーは、2014年7月にパソコン事業を譲渡しましたが、「資源の有効な利用の促進に関する法律」に基づき、引き続き法人ユーザーなどの事業者や一般家庭から出される使用済みパソコンの回収・リサイクルを行っています。対象品目は、デスクトップパソコン本体、ノートパソコン、ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ※28です。
ソニーは一般社団法人パソコン3R推進協会に加盟しており、同協会が運営するパソコン業界共通の回収・リサイクルスキームで使用済みパソコンの回収・リサイクルを実施しています。同協会における使用済みパソコンの回収・リサイクル実績は下記の同協会のウェブサイトで公表されています。
2025年度に回収・リサイクルしたソニー製パソコンの合計は約1.2万台 (58.4トン) となり、金属類、プラスチック類、ガラスなど約40.0トンの資源を再利用しました。
- ※28液晶ディスプレイには「ゲーミングモニター」も含まれます
欧州における製品リサイクル
欧州の主要なリサイクル規制としては、廃電気電子機器 (WEEE) ※29、電池※30、包装材※31に関する3つのEU規制が挙げられます。これらの規制は、製造業者が使用済み製品の回収・リサイクルの仕組みを構築し、その費用を負担することを義務づけるものです。
ソニーでは、これらの規制が適用される欧州各国において、法的に要求される回収義務を履行しています。特にソニーは欧州において競争原理が働くリサイクル市場の構築を目指し、2002年に他社と共同で「ヨーロピアン・リサイクリング・プラットフォーム (ERP) 」を結成し、生産者として使用済み製品のより効率的な回収とリサイクルを実行する体制を構築しました。その後も継続的に最適なリサイクル管理組織、業者と取引するよう努めています。
- ※29廃電気電子機器 (WEEE) に関する指令 (2012/19/EU)
- ※30電池および廃電池に関する規則 (EU) 2023/1542
- ※31包装および包装廃棄物に関する指令 (94/62/EC) (2025年1月に公布された包装および包装廃棄物に関する規則 (EU) 2025/40で置き換え予定)
リサイクルにおけるコンプライアンス体制
ソニーは欧州全域で、廃電気電子機器 (WEEE) 、電池および包装材のリサイクルにおいて、各国で認可された回収・リサイクル管理組織を活用しています。この管理組織は契約したリサイクル業者の全てに定期的な現地監査を実施し、EU域外への違法な出荷の防止に努めています。また、ソニーは製造者の代わりに回収義務を遂行する認可を受けたリサイクル管理組織、業者と協力し、EU指令や各国の規則を遵守した方法でリサイクルを行っています。
2025年にソニーは欧州において、約21,429トン分の使用済み製品のリサイクル費用を負担しました。また、他のメーカーと共同で、欧州で販売する製品カテゴリーにおけるリサイクル時に注意が必要な部品に関する情報を、リサイクル業者に公開し、安全なリサイクルの推進にも努めています。
北米における製品リサイクル
米国のSony Electronics Inc.およびSony of Canada ULCは、北米における製品リサイクルの推進に継続的に取り組んでいます。さまざまなリサイクル活動や支援活動により、各州の規制や自主的イニシアティブに準拠したリサイクルを実現しています。
米国:「ソニー・テイクバック・リサイクリング・プログラム」の推進
Sony Electronics Inc. (SEL) は、使用済み製品の回収にかかわる各州の法規制に対応した上で、より高いリサイクル回収率を目指す「ソニー・テイクバック・リサイクリング・プログラム」を推進しています。本プログラムにおいて、SELは各州のリサイクル業者と提携し、指定回収センターで全てのソニー製品を無料で回収しています。2025年度は約5,473トン (1,207万ポンド) の使用済み製品を指定回収センター、郵送、法規制運用ルートを通して回収しました。これは、SELが販売した電子機器1 kgに対し、約0.27 kgがリサイクルされている計算となります。これらの取り組みを継続しながら、SELは2025年にウィスコンシン州ミネラルポイントとハワイ州ワイキキで廃電気電子機器リサイクルイベントを開催しました。これらのイベントでは、認定リサイクル業者と提携し使用済み製品の回収と適切な処理を確実にすることで、廃電気電子機器が安全にリサイクルできる地域社会を支援しました。このように責任を持ってリサイクルすることで、廃電気電子機器の材料を新しい製品に再利用することにつなげています。さらに、SELのウェブサイトでは、閲覧者が近隣のリサイクルセンターを検索できる機能を搭載するなどして、リサイクルに役立つ情報を発信し、使用済み製品の回収促進に取り組んでいます。また、SELは二次電池に関する「The Battery Networkプログラム※32」に参加し、同プログラムのガイドラインに則って無償リサイクルを促進しています。
- ※32The Battery Networkプログラムは、米国とカナダにおいて二次電池のリサイクルプログラムの実行や管理、コンサルティングを行う公益法人です
リサイクルの責任
SELは、リサイクル業者とその後の工程の処理業者について独自の監査を実施するとともに、SELと取引を行う全てのリサイクル提携業者はレスポンシブル・リサイクル (R2) またはe-Stewards認証を取得しなければならないというリサイクルポリシーを設けています。これらの認証は、環境管理状況と職場の基準を検証するものです。責任あるリサイクルへの取り組みをさらに推進するため、SELはe-Stewards企業として活動を継続しています。
カナダ:電子機器のリサイクルプログラムを州政府と共同推進
Sony of Canada ULCは、2004年より州政府と共同で使用済み製品のリサイクルプログラムに取り組んでいます。2008年から2015年にかけて、消費者が小型のソニー製品をカナダ国内のソニー製品販売店に持ち込んで処分できるようにするリサイクルプログラムを導入し、拡大しました。最近では、州政府との共同プロジェクトにおいて、エレクトロニック・プロダクツ・リサイクリング・アソシエーション (EPRA) を通じて消費者に適切な回収の機会を伝えるなどの遵守義務を満たしており、10の州と2つの準州のEPRAが管轄する地区において、責任あるリサイクルのもと、消費者および企業の使用済み製品を無料で回収しています。またSony of Canada ULCは、エレクトロニクス・プロダクト・スチュワードシップ (EPSC) を創設し、現在は役員を務めています。EPSCは使用済み製品のための持続可能なソリューションの設計、推進および実装に取り組んでいる大手電機メーカーの連合です。
パンアジアにおける製品リサイクル
パンアジア地域におけるソニーの事業所は、中東からニュージーランドにおよぶ地域に立地し、それぞれの事業所や製造工場において、現地社会の求めるリサイクル活動を継続的に推進しています。さらに、各国の廃電気電子機器リサイクルに関する法規制を遵守し、現地基準を満たすために地元の事業者と積極的に提携しています。
インド:地元業者との提携による使用済み製品回収とリサイクル
Sony India Private Ltd. (Sony India)は、同国の2022年廃電気電子機器管理規則 (および改正規則) を遵守するため、大手リサイクル業者と提携しながら、使用済み製品のリサイクルルートの構築を含め、使用済み製品の回収・リサイクルに取り組んでいます。2025年度は、社内ネットワークまたは外部パートナーを通じて、約13,683トンの使用済み製品を回収・リサイクルしました。また、環境に悪影響を与えない形で使用済み製品をリサイクルするための啓発活動に力を入れるとともに、使用済み製品の回収拠点のネットワーク拡大を進めるなど、お客様が使用済みのソニー製品を引き渡しやすい条件を整えるために尽力しています。
さらに2025年において、Sony Indiaは新聞およびソーシャルメディアを通じて啓発キャンペーンを行い、リサイクル業者を通じてセミナーを開催しました。キャンペーンを掲載した新聞のインド全土における発行部数は660万部以上に達し、セミナーは学校などの施設で30回開催しました。Sony Indiaでは使用済み製品の回収結果を今後の使用済み製品の回収・リサイクル計画に反映しています。
オーストラリア:政府認定パートナーとともにナショナル・テレビジョン・アンド・コンピューター・リサイクリング・スキームに参加
Sony Australia Limited (Sony Australia)は2012年以降、新しい家電リサイクル法に従い、オーストラリア連邦政府から認定されたパートナーとともにナショナル・テレビジョン・アンド・コンピューター・リサイクリング・スキームに参加しています。このリサイクル制度のもと、Sony Australiaは着実にリサイクル活動に取り組んでおり、2025年7月から2026年6月までにソニーの割当分として、本制度の対象の製品約1,789トンをリサイクルしました。
韓国:「ART (Action Really Together) 」キャンペーン
韓国では2003年より、電子機器、電池、梱包材を対象とするリサイクル法が施行されています。Sony Korea Corporationは関連団体と協力し、政府により割り当てられる年間回収量を達成してきました。さらに2012年には、社員や地域住民に対し使用済み製品リサイクルへの参加を促すための教育プログラムとして「廃棄物ゼロ・キャンペーン」を開始し、その活動の幅をソニーのグループ会社、社員の友人や知人、そして他の団体にも広げてきました。2016年には、ブランドを問わず「みんなで行動を起こす」ことの重要性を呼びかけるため、キャンペーン名を「Action Really Together (ART) 」に改称しました。耐用年数を過ぎた製品を回収してリサイクルするだけでなく、リユース可能な使用済み製品を回収し地元のNGOに寄付しています。
シンガポール:廃電気電子機器リサイクルに関する意識向上と参加促進
Sony Electronics (Singapore) Pte Ltd.は、規制に基づく回収制度に参加し、国内の廃電気電子機器リサイクル活動を支援しています。この制度では、認定リサイクル事業者が廃電気電子機器を適切に処理しています。2023年以降は、毎年開催される「International E-Waste Day」キャンペーンにも参加し、政府機関や回収スキームと連携して、責任あるリサイクルに対する社会的な意識向上に取り組んでいます。キャンペーン期間中には、ソニーの「Designed with Resource Recycling in Mind (資源リサイクルを考慮した設計) 」の取り組みを紹介する展示を開催し、循環型社会への取り組みを発信しています。また、社内回収活動や従業員向けの啓発活動も実施しています。
中南米における製品リサイクル
ソニーの事業所は、アルゼンチン、エクアドル、コロンビア、チリ、パナマ、ペルー、ボリビア、メキシコなど中南米各国に立地し、それぞれの事業所は地域に合ったリサイクルプログラムを実施しています。その代表事例として中南米全域にわたる共同プロジェクトなどの活動を紹介します。
ソニー共同プロジェクト「グリーン・サービス・プログラム」
Sony Argentina、Sony Inter-American、Sony ChileおよびSony Boliviaなどの中南米のソニーの販売会社は、2010年より「グリーン・サービス・プログラム」を段階的に開始しています。このプログラムは、各国のサービスネットワークを通じ、保証期間内の修理によって廃棄される製品や部品を適切に処理する活動です。また、中南米の販売会社において発生した使用済み製品は、このプログラムにより適切に処理しています。ソニーはこの活動を通じて、単なる廃棄処分を適切な管理による処理へ移行することによって、製品の販売後においても環境に対する責任を果たし、お客様の期待に応えています。2025年度は約21トンの使用済み製品を回収し、適切に処理しました。ソニーは今後も「グリーン・サービス・プログラム」を推進していきます。
ラテンアメリカにおけるリサイクルプログラム
ソニーはお客様に対し、回収・リサイクルの法規制が存在している国々における各種リサイクルプログラムのもと、製品をリサイクルすることを促進しています。
メキシコにおいて、ソニーは生産者責任に基づき、6カ所の回収場所を通じて個別の廃電気電子機器 (WEEE) 回収・リサイクルスキームを運営し、リサイクルの法規制を遵守しています。コロンビア、エクアドル、ペルーにおいても、ソニーは廃電気電子機器の回収・リサイクルを推進する回収スキームに参画し、リサイクルの法規制を遵守しています。
この他、コロンビアとチリでは容器・包装の回収プログラムに参加しています。これらの回収プログラムは、既存の法規制の枠組みの中で容器・包装リサイクルへつなげることを目指しています。
啓発活動
キャラクターを活用した取り組み
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント (SMEJ) は、日本サステナブルフラワー協会と連携し、まだ鑑賞可能な段階で花が廃棄されてしまう「フラワーロス問題」に着目した取り組みとして、ライブ会場に贈られた祝い花を回収・活用する「Rebloom Flower Project」を推進しています。本プロジェクトは、資源の有効活用を通じて廃棄物の削減を図るとともに、消費行動の変容につなげることを目的としています。その取り組みの一環として、ピーターラビット™ガーデンカフェ自由が丘では、回収した祝い花を活用したフォトスポットを店内に設置しました。展示終了後には、解体したフォトスポットの装飾花を再活用し、資源循環の実践を目的としたワークショップを実施しました。ワークショップでは再活用した装飾花を用いてサシェの制作を行い、多くのお客様が参加しました。この取り組みを通じて、イベント装飾として使用された花を一度限りで廃棄するのではなく、複数の用途で活用する資源循環の可能性を示すとともに、来場者に対してフラワーロス問題への理解を深める機会を提供しました。