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人権の尊重

基本方針

ソニーは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurposeと「人に近づく」という経営の方向性のもと、「人」を軸に多様な事業を展開しています。人々が感動でつながるためには、私たちが安心して暮らせる社会や健全な地球環境があることが前提です。また、ソニーは、「ソニーグループ行動規範」においても定めている通り、全ての人は尊厳と敬意をもって処遇されなければならないと考えています。
これらの考え方のもと、ソニーでは、「ソニーグループ人権方針」において、「国際人権章典」 「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」 などの基本的な人権に関する原則を支持し、バリューチェーン全体を通じて、ソニーの事業活動の影響を受ける可能性のある人の、国際的に認められている人権を尊重することを定めています。
「ソニーグループ人権方針」に則り、ソニーは、事業活動、商品やサービス、ビジネス上の取引関係によって、人権への負の影響を引き起こしたり、助長したりすることがないように努めるとともに、万一そのような影響が生じた場合には、その是正に向けて誠実に行動します。人権デュー・ディリジェンスを継続して実施し、特定した人権への負の影響の防止と軽減への取り組みの推進、その進捗状況のモニタリング、評価に努めます。

指標/目標

ソニーは、2027年度-2029年度の人権の尊重領域の中期計画において、グループ全体の人権リスク管理体制の強化、人権デュー・ディリジェンスの継続的な実施、人権対応に係る開示拡充の検討および法定開示準備の完了を目標としています。

推進体制

ソニーグループ株式会社サステナビリティ推進部 (本社サステナビリティ推進部) は、同社サステナビリティ担当上級役員の監督のもと、「ソニーグループ人権方針」に基づき、人権デュー・ディリジェンスの仕組みの運用および事業責任者の監督のもとで実施される人権尊重の取り組み推進の支援を含む、ソニーグループ全体の人権尊重の取り組みを推進する責任を持ちます。ソニーグループにおける主要な事業を営む子会社および本社サステナビリティ推進部において、人権リスクのインパクト評価を実施し、本社サステナビリティ推進部は、人事、調達、コンプライアンスなどを担当する本社関連部署および各事業における関係部署と連携しながら、実際の人権への負の影響の是正および潜在的な人権への負の影響の防止と軽減に取り組んでいます。
人権啓発・多様性推進については、人事・総務担当上級役員を議長とした本社関連部署による人権・ダイバーシティ推進会議により、国内のグループ各社の取り組みを支援しています。

2025年度の主な取り組み

  • ソニーの事業活動との関連性が高く、ソニーグループ全体で優先的に取り組みをすすめる領域 (重点領域) 下での取り組みの推進を継続
  • 「ソニーグループ人権方針」の下位規則として、サステナビリティ推進部、関連部門および主要な事業セグメント代表会社の役割と責任の明確化および継続的な人権デュー・ディリジェンスの実施のための具体的な運用手順などを定めた「ソニーグループ人権デュー・ディリジェンス実施規則」を策定
  • 上記規則に基づき、主要な事業セグメント代表会社内の人権デュー・ディリジェンス実施責任者および実施担当者を任命
  • 外部専門家の協力のもと、各事業の主要なバリューチェーンおよびステークホルダー分析の精緻化を行い、各事業に関連する人権課題の見直しを実施
  • 上記の結果を踏まえて、2020年に特定したグループの重点領域を更新
  • 社員向けの「ビジネスと人権」研修コンテンツの策定と展開

人権デュー・ディリジェンス

ソニーでは、「ソニーグループ人権方針」のもとで、国連人権理事会によって発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」 (UNGP) および「OECD多国籍企業行動指針」に定められた枠組みに沿って人権リスクのインパクト評価を実施し、実際の人権への負の影響の是正および潜在的な人権への負の影響の防止と軽減に取り組んでいます。
具体的には、以下の5つの主要な取り組みにより、人権対応を推進しています。①人権リスクインパクト評価の実施、②当該評価を踏まえた重点領域の特定、③重点領域における取り組みの検討および実施、④苦情処理メカニズム (通報・相談窓口) の運用、⑤ステークホルダーとの対話。

人権リスクインパクト評価の実施

ソニーは関連する人権リスクを特定し、そのリスク軽減に取り組むため、BSR※1と協力し、2012年度からグループ全体にかかわる人権リスクのインパクト評価を実施しています。2024年度以降は、以下の手順で主要な事業セグメントごとに当該評価を実施しており、2025年度においては、これらの結果を踏まえてグループの重点領域の更新を行いました。

  • 世界人権宣言、ILO国際労働基準、OECD多国籍企業行動指針などの国際基準、人権の専門家、人権擁護者、学者、政府、NGO、その他の専門家の資料などを参照し、ソニーの事業に関連する潜在的な人権課題一覧を作成
  • 主要な事業セグメントにおいてバリューチェーン分析を実施し、主要な事業活動と関連するステークホルダーを特定
  • 上記の人権課題一覧およびバリューチェーン分析の結果を踏まえて、深刻度および発生可能性の2つの観点ならびに人権課題への関与度合い、人権への負のインパクトに対して行使できる影響力の度合い、社内におけるリスク管理体制の状況を考慮して、主要な事業セグメントに関連する人権リスクのインパクトを評価し、重点領域を特定
  • ※1公正で持続可能な世界の構築に向けて活動するグローバルな非営利団体

人権リスクインパクト評価の実施状況

2012年度

初回評価の実施

2017年度

評価アップデートを実施

2020年度

BSRと協力し、ソニーの事業活動との関連性が高い以下の人権リスク領域を特定

  • エレクトロニクス製品の原材料調達を含むサプライチェーンにおける労働者への人権配慮
  • AIなどの新しい技術に関する潜在的な人権リスク
  • ソニーと直接的もしくは間接的に取引関係にある顧客による人権侵害の潜在的リスク

2023年度

BSRと協力し、複数の外部ステークホルダーとのエンゲージメント結果も踏まえて、2020年度に特定したソニーの事業活動との関連性が高い3つの人権リスクの領域に変化がないことを確認

2024年度

主要な事業セグメントレベルでの人権リスクインパクト評価を実施※2

2025年度

主要な事業セグメントのバリューチェーンおよびステークホルダー分析の精緻化、関連する人権課題の見直しを実施※2、グループの重点領域を更新

  • ※2当該評価にあたり、社内外のステークホルダーとのエンゲージメントを実施しています

重点領域の特定および取り組みの実施

ソニーの事業活動との関連性が高い潜在的な人権リスク領域におけるさまざまな人権課題を再分類し、ソニーでは2020年度に、責任あるサプライチェーン、多様性の尊重、責任あるテクノロジーの開発および使用の3つを重点領域として特定し、取り組みを推進してきました。これらの重点領域における考え方などは下記の通りです。

ソニーグループの重点領域(2026年3月まで)

責任あるサプライチェーン 多様性の尊重 責任あるテクノロジーの開発および使用

考え方

ソニーは、グローバル企業が社会の一員として、自社の生産現場のみならず部品調達先や製造委託先の生産現場も含めたサプライチェーンに対して、果たすべき責任の重要性が高まっていることを認識しています。ソニーはサプライヤーとともに、サプライチェーンにおける人権、労働環境、安全衛生、環境などに関する課題に取り組み、責任あるサプライチェーンの実現を目指しています。

ソニーは、雇用の機会均等を旨とし、誰もが個性を発揮し活躍できる場であること、さらにはインクルーシブな社会の実現に貢献することを目指し、人権が尊重される職場づくりを進めています。各国や地域においてそれぞれの法令や規範を遵守し、人権課題に取り組んでいます。

ソニーは、テクノロジーを通じて、事業の成長と社会・環境課題の解決を両立させることについて、ステークホルダーからソニーに対する期待があるものと認識しています。
ソニーの開発する技術や製品により、事業収益の増加のみならず、社会および環境にポジティブな影響をもたらすことでサステナビリティ課題の解決をリードし貢献することは、ソニーにとって重要な使命であると考えています。

社内ポリシーなど

  • 「ソニーサプライチェーン行動規範」
  • 「ソニーグループ責任ある鉱物サプライチェーン方針」
  • 「ダイバーシティステートメント」
  • 「ソニーグループAI倫理ガイドライン」
  • 「ソニーグローバルAIガバナンスポリシー」

取り組み詳細

上記に加え、多様性の尊重に関連する対応として、ソニーでは、広告・表現およびコンテンツサービスにおけるさまざまな文化や地域特性などを踏まえた配慮に取り組んでいます。主な取り組みは以下の通りです。

  • 表現問題に関する定期的な会合の開催 (国内ソニーグループ)
  • 日米欧各地域の業界団体の年齢別レーティング制度の導入 (ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
  • スタジオ制作コンテンツやソーシャルインパクトに関する戦略を含む事業活動におけるグローバル団体との協働 (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)

なお、2025年度において、人権リスクインパクト評価の結果を踏まえ、グループの重点領域の見直しを行い、以下の3つの領域を新たに特定いたしました。今後は、これらの新たな重点領域における、取り組みを推進していきます。

  • ソニーの製品、コンテンツ、サービスを利用する人の権利と安全への配慮
  • ソニーのクリエイティビティを支える人の、心身ともに健やかな働き方の推進
  • ソニーのサプライチェーン上で働く人の、公正な労働条件の確保

苦情処理メカニズム (通報・相談窓口) の運用

ソニーは、法令や「ソニーグループ行動規範」「ソニーサプライチェーン行動規範」、その他の社内規則の違反のおそれがある場合に、社員やステークホルダーの皆様が報告し、相談できる窓口を次の通り設置しています。また、規則や法令違反に該当しない場合でも、機会均等や多様な働き方について相談できる窓口も設置しています。プライバシーに十分配慮した迅速かつ適切な対応を行い、守秘義務の徹底や相談者に不利益な取り扱いをすることを禁止しています。

ソニー・エシックス&コンプライアンス・ホットライン

法令や「ソニーグループ行動規範」、その他の社内規則の違反のおそれがある場合に、ソニーグループの全ての社員が報告し、相談できるソニー・エシックス&コンプライアンス・ホットラインを設置しています。

サプライヤー・ホットライン

ソニーは、ソニーグループ各社の役員・従業員による、法令・規則、「ソニーグループ行動規範」「ソニーサプライチェーン行動規範」に対する違反行為、およびサプライヤーとの契約に違反する行為について、サプライヤーからの通報窓口を設置しています。

ソニーグループ エレクトロニクスサプライチェーンにおける苦情受付窓口

ソニーは、エレクトロニクスサプライチェーンにおける、部品、原材料、製造装置などの製造者や供給者およびその従業員その他の関係者などのステークホルダーの皆様向けに「ソニーグループ エレクトロニクスサプライチェーンにおける苦情受付窓口」を設置しています。運用の詳細については責任あるサプライチェーンのページをご確認ください。

EEO (Equal Employee Opportunity) 相談窓口

国内のソニーグループは機会均等に関する相談窓口を設置しています。国内ソニーグループ全社員を対象としたハラスメントや多様な働き方など、機会均等について幅広く、相談できる窓口が利用可能となっています。また、ハラスメントの相談に特化し、専門性を持った第三者が相談を受ける相談窓口も設置し、社内では伝えにくい内容などの相談も受け付けています。

ステークホルダーとの対話

本レポートやサステナビリティスモールミーティングを通じてソニーの取り組みを伝えるとともに、業界団体や投資家、NGOなどのステークホルダーとの継続的な対話を行っています。ステークホルダーとの対話を通じて企業への期待に関する理解を深め、人権対応の深化につなげています。

教育研修・啓発

人権に関する企業の課題が複雑化する中で、ソニーでは、「ソニーグループ人権方針」の周知徹底と、社員の意識向上がますます重要と考えています。

社員の教育研修

ソニーでは、人権の尊重や職場におけるハラスメント防止を含む「ソニーグループ行動規範」の研修を雇用時に実施しています。また、再研修を少なくとも4年に1度実施しています。国内においては、全社員向けに国内の課題にフォーカスした内容や新任管理職向けにより実践的な内容を用いるなど、役割に応じたプログラムを定期的に実施しています。また、ソニーグループ株式会社をはじめとした多くのグループ会社を対象に人権に関するe-ラーニング研修を実施しています。2025年度は対象となる国内グループ会社社員のうち82%の社員がビジネスと人権の基本を学ぶe-ラーニング研修を受講しました。

社員の意識啓発

国内ソニーグループ各社

国内ソニーグループ各社においては、人権・ダイバーシティ推進責任者・担当者を配置し、人権に関する取り組みを実施しています。ハラスメントに関する重要な案件や表現に関する課題についても、グループ全体の体制の中で議論や対応について考えていくことにしています。また、国内においては、東京人権啓発企業連絡会と連携し人権問題に関する情報収集や人権リテラシーの向上を図っています。ソニーグループ各社の社員から募った人権啓発標語の優秀作品を毎年12月の「人権週間」に合わせて表彰し、また人権に関連するテーマについて学ぶフォーラムも開催しています。その他の海外ソニーグループ各社においても、職場における人権の尊重を推進するためのプログラムを展開しています。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント (SIE)

SIEは、安全衛生、雇用機会の均等、職場におけるハラスメント防止といった会社方針に関する研修を実施しています。
また、社員は、全社員のビロンギング向上のための関連資料やガイダンスにアクセスすることができます。

ソニーミュージックグループ (SMG)

SMGは、現地の法令、規則や文化的背景を常に尊重しながら、可能な場合、職場における公平性およびインクルージョン、アクセシビリティ、およびビロンギングの向上を推進するための研修、ポリシー、教育、ファシリテーションおよび各種リソースを提供・支援しています。SMGは、ハラスメント防止および差別防止に関する研修、職場における暴力防止、心理的安全性に関する教育、ニューロダイバーシティに関する認識向上および配慮に関するリソース、アクセシビリティに関する教育、メンタルヘルスおよびウェルビーイングに関するプログラム、ならびにインクルーシブ・リーダーシップ開発を含む取り組みを通じて、安全で、尊重に満ち、支援的な職場環境の醸成に取り組んでいます。
これらの取り組みは、グローバル市場においてインクルージョン、エンゲージメント、アクセシビリティ、学習、職場文化に対するSMGのアプローチを導き、強化するための戦略的フレームワークである「MILES」の主要な柱を支えています。MILESを通じて、SMGは尊厳、尊重、機会の平等、および人権の促進を図るとともに、社員が認識され、支えられ、最大限の貢献をエンパワーされることを目指しています。

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (SPE)

SPEは、ハラスメント防止、職場における行動、あらゆる背景や文化を持つ人々への尊重を含む、職場におけるポリシーおよび実践に関する研修を社員向けに実施しています。「Respect in the Workplace」などの必須研修および地域ごとの研修を実施しており、心理的安全性、メンタルヘルスおよびウェルビーイング、アクセシビリティ、インクルージョンといったテーマを扱っています。これらの取り組みは、関連プログラムや各種リソースとともに、安全でインクルーシブかつ尊重に基づいた職場環境の実現を支援するとともに、SPE全体における人権の尊重を強化しています。