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品質・カスタマーサービス

基本的な考え方

製品の安全性やセキュリティ、アクセシビリティの確保といった消費者の権利保護は、お客様をはじめとしたステークホルダーの関心の高い重要なテーマとなっています。ソニーは、製品の品質とカスタマーサービスの理念・基本方針として、お客様に「満足感」「信頼感」「安心感」を提供できるよう、お客様の視点から、品質とカスタマーサービスの継続的な向上に取り組んでいます。特に、製品の安全性とセキュリティの追求や、顧客体験の向上に努めることでお客様の期待に応え、「お客様から最も信頼されるパートナー」であり続けることは、ソニーにとって最大の目標であり使命です。
この考えのもと、ソニーは、製品の安全性やセキュリティ、アクセシビリティを確保することを基本とし、お客様の視点に立って考え、期待を超える品質とカスタマーサービスを提供し続けていきます。そのためにも、世界中に展開されているネットワークを活用し、収集した情報を分析し、新たな製品・カスタマーサービスに取り入れるサイクルを継続していきます。

理念・基本方針

ソニーは創業以来、お客様の視点に立った高い品質の製品・サービスの提供を最優先事項としてきました。その理念は、設立趣意書 (1946年、ソニーの創業者のひとり、井深大、起草) にも記されています。
「ソニーグループ行動規範」では、ソニーは、人の心を豊かにする商品・サービス・エンタテインメントを提供することを定めています。また、それらの品質、安全性、セキュリティ、アクセシビリティ確保に関して、法令で定められた基準を満たす、もしくは、それを上回るようにすることとともに、お客様に、正確で、見やすく、分かりやすい情報を提供することを定めています。
ソニーが製品をお届けしている全ての国や地域のお客様に、期待を超える品質の製品とカスタマーサービスをお届けすることを社員一人ひとりに徹底するため、ソニーの製品およびカスタマーサービスの品質に関する基本的な考え方を示す「ソニー品質憲章」を定めています。

図:ソニー品質憲章 One Sony For All Customers

製品品質・品質マネジメント

ソニーは、「ソニー品質憲章」で掲げている「社員一人一人がお客様の視点に立って考え、期待を超える品質とカスタマーサービスをお届けする」ために、品質最優先を徹底し、製品品質のさらなる向上と品質マネジメント体制の強化に継続的に取り組んでいます。

品質マネジメント体制

ソニーは、製品の企画・開発・設計・製造から販売・カスタマーサービスまでのプロセス全体で、品質マネジメント体制の枠組みの定義、製品やカスタマーサービスの品質に対する役割・責任・権限の定義、品質に関して必要な社内ルールの整備などを行い、品質マネジメント体制を構築し維持・向上しています。
この品質マネジメント体制に基づき、次のような仕組みや活動を通じて、製品品質・カスタマーサービス品質の改善に継続的に取り組んでいます。

品質マネジメント体制図

図:品質マネジメント体制図

品質マネジメント担当執行役員コーポレートエグゼクティブの役割

品質マネジメント担当執行役員コーポレートエグゼクティブは、製品品質・カスタマーサービス品質の向上や問題発生時の適切な対応を統括しています。
お客様の安全に影響をおよぼす、またその可能性のある製品事故の発生および製品やネットワークサービスのセキュリティ問題やその可能性についてソニーに情報が入った場合、迅速に品質マネジメント担当執行役員コーポレートエグゼクティブに報告が入るよう、全世界でルールを強化しています。品質マネジメント担当執行役員コーポレートエグゼクティブは、受領した報告に基づいて、必要な検証と対応を関連部署に指示し、お客様への適切な対応の実行を徹底しています。

品質オフィサーとCSオフィサーの役割

ビジネスユニットごとに品質向上活動の推進責任者 (品質オフィサー) を任命し、品質マネジメント担当執行役員コーポレートエグゼクティブおよび事業責任者の指揮・監督のもと、それぞれの事業分野における製品やサービスの品質向上への取り組みを推進しています。また、品質オフィサー会議を定期的に開催し、品質事業計画の進捗確認と目標達成に向けた活動の促進、品質問題の共有および共通課題に対する具体的な活動・対応などを協議しています。さらに、製品をお届けしている世界各地域にカスタマーサービス品質向上活動の推進責任者 (CSオフィサー) を任命し、品質マネジメント担当執行役員コーポレートエグゼクティブおよび販売機能会社責任者の指揮・監督のもと、グローバルレベルでカスタマーサービスの品質を向上させていくネットワークを構築し取り組みを推進しています。ビジネスユニットの品質オフィサーと世界各地域のCSオフィサーによる品質・CSオフィサー会議を開催し、品質とカスタマーサービスの事業計画の進捗確認と目標達成に向けた活動の促進、ならびに世界各地域における製品品質とカスタマーサービス品質向上の施策、共通課題や取り組みを共有し、全世界で品質とカスタマーサービスの改善活動を推進しています。
そのほかにも、ソニー製品に適用される法令や規制要求への適合を保証するため、ビジネスユニットおよび地域ごとに組織を構築し、活動を推進しています。

品質マネジメント活動

ソニーは、「ソニー品質憲章」を実現するため、ソニー製品の品質とカスタマーサービスの取り組みに関する中期指針や年度の目標および事業計画の指針を策定しています。この品質とカスタマーサービスの目標や事業計画の指針を受けて、各ビジネスユニットと販売機能会社は、品質とカスタマーサービスの年度の目標や事業計画を策定し、品質向上活動を推進しています。エレクトロニクスビジネス領域のトップマネジメントによる会議では、製品の品質とカスタマーサービスに関する重要施策などを確認・決定しています。
また、ソニーの品質基準として、製品の安全性と性能、表示、カスタマーサービス、使いやすさ、アクセシビリティなど、製品・サービスやそのカスタマーサービスが満たすべき品質要求事項を定めています。他にも、技術の進歩、法規制や社会の変化に合わせて継続的な見直しの実施をはじめ、期待を超える品質とカスタマーサービスをお届けするために必要な、さまざまな社内の自主基準を制定・運用しています。
なお、エレクトロニクス製品を製造している事業所においては、ISO9001の認証を取得しています。

お客様の声の社内フィードバック

ソニーでは、お客様の声を積極的に製品やカスタマーサービスの改善に生かす取り組みを行っています。製品をお使いいただいたお客様や、カスタマーサービスをご利用いただいたお客様から寄せられるご意見や不具合情報、使い方のご相談・ご質問などを、ご相談窓口でいち早く正確に把握し、データベースに集約した上でご意見を分析し、商品企画や設計部門などが製品・サービス品質関連部門と連携して、随時経営層にも報告しながら早期に品質改善・商品力向上に結びつける活動を展開しています。また、お客様やセキュリティ研究者より製品やネットワークサービスにおけるセキュリティ脆弱性情報の報告を受け付ける公開窓口「Secure@Sony」も設置し、適切なセキュリティ脆弱性対応を行っています。
お客様が利用するコミュニケーションツールは多様化しているため、より広くお客様の期待にお応えするために、SNS上のお客様の声の分析にも取り組んでいます。

お客様の声の社内フィードバックの流れ

図:お客様の声の社内フィードバックの流れ。概要を本文で説明しています

社内の品質情報窓口

品質問題は早期発見が重要です。ソニーは、品質に関する問題、情報、意見などをグループ社員から幅広く収集するための品質情報窓口 (Quality Hot Line) を設置しています。グループ社員は、職場での解決や判断が難しい製品やサービスの品質問題、またお客様の立場でソニー製品やカスタマーサービスを利用して気づいた点などについて、品質情報窓口の社内専用ウェブサイトから投稿することができます。
また、グループ社員が、お客様の安全に影響をおよぼす、またその可能性のある製品事故の発生、および製品やネットワークサービスのセキュリティ問題やその可能性を認識した場合については、適切な対応を行うための報告ルールを策定しています。これには報告先や時間軸も規定されており、確実かつ速やかに報告が行われる仕組みを構築しています。それぞれ専用の社内報告窓口を設置した上で、専門チームが迅速な問題解決にあたります。
提供された情報は、全て事実確認が行われ、それぞれの製品やサービスの品質改善や品質問題の再発防止・未然防止策の立案・導入に活用されています。

市場品質監視

ソニーでは、事業領域ごとに品質保証の組織を持ち、管轄する製品の市場品質の改善に取り組んでいます。また、本社には、市場で発生している品質問題を国内、海外のさまざまな情報源から幅広くかつ迅速に収集し、週次で本社の品質マネジメントおよび技術専門家に対して報告、共有する機能を備えています。ここで報告された情報をもとに市場対応が適切に実施されているかどうかを確認し、その対応を徹底するとともに、品質問題に対する再発防止・未然防止策の確実な導入実施を推進することで、ソニーの品質改善を強化しています。

品質問題とその対応

ソニーは、品質こそお客様にソニー製品を満足・信頼・安心してお使いいただくための最重要事項であると認識し、前述のような体制や取り組みを通じ品質問題の再発防止・未然防止に努めています。
品質問題発生の際には事実調査や不具合への対応を、グローバルな視点で関係組織が連携し迅速に実行しています。品質問題が発生した場合のお客様対応に関しては、品質問題を認識して以降、さまざまな検討を行い、お客様に対する告知、市場対応の判断とその実行までを、全てのソニー製品の共通プロセスとして策定し運用しています。
まず、発生した品質問題に関して、世界各地域のカスタマーサービスの拠点から品質情報を収集・確認し、現地と連携して問題の内容を正しく把握します。それに基づき、問題の原因と対策、その効果を迅速に検証し、問題をお客様の視点で捉え直し、問題に対する対応を決定します。その上で、各地域の全てのお客様に同じカスタマーサービスが提供できるよう地域のCSオフィサーと協力して対応方法を決定しています。
また、品質問題を伝える告知の方法は、お客様に対して問題の内容に応じて最適となる情報伝達方法を検討し、ウェブサイト、電子メール、アプリを通じた通知などの媒体を利用しています。

製品の品質・安全性・長期信頼性

製品の品質向上

ソニーは、設計、製造、部品のそれぞれの業務領域で、以下のような製品品質向上の取り組みを行っています。

設計品質

ビジネスユニットの責任者は、設計開始時には新規技術/新規部品やユーザー視点での使い方などを、また設計完了時には、予定されていた品質レベルとその信頼性の実現状況を確認しています。加えて、ソニーを信頼し製品を購入したお客様にご迷惑をかけない製品を提供するために、OEM/ODMを含めたソニー全体の品質基準を設け、設計完了時に遵守確認を行っています。これらの取り組みにより、製品に起因する品質問題の発生を防止し、かつユーザーの利便性を考えた設計が行われるようにしています。

  • OEM/ODM:製造を委託したメーカー (OEM) 、および設計・製造を委託したメーカー (ODM) のこと

製造品質

全ての製造事業所において、不良品を「入れない」「つくらない」「出さない」管理に注力して、お客様に安心してお使いいただけるものづくりを行っています。取り組みの事例としては、製造事業所ごとに品質に対し重要な目標を設定して、PDCAの活動サイクルを回すことで目標の達成と製造品質の維持・改善を進めています。OEM/ODMでの製造に対しても、ソニーの製造事業所と同じ製造品質を確保すべくソニーとしての製造品質管理に関する標準ルールを設けて品質確保を行っています。

部品品質

製品に組み込まれる部品においては、長期使用を前提とし信頼性が求められる重要な部品を製品カテゴリーごとに見極め、関係組織が協力して、新規の信頼性評価技術を開発するなど、部品信頼性向上の取り組みを進めています。

製品の安全性向上

お客様に安全に安心してお使いいただける製品を提供することは、ソニーにとって最重要事項のひとつです。ソニーは、全ての製品・サービスにおいて、企画、開発、設計、製造、販売、アフターサービスなど、事業活動のどの段階においても、製品の安全性を保つため、法令に定める基準を満たす、またはそれを上回るための手だてを継続的に追求し、実施しています。その一環として、組織横断で安全性を検討する専門チームを組織し、新しい技術を用いた製品の開発やイベントでの利用においては、お客様の健康に影響をおよぼすことがないよう科学的検証を実施し、その結果を反映する取り組みを進めています。

製品の長期信頼性向上

ソニーでは「品質信頼性ラボ」を設置し、お客様に安心して長くお使いいただける製品の提供を目指しています。
「品質信頼性ラボ」では、信頼性技術の向上に専任で取り組む技術者を配し、長期信頼性の向上に向け材料や部品の経時劣化や腐食などにかかわる要素技術、新規技術や新規製品に求められる機能に即した新たな信頼性技術や評価・解析技術の研究開発に取り組んでいます。開発した技術と得られた知見などを設計や部品選定に生かすことで、製品の信頼性を高めています。さらに、一部の評価手法については、ソニー内の共有にとどめることなく学会や工業会でも公開し、情報共有も行っています。

製品セキュリティ

ソニーは、お客様に提供する製品やネットワークサービスのセキュリティ確保を重要な品質要件のひとつと位置づけています。お客様の顧客体験を支えつつ、安心してご利用いただけるように、企画・開発段階からのセキュリティ設計や評価、リリース後の継続的な脆弱性情報の収集・分析、必要に応じた迅速な対策の実施まで、一貫した取り組みを着実に実施しています。
さらに、製品セキュリティに関する社内体制や運用プロセスを継続的に強化するとともに、各国および地域で整備が進む新たな製品セキュリティ関連法規制にも適切に対応し、安心・品質・利便性を兼ね備えた価値の提供と、セキュリティ品質の維持・向上に取り組んでいます。

カスタマーサービス

ソニーは、製品品質のさらなる向上に取り組むとともに、「ソニー品質憲章」で掲げている「社員一人一人がお客様の視点に立って考え、期待を超える品質とカスタマーサービス」をお届けし続けるために、お客様応対においては、時代の変化とともに変わるお客様のニーズに対応し、修理サービスにおいては、より良い修理品質を提供できるサービス体制の構築などさまざまな活動を行い、お客様満足の向上に努めています。

体制

ソニーは、製品をお届けしている世界各地域にCSオフィサーを任命し、品質マネジメント担当執行役員コーポレートエグゼクティブおよび販売機能会社責任者の指揮・監督のもと、ソニーの全世界共通のKPIを掲げ、グローバルレベルでカスタマーサービスの品質を向上させていくネットワークを構築し、それぞれの地域のお客様のご要望に添ったカスタマーサービスを提供できるよう取り組みを推進しています。

お客様対応サービススタッフの育成

ソニーは、グローバルに質の高いカスタマーサービスの提供に取り組んでいます。そのため、お客様応対業務に携わる社員、およびパートナーのスタッフを対象に、特にお客様がお困りの問題に迅速に対応できるよう、新技術の習得や解決策を共有するとともに、カスタマーサービスのシステムの改善や新たなツールを導入しています。また、ソニー製品をお客様がより快適にお楽しみいただけるよう、継続的な研修・教育の実施を徹底しています。

ご相談窓口、カスタマーサービス向上

ソニーは、ソニー製品やカスタマーサポートに関するお客様からのお問い合わせに対応するための窓口として、1963年に「お客様ご相談センター」を国内に開設しました。以来、その機能を全世界に展開するとともに、お客様重視の応対とさらなるお客様応対業務の品質向上に努めています。
既存の電話や電子メールによるサポートに加え、地域によっては、お客様がリアルタイムでオペレーターとチャットできるサポート、SNSやメッセンジャーアプリを利用したサポート、フォーラムの開設によるお客様同士による相互解決の場の提供など、それぞれの地域ごとに多様化するお客様のニーズに合わせたサポートを提供しています。
さらにお問い合わせ窓口に対する満足度調査を行い、改善を実施することにより、常にお客様満足度の向上に努めています。

使い方説明の利便性向上と地球環境保全の両立

製品の使い方説明に関して、知りたいことがすぐに見つかるなど、検索性、利便性を高めるため、ウェブサイト版取扱説明書の提供、サポートウェブサイトのさらなる充実化を進めています。
ウェブサイトにおいては、製品そのものに加え、ソフトウェアやネットワークサービスのアップデートなどに追従したサポート情報を充実させることにより、ソニー製品、ソフトウェア、サービスへのお客様の理解を深めていただくとともに、トラブルを迅速に解決できるよう努めています。また、お客様の利用環境に合わせ、モバイル端末にも対応したサポート情報や、さまざまな言語に対応したウェブサイトを提供し、利便性の向上を図っています。
紙の取扱説明書に関しては、「スタートガイド」と位置づけて、製品の接続や設定などの準備から基本的な機能を使っていただくまでの情報に注力して提供しています。
また、ビジュアル表現を充実させて文章を最少化することで、複数言語で書かれていた世界共通製品の取扱説明書の集約を可能にし、さらに紙の使用量そのものの削減による地球環境の保全にも貢献しています。

修理サービス

ソニーは、世界の主要エリアに修理サービス拠点を擁しています。お客様の満足度向上に向け、受付窓口での故障診断、修理品質の向上、修理日数の短縮などお客様のご要望にお応えできるよう取り組んでいます。また、製品の特性に応じて各地域で適切な修理対応ができるよう、継続的な修理環境の整備を進めています。さらに、修理情報を製品品質にフィードバックする体制を強化することで、製品品質改善を促進しています。

顧客体験の向上

私たちソニーは、「顧客体験」を品質の一要素として捉え、日々デザイン・ 開発に取り組んでいます。 多様化するお客様のニーズを的確に捉えた顧客体験を実現する取り組みの一環として、人間中心設計 (Human-Centered Design:HCD) のプロセスを取り入れ、お客様の視点に立った活動を推進しています。