アクセシビリティ&インクルージョン
多様性
基本方針
ソニーでは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurposeのもと、全ての人が感動を分かち合える未来を実現するためにアクセシビリティを高める活動をグループ全体で推進しています。世界の6人に1人にあたる13億人以上の人が何らかの障がいがあると言われています。私たちは多様なユーザーのニーズを理解し、年齢や障がいなど個人の特性や能力、環境にかかわらず、ソニーの製品、サービス、エンタテインメントを楽しんでいただけるよう、ソニーグループの多様な事業を通じてインクルーシブな社会に貢献することを目指しています。また、障がい者がビジネス、社会、経済にもたらす潜在的な価値を発揮できるような活躍推進に取り組む国際イニシアティブ「The Valuable 500」にも加盟しています。
今後に向けて
アクセシビリティとインクルージョンの取り組みを通じて環境整備と合理的配慮を推進し、多様な人々が交わり価値創出の循環を生み出しながら活躍できる社会基盤の構築に貢献するとともに、多様なニーズを持つ世界中のクリエイターやユーザーへ新たな体験と感動を届け続けていきます。
指標/目標
アクセシビリティとインクルージョンに関する社内統一指標に基づき、取り組みの進捗を可視化し、継続的に改善するための行動計画を策定・実行する。
推進体制
ソニーは、アクセシビリティをサステナビリティの一環として捉え、グループ全体で推進しています。ソニーでは、サステナビリティ担当上級役員のもと、アクセシビリティ、インクルーシブデザイン※1をグループ横断で推進するチームが中心となってグループ各社のアクセシビリティ&インクルージョンを推進する責任者と連携しています。アクセシビリティ&インクルージョンに関する社内統一指標と体制を定め、それらに基づき持続的にアクセシビリティの向上に取り組んでいます。
また、インクルーシブな社会の実現に向けて、自社の組織にとどまらず、外部の専門家や当事者団体との連携を通じてより実効性の高い取り組みを進めています。例えば、外部専門家や当事者団体との協力関係を築き、イベント出展や製品・サービスの改善など積極的に連携しています。
さらには、アクセシビリティ向上のための標準化活動にも取り組んでいます。ソニーでは、製品・サービスのアクセシビリティ品質向上のために、業界標準をベースとした独自のアクセシビリティ達成基準を組織横断で策定し運用しています。本基準を用いて製品評価を定期的に実施し、その結果を製品・サービス改善に生かすというサイクルを繰り返すことで持続的な品質向上に取り組んでいます。また、業界全体のアクセシビリティ向上をけん引するため、標準化活動にも積極的に取り組んでいます。一例として、Sony Europeでは、欧州の標準化機構のETSI ※2 の技術委員会であるHuman Factors委員会の議長を務め、情報通信技術を利用した製品・サービスの使いやすさやアクセシビリティに関する規格づくりを主導しています。また、国際標準化機関のIEC ※3 の専門委員会( TC: Technical Committee) であるTC 100(Audio, video and multimedia systems and equipment) の議長として、映像・音声機器やマルチメディアに関するアクセシビリティについての規格づくりも率いています。
- ※1多様なユーザーを包含・理解することで新たな気づきを得て、一緒にデザインする手法
- ※2ETSI:European Telecommunications Standards Instituteの略。電気通信、放送、その他の電子通信ネットワークおよびサービスを扱う欧州の標準化団体
- ※3IEC:International Electrotechnical Commissionの略。国際電気標準会議。電気および電子技術分野の国際規格の作成を行う国際標準化機関で、各国の代表的標準化機関から構成されている
2025年度の主な取り組み
注力領域
多様なニーズを持つ人々が製品、サービス、エンタテインメントを楽しめるよう、アクセシビリティを高める活動を推進
2025年度の実績
- さまざまなお客様のニーズを理解し、生かすため、アクセシビリティを必要とする方々とともに検討し、その声を反映するインクルーシブデザインをソニーグループ全体で推進
- 社員一人ひとりの意識を高めるため、障がい当事者との対話や行動観察を通して、普段見落としがちなことへの気づきを得る社内ワークショップを定期的に開催
- お客様の声を聞き、製品・サービスの改善に役立てるため、アクセシビリティに関する国内外のイベントに継続的に出展 (CSUN Assistive Technology Conference 2026、東京2025デフリンピック「みるTech」など)
アクセシビリティを企業の文化へ
ソニーでは、インクルーシブな文化を育み、全ての社員がアクセシビリティ推進の担い手となる会社を目指し、日々取り組んでいます。
例えば、アクセシビリティについて社員の理解を深めるために、専門家による講演会や研修講座を定期的に実施しています。アクセシビリティへの理解を深めるため、ソニーグループの主要各社を対象としたe-ラーニング研修を実施し、2025年度末までに約123,000名※4の社員が受講しました。また、インクルーシブデザインを実践するための人材育成も行っています。障がい当事者とチームを組んでフィールドワークや課題・アイデア出しを行うインクルーシブデザインのワークショップを実施し、役職・職種を問わず累計で3,000名以上の社員※5が参加しました。このワークショップは、日本だけでなく事業の枠を超えて横断的にグローバル展開しています。障がい者インクルージョンを推進する海外の非営利団体と連携し、障がいのある共同クリエイター※6の意見を反映しながら共同で開発し、実施しています。
また、アクセシビリティを考える日、Global Accessibility Awareness Day(GAAD)※7にあわせて、ソニーグループのアクセシビリティやインクルーシブデザインへの取り組みについて発信し、世界各地にあるグループ各社でアクセシビリティの啓発活動を展開しています。
ソニーでは、社員の職場環境におけるアクセシビリティの取り組みも進めています。ソニーグループのオフィス・事務所において、利用する社員や訪れるお客様等、誰もが使いやすい施設を提供することを目的としたワークプレイスアクセシビリティガイドラインを作成し、導入を開始しました。さらに、オフィスの一部でガイドラインに基づく環境づくりを実際に体感できる体験エリアを設置し、アクセシビリティへの理解と気づきを深める取り組みも行っています。日本のソニー・ミュージックエンタテインメントでは、アーティストやクリエイターと彼らを支えるスタッフのメンタルヘルスをサポートする「B-side Project®」を立ち上げ、運用しています。さらに、アクセシビリティの向上を目指して活動する社員グループ(Employee Resource Group)があり、障がいのある社員へのサポートや、社内のアクセシビリティに対する意識向上のために定期的な情報発信を行っています。
- ※4当社は2025年10月1日に金融事業のパーシャル・スピンオフを実行しており、本レポートでは原則として金融事業を除く範囲を対象としていますが、本累積データには金融事業の社員が含まれています。
- ※5日本国内の社員の参加者数。当社は2025年10月1日に金融事業のパーシャル・スピンオフを実行しており、本レポートでは原則として金融事業を除く範囲を対象としていますが、本累積データには金融事業の社員が含まれています
- ※6障がいの実体験があり、ワークショップのメンバーと協力しながら、製品、サービス、体験を創造したり、それらに関してアドバイスをしたりする人
- ※7アクセシビリティと、アクセシビリティを必要とする人たちについて、語り、考え、学ぶ日のこと
インクルーシブデザインによる開発
多様なお客様のニーズを理解し、活かすため、アクセシビリティを必要とする方々とともに検討し、その声を反映するインクルーシブデザインをソニーグループ全体で推進しています。
商品・サービスの開発においては、一部の製品・サービスだけでなくソニーグループ共通で実施するために、インクルーシブデザインを組み込んだ商品化プロセスの運用を行っており、商品を企画する上流の段階からアクセシビリティを必要とするお客様のニーズを商品開発に活かしています。インクルーシブデザインが実践しやすい環境づくりにも力を入れており、さまざまな障がいのある社員が登録する社内モニター制度を設け、開発段階にある製品・サービスに対してフィードバックを提供しています。
加えて、ソニー株式会社では、障がいのある社員がアクセシビリティアドバイザーとして、商品検討段階から検証段階まで継続的に製品づくりに参画していくプログラムを運用しています。ソニー・インタラクティブエンタテインメント (SIE) は、「PlayStation Studiosアクセシビリティコミュニティ評議会」を運営しています。本委員会は、さまざまな障がいのある15名のアクセシビリティに特化した社外コンサルタントで構成されるグローバルなグループであり、SIEのスタジオと継続的に連携しています。委員会のメンバーは当事者としての実体験と深い専門知識を兼ね備えており、ゲームの開発チームが思い込みにとらわれることなく、自信をもって的確に設計を進められるよう支援しています。
日本のソニー・ミュージックエンタテインメントは、社内イベント「サステナビリティ Day」において、継続的にアクセシビリティをテーマにした実証実験ライブを実施しています。ソニー・ミュージックエンタテインメント所属のお笑い芸人たちがネタを検討する段階から障がいのある方々や、異なる文化的・言語的背景を持つ方々にも参画してもらい、それぞれの視点から誰もが楽しめるインクルーシブなお笑いライブのあり方を追求してきました。その成果は、都市型音楽フェス「CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2026」において一般のお客様にも楽しんでいただきました。
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (SPE) では、スポンサーを務めている「イースターシールズ・ディサビリティ・フィルム・チャレンジ」が、2024年に業界初の障がいのある俳優たちで構成されたループグループ※8を立ち上げました。ソニー・ピクチャーズ アニメーションが2026年2月に公開したオリジナルアクションコメディ映画『GOAT/ゴート 史上最高をめざせ!』では、このループグループが起用され、観客の歓声など群衆シーンの声を担当しています。
インクルーシブデザインの実践は、商品・サービスだけにとどまりません。こどもを対象とした世界最大級のクラシック音楽の祭典である「こども音楽フェスティバル 2025」においては、ソニー株式会社およびソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社のテクノロジーを活用し、だれでも楽しめる「インクルーシブなフェスティバル」として実施しました。また、ソニーグループの会社概要ウェブページにはアクセシビリティマップが掲載されていますが、これは多様なお客様が安全かつ円滑に来訪できるよう、通常の地図情報だけでなく、役立つ情報や移動しやすいルートが補われたマップです。制作にあたっては、視覚障がい者や車いす利用者の声を取り入れています。
- ※8ポストプロダクションにおいて、さまざまなキャラクターの声や背景音を担当する声優のグループ
- ソニー株式会社 アクセシビリティ
- 見え方、聞こえ方が違うから、気づけることがある!~アクセシビリティアドバイザープログラム始動!|ソニー株式会社|広報note
- PlayStation Studiosアクセシビリティコミュニティ評議会のご紹介(英語)
- 「サステナビリティ Day 2025」を開催 - サステナビリティ|ソニーミュージックグループ コーポレートサイト
- GOAT | GOATtv: First Ever Disability Loop Group | Sony Animation(※YouTubeに遷移します)
- Music for All! だれでも楽しめる「こども音楽フェスティバル 2025」を開催 | ソニーグループポータル
- アクセシビリティマップ・施設 | ソニーグループポータル
ウェブサイトにおけるアクセシビリティ
ソニーでは、グループ会社のウェブサイトにおけるアクセシビリティの基準と遵守事項を定めた「ソニーグループウェブアクセシビリティポリシー」を制定し、World Wide Web Consortium (W3C) 勧告のWeb Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2 レベルAA基準への適合を目指しています。
グループ各社と連携してウェブアクセシビリティポリシーの導入を進めるとともに、公開後の継続的なモニタリングや、自動スキャンと専門家による検証を組み合わせた評価・改善支援を通じて、アクセシビリティ向上を継続的に推進する体制を強化しています。また、組織内の役割や立場に応じたさまざまなウェブアクセシビリティ研修を定期的に行い、技術研修やワークショップ、関連リソースの提供を通じて、社内での理解促進と実践の定着を支援しています。さらに、画像、オーディオ、マルチメディア/動画を含む、アクセシビリティに配慮したデジタルコンテンツの提供にも積極的に取り組み、視覚や聴覚に障がいのある方々を含む全ての人に豊かな感動体験を届けられるよう取り組んでいます。
ソニーは、インクルーシブなデジタル社会の実現に向け、今後もウェブアクセシビリティ向上への取り組みを一層強化していきます。