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提案から納入までワンストップで貢献した新しい音楽空間、Kアリーナ横浜

Culture

皆さんは横浜のみなとみらい地区にある「Kアリーナ横浜」をご存じでしょうか。竣工当時から世界最大級の音楽特化型アリーナとして注目を集め、著名なアーティストの音楽イベントも相次いで行われています。このKアリーナ横浜の舞台特殊設備(映像、音響、照明等)のシステムインテグレーション(提案から納入までを一気通貫で担当すること)を、実はソニーのチームが担当しました。
今回は、ソニー側の担当者としてとしてこのプロジェクトを牽引された村木さん、細見さんのお二人にお話を伺いました。様々な意味で新しいアリーナを完成させるまでの過程について掘り下げていきます。

村木 たもと
細見 諒
藤井 絢

機材の持ち込みを前提にしない、音楽特化のアリーナ

── プロジェクトについてお伺いする前に、まずKアリーナ横浜の施設としての特長を教えてください。

細見:Kアリーナ横浜は他のアリーナと比較して、大きく2つの特長があります。それは、「世界最大級、2万人規模のアリーナであること」と「音楽に特化したアリーナであり、ハイクラススピーカーなどイベントに必要な機材を常設することにこだわって作られていること」です。

村木:一般的に、イベントをアリーナなどで行うときは、出演者(アーティストなど)が機材を持ち込みセッティングするのが一般的です。しかしその場合、機材の運搬からセッティングまで多くの時間やコストを割かなければなりません。一方、Kアリーナ横浜では、機材を自前で持ち込まなくともアリーナとして利用していただけるシステムをオプションとして用意しています。アリーナ規模でこのオプションを用意しているところは、なかなかないと思います。

アリーナ各所から接続した持込機材などの多様な映像素材を、コントロールルームに設置したライブプロダクションスイッチャー『XVS-G1』に接続することで、迫力ある映像演出を実現
各ラウンジに設置されたデータプロジェクター『VPL-FHZ91L』
アリーナ内の全体を撮影するリモートカメラ『BRC-X1000』
各所コントロールルームおよびアリーナ各所に設置されたディスプレイモニター『ブラビア』

── Kアリーナ横浜がいかに新しいアリーナであるかが感じられました。このアリーナの建設プロジェクトにはソニーが参加していたとのことですが、どのように関わっていたのですか。

村木:舞台特殊設備(映像・音響・照明)の技術分野で各社をまとめる立場と、映像システムに関する部分に参加しました。Kアリーナ横浜では、映像の他にも音響や照明に関係する企業が複数社集まって協働していたため、技術面での齟齬がないよう方向性を決めていく必要があり、舞台特殊設備全体の連携をとるための取りまとめを行いました。

── このプロジェクトは「STADIUM/ARENA SOLUTION※」というソニーの取り組みの一つに数えられていますが、他のプロジェクトとは少し異なると伺いました。

村木:これまでのプロジェクトでは、スポーツが主目的のスタジアムやアリーナに関する案件が多く、またソニーは映像の部分だけに関わることがほとんどでした。しかし今回のKアリーナ横浜のプロジェクトは、映像の部分だけではなく舞台特殊設備の技術面全体のマネジメントも担当するなど、他のプロジェクトとは関わり方が大きく異なっていました。

※STADIUM/ARENA SOLUTION とは
ソニーでは、迫力の大画面で観客を魅了する大型映像装置、選手の表情までを鮮明に写し出すライブカメラなどの映像音響システムの提供に加えて、映像コンテンツの制作や運用業務の支援など、統合演出システムによるライブエンターテインメントを提供しています。
詳細や他のプロジェクトについてはSTADIUM/ARENA SOLUTIONのページ

営業とプロジェクトマネージャー、二人三脚で務めた技術面のマネジメント

── 本プロジェクトで、お二人が実際に担当されていたお仕事についても教えてください。まずは、細見さんからお願いします。

細見:私は、営業担当として関わっていました。一般的な営業職というと、自社の製品を売り込むことが仕事だと思われるかもしれませんが、私たちの場合はソニー製品だけではなく、ソニー製品と他社製品を組み合わせ、一つのシステムとして販売することがほとんどです。今回は、システムの売り込みだけでなく、プロジェクト関係者の方々とソニーとの橋渡しや各種の調整役も行うプロジェクトマネジメント業務を提案しました。

── このプロジェクトが始まった頃からずっと、ソニーは技術面のプロジェクトマネジメントとしても関わっていたのでしょうか。

細見:途中からでしたね。設備の検討段階でお客様側のチーム内で意見が割れていたことがあったと聞いていますが、その際に弊社のこれまでのノウハウを活かし技術的な観点からご提案し関わりを持たせていただきました。村木さんと関係の皆さんへご挨拶に伺ったことが懐かしいです。

村木:途中からマネジメントするとなると、普通はあまり良い印象を持たれないと思いますが、私が関係者の皆さんと一緒に取り組みを進める中で、不便さを感じることはありませんでした。これは細見さんが関係各所の皆さんとの関係を構築してくださったおかげだと、今でも感謝しています。

── まだ少ししかお話ししていませんが、細見さんの人柄の良さはとても感じます。なぜプロジェクトマネジメントという役割を提案されたのでしょうか。

細見:その時点で基本設計はありましたし、音響・照明・映像それぞれの設計もバラバラでしたが進んでいました。しかし、それらの設計がはたしてクライアントのやりたいことや求めているものにマッチしているかは誰もわからなかったと思います。そこで、設計上のできることと、できないことの確認や、それに伴う修正の指示、かつ映像や照明に関する部分の共通化・効率化を進めることで、一つの特殊設備として納めることが必要だと感じ、提案させていただきました。

── その一連のマネジメントを担当されたのが、村木さんだったんですね。

村木:そうですね。プロジェクトマネージャー(以下、PM)としての役割と、映像システムの設計の一部を担当していました。PMとしては、最終的な目標を可視化できるようにすることや関係者へのヒアリング、そしてコミュニケーションを円滑に行い、プロジェクトを推進していくことが主でした。

── 音響や照明の関係者の方とも関わられるかと思いますが、村木さんは元々そういった知識はお持ちだったのでしょうか。

村木:過去の他のプロジェクトでも関わりはあったので、概要については理解していましたが、今回のように深く関わったことはありませんでした。参考書を引っ張り出して読んだり、それこそソニー内の詳しい担当や関係各社に教えてもらったりなどして勉強しましたね。

ソニーというブランドへの信頼に応える

── このプロジェクトで、最も印象に残っていることは何ですか。

村木:プロジェクトの立ち上げ当初から、2週間に一度のペースで定例会を実施していましたが、途中ゴールが明確にならないまま進んでいることに気がついて、今後の方針をまとめることに奔走した時期がありました。その後細見さんたちとも連携し、関係者の皆さんの意見をまとめてクライアントに見せた際に、「とても良い」と言ってくださって、そのときに私たちのプロジェクトが一つになったように感じて胸が熱くなりましたね。

細見:私は、関係者の村木さんへの対応の変化がとても印象に残っています。今のお話にもあったように村木さんにはこのプロジェクトを円滑に進めるために本当に多くのことをやっていただき、安心してプロジェクトを進めることができました。これは村木さんをはじめ、ソニーのエンジニア力の賜物だと感じています。実際にクライアントからも「ソニーに依頼して良かった」とありがたいお言葉も頂戴しています。

── さすが、PMですね。本当にお二人が協力して進められてきたんだと感じます。プロジェクトを進める上で、特に難しかったことはありますか。

村木:私は、機材の選定に苦労しましたね。これまで経験したプロジェクトは要求仕様が決まっているか、またはある程度ノウハウや前例のあるスポーツスタジアムなどの映像システムの話が多かったのですが、Kアリーナ横浜ではそういった要求仕様やシステムの前例がなかったため、自分たちで利用シーンから運用を想定し、要求仕様を決め、プロジェクトを進めていかなければならないことが大変でした。

── 仕様が決まっていないということは、どんな機材を使うかを一から選ぶということなのでしょうか。

村木:オプションとして備えておく機材をどのくらいのレベルのものにするかもそうですが、Kアリーナ横浜は機材の持ち込みにも対応できる設備にするため、どれほどの機材に対応できるようにしておくか悩みました。機材によってどんな配線にするか異なってくるうえ、アリーナができあがる前にその対応できる幅を考慮した上で設計しなければならなかったのが難しかったです。

── 持ち込みとなると、どんな機材を使用されるか分からないですもんね。使用される機材のことを想定しながら準備するというのは、当たり前とはいえ難しいはずです。

村木:私はライブ配信に関する部分が難しかったと感じています。このプロジェクトがちょうどコロナ禍に進行していたこともあって、結果的に配信システムは持たず、配信する際に活用できる配線だけを整備することになりました。ライブ配信のシステムについては、誰もアリーナ規模での配信技術の導入経験がなかったので、必要な機材など含め、すべて手探りの状態で進めた記憶があります。

── コロナ禍と工期が重なっていたんですね。前例がないものを創り出す難しさは計り知れないと思います。

細見:ライブ配信のシステムについては、ソニーミュージックグループの担当者を紹介してもらい、さまざまなアドバイスをいただきましたね。このように、グループ社内で頼れる企業や部署があるというのは、多様な事業を展開するソニーならではの強みだなと感じたのを覚えています。

── そうだったんですね!さすがソニーと言いたくなります。このプロジェクトで見えたソニーらしさは、他にもありますか。

村木:私はこのPMの職に就いたのが、産休が明けてすぐでした。育児もあり時短で働いていたにも関わらずPMを任せていただけるという環境も、ソニーだからこそ成り立っていると思います。
また、ある程度設計が決まってから現地構築・納品までの後半戦は、私が第二子の産休に入ってしまったため、多くのSI(システムインテグレーション)メンバーに引き継ぎ、推進していただきました。皆さん、前向きにプロジェクトを成功に導こうと団結して納めきっていただき、改めてソニーSIの底力を感じました。

細見:インテグレーションの力、でしょうか。一般的に、製品を扱っているとその製品を売って終わりになりやすいのですが、私たちはお客様がどのようなシステムを必要としているかを伺った上で、その希望に合うシステムの納入まで一貫して担当するようにしています。いわゆるコンサルティングのようなことも含めてお客様と向き合うからこそ、ソニーというブランドへの期待に応えるものを提供できると感じています。

── 最後に、このプロジェクトに参加した感想を教えてください。

村木:手探りの部分もありながら進めたプロジェクトでしたが、終えて振り返ってみると、とても貴重な体験をさせていただいたのだと感じます。この経験を今後のプロジェクトにも活かしていきたいですね。

細見:先日ニュースにもなりましたが、Kアリーナ横浜のライブ動員数が184万人という数で世界2位だったそうです(2025年3月13日時点、日本経済新聞調べ)。そんな素晴らしいプロジェクトに関われたことがとてもうれしく感じますし、今後世界1位になる日も楽しみです。

<編集部のDiscover>
Kアリーナ横浜建設の裏には、村木さんや細見さんをはじめとするたくさんの方々の努力があったのだと、このプロジェクトのスケールの大きさに改めて驚かされました。また、お二人が話される中で、端々で「村木さんがいたから」「細見さんだから」と口にされていて、お互いに信頼し合って仕事をされていたのだと感じました。私も働く中で、このような関係性を築けるような関わり方をしたいです。


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