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挑戦の数だけキャリアは作れる。タクシーアプリ「S.RIDE」の生みの親が語る、ソニーという可能性。

Culture

S.RIDE(エスライド)は、誰でも簡単にタクシーの配車手配ができるアプリです。都市部を中心にサービスを拡大しており、幅広い決済方法にも対応。スムーズな移動を実現する各種機能やお得なポイントプログラムで、快適な移動体験を提供しています。
※S.RIDEの詳細については公式サイト​をご覧ください

このS.RIDEを運営するS.RIDE株式会社は、ソニーグループ(以下、ソニー)とタクシー会社5社などが共同出資して設立した事業会社(ジョイント・ベンチャー:以下、JV)です。ソニーが有するAI/IT技術とタクシー会社の品質の高いオペレーションを融合したタクシーアプリS.RIDEは、サービスローンチ以来モビリティインフラの一翼を担うまでに成長。東京都内ではなんと、3台に1台のタクシーがS.RIDEに対応しています。
今回は、S.RIDE株式会社の代表取締役社長を務める橋本さんにインタビュー。事業の成り立ちやその裏側、また橋本さんのキャリアについてもお聞きしました。

橋本 洋平

次世代移動体験への挑戦。

── まず、タクシーアプリS.RIDEについてご紹介いただけますでしょうか。

S.RIDEは、ソニーとタクシー会社5社などが共同出資して設立したJVであるS.RIDE株式会社が提供するタクシーアプリです。400万ダウンロード(2025年5月時点)を突破し、アプリを利用した年間乗車回数は1,000万回(2024年度実績)を超えるなど、多くの方にご利用いただいております。また、全国で2万台以上(2025年6月時点)の車両ネットワークを有しています。特に東京都では対応台数が1万台以上あり、3台に1台はS.RIDEのタクシーという計算になります。

また、ワンスライドで配車完了できる操作性や、タクシー配車スピードにも強みを持ち、「すぐ呼べる、すぐ来る、すぐ降りられる」といったタイムパフォーマンスを重視するビジネスシーンにおいて特に支持されています。こうしたユーザーの反応はアプリストア評価にも反映されており、主要タクシー配車アプリの中で最高評価※をいただいています(※ Google Play ストアにおける国内主要タクシー配車アプリのレビュー評価に基づくもの。(平均評価値(累計) 調査期間2022/03/15~2025/09/01  data.ai調べ)。

さらに近年では、法人向けプラン「S.RIDE Biz」の立ち上げや、自動運転用AI開発への活用を目的とした車両に搭載したセンサーによるデータ取得事業、エンタメと連携した新しい移動体験の創出など、さまざまな取り組みにチャレンジしています。

※サービス開始から1 年半で、申し込み社数が約2,000 社に到達。S.RIDE Bizの詳細は公式サイト​をご覧ください。

エンタメと連携した移動体験の創出事例:2025年7月から8月にかけて実施した『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』のラッピングタクシー。全8種類のラッピング車両の走行位置をリアルタイムで確認できたほか、アプリからの指定配車も可能。

── 事業としての成長スピードやそこからの展開、こうした機動力の高さは新規事業ならではですね。

JVとしての会社設立時からもそうですが、ソニー内外から多様な人材が集まっていることが大きいと思います。垣根なく本音で語り合える空気感があるため、ソニーの技術力やタクシー会社が持つ経験とノウハウを活用しながらも、ベンチャーならではのスピード感とダイナミズムを事業に大きく生かせていると感じます。

── そしてやはり気になるのは、「なぜソニーがタクシーアプリを!?」というところですが、S.RIDEが生まれた背景についても教えてください。

当社の設立は2018年になります。当時、配車アプリが海外で急成長していました。こうした波が日本にもやってくることは確実でしたし、さらにその先、完全自動運転によるロボットタクシーも将来的に実現するだろうという予感を持っていました。運転が自動化した未来、次世代の移動体験をどう作っていくのか。そこにはきっと、ソニーが持つAIやセンシング技術、決済システム、コンテンツIPが生かせるはずという確信がありました。
一方で、来るべきモビリティ産業の未来に向け、ビジネスとしての打ち手を模索していたのがタクシー業界です。次世代の移動体験に思いを馳せるソニーとタクシー業界、両者の思いが合致してS.RIDE株式会社が設立され、タクシーアプリのS.RIDEが生まれました。

入社時から持っていた、新規事業への思い。

──なるほど、会社設立時から「次世代の移動体験」という未来を見据えていたのですね。橋本さんは会社設立前からこの事業に携わっておられますが、それまではどのような仕事に従事されていたのでしょうか?

2003年に新卒でソニーに入社しまして、R&DセンターでDLNAの標準化やソフトウェア開発に携わっていました。

※DLNAとはDigital Living Network Allianceの略で、家庭内LANを使って、異なるメーカーのデジタル家電やパソコン、スマートフォンなどを相互に接続し、コンテンツを共有するための規格や技術のこと。

ソニーに入社する人の中には、新規事業に携わりたいと考える人もいると思いますが、私もそうした思いを持っていました。入社4年目に社内募集※で「新規事業立ち上げ」の求人を見つけて応募したところ異動が叶い、モバイル端末事業を米国で立ち上げる経験を得ることができました。

※ソニーの社内募集制度に関する詳細はこちら​のページをご覧ください

事業立ち上げのため現地に一人目として飛び込んで、事業に必要な要素を抽出して組織をつくり、それぞれの専門性を持った人材を集めて、オペレーションを組み立てて、パートナー企業と連携して……という、このときの一連の経験からは多くの学びを得ることができました。
事業立ち上げの経験から学びがあったと同時に、事業立ち上げから運営、成長における要諦をしっかりと学び直したいという思いがさらに強くなり、公募留学制度※を使ってMIT(マサチューセッツ工科大学)にMBA留学させてもらいました。

※ソニーの公募留学制度に関する詳細はこちら​のページをご覧ください

その後、日本に帰ってきてからはソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社に出向してアプリ事業やデータ系のビジネス、中長期戦略プロジェクトに従事していましたが、そのときの上司から声をかけられ、S.RIDEの立ち上げに関わるようになった、というのがこれまでの経緯です。

立ちはだかる壁も、成長の機会と考える。

── 新規事業に携わりたいという思いがあったとはいえ、これまでの経験領域とはまったくの畑違いとも言えるモビリティ産業における挑戦に、躊躇はなかったのでしょうか?

そうですね、ソニーとしても当時はまだモビリティ産業での大きなビジネスは経験していませんでしたが、それがむしろチャンスだと感じました。完全自動運転技術によってロボットタクシーが実現すれば、移動体験は大きく変わります。このレベルの大きな変化の波はそう訪れるものではありません。そして、大きな変化が起きたときに、既存ビジネスに縛られずに自由に動けるのは、まだ入り込めていなかったモビリティ産業だと感じたのです。

── ただそうは言っても、新規事業には失敗や挫折、苦労もつきものだと思います。事業を軌道に乗せるまで、どのような苦労があったのでしょうか?

苦労と申しますか、学びにつながる二つの大きな経験をさせてもらいました。
一つは、JVならではの重要な点でもある、複数の株主とのコミュニケーションです。ソニーとタクシー事業者がともに成長していくために、そして最終的にはお客様、そして社会に価値を提供できるにはどう事業運営していくべきか、株主をはじめとするステークホルダーと丁寧に対話することを日々心がけています。
もう一つは、事業開始から1年で起こった新型コロナウイルスの影響です。緊急事態宣言下では人の移動が無くなり、非常に厳しい状況でした。ただ、ここで焦らずにサービス改善・オペレーション強化のための取り組みに注力したことが、コロナ禍が明けた後のサービス拡大につながったと感じています。
新しい挑戦、新規事業には困難 もつきものですが、立ちはだかる壁を乗り越えるときには必ず学びがあります。そして得た学びによってまた新たな世界が見えてくる。苦労はありますが、日々刺激があって楽しいですよ。

チャレンジを支えて任せる、ソニーのカルチャー。

── S.RIDEがここまで多くの方に利用され、事業としても成長を遂げることができた背景には、あらためてどのようなポイントがあったでしょうか?

やはりソニーという環境に背中を押してもらった面が大きいかなと思います。ソニーには、チャレンジを推奨するカルチャーが根付いています。そして、そこにはチャレンジしたいという気概を持った人材が、ソニーの中からも外からも集まってくる。ソニーの面白いところは、チャレンジする人にはたくさんの支援をする一方で、一度事業を立ち上げた後は任せてもらえるということです。自立・自律を求められるという意味では厳しい面もあるのですが、「これは自分たちの事業なんだ」という良い意味での緊張感を持てるわけです。このチャレンジを「支える」と「任せる」のバランスが、ソニーの魅力であり、次々と新しい事業が生まれる秘訣なのだと感じています。

── では最後に、S.RIDEの今後の展望について教えてください。

私たちは「革新的なモビリティサービスで、心動かす移動体験を創る。」というPurposeを掲げていますが、この先で意識しているのは、ソニーが掲げるCreative Entertainment Visionへの貢献です。

※Creative Entertainment Visionについての詳細はこちら​のページをご覧ください。

S.RIDEとしてエンタメ連携には今後も積極的に取り組んでいきますので、ソニーが持つエンタメIPを活用し、新しい移動体験事例の創出によって我々のモビリティサービス領域からCreative Entertainment Visionの実現に貢献したいですね。

<編集部のDiscover>
実は3年ほど前にも、橋本さんにお話を伺ったことがありました。当時、S.RIDEについては「ユニークな事業」という印象を持っていましたが、今回はあらためて事業の背景や将来像についてお聞きして、この事業の大きな可能性を感じることができました。また橋本さんのこれまでのキャリアや、事業に対する思いについてもお聞きしたことで、ソニーにおける多様なキャリアの可能性についても再確認。街で見かけるS.RIDEタクシーの裏側には、たくさんの人の思いや、それらを後押しするソニーのカルチャーやテクノロジーが詰まっているのだと思うと、さらに愛着が湧いてきました。これからもS.RIDEアプリを使っていこうと思います。

※求人特集記事「求人クローズアップ」​として橋本さんにインタビューした記事


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