【ソニーのヒトってどんな人? Vol.11】 技術と人をつなぎ、「幸福の循環」を生み出したい。最先端メモリ開発と人材育成の二刀流で拓くキャリアの可能性

ソニーグループ(以下、ソニー)社員の「その人らしさ」に迫る連載企画。それぞれの個性をMy Work(仕事内容)、My Passion(仕事への想い)、My Sony(自分にとってのソニー)、My Future(将来の展望)の4側面からクローズアップしていきます。
今回は連載企画第11弾として、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)で次世代メモリデバイスの開発をリードする傍ら、若手育成や学生のキャリア相談にも並走するとともに今年6月からはキャリアプラス制度※を利用してソニーグループ株式会社(以下、SGC)グループ採用課での業務も兼務する米内さんにインタビュー。研究開発のエンジニアとしてのキャリアにとどまらず、採用や育成にも情熱を注ぐ原動力とこれからのキャリアについて伺います。
※キャリアプラス制度とは、本来の担当業務を続けながら、業務時間の⼀部を別の仕事に充てることができる新しいキャリア開発・成⻑⽀援制度のこと。
キャリアプラス制度に関する記事はこちらをご覧ください。
社内で兼業?!「キャリアプラス制度」で自ら広げるキャリアの可能性 | ソニーグループポータル
My Work <多様な専門性をつなぎ、次世代メモリの未来をつくる>
── まずは、米内さんが現在、主務で担当されている業務について教えてください。
SSSの研究開発センターで、強誘電体を使用した次世代メモリFeRAMの開発を行っています。メモリとはスマートフォンやパソコンなどに使われる記憶装置ですが、現在主流のものは「処理は速いけれど電源を切るとデータが消えてしまう」か「電源を切ってもデータは消えないけれど処理が遅い」のどちらかです。しかし、私たちが開発しているFeRAMは、「処理が速いうえに、電源を切ってもデータが消えない」という、いいとこ取りの画期的な技術です。これが実用化されれば、さまざまな用途のカメラや機器(エッジAI)の消費電力を大幅に下げることなどに繋がり、将来的に幅広い領域への応用が期待されています。
── その開発において、米内さんはデバイスリーダーを務められているとのことですが、どのような役割なのでしょうか?
半導体を作るには、回路の設計図を書く人、実際に工場で作る人、できたものを評価する人など、さまざまな部署(専門家)が関わってます。私が担っているデバイスエンジニアという役割は、そうした各部署の間に入り、要素技術を一つの製品として成り立たせるためのいわば「つなぎ役」です。家づくりで例えるなら、設計士さんや大工さんたちを取りまとめる「施工管理者」のようなイメージですね。さまざまな専門性を持つ各部署の人たちと関わりながらデバイス試作や特性評価を進めるため、コミュニケーションがとても重要になります。相手の業務内容を理解し、正しくこちらの意図を伝えてプロジェクトを前に進めるための調整力や周りを巻き込むリーディング力が求められるポジションです。

── 最近では、海外の国際会議で招待講演も行われたと伺いました。
はい、このFeRAMの開発において、SSSは他社に先駆けて世界初のメモリアレイ実証という成果を出しており、先駆者としての立ち位置を確立しています。そのため、今年の3月にはドイツで開催された国際学会で招待講演とパネルディスカッションに登壇する機会をいただきました。通常、学会発表は自分たちの成し遂げた成果を報告する場ですが、招待講演は「なぜその開発をしているのか」「そのデバイスが世の中をどう変えていくか」といった背景や将来性を語るチュートリアル的な要素が強くなります。こうしたチャレンジングな機会を若手にも任せてもらえるのは、非常にありがたい環境だと感じています。

My Passion <個人の成果以上に喜びを感じる「人の成長」>
── 最先端の研究開発の第一線で活躍される一方で、若手の育成や、延べ30名以上におよぶ学生のキャリア面談などの活動にも情熱を注いでいます。その原動力は何なのでしょうか?
大学の研究室や企業で開発を続けてきた中で、「技術的な成果やアウトプットは、周囲の環境や人間関係にも大きく依存する」ということに気がついたのが大きな理由です。挑戦を支えてくれる人がいて、安心して意見を言い合える環境があるからこそ、その人の能力は最大限に発揮されると考えています。私はチューターとして新入社員やインターン生の指導をしてきましたが、最初は一つひとつ確認しながら一緒に仕事を進めていた後輩たちが、今では自らアイデアを提言し、周囲を巻き込んで仕事を進める姿を見せてくれています。そうした「人の成長を支えること」には、自分自身が技術的な成果を出すこととはまた異なる、大きな喜びがあるように感じました。

── その「人をサポートする」ことへの適性は、昔からお持ちだったんでしょうか?
原体験として大きいのは、学生時代のアルバイトかもしれません。塾講師や家庭教師も経験しましたが、一番自分に向いていると感じたのは学習教室の先生でした。幼稚園児から高校生まで幅広い年代の生徒が来るのですが、私は相手の学年によって特別対応を変えることなく、同じ目線でありのまま接していました。それが生徒たちから好意的に受け止められ、私の周りに生徒の輪ができることもありました。学生面談も同じで、特別なアドバイスを伝えるわけではなく、相手が大切にしている価値観や不安を理解し、同じ目線で納得感のある選択肢を一緒に考える。そのようにして、一歩踏み出すきっかけを時間をかけて作ることは全く苦ではなく、むしろ私自身のやりがいにつながっていたのでしょうね。

My Sony <「できること」を起点に飛び込んだ、挑戦を応援するカルチャー>
── 就職活動の際、ソニー(SSS)への入社を決めた理由を教えてください。
私の就活の軸は、「興味あることよりも、自分ができることを生かす」というものでした。学生時代からFeRAMとは異なる新規メモリの研究をしており、メカニズムを考えて仮説検証を繰り返す経験を積んでいたので、その専門性を一番発揮できるジョブマッチングを狙いました。ただ、根底には「これからAIの時代が来たとき、脳の記憶を担うメモリがものすごく重要になる」という将来性への強い期待もありました。その中でソニーを選んだのは、次世代メモリの開発を行っていたことに加え、半導体だけでなくゲームや音楽など多様な事業を展開する「コングロマリット企業」としての将来性や安定感に惹かれたからです。
── 実際に入社してみて、ソニーの職場環境やカルチャーについてどう感じていますか?
入社前に2週間のサマーインターンシップに参加したのですが、その時から「半導体デバイス開発の上流から携われる環境」に魅力を感じていました。実際に入社して感じるのは、ソニーは「チャレンジに蓋をしない会社」だということです。技術に対して熱い思いを持っている社員が多く、年齢に関係なくチャレンジの気持ちを大切にしてくれます。また、他社から転職してくる方々が口を揃えて「意欲的でチャレンジングな姿勢に惹かれて来た」と言うほど、社員の方々のモチベーションが高いのも特徴です。私の中にも、そうした「挑戦を応援し、人が育つ環境」を自ら作り上げていく側に回りたいという気持ちが芽生えていきました。

My Future <技術と人をつなぐことで、幸福の循環を生み出す>
── 今年度、キャリアプラス制度を利用してSGCグループ採用課にジョインされました。その背景や、現在の業務について教えてください。
入社から今まで、研究開発のエンジニアとして非常に充実した日々を送ってきましたが、「技術を深める以外にも、自分の強みや個性を生かせる場所があるのではないか」という思いがありました。そこで、以前から興味のあった人事や人材育成の領域に飛び込み、自分の適性をより生かしてみたいと考えたのが、キャリアプラスに応募した理由です。
現在は主に「Discover Sony」の企画・運営に携わっています。特に、私がこれまでにエンジニアとして培った経験や知見を生かし、専門的内容が多くなかなかイメージしにくい半導体関連の仕事内容を噛み砕いて伝えることで、ソニーに興味を持つ学生や経験者の不安や疑問を解消したり、背中を押せるような記事を作っていきたいと考えています。
── 今後ソニーで取り組んでみたいことや、将来のキャリア展望について教えてください。
最近、研修を通じて自分が理想とする組織のあり方を言語化する機会がありました。それは、「社員一人ひとりが自分らしく能力を発揮し、そこから生まれた技術やサービスが社会を豊かにする。そして、その社会からの反応がまた社員の誇りや幸せにつながる」という「幸福の循環」です。若手育成や採用活動は、まさにその循環の源になると思っています。今後はまず、メンバーそれぞれの強みや考えを理解し、チームとして成果を生み出せるリーダーとして成熟していきたいです。そして、ゆくゆくはメンバーが存分に力を発揮できる組織やプロジェクトを動かすマネージャーの道を歩めればと考えています。もちろん、キャリアプラスで得た採用や人材育成の視点も、現在のチームに還元するとともに、将来のキャリアの可能性につなげたいと思っています。 どんな道を進むにせよ、「技術と人をつなぐ」という私の軸は変わりません。一人ひとりが納得感を持って活躍し、その力が組織や社会に広がるような環境作りに貢献したいと考えています。

<編集部のDiscover>
主務の業務ではさまざまな専門性を繋ぐ「つなぎ役」としてご活躍されている米内さん。お話を伺っていて、米内さんが持つ「対話力」と「相手を理解しようとする姿勢」が、技術開発と人材育成の両面で大きな成果を生み出しているのだとあらためて実感しました。キャリアプラス制度を利用して、ご自身の強みを生かせる新たなフィールドを自律的に模索する姿は、まさにソニーらしい「挑戦」の形だと感じます。今後、米内さんと一緒に「Discover Sony」でどのような魅力的な記事を生み出せるのか、今からとても楽しみです!














